JPH04229335A - コミット手順の最適化方法 - Google Patents

コミット手順の最適化方法

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JPH04229335A
JPH04229335A JP3116697A JP11669791A JPH04229335A JP H04229335 A JPH04229335 A JP H04229335A JP 3116697 A JP3116697 A JP 3116697A JP 11669791 A JP11669791 A JP 11669791A JP H04229335 A JPH04229335 A JP H04229335A
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JP3116697A
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Andrew Coleman
アンドリュー・コールマン
John A Henry
ジョン・アンソニー・ヘンリー
Edmond A Pruul
エドモンド・オーガスト・ドルール
Richard L Stone
リチャード・ローレンス・ストーン
Mary E Vendryes
メアリー・エレン・ヴェンドリーズ
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    • G06F9/00Arrangements for program control, e.g. control units
    • G06F9/06Arrangements for program control, e.g. control units using stored programs, i.e. using an internal store of processing equipment to receive or retain programs
    • G06F9/46Multiprogramming arrangements
    • G06F9/466Transaction processing
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S707/00Data processing: database and file management or data structures
    • Y10S707/99931Database or file accessing
    • Y10S707/99938Concurrency, e.g. lock management in shared database

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  • Software Systems (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、全般的にはコンピュー
タ・オペレーティング・システムに関するものであり、
具体的には、必要な時に限って2段階コミット手順を利
用することによってコミット処理を最適化する、コンピ
ュータ・オペレーティング・システムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】本発明のオペレーティング・システムは
、コンピュータ・システムのネットワーク内で使用でき
る。こうした各コンピュータ・システムは、1台の中央
ホスト・コンピュータと、複数の仮想計算機またはその
他の形式の実行環境を含むことができる。仮想計算機用
のホスト・コンピュータには、システム制御プログラム
が含まれ、このシステム制御プログラムは、ホストのデ
ータ・プロセッサに対する各仮想計算機のアクセスをス
ケジューリングし、大容量メモリを含むホストの資源の
管理を助けて、各仮想計算機が別々のコンピュータであ
るように見えるようにする。各仮想計算機はまた、ホス
トを介してメッセージまたはファイルを送るために、他
の仮想計算機と会話することができる。各VM(米国ニ
ューヨーク州アーモンクのIBMコーポレーションの登
録商標)仮想計算機は、その仮想計算機のユーザと会話
する(すなわち、ユーザから命令を受け取り、ユーザに
プロンプトを提示する)ための、それ自体のシステム制
御プログラムのCMS部分を有している(“CMS”は
、IBMコーポレーションの登録商標)。共用ファイル
・システム(SFS)や共用(SQL)関係データベー
スなど、任意のユーザ仮想計算機およびホストからアク
セス可能な資源が存在してもよい。
【0003】このようなシステムは、それぞれが1台の
実計算機であると見なされる。2台以上のこのような実
計算機をネットワーク内で相互接続し、異なる実計算機
の仮想計算機の間での会話を介してデータを転送するこ
とが一般に行われている。このような転送は、AVSゲ
ートウェイやVTAMファシリティ(“AVSゲートウ
ェイ”および“VTAM”は、IBMコーポレーション
の登録商標)などの通信ファシリティを介して行われる
【0004】アプリケーションが、データベースまたは
ファイルを変更するには、まずそれらの変更を定義する
作業要求を行う。これに応答して、元のデータベースま
たはファイルは変更しないままで、その作業要求に基づ
く仮の変更がシャドウ・ファイル内で行われる。この時
、シャドウ・ファイルは有効でない。ここで、アプリケ
ーションは、シャドウ・ファイルの変更を有効にし、そ
れによってシャドウ・ファイルの変更で元のファイルを
置換するために、その変更をコミットするよう要求する
ことができる。1段階のコミット手順が使用できる。 この1段階コミット手順は、シャドウ・ファイルに含ま
れる資源の変更を1個のコマンドでコミットするもので
ある。SFS資源やSQL資源などの資源が変更される
時、その資源に対するコミットは、別々の1段階コミッ
ト手順で完了できる。大多数の場合、すべての資源が別
々の手順でエラーや中断なしにコミットされる。しかし
ながら、いずれかの1段階コミット手順の最中に問題が
発生した場合、完了したコミットもあれば完了しないコ
ミットもあり、整合性が失われる。問題が生じた後にク
リティカルでない資源を再構築するコストは、1段階コ
ミット手順の効率を考慮すれば、許容できるものである
【0005】しかし、クリティカルな資源およびクリテ
ィカルな会話を保護するには、2段階のコミット手順が
必要である。たとえば、第1の人物の当座預金口座が第
1のデータベース内で表され、第2の人物の普通預金口
座が第2のデータベース内で表されていると仮定する。 第1の人物が第2の人物に対して小切手を振り出し、第
2の人物がその小切手を自分の普通預金口座に預金する
場合、2段階コミット手順を用いれば、第1の人物の当
座預金口座が借方記入されるなら第2の人物の普通預金
口座が貸方記入され、そうでないならばどちらの口座も
変更しないことが保証される。これらの当座預金口座と
普通預金口座は、保護されたクリティカルな資源と見な
される。というのは、これらの当座預金口座と普通預金
口座にかかわるデータの転送が、信頼のおける取扱いを
受けることが非常に重要であるからである。アプリケー
ション・プログラムは、1個のコマンドで2段階コミッ
ト手順を開始できる。この手順は、以下のステップまた
は段階からなる。 (1)準備段階の間、各関係者(借方と貸方)の資源が
、その資源がすべての変更をコミットする用意ができて
いるかどうか判定するために、同期点マネジャによって
ポーリングされる。各資源は、すべての資源がこの準備
段階を首尾よく完了する、すなわち更新される用意がで
きている場合に、資源更新を完了すると約束する。 (2)コミット段階の間、同期点マネジャは、すべての
資源に更新を最終的なものにするよう指示し、いずれか
の資源が準備段階を首尾よく完了できなかった場合には
、それらを撤回する。
【0006】IBMシステム・ネットワーク・アーキテ
クチャSNA  LU6.2アーキテクチャ(解説書S
C31−6808、第5.3章、“Presentat
ion Services −Sync Point 
Verbs”、IBMコーポレーション刊)は、2つ以
上の保護された資源間でコミットを調整することが以前
から知られていた。このアーキテクチャは、すでに、単
一のアプリケーション環境内で実行される同期点処理と
それに関連する回復処理の両方を実行する、同期点マネ
ジャからなる同期点ファシリティに対処していた。複数
のアプリケーションがこの環境内で同時に実行できた。 LU6.2アーキテクチャは、資源の調整、同期点のロ
ギングおよび回復の責任を負う同期点マネジャ(SPM
)をサポートする。従来技術のCICS/VS(IBM
コーポレーションの登録商標)環境は、このようなアー
キテクチャをサポートする。
【0007】従来技術のIBM  SNA  LU6.
2によれば、段階1および段階2で、コミット手順が実
行され、同期点マネジャがその段階を同期点ログに記録
する。また、同期点マネジャは、現在処理中の論理ユニ
ットまたは作業の識別番号を記録する。このようなロギ
ングは、2段階コミット手順中に問題が生じた場合に、
同期点マネジャによる資源回復または再同期を助ける。 2段階コミット手順に入った後にこのような問題が発生
する場合、ログを読み取り、資源回復処理を行って、コ
ミットにかかわる資源を整合性のある状態にする。この
問題には、通信経路の障害や資源マネジャの障害が含ま
れる。
【0008】前述のLU6.2同期点アーキテクチャは
、1つのアプリケーション実行環境として定義される。 あらゆるLU6.2同期点環境は、その環境用のアプリ
ケーションを実行する。データは、通常はその環境に所
有され、その環境から特に抜き出されない限り、その環
境の外部では共用されない。LU6.2同期点アーキテ
クチャは、単一の環境内での資源の調整、回復および同
期点マネジャのロギングのための同期点マネジャ(SP
M)モデルを定義する。異なる環境には、たとえ物理的
に同一のプロセッサ上にあっても、別々の同期点動作お
よび回復動作と別々のログを含む、別々の同期点マネジ
ャが必要となる。同様に、もう1つの従来技術のシステ
ム制御プログラムである、IBMコーポレーションから
販売されているCICS/VS制御プログラムでは、す
べてのプロセスとほとんどの資源は、システムではなく
環境が所有する。
【0009】もう1つの従来技術のシステム制御プログ
ラムである、IBMコーポレーションから販売されてい
る、多重(仮想計算機)実行環境をサポートするための
VM/SPリリース5制御プログラムでは、2つのアプ
リケーション・プログラムが同一の(仮想計算機)実行
環境内で実行できた。しかし、被呼側アプリケーション
・プログラムがファイル更新をコミットした場合、たと
え呼出側アプリケーション・プログラムがまだ整合性の
ある状態になっていない場合であっても、呼出側アプリ
ケーション・プログラムのファイル更新がコミットされ
てしまう。この従来技術のシステム制御プログラムには
、呼出側アプリケーション・プログラムの作業を、被呼
側アプリケーション・プログラムの作業から分離する機
能はなかった。さらに、コミットは、ファイルに対する
コミットと、それとは別の手順を介したデータベースに
対するコミットだけに限定されていた。
【0010】その後の従来技術のシステム制御プログラ
ムである、やはりIBMコーポレーションから販売され
ている仮想計算機環境用のVM/SPリリース6制御プ
ログラムでは、同一の仮想計算機(実行環境)上で実行
される2つのアプリケーション・プログラムが、それら
のファイル用の異なる作業ユニットを定義できた。その
結果、一方のアプリケーションがアクセスするファイル
が、他方のアプリケーションがアクセスするファイルと
は独立にコミットでき、一方のアプリケーションの作業
が、他方のアプリケーションの作業とは独立に行えた。 また、このその後の従来技術のシステム制御プログラム
では、あるアプリケーション(たとえば、サーバ)が、
同時に複数の作業ユニットを有することができた。それ
にもかかわらず、このその後の従来技術のシステム制御
プログラムは、複数の資源が同じ作業ユニットを有する
ことができるにもかかわらず、資源の更新を独立にコミ
ットしなければならなかったという点で、制限されてい
た。さらに、各作業ユニットは、1つの実行環境(仮想
計算機)に制限されていた。
【0011】CICS/VSは、1つまたは複数の保護
された資源の間でコミットを調整する時には、必ず、最
終代理最適化の事前処置と共に、2段階コミット手順を
使用する。最終代理最適化は、資源のコミットの最適化
であり、LU6.2同期点タワー・アーキテクチャの一
部である。最終代理最適化は、資源をコミットする時、
通信ネットワークのメッセージ通信量が減少するように
最適化される。LU6.2同期点アーキテクチャでは、
ある同期点マネジャが開始側として既知であり、このマ
ネジャは、その同期点をコミットするかバックアウトす
るかの決定を行う権限を有する。この決定は、2段階コ
ミット手順の第1段階の間にその同期点の全参加者から
受け取った応答に基づいて行われる。決定を行った後、
2段階コミット手順の第2段階の間に、この決定を全参
加者に通信する。最終代理最適化を実行する時、同期点
マネジャは、第1段階にある参加者を除く全ての同期点
参加者からの応答を送信請求する。第1段階に関わって
いない参加者の1つを、最終代理と称する。第1段階の
間にそれ以外の全ての参加者が応答した後、開始側は、
最終代理と通信して、コミットの決定を最終代理に委ね
る。そこで、最終代理は、それが通信する参加者から受
け取った応答に基づいて、この同期点をコミットするか
バックアウトするかの決定を行う。最終代理を選択する
と、開始側から最終代理へメッセージが1つだけ送られ
た後に、最終代理側の作業がコミットまたはバックアウ
トされるので、開始側と最終代理の間のメッセージ通信
量が少なくなる。最終代理以外の全ての作業をコミット
するには、開始側から2つのメッセージを送る必要があ
る。
【0012】IBM Technical Discl
osure Bulletin、1983年12月、p
p.3379〜3383には、2段階コミット・プロト
コルの拡張である推定打切り処理が、開示されている。 この推定打切り処理は、読み取り専用のトランザクショ
ンに対して最適化され、その結果、通信ネットワークの
メッセージ通信量とログ書き込みが少なくなる。分散デ
ータベース・システムでは、トランザクションの活動が
、複数のサイトで発生し得る。 各サイトにはログがあり、コミット・プロトコル実行中
のトランザクション状況の状態変化と実行中のデータベ
ースに対する変更とを回復可能に記録するのに使用され
る。従属側が、段階1の間に読み取り動作のprepa
re(準備)メッセージを受け取り、更新の必要がない
ことを知った場合、従属側は、リボート(re−vot
e)を送り、ロックを解除し、このトランザクションを
忘却する。従属側は、ログ・レコードを書き込まない。 それに関する限り、このトランザクションが最終的に打
ち切られるかそれともコミットされるかは問題ではない
。すでに読み取り専用であることがコーディネータに判
っているこの従属側には、第2段階でコーディネータが
メッセージを送る場合でも、メッセージは送られない。 コーディネータがリボートだけを受け取り、これがやは
り読み取り専用である場合には、第2段階はない。この
場合、コーディネータは、従属側と同様に、このトラン
ザクションに関するログ・レコードを書き込まない。ま
た、コーディネータまたは1つの従属側が、yes(デ
ータが更新され、コミットの用意ができていることを示
す)とボートし、それ以外にno(データが更新され、
コミットの用意ができていないことを示す)とボートす
るものがない場合には、コーディネータは、他の2段階
コミット手順と同様に進む。コーディネータは、yes
とボートした従属側がある場合にその識別子だけをコミ
ット・レコードに含めるだけで十分である。これらの処
理だけが準備完了(prepared)状態にあり、こ
れらの処理にだけコミット・メッセージが送られる。
【0013】この処理はメッセージ通信量とログ書き込
みを減らすが、依然として作業要求ごとにprepar
eメッセージを各資源マネジャに送って、必要なコミッ
ト手順のタイプを決定しなければならず、このprep
areメッセージの伝送と処理は、非効率的である。
【0014】推定打切り処理では、開始側は、第1段階
の開始前にログ・レコードを書き込まない。このトラン
ザクションが完全に読み取り専用である場合、ログ・レ
コードは書き込まれず、第2段階は不要である。このト
ランザクションが部分的に読み取り専用である場合は、
第2段階の開始前に、開始側が、読み取り専用でない従
属側のみに関する情報を含むコミット・レコードを書き
込む。その後、コミット手順の第2段階で、これらの従
属側がコミットまたはバックアウトされる。第2段階の
完了後、このトランザクションは忘却される。読み取り
専用の従属側は、ログ・レコードを書き込まないが、こ
れらの従属側はそれぞれ、1つのメッセージ、read
 vote(ボート読み取り)を送る。部分的に読み取
り専用のコミットされたトランザクションの場合、コー
ディネータは、更新の従属側には2つのメッセージ、p
repareとcommitを、読み取り専用の従属側
には1つのメッセージ、prepareを送る。この第
2の技法でもメッセージ通信量が減少するが、依然とし
て、読み取り専用資源のマネジャが、実際のコミット要
求の前にコミット活動に参加する必要がある。モハン(
Mohan)他の論文“Transaction Ma
nagement in theR* Distrib
uted Database Management 
System”, ACM Transactions
 on Database Systems, Vol
. II, No. 4, 1986年12月, pp
.378〜396をも参照されたい。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の全般的な目的
は、資源に対する1段階と2段階のコミット手順の使用
を最適化し、この最適化とコミット手順を実施する際の
オーバヘッドを最小にする、コンピュータ・オペレーテ
ィング・システムを提供することである。
【0016】本発明のより具体的な目的は、読み取り専
用モードの資源のマネジャのコミット段階以前の参加を
最小にする、前述のタイプのコンピュータ・オペレーテ
ィング・システムを提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、資源に対する
1段階と2段階のコミット手順を選択して、コミット処
理全体を最適化する、方法およびコンピュータ・オペレ
ーティング・システムに関する。この最適化は、可能な
時はより効率的な1段階コミット手順を使用し、より非
効率的な2段階コミット手順は、クリティカルな資源を
保護するのに2段階コミット手順が必要な状況に備えて
取っておく。資源が、保護された会話または2つ以上の
更新モードの資源を含む場合には、これらの資源に対し
て2段階コミット手順を使用する。読み取り専用資源、
または1段階コミットをサポートする単一の更新モード
の資源が、1段階コミット手順の対象となる。
【0018】処理全体をさらに最適化するために、複数
の資源をテーブルに登録する。このテーブルは、オペレ
ーティング・システム内に格納することができる。この
登録には、必要なコミット手順の種類を示す、資源また
は作業要求あるいはその両方に関する情報が含まれる。 したがって、オペレーティング・システムは、登録が行
われた後には、必要なコミット手順の種類を決定する前
に、資源マネジャに問い合わせて時間を浪費する必要が
ない。
【0019】
【実施例】図面で、複数の図を通じて同じ要素は同じ参
照番号で示す。図1には、従来技術によるLU6.2同
期点タワー・モデルまたはアーキテクチャが示されてい
る。このアーキテクチャは、1つの実行環境として定義
されている。この例では、3つのアプリケーション・プ
ログラム14、16および18が、実行環境12内で時
分割式に実行される。資源マネジャ26および27は、
DB/2またはCICSファイル制御装置(DB/2お
よびCICSはIBMコーポレーションの登録商標)で
あり、それぞれ資源22および24へのアクセスを制御
する。DB/2(CCIS/MVSオペレーティング・
システム)またはSQL/DS(CCIS/VSEオペ
レーティング・システム)資源マネジャが実行環境12
の外部にある場合、実行環境12は、従来技術によって
資源マネジャへインタフェースする資源アダプタを含む
ことになる。この従来技術のアーキテクチャでは、アプ
リケーション・プログラム14は、同期点マネジャ20
に対して資源22および24を呼び出す作業要求を行っ
た後で、その作業要求に含まれる資源のコミットを要求
する。
【0020】次に、アプリケーション・プログラム14
は、以前の作業要求のデータ更新をコミットするため、
同期点マネジャ20からのコミットを要求する。これに
応答して、同期点マネジャ20は、資源マネジャ26お
よび27をポーリングして、それらが資源をコミットす
る準備ができているか否かを判定し、準備ができている
場合は続いてそのコミットを指令することによって、2
段階のコミット手順を実施する。この2段階コミット手
順の各段階(および各段階の各ステップ)で、同期点マ
ネジャ20は、2段階コミット手順の状態を示す同期点
情報をログ30に転送する。この2段階コミット手順中
に障害が発生した場合、同期点マネジャは、資源を整合
性のある状態にするために、同期点回復手順を実施する
。同期点マネジャは、ログ30内の同期点情報を用いて
、中断以前に2段階コミット手順がどこまで進行したか
を決定する。
【0021】アプリケーション・プログラム14、16
または18のうちのいずれかが、保護会話マネジャ40
を介して保護された会話を使用して、同一システム内の
別の環境内にあるパートナ・アプリケーション(図示せ
ず)、または通信ファシリティを介して相互接続された
別のシステム内にあるパートナ・アプリケーション(図
示せず)の通信を試みるときにも、同期点マネジャ20
と2段階コミット手順が使用される。この従来技術の同
期点アーキテクチャによれば、この別のシステムまたは
別の環境は、実行環境12と機能的に同等であり、20
と機能的に同等な別の同期点マネジャ、30と機能的に
同等な別の同期点ログ、40と機能的に同等な別の保護
会話マネジャ、ならびに26および27と機能的に同等
な別の資源マネジャを含む。この別の環境は、実行環境
12のそれとは独立した、調整機能および回復機能を提
供する。
【0022】保護された資源の調整式同期点管理図2に
は、本発明による同期点アーキテクチャが示されている
。本発明は、UNIX環境、OS/2環境、OS/2オ
ペレーティング・システム内のDOS環境、VMオペレ
ーティング・システム内のCMS環境、VMオペレーテ
ィング・システム内のAIX環境、VMオペレーティン
グ・システム内のCICS環境、VMオペレーティング
・システム内のMUSIC環境など、それ自体の実行環
境内で実行される分散式および非分散式のアプリケーシ
ョンをサポートする、分散コンピュータ・オペレーティ
ング・システムを含む。分散アプリケーションは、別の
実行環境内の資源を使用するか、あるいは別の実行環境
内のパートナ・アプリケーションとの通信会話(特別な
タイプの資源)を有することを特徴とする。資源マネジ
ャまたはパートナ・アプリケーションの実行環境は、同
一のシステム内にあっても、異なるシステム内にあって
もよく、同一形式の環境であっても、異なる環境であっ
てもよい。分散アプリケーション実行環境は、アプリケ
ーションをそれ自体の環境内でサポートする1つまたは
複数のシステムを含む。前記の環境が必要な資源をすべ
て含む必要はない。これらの資源は、他所に分散されて
おり、通信ファシリティを使って獲得される。 分散アプリケーションの完全な環境は、すべての機能を
備えるように見える。というのは、分散アプリケーショ
ンは、他の環境にある資源、特に回復ファシリティと通
信ファシリティを必要とするからである。
【0023】本発明は、1つまたは複数のシステム(実
計算機または中央電子処理装置群(CEC))50Aお
よび50Dを含む。この実施例では、システム50Aは
、複数の同等な分散アプリケーション環境52A、52
B、52C、システム制御プログラム55Aの一部であ
る会話マネジャ53Aと実行環境制御プログラム61A
、61B、61C、および回復ファシリティ70Aを含
む。限定ではなく例として示すと、分散アプリケーショ
ン環境52A、52B、52Cはそれぞれ、拡張バージ
ョンのVM仮想計算機であってよく、回復ファシリティ
70Aは、別の拡張バージョンのVM仮想計算機に常駐
でき、システム制御プログラム55Aは、仮想計算機で
ある分散アプリケーション環境52A、52B、52C
用の拡張バージョンのVMオペレーティング・システム
であってよい。実計算機であるシステム50A内の分散
アプリケーション環境52Aないし52C内で実行され
るアプリケーションは、実計算機であるシステム50D
内または他のシステム(図示せず)内で実行される同様
の分散アプリケーション環境内で実行されるパートナ・
アプリケーションと、通信ファシリティ57Aおよび5
7Dを介して通信できる。たとえば、通信ファシリティ
57Aは、仮想記憶通信アクセス方式(“VTAM”)
ファシリティと、APPC/VM  VTAMサポート
(AVS)ゲートウェイ・ファシリティを含む。各分散
アプリケーション環境52は、単一の同期点マネジャ(
SPM)60Aと、複数の保護資源アダプタ62A、6
2Bおよび64Aを含む。同期点マネジャを用いると、
変更がアトミックにみえる形で、関連する1群の更新を
コミットまたはバックアウト(取消し)できるようにな
る。同期点間で実行される更新(すなわち、コミットま
たはバックアウト)は、作業論理ユニットと称し、関連
する更新は、回復ファシリティを介して同期点マネジャ
によって割り当てられた、作業論理ユニット識別子と称
する一義的な名前で識別される。作業論理ユニットは、
同一の分散アプリケーション環境内のアプリケーション
からアクセスされる複数の保護された資源を含むことが
でき、また他のアプリケーション環境内のパートナ・ア
プリケーションから保護された資源の1タイプである会
話を介してアクセスされる保護された資源を含むことも
できる。
【0024】会話とは、2つのパートナ・アプリケーシ
ョンの間で体系的に確立された経路である。各アプリケ
ーションによる会話の使用は、そのアプリケーションの
設計と、使用される会話のパラダイムによって決定され
る。会話が同期点処理に含まれる場合、これを保護され
た会話と称する。保護された資源は、下記「コミット手
順のための資源の登録」で説明する登録と称する処理を
介して同期点マネジャとコンタクトすることによって、
作業論理ユニットの一部になる。各保護資源アダプタは
、アプリケーションならびに同期点マネジャに資源マネ
ジャへのインタフェースを提供する。(資源マネジャが
アプリケーションと同一の実行環境内に常駐する場合に
は、その代わりに、保護資源アダプタを資源マネジャと
組み合わせることができる。)
【0025】この実施例では、保護された資源は、ファ
イルと会話である。本発明の他の実施例では、保護され
た資源は、データベース・テーブル、待ち行列、遠隔手
順コールその他であってよい。保護資源アダプタ62A
および62Bは、それぞれ、アプリケーション56Aの
ために、ファイル78Aおよび78Bを管理する資源マ
ネジャ63Aおよび63Bへのインタフェースを取り扱
う。資源マネジャ63Aおよび63Bは、同一のシステ
ム内にある。また、これらが通信ネットワーク内の異な
るシステム内に常駐することもできる。この実施例で、
会話は会話マネジャによって管理される。会話マネジャ
は、あるアプリケーションから、同一システム内の異な
る分散アプリケーション環境内、または通信ネットワー
ク内の異なるシステム内の異なる分散アプリケーション
環境内で実行される他のパートナ・アプリケーションへ
の会話または経路を管理する。保護された会話が、同一
システム内の異なるアプリケーション環境内で実行され
る2つのアプリケーション・パートナの間、たとえばア
プリケーション環境52Aおよび52Bで実行されるア
プリケーションの間で行われる場合、会話マネジャは、
システム50Aのシステム制御プログラム55Aに含ま
れ、各保護会話アダプタ64Aおよび64B(図示せず
)を介してアプリケーション・パートナの間で通信が行
われる。保護された会話が、異なるシステム内の異なる
アプリケーション環境の間、たとえばアプリケーション
環境52Aおよび52Dで実行される2つのアプリケー
ション・パートナの間で行われる場合、通信ファシリテ
ィ57Aおよび57Dを介してシステム50A内の会話
マネジャ53Aとシステム50D内の会話マネジャ53
Dの間で通信が行われる。この実施例では、このような
通信は、対等通信フォーマットを使用する。会話マネジ
ャ53Aおよび53Dは、通信ファシリティ57Aおよ
び57Dと通信するのに、環境内フォーマットを使用す
る。通信ファシリティ57Aおよび57Dは、環境内フ
ォーマットから体系的システム間通信標準フォーマット
に、またその逆に変換する。たとえば、この体系的シス
テム間通信標準フォーマットは、IBMのシステム・ネ
ットワーク体系、LU6.2プロトコルによって定義さ
れるタイプのものでよい。
【0026】回復ファシリティ70Aは、実計算機であ
るシステム50A内の分散アプリケーション環境52A
、52B、52Cのすべてにサービスする。回復ファシ
リティ70Aはログ72Aを含み、その処理は、同期点
マネジャ60A、60B、60Cに対するロギングを取
り扱い、すべての分散アプリケーション環境52A、5
2B、52Cのために、障害が発生した同期点の回復を
行う。システム50D上の回復ファシリティ70Dとそ
のログ72Dおよび同期点マネジャ60Dについても同
様である。
【0027】分散アプリケーション環境52A内のアプ
リケーション56Aが、ファイル78Aおよび78Bを
更新したい場合、アプリケーション56Aは、アプリケ
ーション56A内のファイル・アプリケーション・プロ
グラム・インタフェースを介して、別々の2つの更新要
求を行う。これらの要求は、それぞれファイル78Aお
よび78Bのための保護資源アダプタ(以下、このタイ
プの資源に関しては保護ファイル・アダプタPFAと呼
ぶ)62Aおよび62Bを呼び出す(図3のステップ5
00)。資源マネジャ特有の実施様態に基づいて、保護
ファイル・アダプタは、このファイルが保護されている
ことを知る。まだこの作業ユニットに関して同期点マネ
ジャに登録されていない場合、保護ファイル・アダプタ
62Aおよび62Bは、この作業ユニットに関するすべ
てのコミット要求およびバックアウト要求に関わりたい
と、同期点マネジャ60Aに登録する(ステップ502
)。「作業ユニット」とは、ある同期点に参加する、そ
のアプリケーションから直接アクセス可能であり可視で
ある、すべての資源をグループにまとめたものであり、
通常、作業論理ユニット識別子と関連づけられている。 作業ユニットに関するさらに詳しい説明は、下記の「作
業ユニットに合わせて調整されたローカルおよびグロー
バルなコミット範囲」を参照されたい。次に、保護ファ
イル・アダプタ62Aおよび62Bは、それぞれ当該の
資源マネジャ63Aおよび63Bにコンタクトして、そ
れぞれファイル78Aおよび78Bを更新し(ステップ
504)、アプリケーション56Aに戻る。次に、アプ
リケーション56Aは、同期点マネジャ60Aに、同期
点58Aを要求する、すなわち、この場合はコミットを
要求する(ステップ506)。これに応答して、同期点
マネジャ60Aは、保護ファイル・アダプタ62Aおよ
び62Bとそのそれぞれの資源マネジャ63Aおよび6
3Bによって表されるその登録された資源である、ファ
イル78Aおよび78Bのために実行すべき、2段階コ
ミット手順を開始する。ステップ508で、同期点マネ
ジャ60Aは、段階1の「準備」コールで、登録された
その各資源を、登録中に各資源アダプタから同期点マネ
ジャに与えられたアダプタ同期点出口入口点で呼び出す
【0028】その2段階コミット手順を実行する間に、
同期点マネジャ60Aは、回復ファシリティ70Aに要
求を発行して、段階1の同期点マネジャ情報をログ72
Aに強制ロギング(「強制ロギング」とは、同期点マネ
ジャ60Aに戻る前に、確実に情報が実際の物理装置に
書き込まれるようにすることを意味する)させる(ステ
ップ508)。この情報には、作業論理ユニット識別子
、同期点マネジャの状態および、このコミット要求に参
加する登録された各保護資源アダプタに関する名前その
他の関連情報が含まれる。この情報は、保護ファイル・
アダプタ62Aおよび62Bが登録された時に、同期点
マネジャ60Aに与えられたものである。同期点マネジ
ャ60Aの状態は、準拠する2段階コミット・パラダイ
ムの規則によって決定される。たとえば、この2段階コ
ミット・パラダイムは、IBMコーポレーションの刊行
物“System Network Architec
ture LU 6.2 Reference: Pe
erProtocols, SC31−6808, C
hapter 5.3 Presentation S
ervices − Sync Point verb
s”に記載されているタイプのものである。この同期点
処理の間に障害が発生した場合、同期点マネジャの状態
を使用して、作業論理ユニットの結果(コミットまたは
バックアウト)を決定する。この実施例で使用する2段
階コミット・パラダイムの規則によれば、同期点マネジ
ャの段階1の状態は、「開始側(Initiator)
」、「同期点マネジャ保留中(Syncpoint  
Manager  Pending)」である。2段階
コミット手順の第1段階が中断されずに完了した場合(
判断ブロック512)、同期点マネジャ60Aは、回復
ファシリティ70Aに第2の要求を発行して、ログ72
Aにその段階2の状態を強制ロギングさせる。保護ファ
イル・アダプタと資源マネジャからの回答と、使用して
いる2段階コミット・パラダイムの規則とに基づいて、
同期点マネジャ60Aは、その第2段階の決定を知る。 この実施例では、このパラダイムは以下のようなもので
ある。1つまたは複数の保護資源アダプタが、段階1の
要求に対して「バックアウト」と回答した場合、段階2
の決定は「バックアウト」である。すべてが「要求コミ
ット」と回答した場合、決定は「コミット」である。図
3に示した例では、保護ファイル・アダプタ62Aおよ
び62Bは、「要求コミット」と回答し(ステップ51
0)、段階2の状態は、同期点マネジャ60Aによって
、「開始側コミット済み(Initiator  Co
mmitted)」としてロギングされる。この例では
、ファイル・マネジャ63Aおよび63Bは、段階1の
要求に対してそれぞれの保護ファイル・アダプタ62A
および62Bを介して「要求コミット」と回答した後、
「不確定(indoubt)」の状態になる、すなわち
、それらのファイル・マネジャは、同期点マネジャ60
Aからの段階2の決定に基づいて、ファイル更新をコミ
ットまたはバックアウトできることに留意されたい。
【0029】ロギングの後、同期点マネジャ60Aは、
保護ファイル・アダプタ62Aおよび62Bに対して、
コミットの決定と共に段階2のコールを発行する(ステ
ップ513)。ファイル・マネジャ63Aおよび63B
は段階2のコミットの決定を受け取った時、それぞれ先
に進んで、データをコミットするのに、すなわち更新を
恒久的にするのに必要なことを何でも行う(ステップ5
16)。成功の回答が、当該のファイル・マネジャに代
わって保護ファイル・アダプタ62Aおよび62Bから
送られ、同期点処理に中断がなかった場合(判断ブロッ
ク514)、同期点マネジャ60Aは、回復ファシリテ
ィ70Aを呼び出して、この作業論理ユニットに関して
ログ72Aに「忘却(forget)」の状態を書き込
む(ステップ515)。これは強制ログ書込みである必
要はない。すなわち、ログ・レコードをデータ・バッフ
ァに書込んだ後、同期点マネジャ60Aに戻ることがで
きる。このバッファは、後の時点で物理媒体に書き込む
ことができる。この実施例で使用する2段階コミット・
パラダイムに基づいて、同期点マネジャ60Aは、作業
論理ユニット識別子を更新し(1つだけ増分する)、こ
れによって、アプリケーション56Aの行う次の作業論
理ユニットが一義的であることを保証する。次に同期点
マネジャは、アプリケーション56Aに戻る(ステップ
515A)。
【0030】この2段階コミット・パラダイムは、回復
処理用の規則をもち、したがって、回復ファシリティ7
0Aは、中断された同期点を完了する方法(ステップ5
17および図4)を知っている。同期点マネジャ60A
の処理が中断された場合、判断ブロック514からステ
ップ517に進み、同期点マネジャ60Aが回復ファシ
リティ70Aにコンタクトする。ステップ517で、回
復ファシリティ70Aは、同期点マネジャ60Aから、
作業論理ユニット識別子と、障害を発生した1つまたは
複数の関連する資源に関する情報を受け取る。次に回復
ファシリティ70Aは、正しいログ・エントリを見つけ
る(図4のステップ518)。このログ情報を使用され
る2段階コミット・パラダイムと組み合わせて用いると
、回復ファシリティ70Aの手順で、中断された同期点
処理が完了できるようになる(ステップ519)。この
例で使用される2段階コミット・パラダイムに基づくと
、ログ72A上の作業論理ユニット識別子に対する同期
点状態エントリが「開始側、同期点マネジャ保留中」で
ある場合、障害を発生した資源マネジャ63Aまたは6
3Bはそれぞれ、バックアウトするよう命じられる。 そうでない場合は、各資源マネジャは、ログ上にある同
期点マネジャの段階2の状態、すなわちコミットまたは
バックアウトを命じられる(ステップ520)。回復状
態が決定された後、回復ファシリティ70Aは、下記「
保護された資源を回復するためのログ名の交換」および
「分散アプリケーション用の未完了の同期点のための回
復ファシリティ」に記載するように、障害を発生した各
保護資源マネジャで回復処理を開始する。この処理は、
ログ名の交換と状態の比較からなり、これによって回復
ファシリティ70Aの回復処理は、障害を発生した資源
マネジャ63Aまたは63Bに、行うべきこと、すなわ
ちコミットまたはバックアウトを命じ、資源マネジャ6
3Aまたは63Bは、それが行ったことを回復処理に伝
える。回復ファシリティ70Aの回復処理は、同期点マ
ネジャ60Aがその段階1のロギング活動中に書き込ん
だ情報に基づいて、障害を発生した資源にコンタクトす
る方法を知る。障害を発生した資源マネジャがコンタク
ト可能である場合は(判断ブロック521)、即座に回
復が行われる(ステップ522)。障害を発生した各資
源で回復が行われた後(判断ブロック523)、同期点
マネジャ60Aに戻ることができる(ステップ523A
)。その後、同期点マネジャ60Aは、アプリケーショ
ン56Aに戻る(ステップ515A)。障害を発生した
資源マネジャがコンタクト不能である場合は、判断ブロ
ック521から判断ブロック524へ進み、回復ファシ
リティ70Aは、アプリケーション56Aに戻る前に回
復処理を完了しなければならないか否かを検査する。こ
の判定は、段階1のロギング中に同期点マネジャが書き
込んだ、作業論理ユニットに対するログ・レコードに含
まれる情報に基づいて行われる。回復を完了させなけれ
ばならない場合、回復処理は、障害を発生した資源とコ
ンタクトしようと試み続ける(ステップ525)。回復
を後の時点で完了してよい場合、すなわち回復を待つこ
とが以前に選択されている場合、回復ファシリティ70
Aは、下記「コミット手順の非同期的再同期化」に記載
のように、同期点マネジャ60Aに戻って、回復処理(
すなわち、コミットまたはバックアウト)の意図と、回
復が後で完了されるとの指示とを戻す(ステップ526
)。すべての資源が回復された時(ステップ525A)
、同期点マネジャ60Aは、アプリケーション56Aに
この情報を戻す(ステップ515)。
【0031】図2はまた、アプリケーション56Aが分
散アプリケーションの一部であり得ることを示している
。これは、アプリケーション56Aと共同してその処理
を完了することのできるパートナ・アプリケーションが
、少なくとも1つ存在することを意味する。分散アプリ
ケーションを確立するために、アプリケーション56A
は、保護された会話を開始する。この保護された会話は
、アプリケーション・プログラム会話開始インタフェー
スを呼び出すことによってシステム50D内のパートナ
・アプリケーション56Dを起動し、この会話が保護す
べきものであることを示す(図5A、ステップ530)
。この要求は、保護会話アダプタ64Aによって処理さ
れる。保護会話アダプタ64Aは、同期点マネジャ60
Aに作業論理ユニット識別子を求め、これを一義的な会
話識別子と一緒に、遠隔システム50Dに送る情報に含
める。次に、保護会話アダプタ64Aは、この要求を会
話マネジャ53Aに送り、会話マネジャ53Aは、これ
を通信ファシリティ57Aに送る。保護会話アダプタ6
4Aは、会話開始要求が通信ファシリティ57Aから通
信ファシリティ57Dに送られた(またはこれから送ら
れる)旨の指示を得る。この時、保護会話アダプタ64
Aは、同期点マネジャ60Aに登録する(ステップ53
2)。会話開始要求は、この登録処理とは非同期に、通
信ファシリティ57Dに送られ、次に会話マネジャ53
Dに送られ、次に保護会話アダプタ64Dに送られる(
図5Aのステップ532)。保護会話アダプタ64Dは
、作業論理ユニット識別子と一義的な会話識別子を検索
し、会話マネジャのために同期点マネジャに登録する(
ステップ532)。また、この時、保護会話アダプタ6
4Dは、会話開始要求時に受け取った作業論理ユニット
識別子を同期点マネジャ60Dに与える。アプリケーシ
ョン56Dによって行われた保護された作業が、最初に
アプリケーション56Aによって開始されたこの作業論
理ユニット識別子と関連づけられる(ステップ532)
。また、この作業論理ユニット識別子が、アプリケーシ
ョン56D用の新しい作業ユニットに割り当てられ、そ
の後アプリケーション56Dが開始される。
【0032】したがって、アプリケーション56Aと5
6Dは、パートナ・アプリケーションであり、これらを
まとめて分散アプリケーションと称する。保護された会
話を用いると、アプリケーション56Aと56Dが、対
等にデータを送受できるようになる。これは、アプリケ
ーション56Aまたはアプリケーション56Dのどちら
側からも送信または受信を開始でき、それが、アプリケ
ーションの製作者と、通信マネジャが使用するパラダイ
ムとによって決定されることを意味する。上述したよう
に、保護された会話は、それぞれ保護会話アダプタ64
Aおよび64Dによって、両方の同期点マネジャに登録
される。最初のコミットを発行したアプリケーションに
対する同期点処理の間、保護会話アダプタは、同期点マ
ネジャに対して資源を代理し、要求された作業をコミッ
トできるか否か(第1段階)、およびそれを成功裡に達
成したか否か(第2段階)を応答しなければならない。 パートナの保護会話アダプタから第1段階のコールを受
け取るもう一方の保護会話アダプタにとって、保護され
た会話はパートナの同期点マネジャであり、それを介し
て段階1と段階2の指令を受け取る。そのローカル同期
点マネジャは、資源マネジャのように振る舞う。すなわ
ち、保護会話アダプタは、同期点マネジャの資源が行っ
たことの結果を受け取る(段階1および段階2)。使用
される同期点パラダイムは、アプリケーション・パート
ナが第1のコミットを発行する規則を提供することに留
意されたい。この例では、どのアプリケーション・パー
トナも、最初にコミットを発行することができ、このこ
とは分散アプリケーションの設計によって決まる。
【0033】アプリケーション56Aは、開始要求が通
信ファシリティ57Aから成功裡に送られた旨の指示と
共に制御を得る。この時点で、アプリケーション56A
は、アプリケーション56Dに要求を送ることができ、
アプリケーション56Aは、確立された会話を介してア
プリケーション56Dに要求を送る。この例では、最終
的にこの要求は、アプリケーション56Dにファイル・
アプリケーション・プログラム・インタフェースを呼び
出させて、ファイル78Dを更新させる。上述したよう
に、この更新要求は、保護ファイル・アダプタ62Dに
、(アプリケーション56Dが開始された時にアプリケ
ーション56Dに割り当てられた(ステップ532))
同一の作業ユニットの下で、同期点マネジャ60Dに登
録させる(ステップ533)。また、ステップ533で
、アプリケーション56Dは、会話を介してアプリケー
ション56Aに、作業を完了したことを示す応答を送る
。次に、アプリケーション56Aは、ファイル78Aお
よび78Bに関する更新要求を発行する。上述したよう
に、保護ファイル・アダプタ62Aおよび62Bは、す
でに同期点マネジャ60Aに登録済みであり、それぞれ
資源マネジャ63Aおよび63Bにコンタクトしてこの
更新を実行する(ステップ533および533A)。
【0034】ここでアプリケーション56Aは、同期点
マネジャ60Aにコミット58Aを発行する(ステップ
534)。上述したように、同期点マネジャ60Aは、
回復ファシリティ70Aにコンタクトしてその段階1の
ロギングを求め、登録された各資源に対して段階1の「
準備」コールを発行する(ステップ534Aおよび53
5A)。保護ファイル・アダプタ62Aおよび62Bは
、上述したように振る舞う。保護会話アダプタ64Aは
、段階1の「準備」コールを受け取った時、それが代理
する保護された会話、すなわち最初にアプリケーション
56Aによってアプリケーション56Dに対して確立さ
れた会話を介して、体系的システム間「準備」コールを
送る(ステップ535)。保護会話アダプタ64Dは、
この「準備」コールを認識して、会話メッセージ受取コ
ールを発行したアプリケーション56Dに、コミットの
発行を要求する戻りコードを与える(ステップ536)
。次に、アプリケーション56Dは、同期点マネジャ6
0Dに対してコミット58Dを発行する(ステップ53
7)。上述したように、同期点マネジャ60Dはその回
復ファシリティにコンタクトするが、この場合は、回復
ファシリティ70Dにコンタクトして、段階1情報をロ
グ72Dに強制ロギングさせる(ステップ538)。ア
プリケーション56Aが元のコミット要求を発行し、そ
の要求に応じてアプリケーション56Dが後でコミット
を発行したので、この実施例で使用する2段階コミット
・パラダイムに基づくと、同期点マネジャ60Dの段階
1の状態は「開始側カスケード、同期点マネジャ保留中
(Initiator  Cascade,Syncp
oint  Manager  Pending)」で
ある(ステップ538)。同期点マネジャ60Dは、段
階1の「準備」コールを用いて保護ファイル・アダプタ
62Dにコンタクトする(ステップ538)。保護ファ
イル・アダプタ62Dとそれに関連する資源マネジャ6
3Dは、上述したように段階1の処理を実行し、「コミ
ット要求」の回答を戻す。
【0035】この例では、中断がなかったので、判断ブ
ロック539からステップ540に進み、同期点マネジ
ャ60Dが、回復ファシリティ70Dにコンタクトして
、ログ72Dを「代理、不確定(Agent,Indo
ubt)」の状態に強制ロギングさせる。この状態は、
その後に中断が起こり、その結果、同期点マネジャ60
Dが、同期点マネジャ60Aから段階2の決定を受け取
らなくなる場合、回復ファシリティ70Aからの回復処
理がその同期点処理を完了するのを待たなければならな
いことを意味する。次に、同期点マネジャ60Dは、保
護会話アダプタ64Dにコンタクトして「コミット要求
」の回答を与える。次に、保護会話アダプタ64Dは、
体系的システム間フォーマットの「コミット要求」を保
護会話アダプタ64Aに送り(ステップ541)、保護
会話アダプタ64Aは、同期点マネジャ60Aに「コミ
ット要求」と回答する(ステップ542)。 上述したように、同期点マネジャ60Aは保護ファイル
・アダプタ62Aおよび62Bから「コミット要求」を
受け取った(ステップ535A)。この例では中断がな
いので、判断ブロック543からステップ544に進み
、同期点マネジャ60Aが回復ファシリティ70Aにコ
ンタクトして、ログ72Aを段階2の「開始側、コミッ
ト済み(Initiator,committed)」
の状態に強制ロギングさせる(ステップ544)。次に
、同期点マネジャ60Aは、段階2の「コミット済み」
の決定で、登録された各保護資源アダプタを呼び出す(
図5B、ステップ545)。保護ファイル・アダプタ6
2Aおよび62Bは、上述したようにこのコミットの決
定を処理する(ステップ545A)。保護会話アダプタ
64Aは、このコミット決定を受け取った時、それが代
理する保護会話、すなわち最初にアプリケーション56
Aによってアプリケーション56Dに対して確立された
会話を介して、体系的システム間フォーマットの「コミ
ット済み」コールを送る(ステップ546)。保護会話
アダプタ64Dは、この「コミット」コールを受け取り
、同期点マネジャ60Dに段階2の「コミット」の決定
を回答する(ステップ547)。
【0036】上述したように、同期点マネジャ60Dは
、回復ファシリティ70Dにコンタクトして、ログ72
Dを段階2の状態に強制ロギングさせる。アプリケーシ
ョン56Aが、元のコミット要求を発行し、それに応じ
てアプリケーション56Dが後でコミットを発行したの
で、この実施例で使用する2段階コミット・パラダイム
に基づいて、同期点マネジャ60Dの段階2の状態は「
開始側カスケード、コミット済み」である(ステップ5
48)。同期点マネジャ60Dは、保護ファイル・アダ
プタ62Dにコンタクトしてこの段階2のコミットの決
定を与える(ステップ549)。保護ファイル・アダプ
タ62Dとそれに関連する資源マネジャ63Dは、上述
のコミット処理を行い、「忘却」の回答を戻す。中断が
なかった(判断ブロック550)ので、同期点マネジャ
60Dは回復ファシリティ70Dにコンタクトして、こ
の作業論理ユニットに対する同期点ログ・レコードに対
して、状態「忘却」をログ72Dにロギングさせる(ス
テップ551)。「忘却」は、同期点処理が完了し、そ
のログ・レコードが消去可能であることを意味する。次
に、同期点マネジャ60Dは、保護会話アダプタ64D
とコンタクトして、「忘却」の回答を与える。この実施
例で使用する2段階コミット・パラダイムに基づいて、
同期点マネジャ60Dは、作業論理ユニット識別子を1
だけ増分し、アプリケーション56Dに、コミットが成
功裡に完了したとの指示を戻す(ステップ552)。作
業論理ユニット識別子を更新することによって、分散ア
プリケーションが行う次の作業論理ユニットが一義的で
あることが保証される。
【0037】次に、保護会話アダプタ64Dは、体系的
システム間フォーマットの「忘却」の回答を保護会話ア
ダプタ64Aに送り、保護会話アダプタ64Aは、同期
点マネジャ60Aに「忘却」を回答する(ステップ55
3)。上述したように、同期点マネジャ60Aは、保護
ファイル・アダプタ62Aおよび62Bからも「忘却」
の回答を受け取る(ステップ545A)。中断がないと
仮定すると、判断ブロック554からステップ555に
進んで、同期点マネジャ60Aは、回復ファシリティ7
0Aにコンタクトして、この作業論理ユニットに対して
、状態「忘却」をログ72Aにロギングさせる。やはり
、使用する2段階コミット・パラダイムに基づいて、次
に同期点マネジャ60Aは作業論理ユニット識別子を1
だけ増分する(ステップ556)。この変更によって、
分散アプリケーションに対する次の作業論理ユニット識
別子が一義的であることが保証される。次に、同期点マ
ネジャ60Aは、このコミット要求が成功裡に完了した
旨をアプリケーション56Aに通知する。2段階コミッ
ト手順中に、同期点マネジャ60Aまたは同期点マネジ
ャ60Dまたはその両方内で同期点処理が中断された場
合、回復ファシリティ70Aおよび回復ファシリティ7
0Dは、論理流れの中でステップ557と558および
ステップ559と560で表される回復動作を実施する
ことになる。この回復動作は、下記「保護された資源を
回復するためのログ名の交換」、「分散アプリケーショ
ン用の未完了の同期点のための回復ファシリティ」およ
び「コミット手順の非同期的再同期化」にさらに詳しく
説明されている。
【0038】図55は、図2の実施例の代替実施例であ
り、図2と比較して説明するのが最適である。図2およ
び図55では共に、アプリケーション環境、システム・
ファシリティおよび資源マネジャが分散されている。し
かし、図2では、1つの物理装置、システム50Aが、
複数のアプリケーション環境52A、52B、52C、
2つの資源マネジャ63A、63B、回復ファシリティ
70Aおよび通信ファシリティ57Aを含んでいる。図
2では、システム制御プログラム55Aは、会話マネジ
ャ53Aおよび同期点マネジャ60A、60B、60C
を含んでいる。図2のシステム50Aは、メインフレー
ム・コンピュータであってよく、このタイプの構成は、
しばしば集中コンピュータ処理と呼ばれる。また、図2
では、システム50A内のアプリケーション環境が、通
信ネットワークを介してシステム50D内のアプリケー
ション環境に接続されている。これとは対照的に、図5
5では、アプリケーション環境、システム・ファシリテ
ィおよび資源マネジャが、それぞれ別々の実計算機内に
ある。この構成は、分散コンピュータ処理と呼ばれる。 この環境では、システム90A、90B、90C、11
0E、114F、120Gは、プログラム式ワークステ
ーションであって、図2のシステム50Aおよび50D
に機能は類似しているが、サイズや性能は必ずしも類似
していない。図55のシステムは、たとえばローカル・
エリア・ネットワーク(LAN)などの通信ネットワー
クによって接続される。図55のアプリケーション環境
92A、92B、92Cは、図2のアプリケーション環
境52A、52B、52Cと機能は同等である。しかし
、アプリケーション環境92A、92B、92Cはそれ
ぞれ、別々のプログラム式ワークステーションに含まれ
ている。図55のシステム制御プログラム95A、95
B、95Cはそれぞれ、図2のシステム制御プログラム
55Aと機能的に同等である。システム制御プログラム
95A、95B、95Cはそれぞれ、(a)同期点マネ
ジャ60A、60B、60Cと機能的に同等な同期点マ
ネジャ100A、100B、100C、(b)実行環境
制御プログラム61A、61B、61Cと機能的に同等
な実行環境制御プログラム91A、91B、91C、(
c)保護会話アダプタ(PCA)64A、64B、64
Cと機能的に同等な保護会話アダプタ104A、104
B、104C、(d)資源アダプタ(RA)62Aおよ
び62Bと機能的に同等な資源アダプタ102A、10
2B、102C、および103A、103B、103C
、(e)会話マネジャ53A、53B、53Cと機能的
に同等な会話マネジャ93A、93B、93C、および
通信ファシリティ57Aと機能的に同等な通信ファシリ
ティ97A、97B、97Cを含む。しかし、図55の
例では、通信ファシリティは各システム制御プログラム
95A、95B、95Cの一部であって、それ自体の実
行環境に含まれてはいない。また、図55では、資源マ
ネジャ112Eおよび113Fは、図2の資源マネジャ
63Aおよび63Bと機能的に同等であり、それらのフ
ァイル115E、117Fおよびログ116E、118
Fは、図2のファイル78A、78Bおよびログ800
A、800Bと機能的に同等である。しかし、資源マネ
ジャ112Eおよび113Fは、それぞれ別々のプログ
ラム式ワークステーション上にある。図55の回復ファ
シリティ121Gおよびそのログ122Gは、図2の回
復ファシリティ70Aおよびそのログ72Aと機能的に
同等である。しかし、回復ファシリティ121Gは1つ
のプログラム式ワークステーション内にある。図55の
システム50Dは、図2のシステム50Dと同一であり
、このネットワークの融通性を示すために含めてある。 この環境での同期点処理の説明は、上記の同期点処理の
説明で、図2の番号を対応する図55の番号に置き換え
ることによって得られる。したがって、本発明は広範囲
なコンピュータ・システムおよびネットワークで実施で
きる。
【0039】図2のシステム50A内で、様々な理由か
ら回復ファシリティ70Aが利用不能になる可能性があ
る。したがって、システム50Aはバックアップを提供
する。たとえば、回復ファシリティ70Aが、資源マネ
ジャをも制御する実行環境の一部であり、この資源マネ
ジャが動作不能になる障害に出会った場合、回復ファシ
リティ70Aも動作不能になる。図28に示した例では
、システム50Aは1つの資源マネジャ専用の複数の実
行環境を含み、その資源マネジャを含む各実行環境が回
復ファシリティ・プログラムをも含んでいるが、システ
ム内で同時に活動状態になれる回復ファシリティは1つ
だけである。
【0040】具体的に言うと、図28では、システム5
0A内に、それぞれ資源マネジャ(プログラム)260
A、260B、260Cを含む3つの同等な実行環境5
2E、52F、52Gがある。資源マネジャ260A、
260B、260Cはそれぞれ、VM/SPリリース6
オペレーティング・システムの共用ファイル・システム
(SFS)資源マネジャ(“VM”はIBMコーポレー
ションの登録商標)の拡張バージョンとそれに関連する
資源262A、262B、262Cであることが好まし
い。さらに、各実行環境52E、52F、52Gはまた
、図23に示した回復ファシリティ70Aの機能を実現
するため、プログラム70A、70B、70Cをも含む
。共用ファイル・システムを含む実行環境内に各回復フ
ァシリティを置くことの利点は、その共用ファイル・シ
ステムに、回復ファシリティが使用できるサービス、す
なわち通信サービスおよびタスク処理サービスが含まれ
ることである。通信サービスは、通信プロトコル、割込
み処理、メッセージ管理を処理する。図28のシステム
50Aでは、回復ファシリティ70Aは、当初、実行環
境52Eが初期設定される際に回復ファシリティ・ログ
72Aに関連づけられる回復ファシリティとして、シス
テム制御プログラムに識別される。これは、実行環境5
2Eの初期設定処理への入力としてあるパラメータを指
定することによって達成される。実行環境52Eは、シ
ステム制御プログラムに対してそれ自体を、回復ファシ
リティとして、かつシステム50A内での資源識別子s
ync_point_logに対するすべての通信のタ
ーゲットとして識別する(資源識別子sync_poi
nt_logの説明については、「保護された資源を回
復するためのログ名の交換」を参照されたい。)。この
資源識別子sync_point_logは、システム
50A内で一義的でなければならず、常に1つの実行環
境にしか関連づけることができない。この実施例では、
実行環境52Eが回復ファシリティ・ログ72Aを含む
持久記憶域を定義し、その結果、実行環境52Eを指定
すると、別の記憶域を指定するそれに勝る指定がない場
合、自動的にログ72Aが資源回復ログとして暗示され
ることになる。
【0041】ところが、実行環境52Eが利用不能であ
る場合、ユーザはバックアップとして回復ファシリティ
70Bまたは70Cを活動化し、ログ72Aを実行環境
52Fまたは52Gに移動することができる。これは、
実行環境52Fまたは52Gの初期設定時に前述のパラ
メータを指定し、この実行環境に対して回復ファシリテ
ィ・ログ72Aの位置を指定することによって行われる
。ユーザがログ72Aの位置を指定するには、回復ファ
シリティ・ログ72Aを含む持久記憶域の位置を識別す
るのに必要な、選択された実行環境52Fまたは52G
からのコマンドを、システム制御プログラムに与える。
【0042】同期点障害の後に再同期化を完了するため
に回復ファシリティが必要とする情報は、すべて回復フ
ァシリティ・ログ72Aに含まれており、同期点回復に
必要な情報は、実行環境、資源マネジャまたは関連する
持久記憶域には含まれていない。したがって、回復ファ
シリティ・プログラムを含む資源マネジャを有するどん
な実行環境も、活動状態の回復ファシリティがログ72
Aにアクセスできる限り、回復ファシリティ70Aとし
て動作することができる。回復ファシリティ機能の、実
行環境52Fへのバックアップ転送は、通信経路272
Bで示され、回復ファシリティ機能の、実行環境52G
へのバックアップ転送は、通信経路272Cで示されて
いる。
【0043】回復ファシリティ70を備えたアプリケー
ション環境内の同期点マネジャ60A、60Bまたは6
0Cのいずれかの間で通信を行うには、システム制御プ
ログラムを介して回復ファシリティに対する会話を開始
する際に、資源識別子sync_point_logを
使用する。
【0044】作業ユニットに合わせて調整されたローカ
ルおよびグローバルなコミット範囲前述の図5Aおよび
5Bの流れ図には、単一の作業論理ユニットまたはコミ
ット範囲が、たとえば異なるシステム内の複数の実行環
境内の資源とアプリケーションなど、異なるシステム内
の2つのアプリケーション・パートナに拡がり、コミッ
ト手順がこの2つのアプリケーション・パートナの間で
調整される場合の例が示されている。以下に、この処理
、ならびにシステム50Aが、同一の実行環境内にある
同一のアプリケーションに別々の作業ユニットまたはコ
ミット範囲を提供できることについて、詳細に説明する
。すべてのシステム50は、このように1つまたは複数
の関連する作業ユニットに用いられる資源に合わせてコ
ミット範囲を正確に調整することができる。
【0045】上述したように、「作業ユニット」とは、
1つのアプリケーションから直接アクセス可能であり、
共通の同期点に参加する、資源の範囲である。たとえば
(図2において)、資源アダプタ62A、62Bおよび
保護会話アダプタ64Aに結合された資源は、すべてア
プリケーション56Aから直接アクセス可能であり、し
たがって、すべて同一の作業ユニットを有することがで
きる。これらがすべてアプリケーション56Aによって
行われる関連する作業要求に用いられる場合、これらは
すべて同一の作業ユニットを有する。作業ユニット識別
子は、システム制御プログラム55によって選択され、
それぞれの実行環境内で一義的である。この実施例では
、システム制御プログラム55Aは、会話マネジャ53
Aと、各実行環境52用の実行環境制御プログラム61
を含む。限定ではなく例として示すと、実行環境制御プ
ログラム61Aは、VM/SPリリース6オペレーティ
ング・システム(“VM”はIBMコーポレーション.
の登録商標)の拡張CMS構成要素でよい。この実行環
境制御プログラムは、アプリケーション56Aの実行を
制御し、上述したように、作業ユニット識別子を割り当
てる。したがって、作業ユニット識別子は、各実行環境
内で一義的である。アプリケーションは、複数の関連す
る作業要求に対して同一の作業ユニットを使用し、関連
しない作業要求に対しては異なる作業ユニットを使用す
る。「作業論理ユニット」識別子とは、関連する作業要
求に使用されるすべての資源に対するグローバルに一義
的な(ネットワーク全体を通じての)識別子であり、関
連する作業要求をすべてカバーする。作業論理ユニット
識別子は、その作業要求を生成したシステムの回復ファ
シリティ70によって割り当てられ、この実施例では、
下記のものを含む。 (1)相互接続された1群のシステムを識別する、ネッ
トワーク識別子、 (2)そのネットワーク内の1つの通信ファシリティを
識別する、システム識別子、 (3)ローカルに一義的な要素をLUWIDに与える、
インスタンス番号(たとえば、タイムスタンプを使用し
てよい)、 (4)特定の同期点インスタンスを識別する、シーケン
ス番号。たとえば、これは、“System Netw
ork Architecture LU6.2 Re
ference: Peer Protocols, 
SC31−6808 Chapter 5.3 Pre
sentation Services− Sync 
Point verbs”によって定義されるタイプの
ものである。同期点マネジャ60は、保護会話が作業ユ
ニット内で使用される場合、または作業要求が保護会話
を必要としなくとも、2段階コミット手順が必要な場合
に、回復ファシリティから作業論理ユニット識別子(L
UWID)を要求する。LUWIDは、資源アダプタが
同期点マネジャを呼び出すことによって要求することが
でき、またLUWIDがまだ獲得されていないがコミッ
トのために必要な場合には、コミット処理の始めに同期
点マネジャがLUWIDを要求することができる。以下
で詳細に説明するように、保護された会話や多数の保護
された資源などの保護された資源が作業ユニットで使用
される時に、作業ユニットがLUWIDと関連づけられ
る。作業ユニットは、複数のファイルと複数のファイル
記憶場所の混合物、他の保護された資源と他の参加する
資源マネジャ、およびある分散アプリケーションの異な
る部分間での保護された会話を含むことができる。保護
された会話の場合は、各アプリケーション・パートナが
、この同一の保護された会話とこのアプリケーションに
よって直接アクセスされる他の資源とに(それぞれの実
行環境内で)異なる作業ユニットを割り当てる場合であ
っても、単一の作業論理ユニットが、2つ以上のアプリ
ケーション・パートナの間に拡がる。したがって、ある
保護された会話に関連する各アプリケーション・パート
ナはそれぞれ、それ自体の作業ユニットをローカルに割
り当てて使用するが、2つ以上のアプリケーション・パ
ートナの作業ユニットは、同一の分散された作業論理ユ
ニットを参照する。各実行環境は、他の実行環境で割り
当てられた作業ユニットの識別を知らず、異なる実行環
境内の作業ユニットが同一の識別子を有することは、偶
然の一致によってしか起こり得ないことに留意されたい
。LUWIDではなく、上述の拡張された範囲をもつ作
業ユニットを使用して、ローカルなコミット範囲が定義
される。というのは、既存のアプリケーションが、最小
限の変更で拡張された機能の利益を享受できるからであ
る。作業ユニットからLUWIDへの変更は面倒であり
、既存のアプリケーションを変更する必要がある。
【0046】図6ないし図9は、同一のアプリケーショ
ン56A用の異なる作業ユニットおよび作業論理ユニッ
トと、それぞれ異なるシステム50Aおよび50D内で
実行される複数のアプリケーション・パートナ56Aお
よび56Dに関連づけられた複数の資源に拡がる別の作
業論理ユニットとを確立する処理を、実例によって示し
た図である。図7に示した例で、アプリケーション56
Aが開始され、実行環境制御プログラム61Aから作業
ユニット識別子Xを得る(ステップ928)。実行環境
制御プログラムは、各実行環境内で一義的な作業ユニッ
ト識別子を選択する責任を負う。次に、アプリケーショ
ン56Aは、実行環境52A内の資源アダプタ62Aに
対して作業要求を行って、資源78A内にある1ファイ
ルを更新してこの作業要求を作業ユニットXの下で行う
ように、あるいはデフォルトにより、アプリケーション
56Aによって指定された「現作業ユニット」の下に割
り当てられるように指定する(ステップ930)。資源
アダプタが作業ユニットX用のLUWIDを要求する場
合(判断ブロック935)、同期点マネジャ60Aは、
LUWIDがまだ割り当てられていなければ、回復ファ
シリティ70Aから作業ユニットXをカバーするLUW
IDを要求し、そのLUWIDを作業ユニットXと関連
づける。その後、同期点マネジャは、資源アダプタにこ
のLUWIDを戻す(ステップ936)。図6に示した
例では、(資源アダプタ62Aを介してアクセスされた
)資源78Aは、保護された会話ではないので、判断ブ
ロック937(図7)からステップ939に進み、資源
が更新される。資源アダプタ62Aが、まだ作業ユニッ
トXのために登録されていない場合(判断ブロック93
3)、資源アダプタ62Aを同期点マネジャ60Aに登
録する(ステップ934)。前述の例では、アプリケー
ション56Aは、同一の作業ユニットの下でさらに別の
作業を行うことは望まず(判断ブロック940)、関連
しない新規の作業を行うことも望まない(判断ブロック
941)ので、次のステップでは、アプリケーション5
6Aがコミットを発行する(ステップ942)。これに
応答して、同期点マネジャ60Aは、1段階コミット手
順を開始する(ステップ944)。ところで、アプリケ
ーション56Aは、他の関連しない作業要求を開始する
前に作業ユニットXのためにコミットを発行する必要が
ないことに留意されたい(判断ブロック941)。この
特定の場合には、同期点マネジャは、1段階のコミット
手順を実行するので、LUWIDは不要である。
【0047】この例では、アプリケーション56Aは、
次に作業ユニットXとは独立な作業を行うために、下記
の処理を開始する。アプリケーション56Aは、実行環
境制御プログラム61Aから新規の作業ユニットを要求
し、実行環境制御プログラム61Aは、作業ユニットY
を戻す(ステップ928)。次に、アプリケーション5
6Aは、資源アダプタ62Bを介して、作業ユニットY
の下で資源78Bを更新する要求を行う(ステップ93
0)。資源アダプタが作業ユニットY用のLUWIDを
要求する場合(判断ブロック935)、同期点マネジャ
60Aは、回復ファシリティ70AからLUWIDを得
て、それを作業ユニットYと関連づける(ステップ93
6)。この時、作業ユニットY用の作業論理ユニットは
、資源マネジャ63Bのみに拡がる。次に、資源78B
に対する更新を実施する(ステップ939)。資源アダ
プタ62Bは、まだ作業ユニットYのために登録されて
いないので、同期点マネジャ60Aに登録される(ステ
ップ934)。
【0048】次に、アプリケーション56Aは、同一の
作業ユニットYの下で、さらに別の作業たとえば他の資
源中のデータの変更を行うことを望む(判断ブロック9
40)。図6に示した例では、この別の作業は保護され
た会話であり、この保護された会話が、分散アプリケー
ション・パートナ56Dを介してシステム50D内の資
源にアクセスするのに使用される。この例では、これが
新規の保護された会話の始まりである。すなわち、アプ
リケーション56Aは、作業ユニットYの下で、アプリ
ケーション56Dとの新規の保護された会話を開始する
(ステップ930)。保護会話アダプタ64Aは作業ユ
ニットY用のLUWIDを要求するので、LUWIDが
まだ割り当てられておらず、作業ユニットに関連づけら
れていない場合、同期点マネジャは、回復ファシリティ
を呼び出し、保護会話アダプタにLUWIDを戻す(ス
テップ936)(保護会話アダプタは、この会話を開始
する時にLUWIDを必要とする(ステップ947)。 )。次に、判断ブロック937から判断ブロック946
に進む。これは新規の保護された会話であるので、会話
マネジャ53Aは、保護された会話を開始し、作業ユニ
ットYに関連するLUWIDを通信ファシリティに送る
(ステップ947)。この例では、アプリケーション・
パートナ56Dが異なるシステム内に常駐しているので
、通信ファシリティ57Aを使用する。しかし、アプリ
ケーション・パートナが同一のシステム50A内の別の
実行環境、たとえば52B内に常駐している場合は、こ
の通信機能は、システム制御プログラム55Aの会話マ
ネジャ53Aによって提供され、通信ファシリティ57
Aは使用されないことに留意されたい。保護会話アダプ
タ64Aが会話マネジャ53Aから制御を返され、保護
会話開始要求が成功したことが示された時、保護会話ア
ダプタ64Aは、同期点マネジャ60Aに登録され(ス
テップ948)、アプリケーション56Aに制御を返す
。この時、アプリケーション56Aは、アプリケーショ
ン56Dにメッセージを送って、資源78Dの更新を要
求する(ステップ949)。ただし、このメッセージは
、アプリケーション56Dが開始されるまで、システム
50D内にバッファされる。メッセージを送った後、ア
プリケーション56Aはこれ以上行うべき作業がない(
判断ブロック940および941)ので、作業ユニット
Yに対するコミットを発行する(ステップ942)。同
期点マネジャ60Aが、2段階コミット手順を開始する
(ステップ944)。
【0049】システム制御プログラム55Dが、通信フ
ァシリティ57Dを介して通信ファシリティ57Aから
会話開始要求を受け取った時(図8のステップ960)
、システム制御プログラム55Dは、実行環境52Dを
開始する(ステップ962)。保護会話アダプタ64D
は、実行環境52D用の新規の作業ユニットZを獲得し
、この実行環境52D内で、アプリケーション56Dが
実行環境制御プログラム61Dから実行されることにな
る。この作業ユニットは、実行環境52D内で一義的で
ある。また、保護会話アダプタ64Dは、開始された会
話で受け取ったLUWIDをこの新規の作業ユニットに
関連づけるよう同期点マネジャに指令し、その後、この
新規の作業ユニットの下で同期点マネジャ60Dに登録
される(ステップ966)。(ステップ947での会話
開始要求の流れは、保護会話アダプタ64Aから、会話
マネジャ53A、通信ファシリティ57A、通信ファシ
リティ57D、会話マネジャ53Dを経て、保護会話ア
ダプタ64Dへと向かう。)その後、アプリケーション
56Dが開始される。
【0050】次に、アプリケーション56Dは、ステッ
プ930Dで作業要求を行う。この例では、この最初の
作業要求は、会話上でメッセージを受け取ることである
。この保護された会話はすでにLUWIDを有している
ので、判断ブロック935Dから判断ブロック937D
に進む。これは、保護された会話であるが、新規のアウ
トバウンドな保護された会話ではない(すなわち、新規
の保護された会話の開始ではない)ので、判断ブロック
937Dおよび946Dからステップ949Dに進み、
メッセージをアプリケーション56Dが受け取る。
【0051】図6以降に示した例では、保護された会話
は、アプリケーション56Dに、追加の作業、たとえば
(資源アダプタ62Dを介して)資源78D内のファイ
ルの更新を行わせ、したがって判断ブロック940Dか
らステップ930Dに進み、アプリケーション56Dが
、作業ユニットZを使用して資源78Dを更新するよう
にとの作業要求を行う。資源アダプタがLUWIDを要
求する場合(判断ブロック935D)、同期点マネジャ
は資源アダプタにLUWIDを戻す(ステップ936D
)。ステップ966ですでにLUWIDが割り当てられ
、作業ユニットに関連づけられているので、回復ファシ
リティを呼び出してLUWIDを割り当てる必要はない
。この作業要求は、保護された会話資源を使用しないの
で、判断ブロック937Dからステップ939Dに進み
、作業要求に従って資源78Dを更新する。資源アダプ
タ62Dはまだ登録されていないので、判断ブロック9
33Dからステップ934Dに進み、資源アダプタ62
Dが同期点マネジャ60Dに登録される。この時点でア
プリケーション56Dは、アプリケーション56Aがい
つこの作業のコミットを要求するかを決定する必要があ
る。これは、アプリケーション56Dにより、保護され
た会話上で(作業要求を)受け取ることによって、達成
される。アプリケーション56Aがコミットを発行済み
の時には、アプリケーション56Dは、戻りコードTa
ke_Syncpointを得る。したがって、判断ブ
ロック940Dからステップ930Dに進み、アプリケ
ーション56Dが、作業ユニットZの下で保護された会
話上で受取りを発行する。保護会話アダプタ64Dには
LUWIDが不要であり(判断ブロック935D)、こ
の作業要求は保護された会話を使用し(判断ブロック9
37D)、この保護された会話は新規のアウトバウンド
な会話ではない(判断ブロック946D)ので、受取り
が行われる(ステップ949D)。アプリケーション5
6Dには、作業ユニットZ上で行うべき追加の作業がな
いので、判断ブロック940Dから判断ブロック941
Dに進む。 アプリケーション56Aがコミットを発行済みの時は(
判断ブロック941D)、アプリケーション56Dは、
受取り時に戻りコードTake_Syncpointを
得て、コミットを発行する(ステップ942D)。次に
、同期点マネジャ60Dが、コミット手順を開始する(
ステップ944D)。この例では、これで作業ユニット
Zに関連する作業要求は完了し、判断ブロック950D
からアプリケーション56Dの終わりに進む。この時、
アプリケーション56Aは、同期点マネジャ60Aから
制御を返され、終了する。
【0052】図9(および上記の図3ないし図5)には
、本発明で使用する例による、実行環境52Aおよび5
2D内でのコミットのタイミングが示されている。保護
された会話が、実行環境52Aに対して送られる状態の
時、アプリケーション56Aは、ステップ942(図7
)に関して前述したように、作業ユニットYに関するコ
ミットを発行する。実行環境52Dが、保護された会話
に対して受け取る状態にある時は、実行環境52Dは、
実行環境52Aから戻りコードTake_Syncpo
intと共にメッセージを受け取る。戻りコードTak
e_Syncpointを受け取った後、アプリケーシ
ョン56Dはできるだけ早くコミットを発行すべきであ
ることに留意されたい。というのは、この戻りコードは
、アプリケーション56Aがコミットを発行済みであり
、実行環境52Dがそれに対応するコミットを発行する
のを待っていることを示しているからである。したがっ
て、保護された会話上でメッセージと戻りコードを受け
取った後、アプリケーション56Dは、システム50D
内の作業ユニットに関連する他の保護された資源に関す
る作業を完了して、それら他の資源を整合性のある状態
にする。これを行った結果、作業ユニットZに関連する
システム50D内のすべての資源が整合性のある状態に
なった後に、アプリケーション56Dは前記のコミット
を発行する。次に、同期点マネジャ60Aおよび60D
は、それぞれアプリケーション56Aおよび56Dから
直接アクセスされる資源に対して2段階コミット手順を
実施する。それぞれのアプリケーションからアクセスさ
れる資源をコミットするために、別々のコミットが呼び
出されるにもかかわらず、この2段階コミット処理の間
に、各同期点マネジャは、同期点状況の情報をもう一方
の同期点マネジャに報告する。同期点処理のさらに詳し
い説明については、「保護された資源の調整式同期点管
理」を参照されたい。
【0053】コミット手順のための資源の登録図10は
、資源の自動的かつ総称的な登録を示す図である。この
登録は、保護された資源を同期点マネジャ(SPM)6
0に対して識別するファシリティである。それぞれのア
プリケーション実行環境52で、資源アダプタ62/6
4および同期点マネジャ60は、アプリケーション56
のために登録に参加する。この実施例では、資源マネジ
ャ63と資源78は、この環境の外部にある。
【0054】図10で、アプリケーション56は2つの
部分、作業要求とコミット要求を有するものとして示さ
れている。これらの部分は共に、通常は同一のアプリケ
ーション実行環境内で実行される。しかし、図中でこれ
ら2つの部分の間にある破線が示すように、このアプリ
ケーションは分散していてもよく、またこれら2種類の
要求が異なる環境から出されてもよい。
【0055】あるエンド・ユーザが、システム制御プロ
グラムの開始ファシリティを呼び出して、アプリケーシ
ョン56を開始すると仮定する。この開始ファシリティ
は、アプリケーション実行環境52を構築し、アプリケ
ーション56をロードし、それに制御を移す。アプリケ
ーション56が実行を開始する時、まだ同期点マネジャ
60に登録されている資源78はない。
【0056】図2のアプリケーション56が、資源78
を使用するために作業要求を行う時(図3のステップ5
00および図5Aのステップ530)、この要求は、資
源78に関連する特定の資源アダプタ62または64を
呼び出す。資源アダプタ62または64の一般的な機能
は、アプリケーション56を資源マネジャ63に接続す
ることである。システム50において、資源アダプタ6
2または64は、同期点マネジャ60に自動的に登録を
行う登録サブルーチンと、2段階コミット手順をサポー
トするアダプタ同期点出口入口点とを含むように拡張さ
れている。
【0057】作業要求の入口点は、アプリケーション5
6から資源マネジャ63へ作業要求(たとえば、ファイ
ルのオープン、データベースへのレコード挿入、会話の
開始など)をパスする、資源アダプタ62または64内
のコード行を示す。また、これらのコード行は、資源ア
ダプタ62または64内の登録サブルーチンと相互作用
して、自動的に登録を行う。この登録で、同期点マネジ
ャ60に、資源78がある作業ユニットの一部であるこ
とが知らされる。また、この登録で、資源マネジャ63
が同期点マネジャ60に対して識別される。これは、具
体的には、同期点マネジャ60に、アダプタ同期点出口
入口点と、資源マネジャの資源識別子object_r
ecoveryを知らせることからなる。
【0058】アダプタ同期点出口入口点は、コミット要
求が行われる時に(図3のステップ506および図5A
のステップ534)同期点マネジャ60の2段階コミッ
ト・ファシリティが使用する、資源アダプタ62または
64内のコード行を示す。資源識別子object_r
ecoveryは、下記「保護された資源を回復するた
めのログ名の交換」(図26のステップ225)で説明
するように、同期点マネジャ60の2段階コミット手順
中に障害が発生した場合に、回復ファシリティ70が資
源マネジャ63との会話を開始するために使用する識別
子である。
【0059】アプリケーション56のために自動的登録
を処理するために、資源アダプタ62または64のいず
れかに対する作業要求によって開始される処理は、資源
に応じて異なる。使用される資源78は、本来作業要求
の性質とは無関係に保護されることができ、それがまだ
登録されていない場合には、資源アダプタ62または6
4が、その登録サブルーチンを使用して、アプリケーシ
ョン56のためにこの資源を同期点マネジャ60に自動
的に登録する。また、アダプタ62または64は、資源
78が保護されるか否かを知らず、資源マネジャ63が
これを知っていてもよい。この場合、資源アダプタ62
または64は、資源マネジャ63に登録して、作業要求
を資源マネジャ63に渡すことができる。資源マネジャ
63は、この作業要求を行った後、アダプタ62または
64に資源78が保護を必要とするか否かの指示を戻す
ことができる。保護が不要な場合、資源アダプタ62ま
たは64は、その登録サブルーチンを使用して、同期点
マネジャ60から登録を取り消すことができる。あるい
は、資源アダプタ62または64は、その資源がアプリ
ケーション56によって変更されるか否か、すなわちそ
の資源が読取りだけに使用されるか否かを、作業要求ま
たは資源マネジャ63から独自に決定することができる
。読取りのみの場合、資源アダプタ62または64は、
同期点マネジャ60の登録ファシリティを使用して、登
録を読取り専用に変更することができる。最後に、資源
アダプタ62または64は、資源78が読取り専用の資
源か、それともできるだけ早く他のアプリケーションに
利用可能にしなければならない、保護されない資源かを
決定することができる。この場合、資源アダプタは、2
段階コミット手順中に「準備」指令を得るために、登録
されたままでいてよい。その後、資源アダプタ62また
は64は、資源78をロック解除する合図としてこの指
令を使用することができる。この場合、アダプタ62ま
たは64は、同期点マネジャ60からの指令に対して「
準備済み」および「コミット」と回答することができる
【0060】以下でさらに詳細に説明するように、登録
の取消しと変更をサポートすることによって、資源アダ
プタ62または64は、2段階コミット手順の最適化を
可能にする情報を同期点マネジャ60に与えることがで
きる(これも以下で説明する)。アプリケーション56
がコミット要求を発行する時、同期点マネジャ60は、
1つの資源だけが変更済みとして登録されている(他の
資源が登録されていないか、あるいは他のすべての資源
が読取り専用として登録されている)と認識することが
できる。この場合、同期点マネジャ60は、より効率的
な1段階コミット手順を使用することができる。
【0061】次に、図2のアプリケーション56Aが実
行中であって、パートナ・アプリケーション56Dとの
保護された会話を求める作業要求を行う(図5Aのステ
ップ530)という特定の例に対して適用した場合の、
前述の一般的な制御の流れについて考察する。この要求
は、資源アダプタの1タイプである保護会話アダプタ6
4Aによって処理される。アダプタ64Aは、その登録
サブルーチンを使用して、同期点マネジャ60Aの登録
ファシリティを呼び出す(ステップ532)。次に、ア
ダプタ64Aは、資源マネジャとして働く通信ファシリ
ティ57Aを使用して、パートナ・アプリケーション5
6Dを初期設定する。図2に示すように、会話マネジャ
53Aは、同一のシステム50A上のパートナ・アプリ
ケーションを始動することができ、あるいは通信ファシ
リティ57Aを介して別のシステム50D上の対応する
通信ファシリティ57Dと通信して、システム50D内
のアプリケーションを始動することもできる。後者の場
合、パートナ・アプリケーションはシステム50D上で
実行され、通信ファシリティ57Dが、システム制御プ
ログラム55Dの開始ファシリティを呼び出すことによ
って、パートナ・アプリケーション56Dを開始する。 このファシリティは、パートナ・アプリケーション56
D用の新規のアプリケーション実行環境52Dを構築す
る。開始ファシリティは、それがパートナ・アプリケー
ション56Dを構築中であることを知っているので、起
点側アプリケーション56Aとの保護された会話で通信
ファシリティ57Dが使用されることも知っている。し
たがって、開始ファシリティは、一時的にパートナ・ア
プリケーション56Dとして働き、保護された会話のた
めに保護会話アダプタ64Dを呼び出す。次に、資源ア
ダプタ64Dは、この保護された会話を同期点マネジャ
60Dに登録する。したがって、パートナ・アプリケー
ション56Dと起点側アプリケーション56Aとの保護
された会話が、パートナを呼び出す前に登録される(そ
の代わりに、パートナ・アプリケーション56Dがアプ
リケーション56Aとの会話を使用するまで、登録を遅
延させることもできる)。したがって、図2において、
アプリケーション56Aの実行環境52A内の同期点マ
ネジャ60Aと、パートナ・アプリケーション56Dの
実行環境52D内の同期点マネジャ60Dは、それぞれ
、この保護された会話資源について知らされる。
【0062】図2の議論において、この時点で、アプリ
ケーション56Aおよびパートナ・アプリケーション5
6Dは、それぞれの作業ユニットの下でそれぞれの実行
環境52Aおよび52D内で実行中であり、それぞれ1
つまたは複数の保護された資源78Aまたは78Dを使
用することができる。たとえば、保護されたファイルを
使用することができる。アプリケーション56Aが、フ
ァイル資源78Aを使用するようにとの要求を行う時、
資源アダプタ62Aが呼び出される。アダプタ62Aは
、その登録サブルーチンを使用して、同期点マネジャ6
0Aの登録ファシリティを呼び出す。次に、アダプタ6
2Aは、ファイル資源マネジャ63Aを呼び出す。した
がって、アプリケーション56Aによる保護された資源
78Aの使用が、やはり自動的に登録される。同様にし
て、実行環境52D内で、資源78Dなど1つまたは複
数の資源に対する登録を行うことができる。
【0063】上記の例から、登録が資源のタイプによら
ないので、この登録の実施例が総称的であることがわか
る。図10では、保護された資源78をサポートしよう
とする資源マネジャ63は、その資源アダプタ62また
は64に登録サブルーチンを追加することができる。シ
ステム50の同期点サポートを変更する必要はない。
【0064】図10で、アプリケーション56が、保護
されない資源を使用することもできる。たとえば、アプ
リケーション56は、実行中の作業に関するメッセージ
を定期的に表示する保護されないパートナ・アプリケー
ションを生成したいが、この表示を実際の作業の完了と
同期させる必要はないことがある。この場合、アプリケ
ーション56は、保護されない会話をもつようにとの作
業要求を行う。この制御の流れは、上述の例の保護され
た会話の場合とほぼ同じである。唯一の相違は、資源ア
ダプタ64が作業要求内の情報から、この会話が保護さ
れず、この実施例では同期点マネジャ60に登録されな
いことを知っている点である。したがって、保護されな
い会話は、同期点マネジャ60の同期点処理には参加し
ない。
【0065】図10において、上述の登録処理を仮定す
ると、アプリケーション56がコミット要求を発行する
時、同期点マネジャ60は、同期させる必要のある保護
された資源の完全なリストをもっている。同期点マネジ
ャ60内での2段階コミット手順について説明した、前
述の「保護された資源の調整式同期点管理」を参照され
たい。この説明は、資源マネジャ63内で同期点サポー
トを使用するために、同期点マネジャ60が、資源アダ
プタ62または64内のアダプタ同期点出口入口点をど
のように使用するかを示している。図10には示されて
いないが、アプリケーション56はバックアウト要求を
発行することもできる。この場合、同期点マネジャ60
は、資源アダプタ62または64内のアダプタ同期点出
口入口点にバックアウト指令を与える。
【0066】同期点処理の終りに、各同期点マネジャ6
0は、アプリケーション56の登録リストを破壊しない
。しかし、各マネジャは、後同期処理のために、資源ア
ダプタの出口をもう1度呼び出す。この呼出しに対して
、アダプタはその登録を修正するよう決定することがで
きる。性能上の理由から、アダプタは、アプリケーショ
ン56が終了するまで資源を登録状態に保つことができ
る。一方、資源78がこれ以上使用されない(たとえば
、アプリケーション56が終了する前に保護された会話
が終わる)ことをアダプタが知っている場合、アダプタ
は、その登録入口点を使用して、同期点マネジャ60か
ら登録を取り消すことができる。
【0067】上記の制御の流れでは、分散式の資源マネ
ジャ63を仮定した。したがって、資源78を使用する
という要求は、必ず適当な資源アダプタ62または64
に向かい、このアダプタは、同期点マネジャ60内の登
録ファシリティと、分散資源マネジャ63内の作業要求
を呼び出した。ところが、資源マネジャ63が分散式で
はない場合、作業要求でアダプタを使用する必要はない
。この場合、資源マネジャ63と同期点マネジャ60が
、同一のアプリケーション実行環境52内にあるので、
資源マネジャ63は、同期点マネジャ60内の登録ファ
シリティを直接呼び出すことができる。
【0068】図12に示した例では、アプリケーション
56Aが複数の作業要求を行う。これらの要求は、シス
テム50Aによって並列に処理され、複数の資源マネジ
ャと資源を必要とする。この例について具体的に言うと
、アプリケーション56Aは、2つの作業ユニットCお
よびDに対して8つの作業要求を行い、これらの要求が
システム50Aによって並列に処理される。コミット点
が図13に示されているが、作業ユニットCのコミット
点は時刻19と44にあり、作業ユニットDのコミット
点は時刻33にある。図13の時間単位は、シーケンス
を表す論理的クロック単位である(物理的クロック単位
ではない)。図13において、同一の時刻に発生する事
象は、互いの順序がどうでもよいことを暗示している。
【0069】作業ユニットとは、どの資源がある同期点
に参加するかについてのアプリケーション側の理解また
は範囲である。アプリケーションは、どの作業ユニット
に対して保護された資源の変更が行われるかを指定する
ことができる。また、アプリケーションは、保護された
会話をどの作業ユニットの下で開始するかも指定するこ
とができる。システム50Aは、アプリケーション実行
環境(図12の52A)内で複数の作業ユニットを許容
する。具体的に言うと、アプリケーション、同期点マネ
ジャ60Aおよび保護されたアダプタ(たとえば、図1
2のSQL資源アダプタ)は、複数の作業ユニットを並
列してサポートすることができる。また、システム50
Aは、保護された会話を介して、2つのアプリケーショ
ン実行環境の作業ユニットを結合することも許容する。 各作業ユニットは、一連の同期点を有することができる
。ある作業ユニットに対する同期点要求は、あるアプリ
ケーションの実行環境内の他の作業ユニットの活動には
影響しない。
【0070】図12および図13に示した次の例を考察
する。ホームタウンにいるジョーンズ氏は、息子の信託
預金への振替を行いたいと思っている。ジョーンズ氏の
銀行の安全保護部門は、顧客も従業員も含めて、取引に
かかわるすべての人物を追跡する。安全保護記録と会計
レコードは、互いに「すべてか無か」の包含関係にある
わけではないが、この2つの作業ユニットを並列して処
理する必要があるかもしれない。1つの理由としては、
この2つの作業ユニットを順に処理するのでは応答時間
が遅くなりすぎることが挙げられよう。
【0071】この例では、時刻1の作業ユニットCに関
する作業要求は、シカゴにあるこの銀行の本店の安全保
護記録を制御する資源マネジャ63Aを使用する。資源
マネジャ63Aと通信するために、資源アダプタ62A
によって保護されない会話1が使用される。時刻1の作
業ユニットDに関する作業要求も、ジョーンズ氏の信託
預金用にシカゴにある資源マネジャ63Aを使用し、一
方、時刻7の要求は、ジョーンズ氏の他の会計レコード
が保存されているホームタウンの資源マネジャ63Bに
対するものである。資源マネジャ63Aと通信するため
に、資源アダプタ62Aによって保護されない会話2が
使用され、資源マネジャ63Bと通信するために、資源
アダプタ62Bによって保護されない会話3が使用され
る。
【0072】アプリケーション56Aが作業ユニットC
を使用してその最初のレコードであるメッセージ“st
art security event(安全保護事象
開始)”を書き込む時(図14のステップ612)、資
源マネジャ63Aは、その資源アダプタ62Aを介して
アプリケーション実行環境52A内に登録される。同期
点マネジャ60Aは、図12の表126内で作業ユニッ
トCの下に、資源マネジャ63A用の登録エントリを作
成する(ステップ614)。このエントリは、出口ルー
チン名と、資源アダプタ62Aが登録の際に渡した特別
なプライベート値とを含む、資源アダプタ62Aの出口
に渡すべきパラメータのリストを含む。資源アダプタの
出口は、この特別な値を使用して、会話1用の制御ブロ
ックを探し出すことができる。
【0073】その結果、アプリケーション56Aが、時
刻19に作業ユニットCに関するコミットを要求する時
、同期点マネジャ60Aは、表126を読み取って、ど
の資源アダプタ出口にこのコミット手順を開始するよう
通知するべきかを決定する。この例では、時刻19に作
業ユニットCに関するコミットが要求される時、同期点
マネジャ60Aが資源アダプタ62Aの出口を呼び出し
て、1段階コミット手順を開始する。というのは、保護
された資源が1つだけ登録されているからである。資源
アダプタ62Aの出口ルーチンは、同期点マネジャ60
Aから、登録中に表126にセーブされた特別な値を受
け取るので、会話1を使用して資源マネジャ63Aと通
信すべきことを知る。
【0074】この後、時刻26にジョーンズ氏の取引を
扱う銀行員の従業員IDをロギングする時には、登録は
行わない(ステップ613)。再登録が不要なのは、作
業ユニット登録表126から、資源マネジャ63Aが作
業ユニットCに参加していることを、同期点マネジャ6
0Aがすでに知っているからである。その結果、最初の
作業要求の後の作業ユニットCに関する各作業要求、お
よびその後の時刻44でのコミットの処理が、手早く行
われる。また、作業ユニットC用の各同期点にで、資源
アダプタ62Aと資源マネジャ63Aだけが通知を受け
る。他の資源アダプタまたは他の資源マネジャに通知す
ることによる時間の浪費はない。
【0075】アプリケーション56Aが、作業ユニット
Dの下で、時刻1と時刻7に作業要求を行う時、資源ア
ダプタ62Aおよび62Bの両方が、同期点マネジャ6
0Aに登録され、同期点マネジャ60Aは、表127に
登録エントリ63Aおよび63Bを追加する。
【0076】時刻19に最初の安全保護記録のコミット
が行われる時、時刻17の信託預金更新は、全く影響を
受けない。時刻33に信託預金レコードと会計レコード
がコミットされる時、従業員IDメッセージはやはり影
響を受けない。シカゴにある資源マネジャ63Aは、別
々な2つの会話1および2を介してアプリケーション5
6Aと通信しているので、混乱しないことに留意された
い。
【0077】システム50Aが、資源マネジャに対して
どの作業ユニットが活動状態であるかを知っており、資
源アダプタをこのタスクから解放するので、資源アダプ
タの開発は簡単になる。設計が簡単なので、資源アダプ
タ出口は良好に動作する。資源アダプタ出口は、必要な
ものをすべて有しており、同期点マネジャ60Aの行動
をその資源マネジャに送るだけである。もう1つの性能
上の展望は、同期点マネジャ60Aが、同期点手順を最
適化できることである。というのは、同期点マネジャ6
0Aは、どの作業ユニットのために資源マネジャが活動
状態であるかを知っており、同期点に関係ない資源のた
めに資源アダプタおよび資源マネジャを呼び出すことに
よるオーバヘッドを回避できるからである。
【0078】システム50Aにおいて、共用ファイルや
データベースなどの保護された資源に対して行われるタ
イプの作業要求が、その資源の状態を変更し、その結果
、登録情報を変更しなければならない場合があり得る。 これが重要であるのは、元の作業要求が、読取り専用の
要求であって、1段階コミット手順しか必要としないの
に、その後の同一の作業ユニットの下での関連する作業
要求が、書込み要求であって、使用される複数の保護さ
れた資源を調整するために、2段階コミット手順を必要
とすることがあるからである。
【0079】図3に示したもう1つの例として、アプリ
ケーション56Aは、通常、更新すべきファイル内の特
定のレコードの位置を探すために、書込み要求を行う前
にそのファイル上で1つまたは複数の読取り要求を行う
。このような読取り動作は、1段階コミット手順を用い
て実施できるが、この場合、資源アダプタ62Aは、こ
の読取り作業要求を受け取ると(ステップ500)、同
期点マネジャ60Aに読取りモードで登録される(ステ
ップ502)。その後の読取り動作中には、必要なコミ
ット手順のタイプが変化しないので、資源アダプタ62
Aが同期点マネジャ60Aと相互作用する必要がないこ
とに留意されたい。しかし、その後、アプリケーション
56Aが、同一の作業ユニットの下で資源アダプタ62
Aに対して書込み要求を行う際には(ステップ504)
、資源アダプタ62Aは、その同期点マネジャ60Aに
おける登録状況を書込みモードに変更する。以下でさら
に詳細に説明するように、複数の保護された資源が、同
一の作業ユニット上で書込みモードで登録される場合に
は、幾分時間のかかる2段階コミット手順が使用される
【0080】この登録変更の例は、図11の流れ図に詳
細に示されている。ステップ580の作業要求が、その
保護された資源に関する最初の要求であり、この要求が
読取り専用である場合、判断ブロック581から判断ブ
ロック582に進む。資源アダプタ62Aは、それが登
録されている各作業ユニットの下で各資源用の内部標識
を保存していることに留意されたい。この標識が、判断
ブロック581で検査される。この資源は、保護された
会話ではないので、判断ブロック582から判断ブロッ
ク583に進む。この作業は読取り専用なので、判断ブ
ロック583からステップ585に進む。ステップ58
5で、対応する資源アダプタ62Aが、読取り専用資源
として登録される。ステップ580の次の作業要求が、
同一の作業ユニットの下での同一の資源への書込みまた
は更新である場合、資源アダプタ62Aは、読取りモー
ドとしてであるとはいえ、ステップ585ですでに登録
されているので、判断ブロック581から判断ブロック
584に進む。この資源は保護された会話ではないので
、判断ブロック584から判断ブロック586に進み、
この要求は更新モード用なので、判断ブロック586か
ら判断ブロック588に進む。次に、判断ブロック58
8からステップ590に進み、資源アダプタ62A(ス
テップ585ですでに読取りモードとして登録済み)は
、同期点マネジャ60Aにおけるその登録を書込みモー
ドに変更する。図11によれば、この資源に対するある
作業ユニットの下での最初の作業要求が書込みモードで
ある場合には、資源アダプタ62Aが、ステップ592
で書込みモードとして登録されることに留意されたい。
【0081】資源マネジャ63が、ある同期点を完了し
、その同期点の完了以降に別の要求をもたないという状
況もある。その資源アダプタ62は、同期点手順が完了
した時点で、その登録状況を「中断」に変更することを
許され、その結果、同期点マネジャ60は、現在、資源
マネジャ63が、その作業ユニットに関してどの同期点
にも参加していないことを知る。書込みモードの資源の
中断により、たとえばその作業ユニット内に書込みモー
ドの資源が他に1つしかないような時、同期点マネジャ
60は、残りの資源用のその後のコミット手順(1段階
コミット)を最適化できるようになる。中断された資源
アダプタ62は、その作業ユニットに関する新規の作業
要求を受け取る場合、同じ登録修正機能を用いてその登
録を活動状態に戻すことができる。
【0082】ある種の資源マネジャの設計では、その資
源アダプタは、分散式の同期点活動について通知を受け
るために、アプリケーションとの対話の初期に登録され
る必要がある。ただし、その時点では、登録情報が完全
に揃っていなくてもよい。たとえば、保護会話アダプタ
64Aは、同期点が発生したか否かを知る必要があるの
で、パートナ・アプリケーション56Dとの保護された
会話を開始する時点で登録される必要があるが、保護会
話アダプタ64Aがすべての登録情報を得るのは、会話
のパートナがこの会話を受け入れた後であり、これはず
っと後になってから発生するかも知れない事象である。 この情報は、その後、ステップ590に示された前述の
登録変更処理の下で追加することができる。
【0083】システム50は、時間を節約するための技
法をこの登録処理に追加して提供する。各資源アダプタ
62は、初めて同期点マネジャ60に登録される際に、
資源マネジャ63の識別と、その資源アダプタの同期点
処理用の出口ルーチン名の他にも、追加の情報を登録す
る。この追加情報の多くは、通常、登録が変更される際
に変更されない。その結果、この追加情報は、ステップ
590で資源アダプタ62の登録が変更される際に再登
録されない。資源アダプタ62が同期点マネジャに一回
だけ登録し、他の登録情報が変化しても変化しない、前
記の追加情報の一部のリストを下記に示す。 1.資源マネジャと資源が、システムおよびネットワー
ク内のどこに位置するかを記述する、資源識別子とネッ
トワーク識別子、 2.製品を示す、すなわち、たとえば共用ファイル、デ
ータベース、保護された会話など、資源のタイプを示す
製品識別子、 3.再同期化に必要なその他のデータ。これらの追加情
報は、毎回再登録されはしないので、登録処理が手早く
行われる。
【0084】様々な場合に、アプリケーションがもはや
保護された資源を使用できない、または使用しないこと
がある。この例には、アプリケーション終了、資源マネ
ジャ終了、資源マネジャへの経路が利用不能などの事象
が含まれる。ある資源がもはや使用中ではないとアプリ
ケーションが宣言できるようにする、アプリケーション
または資源マネジャのプロトコルを設けることができる
。アプリケーション実行環境が、アプリケーションの終
了以前に資源の登録を取り消すことができるようにする
プロトコルをサポートすることもできる。また、保護さ
れた会話が、アプリケーションの活動のために、または
経路障害などのエラー状態のために、終了することもあ
る。このような場合には、資源アダプタまたは保護会話
アダプタが、同期点マネジャから該当する資源のインス
タンスすべての登録を取り消すことが好ましい(図14
のステップ618)。というのは、この登録取消しによ
って、その後の同期点処理がより効率的になる(考慮す
べき資源の数が減り、多分、消費されるメモリも少なく
なる)からである。さらに、この資源アダプタまたは保
護会話アダプタは、登録された資源に関する制御情報を
削除することができ、したがって、その後の処理をより
効率的にすることができる。
【0085】図15は、資源アダプタ62または保護会
話アダプタ64が、資源78または保護された会話が利
用不能であることを発見した(ステップ904)、ある
いはアプリケーションが終了したことを発見した(ステ
ップ903)場合の、登録解除活動の流れを示す図であ
る。資源が利用不能であることをアダプタが発見するの
は、通常、アプリケーションの作業要求の処理中である
ことに留意されたい(ステップ902)。アダプタは、
それ自体の資源登録状況の情報から、どの資源の登録を
取り消さなければならないかを決定する(ステップ90
6)。このような登録されている各資源について、アダ
プタは、同期点マネジャ60を呼び出して、その資源の
登録を取り消す(ステップ907)。アダプタは、同期
点マネジャ60に対して、資源と作業ユニットを識別し
なければならないことに留意されたい。
【0086】図15では、同期点マネジャ60を呼び出
すごとに(ステップ910)、同期点マネジャ60は、
アダプタから供給された作業ユニット識別子を使用して
、その作業ユニット資源表を探し出す(ステップ911
)。この作業ユニットの資源表から、同期点マネジャ6
0は、アダプタから供給された作業ユニット識別子を使
用して、所望の資源エントリを探し出す(ステップ91
2)。次に、同期点マネジャ60は、その資源エントリ
に登録を取り消された旨のフラグを立て(ステップ91
3)、呼出し側アダプタに戻る(ステップ914からス
テップ907に戻る)。しかし、論理上、この登録を取
り消された資源エントリは、次の同期点まで保存しなけ
ればならないエラー情報を含んでいるので、同期点マネ
ジャ60は、まだこの資源エントリを消去することがで
きない(「コミット手順におけるエラー・コードおよび
エラー記述情報の調整式処理」を参照されたい)。
【0087】ここでアダプタは、登録を取り消された資
源に関する制御情報を削除する(あるいは、登録を取り
消された旨のマークを付ける)ことができる(ステップ
908)。登録取消しを引き起こした事象が、複数の資
源登録を削除させる場合があることに留意されたい(た
とえば、1つの資源が複数の作業ユニットのために登録
されている場合がある)。したがって、ステップ906
、907、908をプログラム・ループにして、以前に
登録された該当する各資源を処理することができる。 その後、アダプタは呼出し側に戻ることができる(ステ
ップ909)。資源が利用不能であるために作業要求が
失敗した場合、アダプタは、資源アダプタがアプリケー
ション・ユーザにエラー情報を戻すために選択したどん
な機構を用いてもアプリケーションにエラー状態を報告
することができる。
【0088】資源アダプタは、資源が利用不能であるか
、またはアプリケーションが終了した結果として、他の
処理上の問題を生じることがある。たとえば、資源が利
用不能な状態であったため資源更新のバックアウトを引
き起こす場合、アダプタは、アプリケーションまたは同
期点マネジャ60あるいはその両方に、該当する作業ユ
ニット上の次の同期点がバックアウトでなければならな
いことを通知する必要がある。同期点処理中にこの状態
が発生すると、アダプタは、(バックアウト中の)資源
の状況を同期点マネジャ60に通知しなければならない
。この他にも、資源、環境または実施様態に依存する他
の問題が生じるかもしれない。
【0089】ここで同期点マネジャ60は、フラグを立
てられた登録取消し済みの(ステップ913からの)資
源の処理に従事し、その結果、それらの資源は通常の処
理では無視されて、最終的に消去されることになる。同
期点マネジャ60は、フラグを立てられた登録取消し済
みの資源エントリを、その影響を受ける作業ユニットの
次の同期点の始めに消去することができる。図16に、
同期点マネジャ60内の同期点処理の流れが記述されて
いる。次の同期点処理で、登録された資源の表を読み取
る時(ステップ622)、その表中のフラグを立てられ
た登録取消し済みの資源エントリをすべて消去すること
ができる(この行動は図16には図示せず)。ステップ
622で、現在の同期点処理の間のすべての同期点資源
の参加リストを作成するので、アダプタによる資源登録
エントリの資源登録の取消しと変更は、現在の同期点処
理には影響しない。この時点で、登録取消し処理の全体
が完了する。
【0090】コミット手順の最適化参加する各資源マネ
ジャは、“System Network Archi
tecture LU 6.2: Peer Prot
ocols, sc31−6808, Chapter
 5.3 Presentation Service
s − Sync Point Verbs”に記載の
2段階コミット手順などの2段階コミット手順を実行す
る能力があり、1段階コミット手順を実行する能力はあ
ってもなくてもよい。2段階コミット手順は、資源を保
護するのに重要である。しかし、2段階コミット手順は
、1段階コミット手順と比べて、相対的に複雑で時間の
かかる処理である。たとえば、後で詳細に説明するよう
に、2段階コミット手順では、同期点参加者に関する情
報を回復ファシリティのログ72(図2)にロギングす
るという時間のかかるステップが必要であるが、1段階
コミット手順では、そのようなロギングの必要はない。 また、2段階コミット手順では、コミットを実行するの
に、資源アダプタ調整出口を2回呼び出す必要があるが
、1段階コミット手順でデータをコミットするには、こ
のような呼出しは1回だけでよい。「資源アダプタ調整
出口」とは、同期点マネジャ60(図2)が、関連する
資源マネジャに情報を提供するための機構である。同期
点マネジャは、システムをできるだけ手早く動作させる
のに必要な時に限り、2段階コミット手順を使用する。 要約すると、同期点マネジャは、保護された会話を使用
するか、少なくとも2つの資源が更新モードであるか、
あるいは1つまたは複数の参加する資源マネジャが1段
階コミット手順を実行できない時、2段階コミット手順
を使用する。すべての資源が1段階コミット手順を実行
でき、更新モードの資源がせいぜい1つである場合には
、同期点マネジャは、1段階コミット手順を使用する。 また、ある資源が読取り専用モードであり、したがって
その資源内のデータは読み取られるが更新されず、かつ
資源マネジャが1段階コミット手順を実行できる場合に
は、他の資源に使用されるコミット手順のタイプが何で
あれ、この資源には1段階コミット手順が使用される。 この最適化の最重要な構成要素は、資源マネジャおよび
資源アダプタが、作業要求によって定義される状態、す
なわち資源が読取り専用モードであるか更新モードであ
るかを、同期点以前に決定できることである。ある資源
が読取り専用モードである場合、それは、アプリケーシ
ョンがその資源からデータを読み取っただけであること
を意味する。 ある資源が更新モードである場合、それは、アプリケー
ションがその資源内のデータを変更したことを意味する
【0091】この最適化処理は、下記のように始まる。 アプリケーション56(図2)が、ある資源に対する作
業要求を行う(図14のステップ612)。これが特定
の作業ユニットに対する最初の作業要求である場合(図
14の判断ブロック613)、その資源に関連する資源
アダプタ62(図2)は、それが現在、その作業ユニッ
ト用の活動状態の参加する資源であることを、同期点マ
ネジャに登録する(図14のステップ615)。登録時
(図14のステップ616)に提供しなければならない
、この資源に関する情報の1つは、関連する資源マネジ
ャが1段階コミット手順を実行できるか否かであり、た
とえば、その資源が、特定の情況の下で1段階コミット
手順を実行できるデータベース・マネジャであるかどう
かである。やはり登録中に、資源アダプタは、このアプ
リケーションによって行われた作業要求が、その資源を
読取り専用モードにしたか、それとも更新モードにした
かを同期点マネジャに記録する(図14のステップ61
6)。
【0092】資源の最初の登録の後、アプリケーション
がその資源に対して次の作業要求を行ったとき、資源の
状態が変化することがある。すなわち、資源が読取り専
用モードから更新モードに変化することがある。このよ
うな変化が発生した場合、資源アダプタは、この変化に
ついて同期点マネジャに知らせなければならず、登録情
報は新しい状態を反映するように更新される(図14の
ステップ619)。
【0093】アプリケーションからの作業要求が、保護
された会話に対するものである場合、保護会話アダプタ
用の登録エントリは、その保護会話アダプタが更新モー
ドであって、1段階コミット手順を実行できないことを
必ず示す。保護会話アダプタは、複数の資源を使用する
可能性のある別のアプリケーション実行環境への通信経
路を表すので、読取り専用モードの資源への通信経路を
表しているのか、それとも更新モードの資源への通信経
路を表しているのかは、保護会話アダプタには決定でき
ない。したがって、別のアプリケーション実行環境への
通信経路が存在する場合には、クリティカルな資源に必
要な保護を提供するために、2段階コミット手順が必要
である。保護会話アダプタは、1段階コミット手順を実
行できない更新モードの資源として登録することによっ
て、2段階コミット手順が使用されることを保証する。
【0094】アプリケーションは、その作業をすべて完
了した後に、資源上のデータのコミットまたはバックア
ウトを試みる。これを達成するために、アプリケーショ
ンは同期点マネジャに同期点要求を発行する。この同期
点要求の処理を開始するために(図16のステップ62
0)、同期点マネジャは、作業ユニット表を読み取って
、影響を受ける作業ユニットのエントリを見つける(図
16のステップ621)。作業ユニットの詳細について
は、「作業ユニットに合わせて調整されたローカルおよ
びグローバルなコミット範囲」を参照されたい。正しい
作業ユニット・エントリが見つかると、同期点マネジャ
は、その作業ユニット用に登録された資源に関する情報
をそのエントリから読み取り、資源の3つのリストを生
成する(図16のステップ622)。
【0095】これらの表は、それぞれ異なる意味をもつ
。読取り専用リストは、アプリケーションがデータを読
み取っただけである資源を含む。更新リストは、アプリ
ケーションによってそのデータが更新された資源と、読
取り専用の状態であるが、その資源マネジャが1段階コ
ミット手順を実行できない資源を含む。開始側リストは
、更新を資源に同期させたい旨のメッセージを送った通
信パートナのリストを含む。各資源は、これらのリスト
のうちの1つだけにしか現れない。
【0096】実際には、それぞれの資源の登録には、2
つのフラグが含まれる。これらのフラグは、同期点マネ
ジャに読み取られ、ある資源を更新リストに入れるべき
か、それとも読取り専用リストに入れるべきかを決定す
るのに使用される。第1のフラグは、その資源が読取り
専用モードの時オンとなり、更新モードの時オフとなる
。第2のフラグは、その資源が1段階コミット手順と2
段階コミット手順の両方をサポートする時オンとなり、
2段階コミット手順しか実行できない時オフとなる。実
際には、各資源の登録には、通信パートナが更新を資源
と同期させたい旨を示すメッセージをこの資源アダプタ
が通信パートナから受け取ったか否かに関する情報を含
むフィールドも含まれる。同期点マネジャは、このフィ
ールドを読み取り、そのデータを使用して、その資源を
開始側リストに入れるべきか否かを決定する。
【0097】資源のリストを作成し終えると、同期点マ
ネジャは、同期点要求のタイプを検査する(図16の判
断ブロック623)。この同期点要求がバックアウトで
ある場合には、同期点マネジャは以下のバックアウト処
理を実行する。まず、更新リスト中に資源アダプタがあ
るならば、それらのすべてに、その資源の変更をバック
アウトするように指令する(図16のステップ626)
。次に、読取り専用リスト中に資源アダプタがあるなら
ば、それらのすべてに、それらの資源に対する作用をバ
ックアウトするよう指令する(図16のステップ627
)。読取り専用の資源に対する「バックアウト」の処理
は、バックアウトすべき資源内の実際のデータが変更さ
れないので、その資源の実施様態によって定義されるこ
とに留意されたい。たとえば、共用ファイル資源マネジ
ャ63(図2)内の読取り専用ファイルをバックアウト
するための処理は、そのファイルをクローズし、そのア
プリケーションの使用のために以前に維持されていたフ
ァイル位置情報を放棄することを含むことができる。読
取り専用の資源をバックアウトするよう指令した後、開
始側リスト中に資源アダプタがあれば、それらすべてに
、このアプリケーション実行環境がこの同期点に対する
変更をバックアウトしたことを伝える(図16のステッ
プ628)。
【0098】そうではなくて、この同期点要求がコミッ
トである場合(図16の判断ブロック623)、同期点
マネジャは、このコミットの最適化処理を開始する。こ
の最適化処理の第1ステップでは、開始側リストが空で
あるか否か決定する(図16の判断ブロック624)。 開始側リストが空でないならば、それは、このアプリケ
ーション実行環境が、その同期点ツリー内のカスケード
式開始側であり、このコミットのために完全な2段階コ
ミット手順を使用しなければならないことを意味する。 それが必要なのは、この同期点ツリーの完全な範囲、す
なわちこの同期点に対して活動状態でありかつ更新モー
ドである資源がどれだけあるかを、どのアプリケーショ
ン実行環境も知らないからである。この数が未知である
ので、これらのクリティカルな資源に必要な保護を提供
するために、2段階コミット手順を使用しなければなら
ない。
【0099】開始側リストが空である場合(図16の判
断ブロック624)は、次のステップで、更新リスト中
に複数の資源があるか否かを決定する(図16の判断ブ
ロック625)。そうである場合は、このコミットのた
めに完全な2段階コミット手順を使用しなければならな
い。すべての資源がそれぞれの変更をコミットできると
認めない限り、どの資源もその変更をコミットしないの
で、この2段階コミット手順は、更新モードの資源に対
してより多くの保護を提供する。
【0100】更新リスト中に2個未満の資源しかない場
合(図16の判断ブロック625)、次のステップで、
更新リスト中に資源がないか、それとも1つあるか決定
する(図16の判断ブロック640)。更新リスト中に
資源がない場合、読取り専用の資源をコミットするため
に1段階コミット手順を使用する。同様に、更新リスト
中に資源が1つだけあり、その資源マネジャが1段階コ
ミット手順を実行できる場合には、1段階コミット手順
を使用する。
【0101】この1段階コミット手順は、更新リスト中
に資源アダプタがあるならば、それに対してその変化を
コミットするよう同期点マネジャが指令することから始
まる(図16のステップ641)。資源マネジャによる
データの1段階コミットは、2段階コミット中には2回
の呼出しが必要であるのとは対照的に、資源アダプタを
1回呼び出すだけで達成されることに留意されたい。こ
の同期点全体を通じて、更新モードの資源はせいぜい1
つしか存在し得ないので、異なる資源に対する異なる決
定によってデータの整合性が失われる可能性はない。ま
た、この1段階コミット手順中には、2段階コミット手
順の一部としてロギングが(図17のステップ644、
648、651、658および659)必要であるのと
は対照的に、回復ファシリティのログ72(図2)への
書込みが行われないことに留意されたい。この1段階コ
ミット手順は、読取り専用リスト中に資源アダプタがあ
るならば、それに対してその変更をコミットするよう同
期点マネジャが指令することで終了する(図16のステ
ップ642)。読取り専用の資源の「コミット」は、コ
ミットすべきデータが実際には変化していないので、資
源の実施様態によって定義されることに留意されたい。 たとえば、一部の共用ファイル資源マネジャ63(図2
)は、読取りの整合性をもたらすので、あるアプリケー
ションが共用ファイル資源マネジャ内のファイルを読み
取る時に、そのアプリケーションは、そのファイルの整
合性のあるイメージを与えられる。すなわち、他のアプ
リケーション環境がそのファイルに対して行った変更は
、ファイルの内容の読取りに干渉せず、ファイルがオー
プンされた時の内容が読み取られる。アプリケーション
が読取りの目的でファイルをオープンする時、読取り専
用の資源であるとみなされる資源マネジャによってこの
イメージが生成される。アプリケーションは、ファイル
の読取りを終えた時、このファイルをクローズし、コミ
ットを試みる。共用ファイル資源マネジャは、読取り専
用の資源としてこのコミットを実行する時、アプリケー
ションの使用のために維持されたイメージを破棄するこ
とができる。これで、アプリケーションがこのファイル
を再度オープンする場合、他のアプリケーションによっ
て行われたコミット済みの変更をすべて含むファイルの
イメージが見えることになる。
【0102】同期点要求の結果が、図16の判断ブロッ
ク624、625または640の結論に従って、2段階
コミット手順となる場合、同期点マネジャ60(図2)
は、やはり読取り専用の資源のコミットを最適化する。 読取り専用の資源のこの最適化にはいくつかの部分があ
る。第1に、(図17のステップ644)この読取り専
用の資源に関する情報は、回復ファシリティのログ72
(図2)に書き込まれない。読取り専用の資源が、それ
自体のログに「不確定」の状態をロギングすることは絶
対にないので、読取り専用の資源に関する情報を回復フ
ァシリティ70(図2)にロギングする必要はない。こ
れは、資源マネジャが回復ファシリティ70(図2)と
の再同期化を決して試みず、したがって、回復ファシリ
ティはこの資源に関する知識を必要としないことを意味
する。第2に、この読取り専用の資源は、コミットの第
1段階、すなわち更新リスト中のすべての資源アダプタ
への“prepare(準備)”の送出には使用されな
い(図17のステップ645)。データの整合性の点で
、読取り専用の資源にとってバックアウトはコミットと
同等なので、読取り専用の資源の行動が、資源の保護に
影響を与えることはありえない。
【0103】読取り専用の資源が2段階コミット手順に
使用されるのは、コミットの最終決定を伝えられる時、
すなわち、変更をコミットする(図17のステップ65
3)か、または変更をバックアウトする(図17のステ
ップ655)よう伝えられる時だけである。
【0104】下記に、システム50(図2)などのシス
テムの一部である3つの異なるアプリケーション実行環
境に関わる、2段階コミット手順の例を示す。各アプリ
ケーション実行環境は、異なるアプリケーションを実行
中である。アプリケーションAとアプリケーションBは
、保護された会話を介して通信中である。アプリケーシ
ョンBとアプリケーションCは、保護された会話を介し
て通信中である。この2段階コミット手順は、アプリケ
ーションAが、これと同一の実行環境内で現在実行中の
同期点マネジャにコミット要求B1(図18)を発行す
ることによって、コミットを試みる時に開始される。 段階1は、この同期点マネジャが、回復ファシリティの
ログB2(図18)にログ・レコード“SPM Pen
ding (SPM保留)”を書き込む時に始まる。ロ
グ・レコード“SPM Pending”は、その同期
点用の作業論理ユニット識別子と、その同期点参加者に
関する情報を含み、この場合、ログ・レコード“SPM
 Pending”は、1つの参加者としてアプリケー
ションBを示す。
【0105】ログ・レコード“SPM Pending
”が回復ファシリティへ成功裡に書き込まれた後、同期
点マネジャは、保護会話アダプタを介してアプリケーシ
ョンBにメッセージ“prepare”を送る。アプリ
ケーションBは、その会話パートナであるアプリケーシ
ョンAが資源の同期化を望んでいることを知らされ、そ
の後アプリケーションBは、それと同一の実行環境内で
現在実行中の同期点マネジャにコミット要求B3(図1
8)を発行する。
【0106】B側の同期点マネジャについては、2段階
コミット手順の第1段階は、回復ファシリティのログB
4(図18)にレコード“SPM Pending”を
書き込むことから始まる(図18)。レコード“SPM
 Pending”は、この同期点用の作業論理ユニッ
ト識別子と、この同期点参加者に関する情報を含む。こ
の場合、ログ・レコード“SPM Pending”は
、アプリケーションAに関する、それを同期点開始側と
して示す情報とアプリケーションCに関する、それを同
期点参加者として示す情報を含む。ログ・レコード“S
PM Pending”が回復ファシリティのログに成
功裡に書き込まれると、同期点マネジャは、保護会話ア
ダプタを介してアプリケーションCにメッセージ“pr
epare”を送る。アプリケーションCは、その会話
パートナであるアプリケーションBが資源の同期化を望
んでいることを知らされ、その後アプリケーションCは
、それと同一の実行環境内で現在実行中の同期点マネジ
ャに、コミット要求B5(図18)を発行する。
【0107】同期点マネジャは、レコード“SPM P
ending”を回復ファシリティのログB6(図18
)に書き込むことによって、2段階のコミット手順第1
段階を開始する。このレコード“SPM Pendin
g”は、この同期点参加者に関する情報と、この同期点
用の作業論理ユニット識別子を含む。この例では、レコ
ード“SPM Pending”は、この同期点の開始
側であるアプリケーションBに関する情報を含む。また
、レコード“SPMPending”は、アプリケーシ
ョンCに対する同期点参加者がないことを示している。
【0108】参加者がないので、C側の同期点マネジャ
が、保護会話アダプタを介してメッセージ“prepa
re”を送る必要はない。そこで、C側の同期点マネジ
ャは、回復ファシリティに状態レコードを送り、同期点
の状態を「代理、不確定」B7(図18)に更新する。 この状態レコードが回復ファシリティのログに成功裡に
書き込まれると、C側の同期点マネジャは、このメッセ
ージ“prepare”に応答して、保護会話アダプタ
を介してB側の同期点マネジャにメッセージ“requ
est commit(コミット要求)”を送る。
【0109】B側の同期点マネジャは、保護会話アダプ
タを介してC側の同期点マネジャからのメッセージ“r
equest commit”を受け取る。メッセージ
“request commit”だけが受け取られた
ので、次のステップで、回復ファシリティに状態レコー
ドを送って、同期点の状態を「代理、不確定」B8(図
18)に更新する。状態レコードが回復ファシリティの
ログに成功裡に書き込まれると、B側の同期点マネジャ
は、Aからのメッセージ“prepare”に応答して
、保護会話アダプタを介してA側の同期点マネジャにメ
ッセージ“request commit”を送る。
【0110】A側の同期点マネジャは、B側の同期点マ
ネジャからメッセージ“request commit
”を受け取り、これでこの同期点の第1段階が完了する
。次に、この同期点マネジャは、この同期点の開始側と
して、作業論理ユニットをコミットするかそれともバッ
クアウトするかを決定しなければならない。メッセージ
“request commit”だけがA側の同期点
マネジャに受け取られたので、A側の同期点マネジャは
、この作業論理ユニットをコミットすると決定する。こ
の2段階コミット手順の第2段階は、状態レコードを回
復ファシリティに送ることによってこの同期点マネジャ
がこの決定を記録することから始まる。この状態レコー
ドは、この同期点の状態を「開始側、コミット済み」B
9(図18)に変更する。この状態レコードが回復ファ
シリティのログに成功裡に書き込まれると、この同期点
マネジャは、保護会話アダプタを介してB側の同期点マ
ネジャにメッセージ“committed(コミット済
み)”を送る。
【0111】B側の同期点マネジャは、このメッセージ
“committed”を受け取り、これで2段階コミ
ット手順の第1段階が完了する。第2段階は、この同期
点マネジャが回復ファシリティに状態レコードを送って
、この同期点の状態を「開始側カスケード、コミット済
み」B10(図18)に更新する時に開始される。次に
、B側の同期点マネジャは、保護された会話を介してC
側の同期点マネジャにメッセージ“committed
”を送る。
【0112】C側の同期点マネジャは、このメッセージ
“committed”を受け取り、これで2段階コミ
ット手順の第1段階が完了する。C側の同期点マネジャ
は、回復ファシリティに状態レコードを送って、この同
期点の状態を「開始側カスケード、コミット済み」B1
1(図18)に更新することによって、第2段階を開始
する。メッセージ“committed”を受け取る参
加者は他にはもう存在しないので、C側の同期点マネジ
ャは、この同期点に関する作業を完了している。このこ
とを記録するために、C側の同期点マネジャは、状態レ
コードを回復ファシリティに送って、この同期点の状態
を「忘却」B12(図18)に更新する。この状態を介
して回復ファシリティは、この作業論理ユニット識別子
に関してC側の同期点マネジャが書き込んだすべてのレ
コードが、もはや不要であり消去可能であることを知る
。この状態レコードが回復ファシリティのログに成功裡
に書き込まれた後、C側の同期点マネジャは、メッセー
ジ“committed”に応答して、保護会話アダプ
タを介してB側の同期点マネジャにメッセージ“for
get(忘却)”を送り、これでC側の同期点マネジャ
の2段階コミット手順の第2段階が終了する。このメッ
セージ“forget”が送られた後、C側の同期点マ
ネジャは、この同期点が成功裡に完了したとの指示と共
に、制御をアプリケーションCに返す。
【0113】B側の同期点マネジャは、C側の同期点マ
ネジャから保護会話アダプタを介して、メッセージ“f
orget”を受け取る。このメッセージ“forge
t”の受取りは、B側の同期点マネジャがこの同期点を
完了したことを示す。このことを記録するために、B側
の同期点マネジャは、回復ファシリティに状態レコード
を送って、この同期点の状態を「忘却」B13(図18
)に更新する。この状態から、回復ファシリティは、こ
の作業論理ユニット識別子に関してB側の同期点マネジ
ャが書き込んだすべてのレコードが、もはや不要であり
消去可能であることを知る。この状態レコードが回復フ
ァシリティに成功裡に書き込まれた後、B側の同期点マ
ネジャは、メッセージ“committed”に応答し
て、保護会話アダプタを介してA側の同期点マネジャに
メッセージ“forget”を送り、これでB側の同期
点マネジャの2段階コミット手順の第2段階が終了する
。メッセージ“forget”が送られた後、B側の同
期点マネジャは、この同期点が成功裡に完了したとの指
示と共に、制御をアプリケーションBに返す。
【0114】A側の同期点マネジャは、このメッセージ
“forget”を受け取る。このメッセージ“for
get”の受取りは、A側の同期点マネジャがこの同期
点を完了したことを示す。このことを記録するために、
A側の同期点マネジャは、回復ファシリティに状態レコ
ードを送って、この同期点の状態を「忘却」B14(図
18)に更新する。この状態から、回復ファシリティは
、この作業論理ユニット識別子に関してA側の同期点マ
ネジャが書き込んだすべてのレコードがもはや不要であ
り消去可能であることを知る。これでA側の同期点マネ
ジャの2段階コミット手順の第2段階が終了するが、こ
のことは、この同期点がそのすべての参加者について完
了したことを意味する。この状態レコードが回復ファシ
リティのログに成功裡に書き込まれた後、A側の同期点
マネジャは、この同期点が成功裡に完了したとの指示と
共に、制御をアプリケーションAに返す。
【0115】コミット手順におけるエラー・コードおよ
びエラー記述情報の処理の調整図29ないし32は、い
ずれかの資源または保護された会話がエラーまたは警告
を報告する場合に、アプリケーション56Aに戻りコー
ドを与える、システム50Aの構成要素を示す図である
。また、アプリケーション56Aは、それぞれの資源お
よび保護された会話から、詳細なエラー情報を要求する
ことができる。この詳細エラー情報は、報告元の資源を
識別し、同期点エラーの理由を記述し、同期点に関する
警告のこともあり得る。
【0116】アプリケーション56Aは、システム50
A内の分散アプリケーション実行環境52A(図32参
照)内で実行中である。保護資源アダプタ62Aは、共
用ファイル資源マネジャ63A用のアダプタであり、資
源アダプタ62Gは、SQL資源マネジャ63G用のア
ダプタであり、保護会話アダプタ64Aは、保護会話ア
ダプタ64Bを介するシステム50Bとの保護された会
話用のアダプタである。この例では、アダプタ62Aお
よび64Aは、システム50A内のシステム制御プログ
ラムに組み込まれた構成要素なので、同一の製品識別子
を有する。アダプタ62Gは、異なる製品の一部なので
、独自の製品識別子を有する。アダプタ62Aおよび6
4Aは、異なる資源アダプタ出口識別子を有する。この
例では、資源アダプタ62Gは、アダプタ56Aには解
読不能であって、アダプタ56Aに詳細エラー情報を返
すための従来技術の機能を有する、エラー・ブロックを
生成する。
【0117】作業要求に応答して(図29のステップ6
51)、アダプタ62A、62Gおよび64Aが、同期
点マネジャ60に登録される(ステップ653)。同期
点マネジャ60は、登録オブジェクト162A、162
Bおよび162Cを生成し、参加する資源(共用ファイ
ル資源マネジャ63A、SQL資源マネジャ63Gおよ
びシステム50B内の保護された会話のパートナ)の識
別子を入れる。また、この登録情報は、資源アダプタ出
口ルーチン名、資源および保護された会話の製品識別子
、および各資源のエラー・ブロックの必要な長さを含む
。資源アダプタ出口ルーチン名は、この例のシステム5
0A内のシステム制御プログラムなどの製品が、2タイ
プの資源を所有する時に必要である。製品識別子と資源
アダプタ出口ルーチン名は共に、参加する資源のタイプ
、たとえば共用ファイル資源マネジャ、SQL資源マネ
ジャ、または保護会話マネジャを識別する。1実行環境
内の同一タイプの資源の資源アダプタはすべて、システ
ム50Aのページング・セットを縮小するために、同一
のプールからのエラー・ブロックを使用する(図解は図
31を参照されたい)。ある資源がステップ653(図
29)で、他のタイプの資源と同一のサイズのエラー・
ブロックを要求する場合、そのエラー・ブロック・プー
ルがこれら2つの資源によって共用される。
【0118】各登録物(62A、62Gおよび64A)
について、資源アダプタ出口ルーチンを呼び出すための
パラメータのリストが、同期点マネジャ60によって作
成される。このリストは、その資源のエラー・ブロック
のアドレスと、使用可能なエラー情報の長さを含む。登
録エントリ内に使用可能なエラー情報の長さを置いても
、エラーが発生しない場合には、システム50Aのペー
ジング・セットは影響を受けない。
【0119】次に、アプリケーション56Aは、同期点
マネジャ60からのコミットを要求する(図29のステ
ップ654)。アプリケーション56Aが、この同期点
中にエラーが発生する場合に共用ファイル資源マネジャ
63Aからの詳細な情報(システム50A内の共用ファ
イル資源マネジャの従来技術の機能)を望む場合、アプ
リケーション56Aは、詳細なエラー情報のコピーを記
憶するための、その実行環境内のデータ域のアドレスを
、エラー・データ・アドレスとしてこのCommit動
詞と同時に送る(図29のステップ654)。このデー
タは、資源マネジャ63Aがエラーまたは警告を報告す
る場合に使用される。同期点マネジャ60は、共用ファ
イル資源アダプタ62Aの代わりにこの動詞を受け取り
、エラー・データ・アドレスは、同期点マネジャ60に
よってセーブされる。同期点の完了時に、すべてのエラ
ーと警告(図29のエラー・ブロック66Aに記憶され
ている)は、アプリケーション56Aのエラー・データ
域(図示せず)に移される。したがって、共用ファイル
資源マネジャの従来技術のエラー・パス・バック・アー
キテクチャとの互換性が保たれている。
【0120】ステップ655(図29)で、同期点マネ
ジャ60は、各資源アダプタ(図32の62A、62G
および64A)に、登録オブジェクト162Aないし1
62Cにセーブされたそのエラー・ブロック(オブジェ
クト66Aないし66C)のアドレスを渡す。登録オブ
ジェクト162Aないし162Cは、資源アダプタが登
録された時、各資源アダプタごとに作成されている(ス
テップ653)。障害がない場合、ステップ654から
のコミットが完了し、その後同期点マネジャ60は、更
新がコミット済みであることをアプリケーション56A
に報告する(ステップ657)。
【0121】ところが、ある資源がエラーまたは警告を
検出した場合には(図30のステップ670)、そのア
ダプタ62A、62Gまたは64Aは、エラー・ブロッ
ク66Aないし66C(図29)を、設計上必要なもの
をすべて記憶するための場所として使用して、詳細なエ
ラー情報を入れ、入出力パラメータである使用可能なエ
ラーの長さを更新する。資源アダプタ出口ルーチンは、
2段階コミット手順中に何回も呼び出すことができるの
で、必要に応じてエラー・ブロックにエラー情報を付加
できる。たとえば、3つの警告と1つの重大なエラーが
あってもよい。資源アダプタ出口ルーチンは、それ自体
で使用可能なエラーの長さを管理する(ステップ672
)。
【0122】同期点マネジャ60は、資源アダプタ出口
ルーチンから、共通のフォーマットの単一の戻りコード
を受け取り、2段階コミット手順の論理を続行する(ス
テップ673)。このとき、同期点マネジャ60は、エ
ラー・ブロック66Aないし66Cの内容を知らず、こ
れに関心を持つこともない。2段階コミット手順の論理
がエラーまたは警告を指摘した場合、同期点マネジャは
、統合された戻りコードをアプリケーション56Aに返
す(図29のステップ657および図30のステップ6
74)。
【0123】この戻りコードを受け取ると、アプリケー
ション56Aは、同期点マネジャ60から提供されるル
ーチンを呼び出すことによって、詳細なエラー・ブロッ
クを要求する(図30のステップ676)。これに応答
して、同期点マネジャ60内部のエラー・ブロック・マ
ネジャ(図32の機能690)が、空でないエラー・ブ
ロックを探し、これをアプリケーション56Aのバッフ
ァに移動する。他の出力パラメータは、このエラー・ブ
ロックの所有者の製品識別子と資源アダプタ出口ルーチ
ン名である。次に、アプリケーション56Aは、この製
品識別子を検査する。報告を行った製品がシステム50
A内のシステム制御プログラムである場合(図30の判
断ブロック678)、アプリケーション56Aは資源ア
ダプタ出口ルーチン名を検査して、2つのシステム制御
プログラム・アダプタの区別を行う。これで、エラー・
ブロックでその資源名と障害の原因を探すことができる
(ステップ680Aまたは680B)。エラー・ブロッ
クの読取りを助けるためのシステム50A内のシステム
制御プログラムから、共用ファイル資源マネジャと保護
された会話のための、マッピング・マクロが提供される
。また、エラー・ブロックを都合の良い形であるパラメ
ータ・リストに再フォーマットするために、各アダプタ
からルーチン(図32の対話693)が提供される。 共用ファイル資源マネジャを使用する既存のアプリケー
ションは、エラー・パス・バック方法が変更されていな
いので、変更不要である。保護された会話は新規である
ので、通信を使用する既存のアプリケーションに関する
互換性の目的には反しない。
【0124】製品がSQL資源マネジャである場合(図
30の判断ブロック681)、説明のため、エラー・ブ
ロックが、現在アプリケーション56Aが理解できる形
ではないと仮定すると、このエラー・ブロックを解読し
なければならない。したがって、アプリケーション56
Aは、アプリケーション56Aが理解できる形でエラー
のタイプを識別するよう資源アダプタ62Gに要求する
(ステップ682)。これに応答して(ステップ683
)、SQL資源アダプタ62Gは、アプリケーション5
6Aの使用するルーチンに非常に類似してはいるが、資
源アダプタ用に特殊化されたルーチンを使って、同期点
マネジャからエラー・ブロックを読み取る。SQL資源
アダプタ62Gとアプリケーション56Aは一義的なト
ークンを与えられ、その結果、これらの双方が、混乱す
ることなく同一のエラー・ブロック内を巡回できること
に留意されたい。SQL資源アダプタ62Gは、エラー
・ブロック66C(図29)内のデータを再フォーマッ
トして、アプリケーション56Aと互換性をもつ形に変
換し(図30のステップ684)、その後、この再フォ
ーマットされた詳細なエラー情報をアプリケーション5
6Aに送る(ステップ685)。この例では、既存のS
QL資源アダプタがエラー情報の調整式処理に参加する
には、些細な内部的な変更しか必要でない、すなわち、
同期点マネジャ60にエラー・ブロックを要求しなけれ
ばならないことに留意されたい。アプリケーション56
Aが1つの資源しか更新しない場合、既存のアプリケー
ションは変更を必要としないので、SQL資源アダプタ
のエラー・パス・バック・インタフェースの外見が保存
される。アプリケーション56Aが、新しい機能である
調整された同期点を使用していることを示す追加のエラ
ー・コードは、非互換性とはみなされない。
【0125】その後、アプリケーション56Aは、追加
のエラー・ブロックがあるか否かを決定するために、同
期点マネジャ60に照会を行う(図30のステップ67
6)。そうである場合(判断ブロック677)、ステッ
プ678ないし685を繰り返して、同期点マネジャ6
0から1つまたは複数の追加のエラー・ブロックを得る
。これ以上エラー・ブロックがない場合、判断ブロック
677から図29のステップ688に進み、ここでアプ
リケーション56Aは処理を継続して、異なる機能を続
行するか、あるいは障害の矯正を試みる。
【0126】同期点マネジャ60は、前記「コミット手
順のための資源の登録」で述べたように、次の同期点ま
でエラー・ブロックを保存する。
【0127】保護された資源を回復するためのログ名の
交換アプリケーション56(図2)が同期点要求を発行
する時、すべての保護された資源に対する変更をコミッ
トするために、2段階コミット手順が開始される。保護
された資源には、資源マネジャによって管理されるデー
タベースなどの保護された資源、ならびに分散パートナ
・アプリケーションを表す保護された会話と称する特殊
な分類の資源が含まれる。「保護された資源の調整式同
期点管理」で述べたように、2段階コミット手順の第1
段階は、コミットのための資源の準備である。第1段階
の間にすべての資源マネジャがコミットに同意すると、
第2段階で実際のコミットを行う。第1段階の間に準備
できない資源がある場合、すべての資源は、第2段階の
間にその変更をコミットする代わりにバックアウトする
よう命じられる。すべての資源データの変更は、それら
が実際にコミットされるまで、バックアウトの対象とな
る。
【0128】「分散アプリケーション用の未完了の同期
点のための回復ファシリティ」に記載するように、障害
のために同期点が完了できない時に同期点を完了させる
ための回復手順をサポートするには、その以前に同期点
情報が、持久記憶装置内にある回復ファシリティ・ログ
72および資源マネジャ・ログ800に記憶され、保持
されていることが必要である。ロギングは、各同期点マ
ネジャ60ならびに参加する各資源マネジャ63によっ
て行われる。ログに記録される情報には、ロギングを行
う同期点マネジャまたは資源マネジャからみた同期点の
現在の状態、既知の同期点参加者の同期点ログに関連す
る現在の名前、および、同期点マネジャの場合には、同
期点障害からの回復の際に同期点参加者との会話を確立
するのに必要な情報が含まれる。
【0129】既知の同期点参加者のログ名に関する情報
は、その他の同期点情報とは分離または区分してロギン
グされる。このログ名情報は、ログ名ログ72A2(図
19)に記録され、残りの情報は、同期点ログ72A1
に記録される。
【0130】いずれかの同期点ログに情報を記録する際
に障害が発生し、そのログを再初期設定する必要が生じ
、実際に新しいログを開始する時は、そのログに新しい
名前が割り当てられる。これが発生した時は、同期点に
参加する他の同期点マネジャおよび資源マネジャが、新
しいログの所有者および維持者と共に、そのログが再初
期設定されたこと、および新しい名前が有効であること
を知らされることが重要である。
【0131】各同期点マネジャおよび参加者が、有効な
同期点ログを有することは、自動的再同期化のために不
可欠である。すなわち、再同期化の時点でのログは、同
期点中に使用されたものと同一のログでなければならな
い。いずれかのログが置換されまたは損傷を受けた場合
、再同期化は正常に進行できない。すべてのログが正し
いことを保証するために、各同期点マネジャおよび参加
する資源のログ名に関して同期点以前に同意が行われる
。これはログ名交換と称する手順によって行われる。 再同期化の開始直前にもう1つのログ名交換があり、そ
の結果、すべての参加者のログ名が同期点開始時と同一
であると決定され、ログの再初期設定を行った参加者が
ないとわかるので、再同期を続行して、障害を発生した
同期点を回復することができる。この手順を省くと、無
効な同期点ログ情報のために、回復処理に障害が生じた
り、回復処理から誤った結果が生ずる可能性がある。
【0132】同一のシステム内のアプリケーション環境
(たとえば、システム50A内の分散アプリケーション
環境52Aおよび52B)間での保護された会話の最適
化としては、ログ名を交換する必要はない。というのは
、同期点マネジャ60Aおよび60Bが、それぞれ同一
の回復ファシリティ・ログ70Aおよび回復ファシリテ
ィ・ログ72Aを共用しているからである。共通の回復
ファシリティ・ログ72Aが存在する時は、(ログ名交
換による)ログ同期化のステップは、不要であり、省略
してよい。同期点マネジャのロギングは、サポートされ
る同期点マネジャ60と同一のシステム内に常駐する共
通の回復ファシリティ70によって行われる。システム
50A内の同期点マネジャ60A、60B、60Cはす
べて、共通の回復ファシリティ70Aを共用し、回復フ
ァシリティ・ログ72A内のログの、同一のサポート対
(同期点およびログ名)を共用している。
【0133】図33には、3つのシステム50A、50
D、50Fと、そのそれぞれの中にある回復ファシリテ
ィと、これらのシステム間の通信が示されている。アプ
リケーション環境52A、52B、52D、52F、5
2Gは、それぞれ調整式の資源回復のために同期点マネ
ジャ60A、60B、60D、60F、60Gを使用す
る、アプリケーション・プログラム56A、56B、5
6D、56F、56G(図示せず)を含む。同期点マネ
ジャは、そのシステム内の回復ファシリティを使用して
、同期点と、障害を発生した同期点からの回復に必要な
ログ名ログとを管理する。たとえば、アプリケーション
環境52Aおよび52B内の同期点マネジャは、回復フ
ァシリティ70Aを使用してログ72Aに記録する。 資源マネジャ63A、63B、63D、63E、63F
、63Gは、それぞれそれ自体の同期点と、ログ名ログ
800A、800B、800D、800E、800F、
800Gを維持する。図示の同期点の範囲は、実線と矢
印で示されている。同期点はいずれの参加者でも開始で
き、かつ同期点の範囲は動的であるが、図を簡単にする
ためにこの図は静的なものである。この図の静的な場合
では、同期点は、アプリケーション環境の間で、52B
から52Dへ、さらに52Fへと、関連する同期点マネ
ジャおよび保護会話アダプタ(図示せず)を介し、通信
の実線801および802を経て流れ、またアプリケー
ション環境52A、52B、52D、52F、52Gか
ら、関連する同期点マネジャおよび保護会話アダプタを
介し、それぞれ通信の実線803A−1、803A−2
、803B、803D、803E、803F、803G
を経て、資源マネジャ63A、63B、63D、63E
、63F、63Gへ流れる。点線は、同期点以前の同意
の際と、障害を発生した同期点を回復するための再同期
化の際に使用される通信経路を示す。資源マネジャにと
って、この点線で示された通信は、起点側アプリケーシ
ョン環境のシステムの資源マネジャと回復ファシリティ
の間に存在し、たとえば、資源マネジャ63Eからは、
70Dにではなく70Aに向かう。
【0134】3つの同期点の範囲が、図33に含まれて
いる。第1の範囲は、単一のアプリケーション環境52
A(および同期点マネジャ)を含み、2つの資源マネジ
ャ63Aおよび63Eを使用する。第2の同期点の範囲
は、3つのアプリケーション環境52B、52Dおよび
52Fを含み、これらはそれぞれ、様々な参加する資源
マネジャ(52Bには63B、52Dには63Dと63
E、52Fには63Fと63G)を含む。これを図34
の同期点ツリーに示す。
【0135】図19のブロック図および図20、図21
、図22の流れ図は、システム50Aとシステム50D
の間の保護された会話を使用するログ名交換の処理を実
例によって示す図である。アプリケーション56Aは、
アプリケーション56Dとの保護された会話を開始する
(図20のステップ831)。アプリケーション56A
はシステム50A内のアプリケーション環境52Aで実
行中であり、アプリケーション56Dはシステム50D
内のアプリケーション環境52Dで実行中である。 会話の開始には、経路(システム識別子、この例では“
B”)と、パートナ・アプリケーションの資源識別子を
指定することが含まれる。この経路はシステム50Dを
識別し、この資源識別子は目的のアプリケーション56
Dを識別する。資源識別子については、本節で後で詳し
く説明する。システム制御プログラムは、アプリケーシ
ョンの資源マネジャとして働くファシリティを含み、こ
れはアプリケーション用のアプリケーション資源識別子
の確立をサポートし、これらの識別子が会話開始に使用
された際にこれを認識し、その後、実行環境内でアプリ
ケーションを活動状態にし、またすでに活動状態である
場合には、新規の会話をその活動状態のアプリケーショ
ンに経路指定する。したがって、アプリケーション用の
会話の経路指定には経路(システム識別子)と資源識別
子を使用する。その際に、経路は、それぞれシステムを
代表する通信ファシリティの解釈に従ってシステム間の
経路指定を行い、資源識別子は、アプリケーション資源
用の資源マネジャとして働くシステム制御プログラムの
解釈に従って、システム内の実行環境内のアプリケーシ
ョンへの経路指定またはそのアプリケーションの活動化
を行う。
【0136】この会話開始を受け取ると、通信ファシリ
ティ57Aは、その交換ログ名状況テーブル(ELST
)208Aを探索して、現経路である経路B用のエント
リを求める(図20のステップ833)。交換ログ名状
態テーブルの経路B用のエントリは、状況0によって、
システム50Aが最後に開始されて以降にこの経路上に
は保護された会話が発生していないことを示す。したが
って(図20の判断ステップ834)、交換ログ名状態
テーブルの経路B用のエントリ208Aが、状況1に変
更され(図20のステップ836)、会話開始メッセー
ジ505(図19)が代行受信され、この会話は、通信
ファシリティ57Aによって中断される(図20のステ
ップ837)。次に、通信ファシリティ57A(図19
)は、ローカルの回復ファシリティ70Aへの制御経路
上にメッセージ200(図19)を送って、この会話開
始が通信ファシリティ57Aに受諾されないうちに、経
路Bに対してログ名交換を初期設定すべきであると指示
する(図20のステップ838)。
【0137】回復ファシリティ70Aは、このメッセー
ジを受け取り(図21のステップ850)、その後、E
LST207Aの経路B用のエントリを状況1にセット
して、経路B用のログ名交換が進行中であることを示す
(図21のステップ851)。次に、回復ファシリティ
70A(図19)は、通信経路B上で保護されない会話
を開始する(図19のメッセージ202)。この会話は
「保護されていない」ので、通信ファシリティによる代
行受信の可能性はない。というのは、保護された会話だ
けが、ログ名交換手順を強制するために代行受信がある
かどうか監視されるからである。システム50Aからシ
ステム50Dへの通信ファシリティを介する経路指定は
、上記と同様である。
【0138】この会話開始は、資源識別子protec
ted_conversation_recovery
(保護会話回復)と称する、グローバルに予約された資
源識別子も使用する。この資源識別子を使用すると、識
別された目的システム50Dの回復ファシリティ70D
への経路指定が可能になる。回復ファシリティ70Aお
よび70Dはそれぞれ、初期設定の際に、システム制御
プログラムに対して、“protected_conv
ersation_recovery”と称するグロー
バル資源に対するローカル資源マネジャとしてそれ自体
を識別する。この結果、システム50D用のシステム制
御プログラムは、protected_convers
ation_recovery資源識別子を有する会話
を、ローカルの回復ファシリティ70Dに経路指定し、
また回復ファシリティ70Dは、この会話を開始するの
に使用されたprotected_conversat
ion_recovery資源識別子に基づいて、この
会話の目的が、別の回復ファシリティ70Aとのログ名
交換であると判定する。この会話の初期メッセージ20
2(図19)は、ログ72Aのログ名、ならびにそのロ
グ名が「新規」であるか否か、すなわち、「旧」ログに
関連する重大な障害または喪失の結果としてそのログ名
が新規のログを反映するように変更されたか否かの標識
を含む(図21のステップ852)。現在の例では、こ
のログは新規ではないと仮定する。回復ファシリティ7
0Aは、メッセージ202(図19)に対する応答を待
つ。
【0139】回復ファシリティ70Dは、通信線202
に沿って回復ファシリティ70Aから送られたログ名情
報を受け取った後に(図22のステップ870)、経路
Bに関するELST207Dを状況1にセットし、ロー
カル通信ファシリティ57Dは、メッセージ203(図
19)を介して、やはり経路Bに関するELST208
Dを状況1に変更するよう通知される(図22のステッ
プ871)。図20のステップ841、図20のステッ
プ842、図20のステップ843および図20のステ
ップ846は、通信ファシリティ内のELSTを変更す
るステップを示す。回復ファシリティ70Dは、メッセ
ージ202(図19)から、回復ファシリティ70Aの
ログ名が新規でなく(図22の判断ステップ872)、
それ自体のログも新規ではない(図22の判断ステップ
876)と判定し、最後に、メッセージ202(図19
)内のログ名が、回復ファシリティ70Dのログ名ログ
72D2の経路Bに関するエントリに記憶されたログ名
と一致すると判定する。したがって、ELST207D
は、経路Bに関して状況2にセットされ、ローカル通信
ファシリティ57Dは、メッセージ203(図19)を
介して、やはり経路Bに関するELST208Dを状況
2にセットするよう通知される(図22のステップ87
9、図20のステップ841および図20のステップ8
42)。その後、回復ファシリティ70Dは、回復ファ
シリティ70Aに正常に応答して(図19のメッセージ
206)、そのログ72Dのログ名とそれが新規である
か否かの標識を送る(図22のステップ882)。
【0140】回復ファシリティ70Aは、この正常な応
答を受け取り(図21の判断ステップ853)、回復フ
ァシリティ70Aのログ72Aが新規ではなく(図21
の判断ステップ857)、メッセージ206(図19)
によれば回復ファシリティ70Dのログ72Dが新規で
はないので(図21の判断ステップ858)、回復ファ
シリティ70Aは、回復ファシリティ70Dからメッセ
ージ206(図19)中で送られたログ72Dの名前と
、ログ72A2の経路Bに関するエントリに記憶された
ログ名の突合せに成功し(図21の判断ステップ859
)、したがって、ELST207Aの経路Bに関するエ
ントリを状況2にセットし、メッセージ204(図19
)を介して、ローカル通信ファシリティ57Aに、EL
ST208Aを状況2にセットするよう通知する(図2
1のステップ862)。その後、回復ファシリティ70
Aは、経路B上の回復ファシリティ70Dとの会話の正
常終了を行って(図21のステップ863)、回復ファ
シリティ70Dが、正常に完了できるようにする(図2
2の判断ステップ883と図22のステップ886)。 通信ファシリティ57Aが、経路Bの状況をELST2
08Aに記入するよう伝えるメッセージ204(図19
)を受け取ると(図20のステップ841と図20のス
テップ842)、代行受信され中断された経路B上の会
話505は、その初期設定を完了できるようになる(図
20の判断ステップ843、図20のステップ845お
よび図20のステップ846)。この完了によって、こ
の会話の中断状態が解消され、この会話は、その宛先で
ある通信ファシリティ57Dに向かって流れることがで
きるようになる。目的の通信ファシリティ57Dで保護
会話到着事象(図20のステップ832)があり、その
後、ELST208D内の経路エントリを検索して、状
況が2であることが示され(図20の判断ステップ83
4)、この会話開始が、アプリケーション56Dに正常
に流れることができるようになる(図20のステップ8
39)。
【0141】これで、会話の代行受信とログ名交換の正
常な場合の流れが完了する。いくつかの追加の場合も図
示されている。図20のステップ834と図20のステ
ップ835は、この経路用のログ名交換がすでに進行中
であることを示す1の状況が確立されると、同一の経路
上の追加の会話も中断されることを示している。
【0142】目的の回復ファシリティ70Dが、メッセ
ージ202(図19)中で送られたログ名と経路Bに関
してログ72D2に記憶されたログ名が一致しないこと
を見つけた場合(図22の判断ステップ877)、メッ
セージ206(図19)中でエラーが戻され(図22の
ステップ880)、ELST207Dは、経路Bに関し
て状況0にセットされ、通信ファシリティ57Dは、メ
ッセージ203(図19)を介して、同様にそのELS
T208Dを変更するよう通知される(図20のステッ
プ841、図20のステップ842および図22のステ
ップ881)。
【0143】原始ログ72Aが新規であり(図22の判
断ステップ872)、ログ72Dも新規である(図22
の判断ステップ873)ことを示すメッセージ202(
図19)を、回復ファシリティ70Dが受け取った場合
、ログ72Aの新規のログ名が、経路Bに関するログ7
2D2に記憶され(図22のステップ878)、前記と
同様に正常な完了が継続する(図22のステップ879
、図22のステップ882など)。
【0144】原始ログ72Aは新規であるが(図22の
判断ステップ872)、ログ72Dは新規でない(図2
2の判断ステップ873)ことを示すメッセージ202
(図19)を、回復ファシリティ70Dが受け取り、か
つ同期点ログ72D1から、経路Bに関して未解決の同
期点回復(未処理の再同期化)が存在すると判定された
(図22の判断ステップ874)場合には、システム5
0Dの操作員に対してエラー・メッセージが生成され(
図22のステップ875)、メッセージ206(図19
)中で、回復ファシリティ70Aにエラーが戻され(図
22のステップ880)、ELST207Dは状況0に
変更され、ローカル通信ファシリティは、メッセージ2
03(図19)を介して、ELST208Dを状況0に
変更するよう通知され(図22のステップ881、図2
0のステップ841、図20のステップ842)、その
後、リターンする(図22のステップ882)。
【0145】回復ファシリティ70Aが、回復ファシリ
ティ70Dからのメッセージ206(図19)中でエラ
ー応答を検出し(図21の判断ステップ853)、かつ
未処理の再同期化が存在するとログ72A1で示される
(図21の判断ステップ854)場合には、システム5
0Aの操作員にメッセージが送られ(図21のステップ
855)、ELST207Aおよび208Aは、状況0
に変更される(図21のステップ856)。ELST2
08Aは、通信ファシリティ57Aに対するメッセージ
204(図19)を介して状況0に変更される(図20
のステップ841と図20のステップ842)。この結
果、代行受信された会話を開始したアプリケーション5
6Aにエラーが戻され、会話は拒絶される(図20のス
テップ844)。未処理の再同期化がない場合は(図2
1の判断ステップ854)、操作員にメッセージは送ら
れない(図21の判断ステップ854)。
【0146】回復ファシリティ70Dからのメッセージ
206(図19)中で、新規のログ名が回復ファシリテ
ィ70Aに戻されると(図21の判断ステップ857)
、このログ名はログ72A2の経路Bに関するエントリ
に記憶され(図21のステップ861)、2のELST
状況が経路Bに関してセットされ(図21のステップ8
62)、通信ファシリティ57Aは、この会話を中断か
ら解放する(図20のステップ841、図20の判断ス
テップ843および図20のステップ845)。
【0147】回復ファシリティ70Dからメッセージ2
06(図19)中で戻されたログ名が、経路Bに関して
ログ72A2に記憶された名前と一致しないことを回復
ファシリティ70Aが検出するか(図21の判断ステッ
プ858および859)、あるいはログ72D2に対し
て新規のログ名が戻され(図21の判断ステップ858
)、経路Bに関して必要な未処理の再同期化が存在する
とログ72A1から回復ファシリティ70Aが決定した
(図21の判断ステップ860)場合は、回復ファシリ
ティ70Aは、メッセージ202および206(図19
)をサポートした会話を異常終了させることによって、
回復ファシリティ70Dに重大なエラーが存在すること
を知らせ(図21のステップ864)、システム50A
の操作員に対するメッセージを生成し(図21のステッ
プ865)、ELST207Aの状況をリセットし、通
信ファシリティ57Aに対するメッセージ204(図1
9)を介して、ELST208Aの状況をもリセットす
る(図21のステップ866)。この結果、代行受信さ
れた会話を開始したアプリケーション56Aにエラーが
戻され、会話は拒絶される(図20のステップ844)
【0148】すべての場合において、回復ファシリティ
70Dは、回復ファシリティ70Aに応答(図22のス
テップ882)した後であっても、会話の異常終了を通
じて回復ファシリティ70Aから送られるエラー(図2
1のステップ864)を検出することができる(図22
の判断ステップ883)。それが発生した時、ELST
207Dの経路Bのエントリと、通信ファシリティ57
Dへのメッセージ203(図19)(および図20のス
テップ841と図20のステップ842)を介してEL
ST208Dの経路Bのエントリとが、状況0にリセッ
トされ(図22のステップ884)、ログ72D2の経
路Bに関するログ名エントリが消去され(図22のステ
ップ885)、以前のステップ878(図22)を否定
する。
【0149】図19のELST208Aおよび208D
に示されるように、各通信ファシリティは、各経路に対
する会話の代行受信(状況2以外)、ログ名交換の開始
(状況0)および正常な会話の流れ(状況2)を制御す
る。各回復ファシリティが維持するELST207Aお
よび207Dも同様であるが、任意選択の最適化である
。ELST207Aおよび207Dを用いると、通信フ
ァシリティのELSTの更新が実際には不要である時に
、ローカル通信ファシリティに対する更新要求のメッセ
ージが回避できる。これについては後でさらに説明する
【0150】図19には、さらに、システムのうちの1
つが障害を発生した時に必要な処理が示されている。通
信ファシリティ57A、回復ファシリティ70Aまたは
それらの間の通信経路に障害があるものと仮定する。こ
のような障害は、通信ファシリティ57A内のELST
208Aおよび回復ファシリティ内70AのELST2
07Aを状況0にリセットさせる。このことが重要なの
は、そうしないと、このような障害によって、ログ障害
も発生していた可能性がマスクされ得るためである。こ
の可能性のゆえに、交換ログ名状況テーブルのエントリ
の状況を0にすることによって、すべての同期点同意が
リセットされる。アプリケーション環境52Aまたは5
2Dの障害は、これらのアプリケーション環境がログ名
交換処理に直接影響しないので、ログ名交換状況テーブ
ルのリセットを起こさないことに留意されたい。アプリ
ケーション環境はシステム・ファシリティよりも障害を
発生しやすいので、このことは重要である。同様に、共
通の論理経路(図示せず)を共用する複数のアプリケー
ション環境のうちの1つの障害は、その経路を使用する
他のアプリケーションの処理には影響を与えない。
【0151】さらに、通信ファシリティ57A、回復フ
ァシリティ70Aまたはそれらの間の制御経路の障害の
後に、アプリケーション56Dが、アプリケーション環
境52A内のアプリケーション56Aに対する経路Bに
沿った会話を開始するものと仮定する。通信ファシリテ
ィ57D内の交換ログ名状況テーブルは、経路Bの状況
が2であり、通信ファシリティ57D内のテーブルが、
システム50Aに障害が発生した際にはリセットされな
かったことを示しているので、この会話は、通信ファシ
リティ57Dによって代行受信されない。ところが、こ
の会話が通信ファシリティ57Aまで達すると、保護会
話到着事象があり(図20のステップ832)、ELS
T208Aを検索すると、状況が0であることが示され
(図20の判断ステップ834)、通信ファシリティ5
7Aはこの会話の経路指定を代行受信し(図20のステ
ップ836と図20のステップ837)、したがって通
信ファシリティ57Aは、回復ファシリティ70Aに対
するメッセージ200(図19)によって、ログ名交換
を要求する(図20のステップ838)。これによって
、前述のログ名交換処理が繰り返される。このログ名交
換がその交換処理中に回復ファシリティ70D中で受け
取られた時、回復ファシリティ70D内の交換ログ名状
況テーブルは、経路Bのエントリの状況が2であること
を示す。したがって、回復ファシリティ70Dは、通信
ファシリティ57Dに、経路Bに関して交換ログ名状況
テーブルを変更するよう通知することはしない。このよ
うな交換は不要である。この点が、このログ名交換処理
における、上述の障害発生前の処理との唯一の相違点で
ある。ログ名交換処理が完了した後に、回復ファシリテ
ィ70Aは、メッセージ204(図19)を介して通信
ファシリティ57Aに、経路Bの状況を0から2に変更
するよう通知する。その後、通信ファシリティ57Aは
、経路Bに沿った会話を解放し、この会話がアプリケー
ション52Aに流れるようになる。
【0152】前述の2つの例では、回復ファシリティ7
0Aが、メッセージ202(図19)を介して経路B上
のログ名交換を開始したことに留意されたい。しかし、
その代わりに、通信ファシリティ57Dが保護された会
話を最初に代行受信する通信ファシリティであった場合
には、回復ファシリティ70Dが、メッセージ206(
図19)で示されるログ名交換処理を開始する。保護さ
れた会話のために同一の経路を使用する、同一のシステ
ム50A内のすべてのアプリケーション環境に対して同
期点以前の同意を満足するには、単一のログ名交換で十
分なことにも留意されたい。共通のログ名交換状況テー
ブル208Aに記録することによって、これが可能にな
る。さらに、同一のシステム内にあるすべてのアプリケ
ーション環境が同一のログ72を共用するので、保護さ
れた会話に関係するシステム50Aおよび50Dのそれ
ぞれにアプリケーション環境が複数存在する時でも、同
期点以前の同意の要件を満足するには、上述の単一のロ
グ名交換処理で十分であることに留意されたい。また、
保護された会話が、アプリケーション環境52Aからそ
れと同一のシステム50A内にあるアプリケーション環
境52Bに向けて開始される時は、アプリケーション環
境52Aおよび52Bが同一のログ72Aを共用し、ロ
グ名交換が不要であるので、通信ファシリティ57Aは
この会話を代行受信しない。
【0153】たとえば、この体系的システム間通信の標
準は、IBMコーポレーションの刊行物“System
 Network Architecture LU 
6.2 Reference: Peer Proto
cols, SC31−6808, Chapter 
5.3 Presentation Services
 − Sync Point Verbs”に記載のタ
イプのものでよい。本節で述べたログ名交換は、交換の
実行、制御および最適化のための処理を対象とするので
あって、交換用の体系的プロトコルを対象としてはいな
い。
【0154】ログ名交換は、回復ファシリティと、共用
ファイルやデータベースなどの保護された資源の資源マ
ネジャとの間でも必要である。同一のシステム内で会話
が行われる時(会話が共通の同期点ログを共用するので
)ログ名交換が不要である、保護された会話とは違って
、資源マネジャはそれ自体の同期点ログを維持するので
、参加する資源マネジャが開始側のアプリケーションと
同一のシステム内にある場合であっても、それらの資源
マネジャにはログ名交換が必要である。上記のSyst
em Network Architecture L
U6.2に記載の保護された会話とログ名交換を確立す
るための通信プロトコルが使用できる、保護された会話
とは違って、保護された資源は、これらの機能のために
、保護されない会話と専用のメッセージ・プロトコルを
使用する。また、保護された資源では、通信ファシリテ
ィを代行受信機能として用いることによって資源マネジ
ャに対する初期の通信を集中的に代行受信することが、
あらゆる場合に実用的なわけではない。これらの通信が
必ずしも通信ファシリティを介して進行するわけではな
いからである。この1例が、アプリケーション環境52
Aと同一のシステム50A内にある資源マネジャ63A
(図2)と、その資源を使用するアプリケーション56
Aの場合である。この状況では、通信ファシリティを通
過するのに資源との会話は不要であるが、その代わりに
会話マネジャ53Aまたは他のローカルなファシリティ
を介した会話をサポートする。もう1つの理由は、資源
マネジャがその資源のユーザとの会話の方法を完全に変
更する必要なしにSystem Network Ar
chitecture LU 6.2の通信プロトコル
に適合できるように、資源マネジャのサポートに柔軟性
を与えることである。同期点障害からの自動的な回復処
理には、上述の保護された会話の場合と同様に、様々な
参加者のログの名前がその同期点が始まる前と同一であ
ることが必要である。
【0155】図23は、保護された資源のマネジャに関
するログ名交換を示す図である。この実施例では、シス
テム50Aは、アプリケーション環境52A、関連する
資源アダプタ62A、回復ファシリティ70Aおよび共
通の資源回復のログ72Aを含む。資源マネジャはロー
カルでもリモートでもよいが、この図はローカルの場合
である。以下で詳細に説明するように、リモート資源マ
ネジャの場合の処理は、システム間通信の完了に通信フ
ァシリティが使用される点を除いて、基本的に同一であ
る。ローカルであれリモートであれ、保護された会話は
、通信には必ず通信ファシリティを使用して、同期点以
前の同意のためのログ名交換を開始するための共通の代
行受信点を提供するのに対して、資源マネジャは、図の
ように、ローカルの場合には通信ファシリティの使用を
回避することができ、同期点以前のログ名交換を開始す
るための上記の集中的代行受信点はない。
【0156】ログ800A内のログ名ログ800A2は
、資源マネジャ63Aと関連づけられており、開始側の
回復ファシリティ70Aのログ72Aの名前を記憶する
。また、ログ800A内の同期点ログ800A1は、資
源マネジャ63Aと関連づけられており、同期点手順に
おける、その保護された資源の状態を記憶する。以下で
詳細に説明するように、図23は、同期点マネジャと参
加する資源マネジャの間での適時のログ名交換と、ログ
72Aおよび800Aの一方または両方の再初期設定を
強制する障害によってもたらされたログ名の変更を認識
する能力とを保証するのに必要な、不可欠の要素を示す
図である。アプリケーション56Aが、資源アダプタ6
2Aを介して資源マネジャ63Aに要求を送った時(図
26のステップ221)、資源アダプタ62Aは、同期
点マネジャ60Aを呼び出して、下記のものを要求する
(ステップ222)。 1.回復ファシリティのログ72Aのログ名。 2.資源マネジャ63Aによる初期のログ名交換のため
に回復ファシリティ70Aとの会話を確立するのに必要
な、回復ファシリティ70Aの資源識別子log_na
me_log。この識別子は、回復ファシリティ70A
を一義的に識別し、また回復ファシリティ70Aが、入
りログ名交換会話を、以下で説明するように、接続のた
めに資源識別子sync_point_logを使用す
る同期点マネジャの会話などの他の会話から区別できる
ようにする。その後、同期点マネジャ60Aは、資源識
別子sync_point_logを使用して、ローカ
ル回復ファシリティ70Aとの会話を確立する(図26
のステップ223)。
【0157】資源識別子は、システム内の資源を識別す
るのに使用され、より具体的には、そのシステム内の現
在の実行環境内の資源のマネジャへの会話を完了するた
めに使用される。ある資源のマネジャは、その初期設定
時に、システム制御プログラム・ファシリティを使って
、資源をシステムに対して識別する。システム制御プロ
グラムは、強制的にこれらの資源識別子を一義的なもの
にする。図2の資源マネジャ63に加えて、他のファシ
リティも資源マネジャとして活動できる。その1例が回
復ファシリティ70であり、この回復ファシリティ70
のログは、回復ファシリティ70がその資源識別子を有
する資源であると見なされる。資源には4つのタイプが
あり、そのそれぞれが、資源識別子のタイプによって識
別される。これらのうちの第1のものは、基本的に総称
的であり、どんな資源も含むように拡張することができ
る。その他のものは、明確に資源回復用に定義されてい
る。 1.資源識別子objectによって識別される、ob
ject(オブジェクト)資源。これは資源マネジャ6
3によって管理されるオブジェクト78の集合である。 これは、総称的資源マネジャとその資源の場合であり、
この資源は、データ・ファイル、待ち行列、記憶装置ま
たはアプリケーションからなる集合を含むあらゆる資源
に拡張することができる。このタイプの資源識別子は、
その資源のマネジャ63の所有する資源を、たとえばフ
ァイル・オープン、アプリケーションの起動など何らか
の形で使用するために、資源マネジャとの会話を確立す
るのに使用される。 2.資源識別子object_recoveryによっ
て識別されるobject_recovery(オブジ
ェクト回復)資源。これは、資源マネジャのログ800
であり、障害を発生した同期点手順から回復する際の回
復ファシリティ70との協力の手順をサポートする。こ
の識別子は、障害を発生した同期点から回復する時点で
、その資源のマネジャ63との会話を確立して、自動的
回復の一部としてログ名を交換し、その同期点を完了す
るために、回復ファシリティ70が使用する。 3.資源識別子sync_point_logによって
識別されるsync_point_log(同期点ログ
)資源。これは回復ファシリティ70Aによって管理さ
れるログ72A(図19および図23)と、ログ72A
の保守をサポートする1組の手順である。この識別子は
、同期点の状況に関するログ情報を提供するために、同
期点マネジャ60(図2)が、その回復ファシリティ7
0との会話を確立するのに使用する。 4.資源識別子log_name_logによって識別
されるlog_name_log(ログ名ログ)資源。 これは、回復ファシリティ70Aによって管理されるロ
グ名ログ72A2(図23)と、ログ名ログ72A2の
保守をサポートする1組の手順である。この識別子は、
適当な回復ファシリティ70Aとの会話を確立して、そ
の回復ファシリティ70Aとログ名を交換するために、
資源マネジャ63Aが使用する。
【0158】回復ファシリティ70Aとの接続を確立し
た後に、同期点マネジャ60Aは、資源アダプタ62A
が要求した回復情報を得る。この回復情報は、同期点マ
ネジャ60Aによって資源アダプタ62Aに戻され(図
26のステップ224)、要求を行っている他の資源ア
ダプタにを解放するために、同期点マネジャ60Aがこ
れを保持する。次に、資源アダプタ62A(図23)は
、同期点マネジャ60A(図23)に、下記の同期点回
復情報をも提供する(図26のステップ225)。 1.同期点中に障害が発生した場合に、資源マネジャ6
3Aに接続するために回復ファシリティ70A(図23
)が使用することのできる、資源識別子object_
recovery。この資源識別子object_re
coveryを使用すると、資源マネジャは、それぞれ
その処理に異なるプログラムを必要とする、資源アダプ
タ62Aからの入り会話と回復ファシリティ70Aから
の入り会話を区別できるようになる。全資源マネジャ用
の標準のobject_recovery資源識別子を
確立するのではなくて、資源アダプタ62Aを介して資
源マネジャ63Aにそれ自体の資源識別子object
_recoveryを提供する能力を与えることによっ
て、回復ファシリティ70Aは、この資源マネジャ63
Aまたは他のいずれかの資源マネジャの使用する他の資
源識別子との衝突を回避して、すべての資源マネジャが
同期点処理に参加するための、一般化された非破壊的な
インタフェースを維持する。 2.同期点障害が存在する時、その同期点に参加する資
源マネジャ63Aを識別し、ログ名ログ72A2のそれ
用のエントリを見つけるために、回復ファシリティ70
Aが使用できる資源識別子object。この識別子は
、同期点の管理、同期点障害の場合の同期点のロギング
、および障害を発生した同期点からの回復のために、資
源マネジャを一義的に識別する。
【0159】上述の資源78Aの使用を求めるアプリケ
ーション56Aの最初の要求に従って、資源アダプタ6
2Aは、それ自体の資源識別子objectを使用して
、資源マネジャ63Aへの会話を初期設定し、回復ファ
シリティ70Aの資源識別子log_name_log
と、同期点マネジャから取得したログ72Aの現在の名
前とを含む、回復情報を渡す(図26のステップ226
)。
【0160】図23では、資源回復に責任を負う回復フ
ァシリティ70Aが1つだけ示されているが、複数のシ
ステム内にあるそれぞれそれ自体の回復ファシリティを
備えた複数のアプリケーションが資源を使用することが
あるので、単一の資源マネジャで複数の回復ファシリテ
ィを扱うことができる。これが図33に示されている。 図33において、資源マネジャ63Eは、システム50
A内のアプリケーション52Aとシステム50D内のア
プリケーション52Dの両方によって使用され、したが
って2つの回復ファシリティ70Aおよび70Dからの
ログ名情報を必要とする。
【0161】障害を発生した同期点の回復をサポートす
るために、資源マネジャ63Aは、ログ名ログ800A
2(図23)に、各回復ファシリティのログ72の名前
用のエントリを必要とする。これらの各ログ名はそれぞ
れ、1つまたは複数のアプリケーション56と同期点マ
ネジャ60を介して資源を使用するシステム50の1つ
を表す。参加する資源マネジャ63A用のログ名ログ8
00A2(図23)は、関連する回復ファシリティ70
のそれぞれについて、下記の情報を含む。 1.関連する各回復ファシリティ70(図23の場合は
回復ファシリティ70A)を識別する資源識別子log
_name_log。 2.回復ファシリティ70のログ名(図23の場合、ロ
グ72Aの名前)。 3.ログ名が成功裡に交換済みであることを示すexc
hange_done(交換終了)フラグ。excha
nge_doneフラグは、論理的にはログ名ログ80
0A2(図23)の一部であるにもかかわらず、それに
関連する資源マネジャが初期設定されるごとに論理的に
リセットされるので、これを持久記憶装置に書き込む必
要はない。このフラグの目的は、特定の回復ファシリテ
ィ70Aのあるシステム50A内で動作中の資源アダプ
タ62Aからの最初の会話を除き、その回復ファシリテ
ィ70Aに関するログ名交換を避けることである。1つ
のシステム内に、すべてが同一の回復ファシリティのサ
ービスを受け、それぞれが同一のまたは異なる資源マネ
ジャとの会話を有する資源アダプタを備える、多数のア
プリケーション環境が存在することがある。資源マネジ
ャがログ名交換を開始する必要があるのは、同一の回復
ファシリティに関連する資源アダプタの1つとの会話の
最初のインスタンスの際だけである。フラグexcha
nge_doneがセットされると、それ以後の交換が
防止される。
【0162】図26の残りの部分には、ログ名交換を開
始する時を決定するために、資源マネジャ63A(図2
3)が実行するアルゴリズムが示されている。資源識別
子objectを最初に受け取った時(ステップ226
)、資源マネジャ63Aは、ログ名ログ800A2を検
索して、資源アダプタ62A(図23)から渡された回
復情報に含まれる資源識別子log_name_log
によって識別される回復ファシリティ70A用のエント
リがあるか否かを判定する(図26のステップ230)
。この資源マネジャは、ログ名ログ800A2(図23
)を検索するのに、資源アダプタから受け取った資源識
別子log_name_logを使用する。エントリが
ない場合、資源マネジャ63Aはログ名交換を開始する
(図26のステップ232)。ステップ230で、回復
ファシリティ70A(図23)用のエントリが見つかっ
た場合、資源マネジャ63Aは、フラグexchang
e_doneがセットされているか否かを判定する(図
26のステップ234)。フラグexchange_d
oneは、ログ名交換が成功した時にセットされ、資源
マネジャが異常終了するかまたは正常に遮断されるまで
、セットされたままである。回復ファシリティとの会話
を開始するのに失敗したために、資源マネジャがログ名
を交換できない場合には、資源マネジャは、その資源ア
ダプタによって開始された会話を打ち切る。フラグex
change_doneがセットされていない場合、資
源マネジャ63A(図23)は、ステップ232(図2
6)でログ名交換を開始する。しかし、フラグexch
ange_doneがセットされている場合には、資源
マネジャ63A(図23)は、資源アダプタ62Aから
送られたログ名を、前記のエントリ内のログ名と比較す
る(図26のステップ236)。これら2つのログ名が
同一である場合には、資源マネジャはログ名交換を開始
しないが(図26のステップ242)、異なる場合には
、資源マネジャ63A(図23)は、ステップ232(
図26)でログ名交換を開始する。前述のアルゴリズム
は、資源マネジャがいずれかの回復ファシリティに関連
する資源アダプタと初めて通信する際に、その回復ファ
シリティに関してログ名が交換されることを保証する。 また、このアルゴリズムは、その後に回復ファシリティ
70A(図23)用のログ名が変更される時、ログ名が
交換されることを保証する。後者の場合、資源マネジャ
63Aが資源アダプタから回復ファシリティのログ72
Aの新しい名前を得る場合であってもこのログ名交換は
必要である。というのは、回復ファシリティ70Aのロ
グ名ログを資源マネジャ63Aのログ名ログと同期させ
なければならず、回復ファシリティ70Aに資源マネジ
ャのログ800Aのログ名を与えることが必要だからで
ある。
【0163】ステップ232(図26)の、資源マネジ
ャ63A(図23)と回復ファシリティ70Aの間での
ログ名交換は、図27にさらに詳しく示されており、以
下のステップを含む(ログ72Aがそのログであると仮
定する) 1.図27のステップ243。資源マネジャ63A(図
23)が、資源アダプタ62Aから得た資源識別子lo
g_name_logを使用して、回復ファシリティ7
0Aとの会話250を開始する。 2.図27のステップ243。資源マネジャ63A(図
23)が、回復ファシリティ70Aに資源マネジャ63
Aを一義的に識別するobject資源識別子を送る。 3.図27のステップ244。資源マネジャ63A(図
23)が、回復ファシリティ70Aにログ800Aのロ
グ名を送る。 4.図27のステップ245。回復ファシリティ70A
(図23)が、資源マネジャ800Aのログ名で、ログ
名ログ72A2を更新する。 5.図27のステップ246。回復ファシリティ70A
(図23)が、資源マネジャ63Aに応答を戻して、ロ
グ72Aのログ名を与える。 6.図27のステップ247。資源マネジャ63A(図
23)が、ログ72Aの名前でログ名ログ800A2を
更新する。 7.図27のステップ248。資源マネジャ63A(図
23)が、ログ名ログ800A2内のフラグexcha
nge_doneをセットする。
【0164】アプリケーション56A(図23)が、同
期点マネジャ60Aから同期点を要求する時、同期点マ
ネジャ60Aは、上記の資源識別子object_re
coveryと資源識別子objectを回復ファシリ
ティ70Aに送り、そこではこれらの識別子がその同期
点処理の状態を記述する情報と共に同期点ログ72A1
に記憶される。同期点中に障害が発生した場合、回復フ
ァシリティ70Aが活動化されて、同期点手順を完了す
るのに必要な動作を行う。障害を発生している同期点に
資源が参加していた場合、関連する回復ファシリティの
同期点ログのエントリ内の回復情報を使用して、回復を
達成するためにそれらの資源とコンタクトすることが可
能になる。たとえば、アプリケーション56Aが2段階
コミット動作中にダウンした場合、回復ファシリティ7
0Aが、活動化された後に、資源マネジャ63Aとログ
名を交換する。この第2の交換で、この同期点の開始以
降にログ名が変化していないことが示された場合には、
回復ファシリティ70Aは、この同期点の回復を続行で
きることを知る。この交換でログ名が一致しない場合は
、自動的回復に必要なログ情報が失われており、したが
って自動的回復を試みてはならないことを示している。 回復ファシリティ70Aは、第2のログ名交換を開始し
、資源マネジャ63Aに、この障害前の資源マネジャ6
3Aの状態または段階がどうであったかを尋ねる。上述
したように、最初のログ名交換が資源マネジャによって
開始されるのに対して、障害発生後に必要なログ名交換
は、下記のように回復ファシリティ70Aによって開始
される。1.障害を発生している同期点に関連する同期
点ログ72A1内に回復情報がある各資源について、回
復ファシリティ70Aは、同期点ログ72A1のエント
リ内で見つかった資源識別子objectを、ログ名ロ
グ72A2のエントリに適用する検索の引数として使用
し、その資源のログ名を得ることによって、その資源の
ログ名ログのエントリを識別する。これを図25に示す
。2.回復ファシリティは、この同期点ログのエントリ
内で見つかった資源識別子object_recove
ryを使用して、資源マネジャ63Aへの会話252(
図23)を確立する。3.回復ファシリティ70Aは、
それ自体のログ名、資源識別子log_name_lo
g(回復ファシリティ70Aの一義的識別子)、および
この資源のログ名を、会話252を使って資源マネジャ
63Aに送る。
【0165】これに応答して、資源マネジャ63Aは以
下のステップを実行する。 1.資源マネジャ63Aは、回復ファシリティ70Aか
らの会話が、資源識別子object_recover
yを含んでいるので、その会話が同期点回復の目的を意
図したものであることを認識する。 2.資源マネジャ63Aは、回復ファシリティ70Aか
ら送られた資源識別子log_name_logを使用
して、ログ名ログ800A2内の、回復ファシリティ7
0Aに関連するエントリを検査する。 3.資源マネジャ63Aは、回復ファシリティ70Aか
ら送られた資源のログ名が、それ自体のログ800Aの
ログ名と対応することを確認する。 4.資源マネジャ63Aは、ログ名ログ800A2内で
回復ファシリティ70Aに関連するエントリを見つけら
れない場合、会話252上で回復ファシリティ70Aに
エラー信号を戻す。 5.資源マネジャ63Aは、上記の検査ステップのいず
れかが失敗した場合、会話252上で回復ファシリティ
70Aにエラー信号を送る。
【0166】回復の始めにログ名交換でエラー状態が検
出されると、回復ファシリティ70Aの自動的同期点障
害回復手順の継続が阻止される。このようなエラー状態
は、1つまたは複数の参加するログの障害が、この同期
点障害と同時に発生したことを示す。あるログの喪失は
、そのログ内のすべての情報が失われ、新規のログ名が
割り当てられることを意味する。このような障害には、
障害を発生している同期点を解決するため、手動の介入
およびヒューリスティックな判断が必要である。このよ
うなエラー状態を検出することが、同期点障害の後に実
施されるログ名交換処理の主目的である。
【0167】図23に示されたローカル資源マネジャ6
3Aの場合と同様に、図24には、システム50Dの資
源マネジャ63Eが、資源マネジャ63Eによって管理
される資源を使用するシステム50Aのアプリケーショ
ン環境52Aおよびアプリケーション56Aに対してリ
モートである場合の、ログ名交換が示されている。リモ
ート資源マネジャ63Eとローカルなアプリケーション
56Aおよび回復ファシリティ70Aの間の通信は、シ
ステム制御プログラムによって提供されるシステム間通
信サポートではなくて、システム間通信ファシリティ5
7Aおよび57Dを介して行われる。同期点マネジャ6
0Aは、回復ファシリティ70Aを使用して、同期点と
、障害を発生している同期点からの回復に必要なログ名
ログ72Aとを管理する。資源マネジャ63Eは、それ
自体の資源マネジャ・ログ800Eを維持する。同期点
以前の同意の時点と、障害を発生している同期点を回復
するための再同期化の時点で使用される通信経路は、資
源マネジャ63Eとシステム50Aの回復ファシリティ
70Aの間にある。システム50Dの回復ファシリティ
70D(図示せず)は、この場合には使用されない。 というのは、起点側の同期点マネジャ、アプリケーショ
ンおよび関連する回復ファシリティが、システム50D
に対してローカルではなく、リモートなシステム50A
内にあるからである。資源マネジャがローカルの場合と
リモートの場合でのログ名交換処理の唯一の相違点は、
リモート資源マネジャ63Eと資源アダプタ62Aまた
は回復ファシリティ70Aの間での通信が、ローカル・
システム制御プログラムのシステム間通信サービスでは
なく、通信ファシリティ57Aまたは57Dを介して行
われる点である。それ以外は、このログ名交換の処理は
、図23を参照しながら説明した上記の処理と同一であ
る。通信ファシリティ57Aおよび57Dは、リモート
・ログとログ名を交換する時期の決定には参加しない。 すなわち、これらの通信ファシリティは、図19の保護
された会話の場合のような、会話の代行受信は行わない
【0168】分散式アプリケーション用の未完了の同期
点のための回復ファシリティ図2に示した回復ファシリ
ティ70Aは、障害に出会った同期点を完了させるのに
使用する。ほとんどの場合、回復(再同期化)は、回復
ファシリティ70Aによって自動的に実行される。回復
ファシリティ70Aは、障害を認識した後に、ローカル
同期点マネジャ60Aの代理として働いて、その同期点
の参加者への代替のまたは再取得された通信を用いて、
その同期点を正常に完了させる。障害には、障害を発生
している同期点マネジャ60A、同期点マネジャ60A
とその回復ファシリティ70Aの間の通信の障害、アプ
リケーション・パートナ56Dまたは資源マネジャ63
の障害またはそれらとの通信の障害、および回復ファシ
リティ70Aの障害が含まれる。
【0169】たとえば、この体系的システム間通信標準
は、IBMコーポレーション刊行物の“System 
Network Architecture LU 6
.2 Reference: Peer Protoc
ols, SC31−6808, Chapter 5
.3 Presentation Services 
− Sync Point verbs”に記載のタイ
プのものとすることができる。
【0170】回復ファシリティ70Aは、システム50
内の、アプリケーション実行環境52A、52Bおよび
52Cと、参加する同期点アプリケーションにサービス
し、同期点回復のために、共通の回復ファシリティ・ロ
グ72Aを使用する。通常、複数のシステムが通信ファ
シリティ57を介して互いに相互接続されており、した
がって、複数の回復ファシリティ70を回復処理に使用
することができる。
【0171】図33は、システム50A、50Dおよび
50Fに関係する、様々な回復状況を示す図である。各
アプリケーション実行環境52A、52B、52D、5
2F、52Gは、資源回復を調整するためにそれぞれ同
期点マネジャ60A、60B、60D、60F、60G
(図示せず)を使用するアプリケーション56A、56
B、56D、56F、56G(図示せず)を実行する。 各同期点マネジャは、そのシステム内の回復ファシリテ
ィを使用して、同期点と、障害を発生している同期点か
らの回復に必要なログ名ログとを管理する。たとえば、
アプリケーション環境52Aおよび52B内の同期点マ
ネジャは、回復ファシリティ70Aを使用して、同期点
回復情報を回復ファシリティ・ログ72Aに書き込む。 資源マネジャ63A、63B、63D、63E、63F
、63Gは、それぞれ、それ自体の同期点と、ログ名ロ
グ800A、800B、800D、800E、800F
、800Gとを管理する。この例では、同期点の範囲が
矢印付きの実線で示されている。同期点はいずれの参加
者によって開始されることもでき、同期点の範囲は動的
であるが、図を簡単にするためにこの図は静的なもので
ある。図の静的な場合では、同期点は、アプリケーショ
ン環境52Bから52Dへさらに52Fへと、関連する
同期点マネジャおよび保護会話アダプタ(図示せず)を
介し、実線の通信経路801および802を経て流れ、
またアプリケーション環境52A、52B、52D、5
2F、52Gから、関連する同期点マネジャおよび保護
会話アダプタを介し、それぞれ実線の通信経路803A
−1、803A−2、803B、803D、803E、
803F、803Gを経て、資源マネジャ63A、63
B、63D、63E、63F、63Gへと流れる。
【0172】3つの同期点の範囲が、図33に含まれて
いる。第1の範囲には、同期点マネジャ60Aを含む単
一のアプリケーション環境52Aが含まれ、2つの資源
マネジャ63Aおよび63Eを使用する。第2の同期点
の範囲には、3つのアプリケーション環境52B、52
Dおよび52Fが含まれ、これらはそれぞれ、様々な参
加資源マネジャ(52Bには63B、52Dには63D
と63E、52Fには63Fと63G)を含む。これを
図34の同期点ツリーに示す。第3の同期点の範囲には
、アプリケーション環境52Gと資源マネジャ63Gが
含まれる。
【0173】図33中の破線は、同期点以前の同意の時
点と、障害を発生している同期点の回復のための再同期
化の時点で使用される通信経路を示す(前記の「保護さ
れた資源を回復するためのログ名の交換」を参照された
い)。資源マネジャでは、同期点以前の同意および再同
期化の経路は、その資源マネジャと、起点側アプリケー
ション環境(すなわち、その資源マネジャが管理する資
源を使用、たとえば更新する側)のシステムの回復ファ
シリティの間にあり、たとえば、アプリケーション環境
52Aが起点側である(資源マネジャ63Eの管理する
資源を使用する)時は、経路804A−2を介して資源
マネジャ63Eと回復ファシリティ70Aの間にあり、
アプリケーション環境52Dが起点側である時は、経路
804Dを介して資源マネジャ63Eと回復ファシリテ
ィ70Dの間にある。
【0174】同期点は、その同期点の参加者中をカスケ
ード式に伝播して、図34に示された同期点ツリーを形
成する。アプリケーション56B、56Dおよび56F
は、それぞれ保護会話アダプタ64B、64Dおよび6
4F(図示せず)によって管理される保護された会話8
01および802を介して、互いに通信する。アプリケ
ーション56B、56Dおよび56Fは、それぞれ資源
アダプタ62B、62D、62F(図示せず)を使用し
、これらの資源アダプタは、それぞれ保護されない会話
803B、803D、803E、803G、803Fを
使用して、資源マネジャ63B、63D、63E、63
G、63Fと通信する。このツリーには、同期点開始側
のアプリケーション56Bとそれに参加する資源マネジ
ャ63Bおよび分散アプリケーション56D、分散アプ
リケーション56Dに参加する資源マネジャ63E、6
3Dおよび分散アプリケーション56F、分散アプリケ
ーション56Fに参加する資源マネジャ63Gおよび6
3Fが含まれる。
【0175】同期点回復のために、1つの同期点ログ、
たとえば72Dが、同期点マネジャ60Dによって(図
示されない回復ファシリティ70Dを介して)、同期点
ツリー内でその直前にある環境52B内のアプリケーシ
ョン56Bと、直接参加者であることが同期点マネジャ
60Dにわかっている、資源マネジャ63E、63Dお
よびアプリケーション環境52F内のアプリケーション
56Fとに関する情報と共に維持されるが、その他の同
期点参加者63B、63Gまたは63Fに関しては、同
期点ログ72D内に何も維持されない。
【0176】図35は、同期点回復の主要要素の高水準
流れ図298である。この図は、回復ファシリティ70
の2つの部分、同期点以前の回復同意(ステップ299
、300、301および302)と同期点障害からの回
復(ステップ303ないし306)を表している。
【0177】同期点が発生する前に、その同期点の参加
者の間で、その同期点に関連するログの一致と、それら
のそれぞれのログ72の現在のレベルとに関する同意が
なければならない(前述の「保護された資源を回復する
ためのログ名の交換」を参照されたい)。この同期点以
前の回復同意は、同期点障害の場合にその同期点障害か
ら回復するのに使用されるログが、その同期点が開始さ
れる前と同一のものであり、同一のレベルであることを
保証するのに重要である。同期点以前の回復同意の時点
(上述のログ名の交換)から同期点障害の発生までの間
に、1つまたは複数の参加者のログに障害があって、新
規のログを用いて開始しなければならない場合には、こ
の障害を発生したログに関連する自動的回復手順は失敗
する。
【0178】同期点の参加者の間でログ名を交換し、ロ
グ名をログ72に記録すると、同期点障害の場合に、こ
の情報を妥当性検査に使用できるようになる。これらの
交換は、特定の経路上で通信が初めて確立されるのを検
出した時に開始される。通信はローカルにもリモートに
も開始され得るので、回復ファシリティ70は、出ログ
名交換が必要なローカル検出(ステップ299および3
00)と、入りログ名交換が必要なリモート検出(ステ
ップ301および302)の両方をサポートする。
【0179】回復ファシリティ70は、同期点障害から
の自動的回復を実現し、これには、回復手順を開始させ
る様々な事象が発生するステップ303、回復手順の初
期設定ステップ304、回復ドライバ処理と称する実際
の回復ステップ305、および回復手順終了ステップ3
06が含まれる。回復ファシリティ70は、複数の同期
点障害事象の非同期的処理を含む。
【0180】図36は、この回復手順の「同期点障害か
らの回復」の部分(ステップ303ないし306)をよ
り詳細に示す図である。下記の5種類の事象(ステップ
303)が、この回復手順を開始させる。 (1)同期点マネジャ60が、その1つまたは複数の同
期点参加者(たとえば、資源マネジャ63)との通信障
害に出会った時に同期点マネジャから要求を受け取った
結果として発生する、同期点要求事象311。この同期
点マネジャ60は、この同期点の活動をロギングするの
に使用するのと同一の経路を使って回復ファシリティ7
0に要求を送ることによって、明示的に回復手順を開始
する。この要求は、対応する同期点識別子を使った、障
害を発生している参加者の記述を含む。指定された各同
期点識別子ごとに1つの事象が発生する。 (2)同期点開始側を表す回復処理が、その参加者の1
つに回復要求を送る時に、ターゲット回復ファシリティ
70(障害を発生している同期点の参加者を表す回復フ
ァシリティ)で発生する、回復要求事象312。 (3)アプリケーション環境から回復ファシリティ70
にログ情報を送るのに使用される経路上の接続が断たれ
た時に、その回復ファシリティ70内で発生する、通信
障害事象313。障害を発生した経路を使用していたア
プリケーション環境に関して進行中の各同期点ごとに1
つの事象が発生する。 (4)回復ファシリティの終了に障害があり、その結果
、同期点のロギングを行えない時に発生する、回復ファ
シリティ障害事象314。障害の時点で完了していない
各同期点ごとに1つの事象が発生し、これらの事象は、
回復ファシリティが再始動される時に発生する。 (5)正常な自動的回復手順中に長い遅延または重大な
障害に出会った同期点障害を修復するのに用いられる管
理コマンドの結果として生じる、回復管理要求事象31
5。この要求は、通常なら自動的回復プロトコルを介し
て入手可能な応答状態情報を、手動で供給する。適当な
応答状態情報は、同期点のログ・レコードを手動で調べ
てオフラインで決定する。適当な応答データ(状態情報
)は、システム管理者が、同期点のログ・レコードを手
動で調べて決定する。
【0181】この回復手順が開始される際、ステップ3
04で、受け取った各回復事象に対する非同期的サブプ
ロセスが開始される。参加ドライバ・サブプロセス(ス
テップ317)が、一貫した解決策に関する同意を得る
ために、通信を開始し、障害を発生している同期点の下
流側の各参加者からの応答を受け入れる。この通信では
、参加ドライバを用いて、回復サーバのログ名と、co
mmitやback outなどの同期点状態とを含む
メッセージを送り、その後、送られた回復サーバのログ
名に対する同意または不同意の指示、参加者のログ名、
およびcommittedやbacked outなど
の同期点状態に対する応答を含む、参加者からの応答を
受け取る。参加ドライバは、このようにして受け取った
各応答メッセージに対して、応答処理ドライバを呼び出
す(ステップ318)。応答処理ドライバは、この応答
を分析し、必要なすべての行動と記録を完了する。これ
には、その参加者のログ名をログ72内に記録されたそ
の参加者のログ名と突き合わせて、その参加者がこの同
期点の開始以来ログ障害に出会っていないことを検査す
ることが必要である。さらに、この同期点応答を回復フ
ァシリティ・ログ72に記入することも必要である。そ
の後、応答処理ドライバは、参加ドライバにリターンす
る。すべての応答を受け取って処理した後に、開始側応
答ドライバ(ステップ319)が呼び出されて、応答を
作成してこの同期点の開始側を代理する回復ファシリテ
ィにそれを送り、当該の場合には、この回復ファシリテ
ィがこの同期点をその同期点の開始側と共に解決できる
ようにする。開始側への応答は、現回復ファシリティが
その参加者から受け取った応答に類似しており、現回復
ファシリティのログ名と、それ自体のすべての同期点参
加者からの結果に基づくcommittedやback
ed outなどの応答同期点状態を含む。最後に、回
復終了サブプロセス(ステップ306)が、関係するす
べての処理を終了する。
【0182】図37は、この回復手順に必要な制御構造
を示す図である。回復制御構造340は、特定の回復事
象に関する情報を保持し、その事象の現処理の間ずっと
存在する。制御構造340は、関連する同期点に対する
すべての参加者の回復に共通する情報を保持する。また
、ログ72内の関連するエントリ342へのアンカと、
参加者制御構造344のチェーンへのアンカを保持し、
各参加者制御構造344は、現在の回復状況とこの回復
参加者の経路識別子を保持する。同期点ログのエントリ
342は、ローカルの同期点参加者に共通するヘッダ情
報348、ならびに直接開始側と各直接参加者とに関す
る本体情報350を有する。最後に、この同期点ログに
関連する回復ファシリティに既知の、各同期点経路に関
する初期ログ名交換情報を保持する、ログ名ログ・エン
トリ354がある。
【0183】これらのフィールドの目的を、以下の構造
流れによってさらに示す。一部のフィールドは、あらか
じめ説明が必要である。”Chain”(チェーン)フ
ィールドは、同じタイプの構造を相互接続するのに使用
される。
【0184】“State”(状態)フィールドSPL
_SYNCPOINT_STATEは、同期点の全体的
な状態である。同期点が段階2に達すると、この状態に
よって、下流側の参加者を駆動してその同期点を解決す
ることが可能になる。同期点が、障害を発生した時点で
段階1であった場合には、回復要求事象の処理で、開始
側回復ファシリティの指示に従って、この状態を変更す
ることができる。
【0185】SPL_PARTICIPANT_STA
TEは、応答処理ドライバ318によって、参加者から
の応答状態を用いて更新される。
【0186】RCS_PARTICIPANTS_ST
ATEは、影響を受ける下流側の同期点参加者を駆動す
る目的で、様々な回復事象処理によってセットされる。
【0187】RCS_INITIATOR_RESPO
NSE_STATEは、様々な回復事象処理311ない
し315によってRCS_PARTICIPANTS_
STATEと共に初期設定されるが、ある状況の下では
、すなわち、開始側への応答が、ヒューリスティック応
答として知られる単方向性の決定から生じた、参加者か
らの異常かつ予期されない応答を反映するためのもので
ある場合には、応答処理ドライバ318によっても更新
される。このフィールドは、開始側に戻される状態を形
成するために開始側応答ドライバ319が使用する。
【0188】“Path ID”(経路識別子)フィー
ルドRCS_PATH_IDは、入り事象に関連する経
路であり、その事象の起点側に応答するのに使用できる
【0189】PCS_PATH_IDは、障害を発生し
た同期点の参加者に関連する経路である。これは、参加
者にとってSPL_RECOVERY_PATH_ID
と同一である。
【0190】SPL_RECOVERY_PATH_I
Dは、同期点回復ファシリティに必要な、参加者または
開始側に達する経路である。
【0191】SPL_SYNCPOINT_PATH_
IDは、同期点ログ情報を、ローカル回復ファシリティ
の同期点ログに供給するために、アプリケーション実行
環境内の同期点処理が使用する経路である。
【0192】“Flag”(フラグ) RCS_RESPOND_TO_INITIATORは
、同期点回復ファシリティの直接開始側に対して、応答
を生成すべきであることを示す。RCS_RETURN
_TO_CALLERは、待機標識(以下で説明する)
を使用する時、同期点回復要求からの同期リターンを制
御するために使用する。RCS_ERASE_LOGは
、回復管理要求がPURGE(パージ)オプションを含
んでおり、処理の完了時に同期点ログのエントリを消去
させることを記録するために使用する。SPL_INI
TIATORは、同期点ログのエントリの本体の特定の
サブエントリ内の情報が、この同期点の開始側または参
加者に関するものであることを示す。
【0193】“Miscellaneous”(雑)フ
ィールドRCS_FUNCTION_IDは、新しいプ
ロセス内で実行するために呼び出すべき機能を決定する
ために、サブプロセス開始サービスが使用する。
【0194】SPL_SYNCPOINT_IDは、同
期点の一義的な識別子であり、同期点ツリー内のノード
である。同期点ログの各エントリは、独自の同期点識別
子を有する。
【0195】SPL_SUSPENDED_PROCE
SS_IDは、中断された処理を識別するためにタイマ
待機サービスがセットするもので、この時限待機間隔が
終了した時にリセットされる。これは、特定のプロセス
に対する時限待機を早めに終了させるために、再開サー
ビスを呼び出すのに使用される。
【0196】PCS_STATUSは、回復手順の各参
加者との会話の状況を記録するのに使用される。これが
とり得る値は4つあり、RESTART(再始動)、C
ONNECTED(接続済み)、RETRY(再試行)
およびRESPONDED(応答済み)である。
【0197】LL_LOGNAMEは、同期点参加者の
ログ名である。潜在的な同期点通信に関係する各経路ご
とに1つずつ記録される。
【0198】図38は、ステップ299で事象(図35
の同じステップに対応する)によってトリガされ、回復
ファシリティ70の活動化中に同期点通信が初めて開始
される時に回復ファシリティ70によって実行される、
処理ステップ300を示す流れ図である。この処理では
、ローカル回復ファシリティと、同期点通信のターゲッ
トに関連する回復ファシリティの間でログ名を交換する
ための処理を開始する(ステップ359)。
【0199】受取サービスが、この処理のための入力デ
ータ(経路識別子)を提供する(ステップ361)。ロ
グ名ログは、ログ名の交換に使用される経路に関連する
ログ名を検索するのに使用される(ステップ362)。 このログ名交換の際には、予期されるターゲット・ログ
名が、ローカル回復ファシリティのログ名と共に送られ
る。このログ名交換の要求が送られ(ステップ363な
いし365)、その応答が処理される(ステップ366
)。この交換に成功すると、ログ名ログは、新規のまた
は変更されたターゲット・ログ名で更新される。次に回
復ファシリティは、この経路から切断され(ステップ3
67)、最初の通信サービスを呼び出して、この交換が
成功であったことを記録し、この処理された経路に対す
る将来の交換事象を抑止し、あるいは交換が不成功であ
ったことを記録して、通信の中断の継続を保証し、ログ
名交換の完了を試みる(ステップ368)。
【0200】図39は、ステップ301(図35の同じ
ステップに対応する)で事象によってトリガされ、入り
ログ名交換要求の到着の結果として起こる、ステップ3
02の詳細を示す流れ図である。開始(ステップ370
)の後に、ログ名と経路識別子を受け取り(ステップ3
71)、それに応じてログ名ログが更新される(ステッ
プ371ないし373)。その経路に関連する中断(タ
イマ待機)中の回復処理が存在する場合(ステップ37
4)、回復ファシリティ70は、再開サービスを呼び出
して、各回復処理にその処理を再開させる。ログ名交換
応答(ステップ374A)は、ローカルのログ名と、受
け取った交換データに対する同意または不同意の指示を
含む。この応答は起点側に送られ(ステップ375)、
交換に成功した場合には、最初の通信サービスを呼び出
して(ステップ376)、これ以降のその経路でのログ
名交換を抑止する。
【0201】図40は、同期点回復の実行を求める、活
動状態の同期点からの明示的要求事象(図36のステッ
プ311に対応するステップ311)に対する手順を示
す流れ図である。これは、アプリケーション環境52内
で部分的な障害が発生して、同期点からの回復が必要と
なるが、そのアプリケーションまたは同期点は終了させ
る必要のない場合に発生する。アプリケーション環境5
2内の同期点マネジャからの要求は、この同期点識別子
と、障害を発生している同期点を完了するのに使用され
る指示(コミットまたはバックアウト)を提供する。こ
れに加えて、障害を発生した各同期点参加者について、
回復経路識別子が与えられる。必要な処置は、以下で詳
細に説明するように、同期的(待機標識が与えられる)
または非同期的(待機標識が与えられない)に完了する
ことができる。
【0202】この要求の到着は、同期点ログを探索して
、一致するSPL_SYNCPOINT_IDをもつエ
ントリを探す(ステップ381)ことを必要とする、手
順(ステップ380)を開始する事象(ステップ379
)である。それが見つかると、その同期点ログのエント
リへのアンカを備える回復制御構造が作成され、この要
求中で渡された指令に合わせてRCS_PARTICI
PANTS_STATEが設定される(ステップ382
)。これに加えて、フラグRCS_RESPOND_T
O_INITIATORをセットすると、この同期点の
開始側を代理する回復ファシリティに応答を送ることが
抑止され、待機標識が渡されている場合には、フラグR
CS_RETURN_TO_CALLERがセットされ
、回復処理が完了するまでこの要求に対する応答を遅ら
せる。待機標識がない場合は、回復処理が開始した後に
、開始側要求への応答がある。次に、与えられた経路識
別子で表される各参加者ごとに代理制御構造が作成され
(ステップ383)、PCS_STATUSがREST
ARTに初期設定される。代理制御構造のチェーンは、
回復制御構造にアンカされる。次に、回復初期設定を呼
び出して(ステップ384)、回復制御構造を渡す。こ
の初期設定から戻る時、呼出し側への応答がある(ステ
ップ385)。待機標識が使用されていた時は、呼出し
側は完了を知らされる。そうでない場合は、この通知は
、完了、または要求の処理が開始された(後で完了する
)との指示のいずれかである。
【0203】図41は、障害を発生している同期点の直
接開始側を代理する回復ファシリティから回復要求を受
け取ったことによって開始された事象(ステップ312
)から生じる手順を示す流れ図である。これは、手順(
ステップ390)を開始して(ステップ388)、受取
サービスを呼び出し(ステップ391)、入り要求に関
連する経路識別子、障害を発生している同期点の同期点
識別子(その同期点内のローカル・ノードも識別する)
、起点側の同期点ログに関連するログ名、開始側の回復
ファシリティが現回復ファシリティの同期点ログの名前
と一致すると予想しているログ名、およびこの障害を解
決するのに使用される指示(状態)を得る。
【0204】経路識別子は、ローカルのログ名ログ内の
エントリを見つけるのに使用される(ステップ392)
。次に、起点側のログ名を用いてLL_LOGNAME
を検査し、渡された予期されるログ名を用いてローカル
の同期点ログの名前を検査する(ステップ393)。次
に、同期点ログを探索して、同期点識別子が一致するエ
ントリを探す(ステップ394)。それが見つかると、
その同期点ログのエントリへのアンカを備えた回復制御
構造が作成され、この要求中で渡された指示に合わせて
RCS_PARTICIPANT_STATEが設定さ
れる(ステップ395)。さらに、開始側への応答が適
当であることを示すフラグRCS_RESPOND_T
O_INITIATORをセットし、RCS_PATH
_IDを開始側の入り経路の経路識別子に設定する。ア
プリケーション環境52内の呼出し側同期点マネジャ6
0へのリターンを抑止するため、フラグRCS_RET
URN_TO_CALLERをセットする。最後に、回
復初期設定を呼び出して(ステップ396)、回復制御
構造を渡す。
【0205】図42は、アプリケーション環境52と回
復ファシリティ70の間の経路に障害があって、同期点
のロギングが動作不能になる(ステップ313)時に行
われる処理(ステップ400)を示す流れ図である。処
理が開始された(ステップ399)後、同期点ログを探
索して、下記の両方の条件を満足するエントリを探す(
ステップ401)。 (1)SPL_SYNCPOINT_PATH_IDが
障害を発生している経路と一致する。 (2)SPL_SYNCPOINT_STATEが、こ
の同期点を完了するために、同期点の直接参加者を駆動
できることを示す。 これは、以下のいずれかによって示される。SPL_S
YNCPOINT_STATEが同期点段階1を示し、
開始側の“prepare”に対する応答がなかった場
合、あるいはSPL_SYNCPOINT_STATE
が同期点段階2を示す場合。
【0206】これらの条件が満たされる場合、その同期
点ログのエントリへのアンカを備えた回復制御構造が(
そのような各ログ・エントリごとに)作成される(ステ
ップ402)。その際に、TOR_RESPONSE_
STATEとRCS_PARTICIPANTS_ST
ATEは、共にSPL_SYNCPOINT_STAT
Eから導かれる。SPL_PARTICIPANT_S
TATEが、RCS_INITIATOR_RESPO
NSE_STATEの設定にも影響する場合がある。こ
れは、たとえば参加者からの応答が、単方向の(ヒュー
リスティックな)行動を示していた時に起こる。さらに
、フラグRCS_RESPOND_TO_INITIA
TORをセットすると、この同期点の開始側を代理する
回復ファシリティに応答を送ることが抑止され、フラグ
RCS_RETURN_TO_CALLERをセットす
ると、戻るべき呼出し側の同期点マネジャが存在しない
ことを示す。この結果得られる回復制御構造が、相互に
連鎖される。最後に、回復初期設定を呼び出して(ステ
ップ403)、回復制御構造のチェーンを渡す。
【0207】図43は、回復ファシリティ72の障害が
発生した(ステップ314)場合に行われる処理(ステ
ップ408)を示す流れ図である。回復ファシリティ7
0が再始動される(ステップ407)時、ログ72を検
索して(ステップ411)、下記の条件を満足するすべ
てのエントリを探す。SPL_SYNCPOINT_S
TATEが、この同期点を完了するために、同期点の直
接参加者を駆動できることを示していること。これは、
以下のいずれかによって示される。SPL_SYNCP
OINT_STATEが同期点段階1を示し、開始側の
“prepare”に対する応答がなかった場合、ある
いはSPL_SYNCPOINT_STATEが同期点
段階2を示す場合。
【0208】この条件が満たされる場合、そのような各
ログ・エントリごとにその同期点ログへのアンカを備え
た回復制御構造が作成される(ステップ412)。その
際に、RCS_INITIATOR_RESPONSE
_STATEとRCS_PARTICIPANTS_S
TATEは、共にSPL_SYNCPOINT_STA
TEから導かれる。 場合によっては、SPL_PARTICIPANT_S
TATEが、RCS_INITIATOR_RESPO
NSE_STATEの設定にも影響を与える。これは、
参加者からの応答が、たとえば単方向の(ヒューリステ
ィックな)行動を示していた時に起こる。さらに、フラ
グRCS_RESPOND_TO_INITIATOR
をセットすると、この同期点の開始側を代理する回復フ
ァシリティに応答を送ることが抑止でき、フラグRCS
_RETURN_TO_CALLERをセットすると、
戻るべき呼出し側の同期点マネジャが存在しないことを
示す。この結果得られる回復制御構造が、相互に連鎖さ
れる。最後に、回復初期設定を呼び出して(ステップ4
03)、回復制御構造のチェーンを渡す。
【0209】図44は、回復管理要求(ステップ315
)のサポート(ステップ409)を示す図である。この
サポートは、下流側での解決のための同期点参加者との
会話(参加者の場合)、または、同期点完了のためにそ
の参加者を駆動する指示(状態)を与えるための同期点
開始側との会話(開始側の場合)を開始できなかったた
めに動かなくなった自動的同期点回復の修復を、手動で
開始できるようにするものである。
【0210】参加者の場合、この要求が参加者の応答の
代りをつとめ、その結果、下流側の参加者を駆動してい
る回復ファシリティ70は、実際にその参加者と通信す
ることなく回復を完了できるようになる。開始側の場合
、この要求は、開始側がローカルの回復ファシリティ7
0と接続できないために発生し得ない、通常の回復処理
によって開始される回復要求事象(図41参照)の代り
をつとめる。後者の場合、この応答によって、ローカル
の回復ファシリティは、図41に示された事象なしに、
その参加者を駆動できるようになる。
【0211】開始側の場合、このサポートが開始された
(ステップ408)後に、回復制御構造を作成し(ステ
ップ414)、渡された指示に合わせてRCS_INI
TIATOR_RESPONSE_STATEとRCS
_PARTICIPANTS_STATEを設定して、
回復処理が開始した回復要求と等価な要求を形成する。 さらに、RCS_RESPOND_TO_INITIA
TORをオフにセットして、応答の生成を抑止し、RC
S_RETURN_TO_CALLERをオフにセット
して、処理の完了時に回復初期設定から戻るのを抑止す
る。回復初期設定を呼び出して(ステップ415)、処
理を開始させる。
【0212】参加者の場合、回復制御構造と中断された
回復処理がすでに存在していなければならない。この処
理は、タイマ待機中は中断され、各時間間隔の終わりに
、参加者との会話の初期設定が再試行される。これを検
査した後に(ステップ416)、渡された回復経路識別
子に関連する参加者の参加者制御構造を見つけ、この参
加者が実際に応答した場合と同様にPCS_STATU
SをRESPONDEDに設定し(ステップ417)、
渡された指示に合わせてSPL_PARTICIPAN
T_STATEを設定する。その後、同期点ログのエン
トリを更新する。次に、SPL_SUSPENDED_
PROCESS_IDを用いて再開サービスを呼び出し
、中断されたプロセスを再始動する(ステップ418)
。いずれの場合にも、起点側要求に対して、適当な置換
が行われ、回復処理が再び活動状態になっていることを
示す応答が行われる(ステップ419)。purgeオ
プションが渡された場合は、RCS_ERASE_LO
Gがオンになり、プロセスの終了時に同期点ログのエン
トリが消去される。
【0213】図45は、回復初期設定機能(ステップ3
04)に必要なステップを示す流れ図である。初期設定
(ステップ303)の後に、フラグRCS_RETUR
N_TO_CALLERに従って、参加ドライバが現在
のプロセス内で呼び出されたか(オン)、それとも別の
並行プロセス内で呼び出されたか(オフ)を判定する(
ステップ421)。RCS_RETURN_TO_CA
LLERがセットされている場合、参加ドライバを呼び
出して(ステップ422)、回復制御構造を渡す。そう
でない場合は、「参加ドライバ」を示すようにRCS_
FUNCTION_IDを設定して、渡された各回復制
御構造ごとに、サブプロセス開始サービスを呼び出す(
ステップ423)。
【0214】図46は、参加ドライバのステップ317
の流れを示す流れ図である。参加ドライバの主な機能は
、関連する同期点ログが、その同期点の開始時と同一レ
ベルであることを保証し、その同期点を解決するための
基礎となる同期点状態情報を提供するために、障害を発
生している同期点の参加者との通信を開始し、それらの
参加者から応答を得ることである。
【0215】参加ドライバの初期設定(ステップ430
)の後に、現在のRCS_PARTICIPANTS_
STATEに従って、SPL_SYNCPOINT_S
TATEを設定する(ステップ431)。 この同期点の参加者に対する参加者制御構造が、まだ作
成されていない場合は、この時点でそれらの制御構造を
作成し、互いに連鎖し、現回復制御構造にアンカする。 PCS_PATH_IDは、各参加者のSPL_REC
OVERY_PATH_IDから得られる。SPL_P
ARTICIPANT_STATEがPCS_STAT
USがRESPONDEDに設定されて、その特定の参
加者に対する同期点が解決されていると示さない限り、
PCS_STATUSはRESTARTに初期設定され
る。
【0216】ステップ432〜444の流れは、各参加
者に対するPCS_STATUSの値によって制御され
る。とり得る値は以下の通りである。 (1)RESTART    この参加者との会話が必
要であることを示す。 (2)CONNECTED  この参加者との会話の初
期設定に成功したことを示し、この参加者へ回復要求メ
ッセージを送らせる。 (3)RESPONDED  この参加者への回復要求
メッセージの送出が完了し、この参加者からの応答を得
たことを示す。応答処理ドライバを呼び出して(ステッ
プ438ないし439)、この応答を処理する。 (4)RETRY      接続(すなわち、会話の
確立)(ステップ436ないし437)またはメッセー
ジの送出(ステップ440ないし441)の試みに失敗
したこと、あるいはログ名が一致しなかったこと(ステ
ップ440ないし441)を示す。参加者に関するすべ
てのフラグPCS_STATUSが状況RESTART
およびCONNECTEDよりも先に進んでいるが、通
信障害に出会ったものがある(他のものはRESPON
DED)状態になった後に、現同期点の参加ドライバは
、時限間隔の間、実行を中断する。この中断が完了した
時、RETRYであったPCS_STATUSは、すべ
てRESTARTに変更され、再接続が試みられる。
【0217】多重事象待機サービス(ステップ433)
は、未処理の接続または送出のサービス要求のうちの最
初のものが完了するのを待って、制御をその経路識別子
および成否の指示と共に参加ドライバに戻すのに使用す
る。参加者に送られた回復要求(ステップ434ないし
435)には、送出側の回復ファシリティ70のログ名
と、参加者に関連する予期されるログ名が含まれる。参
加者の実際の状態と比較して、適当な回復行動を定義で
きるようにするために、RCS_PARTICIPAN
TS_STATEが送られる。時限待機サービス(ステ
ップ442〜443)は、不成功であった会話の開始を
再試行する前に、システムで定義された時間間隔の間プ
ロセスを遅延させるのに使用する。この意図的な遅延は
、すべての参加経路を駆動し終えて、何らかの障害に出
会った後だけ試みられる。時限待機完了(ステップ44
4)は、中断されたプロセスを再始動させて、参加者と
の接続をもう1度試みさせる働きをする。すべての参加
者が状況RESPONDEDに達し、応答処理ドライバ
による処理を完了した後、開始側応答ドライバを呼び出
して(ステップ445)、同期点開始側を代理する回復
処理への可能な応答を処理する。
【0218】図47は、障害を発生した同期点の参加者
に送られた回復要求に対する応答を処理するのに必要な
処理を示す示す流れ図である。応答処理ドライバ(ステ
ップ318)は、同期点識別子、経路識別子および参加
者から受け取った状態を渡される(ステップ450)。 次に、ログ名交換の応答が処理される(ステップ451
)。ログ名が一致しない場合、流れは参加ドライバに戻
って(図36のステップ317)、時限待機の再試行を
起こさせるエラーを戻す。
【0219】同期点識別子は、同期点ログのエントリを
見つけるのに使用される。その後、経路識別子を使用し
て、その同期点ログのエントリの本体内で、SPL_R
ECOVERY_PATH_IDに一致する参加者を見
つける。次に、前記の状態を用いて、SPL_PART
ICIPANT_STATEを更新する(ステップ45
2)。
【0220】RCS_INITIATOR_RESPO
NSE_STATEは、たとえば、単方向の(ヒューリ
スティックな)決定を反映するなど、参加者からの予期
せぬ応答の結果として更新される場合がある(ステップ
453)。最後に、切断サービスを呼び出して、現経路
の接続を断つ(ステップ454)。
【0221】図48は、開始側応答ドライバ(ステップ
319)を示す流れ図である。まず、開始側応答ドライ
バが開始される(ステップ460)。RCS_RESP
ONSE_TO_INITIATORがセットされてい
ない場合(判断ブロック461)、応答する必要はない
。したがって、同期点ログのエントリを消去するだけで
よい(ステップ468)。 応答すべき開始側がない時(ステップ462)、すなわ
ち、回復ファシリティが同期点ツリーの最初のノードを
表している時も、応答は行わない。
【0222】回復処理が開始し、中断されている、開始
側への応答の処理を求め、回復要求(図41に図示の事
象)がなく、その開始側に応答すべき既存の会話が存在
しない(判断ステップ479)時は、現回復ファシリテ
ィ70が代理する参加者が応答の準備ができていること
を、その開始側を代理する回復ファシリティに通知する
ために、その回復ファシリティとの上流向きの通信を試
みるのが適当である(ステップ464)。これは、ロー
カル回復ファシリティ70との通信の試みに以前に失敗
したために時限中断の状態になっているその開始側の回
復ファシリティがある時、すなわち、現在完了している
回復がローカル回復ファシリティ70の障害の結果生じ
た同期点障害から生じたものである(図43に図示の事
象)時に、最も効果的である。この上流向けの通信は、
時限中断を早めに打ち切り、したがって、同期点の解決
の遅延を最小にするという効果があるはずである。図3
9のステップ374が、(開始側を代理する)受信側回
復ファシリティの行動を示している。
【0223】SPL_SUSPENDED_PROCE
SS_IDが定義されておらず、RCS_PATH_I
Dが設定されていない場合(判断ブロック479)、回
復中の同期点の同期点ログ・エントリの本体中から開始
側のエントリを見つけ、それに関連するSPL_REC
OVERY_PATH_IDを使って、SPL_REC
OVERY_PATH_IDに対する接続サービスを呼
び出すことによって、上流向けの通信が達成される。こ
の会話を初期設定する試みに失敗した時は、再試行は行
われない(ステップ464Aの判断経路“no”)。そ
れは、この会話を完了し開始側に通知するための任意選
択の最適化手段だからである。この会話が開始される場
合(ステップ464Aの判断経路“yes”)、図38
のステップ364〜367に従って、通常のログ名交換
要求が送られ(ステップ464B)、その後、判断ステ
ップ477を経て脱出する。 接続が完了していない場合は、回復終了を呼び出す(ス
テップ469)。
【0224】RCS_PATH_IDが設定されていな
い(判断ブロック465)時は、開始側への応答(ステ
ップ466および467)は行われない。そうでない場
合は、RCS_INITIATOR_RESPONSE
_STATE(ステップ466)と応答サービス(ステ
ップ467)を使用して、開始側への正常な応答が行わ
れる。RCS_RESPOND_TO_INITIAT
ORまたはRCS_ERASE_LOGがオンである場
合(判断ブロック477)、完了の前に、回復終了機能
が呼び出される(ステップ468)。
【0225】図49は、回復終了論理(ステップ306
)を示す流れ図である。この論理は、ステップ470で
開始した後、記憶域と制御構造をきれいにして(ステッ
プ471)、呼出し側に戻る(終了)か、またはサブプ
ロセス終了サービスを呼び出して、現プロセスを完了す
る(ステップ472)。
【0226】コミット手順の非同期的再同期化システム
50内での同期点処理中に障害が発生した時、参加する
アプリケーションの使用を最適化するために、下記の非
同期式再同期化の手順およびファシリティが提供される
。この手順に従えば、コミットを発行したアプリケーシ
ョンが、再同期化中に遊休状態で待機する必要がなくな
るので、そのアプリケーションの実行の際の長い遅延が
回避される。そのアプリケーションは、その代わりに、
以下で詳細に説明するように、再同期化を待つ間に他の
有用な作業を行うことができる。同期点マネジャと回復
ファシリティは、デフォルトのアプリケーションまたは
システムがそれを要求する場合、この手順を実行する。 回復ファシリティ70は、非同期的再同期化(進行中の
再同期化)をサポートし、この非同期的再同期化処理を
サポートする体系的システム間通信の流れの新規の拡張
版をサポートする。たとえば、システム間通信プロトコ
ルは、“System Network Archit
ecture LU 6.2 Reference: 
Peer Protocols, SC31−6808
, Chapter 5.3 Presentatio
n Services − Sync Point v
erbs”によって定義されている。システム50内の
体系的システム間通信の拡張版には、Committe
d(最後の代理のみ)、Forget、Backout
などの流れに関して再同期化が進行中であることを示す
追加の指示が含まれている。2つの異なるシステムの回
復ファシリティの間での初期交換中または再同期化中の
交換ログ名のために定義されたデータ・フィールド中に
、この交換ログ名の送出側が進行中の再同期化をサポー
トすることを示す標識がある。交換ログ名の処理は、上
記の「保護された資源を回復するためのログ名の交換」
に記述されている。このファシリティを使用するために
は、両方の回復ファシリティが進行中の再同期化をサポ
ートしなければならない。最後に、状態比較データ・フ
ィールド中に、再同期化が進行中であることをパートナ
に伝える標識がある。
【0227】前述の「保護された資源の調整式同期点管
理」および図2、図54、図3、図4および図5では、
2つのパートナ・アプリケーション56Aおよび56D
、それらのアプリケーション環境、それらの処理および
成功したコミット処理について記述し図示した。本節で
は、非同期的再同期化をもたらすコミット処理中の障害
の説明を含むように上記の内容を拡張する。本明細書に
記載の非同期的再同期化処理は、保護された会話が同一
のシステム上にあるアプリケーション・パートナ間で行
われ、両方のアプリケーションが、たとえばVMオペレ
ーティング・システム(“VM”はIBMコーポレーシ
ョンの登録商標)の拡張バージョンの異なる仮想計算機
など、異なるアプリケーション環境内にある時にも適用
可能であることを理解されたい。また、他の実施例では
、アプリケーション56Aまたはアプリケーション56
Dが、異なるタイプの実行環境内で実行できることにも
留意されたい。
【0228】「保護された資源の調整式同期点管理」で
述べたように、アプリケーション56Aは、保護された
会話を介してアプリケーション56Dを開始する(図5
Aのステップ530)。保護会話アダプタ64Aおよび
64Dが、当該の同期点マネジャに登録される(図5A
のステップ532)。図50Aは、アプリケーション5
6Aが次に行う処理(図5Aのステップ533)を拡張
したものである。図50Aに示されるように、アプリケ
ーション56Aは、同期点マネジャ60Aに対して、“
set syncpoint options wai
t= no(同期点オプション待機をnoにセット)”
コールを発行して、同期点処理中に障害が生じた場合に
、アプリケーション56Aが、同期的再同期化をいつま
でも待つつもりがないことを示し(ステップ900)、
同期点マネジャ60Aは、このオプションを記録する(
ステップ902)。アプリケーション56Aがアプリケ
ーション56Dにコンタクトして何らかの作業を行うよ
う伝えた後に(図5Aのステップ533)、アプリケー
ション56Dによって同様の処理(図50Bのステップ
904および906)が行われる。この実施例では、体
系化デフォルトは、WAIT = yesであることに
留意されたい。ただし、要望に応じて、システム50A
およびシステム50Dのデフォルト条件をWAIT =
 noにすることも可能である。そのような場合、アプ
リケーション56Aおよびアプリケーション56Dは、
WAIT = noを望むならば、“set sync
point options(同時点オプション設定)
”コールを発行する必要がない。“set syncp
oint options”はローカル値である。 したがって、障害が検出された同期点マネジャ側で有効
な“syncpoint options”の値が、実
際に使用される値である。
【0229】処理は、「保護された資源の調整式同期点
管理」の記述と、図2および図5のステップ533A〜
546に従って進む。上記の詳細を要約すると、アプリ
ケーション56Aは、保護された会話を介してアプリケ
ーション56Dに要求を送って、アプリケーション56
Dにファイル78Dを更新させる。アプリケーション5
6Dは、アプリケーション56Aに回答して、アプリケ
ーション56Aにファイル78Aおよび78Bを更新さ
せる。アプリケーション56Aは、コミットを発行して
(図5Aのステップ534)、同期点マネジャ60Aに
保護会話アダプタ64Aを呼び出させて、保護会話アダ
プタ64Dへ段階1“prepare”コールを送らせ
る。これにより、アプリケーション56Dは、コミット
発行要求を受け取る。アプリケーション56Dは、コミ
ットを発行し(ステップ537)、同期点マネジャ60
Dは、その段階1の処理を行い、保護会話アダプタ64
Aに“request commit”と回答するため
に保護会話アダプタ64Dを呼び出す。この時、同期点
マネジャ64Dの状態は「不確定」である(その旨がそ
のログ72Dに記入される)。保護会話アダプタ64A
は、同期点マネジャ60Aに“request com
mit”と回答する。同期点マネジャ60Aの他の資源
も“request commit”と回答したので、
同期点マネジャ60Aの状態は、現在“committ
ed”であり、この状態をそのログ72Aに書き込む。 次に同期点マネジャ60Aは、その登録された資源にコ
ンタクトして、段階2の決定“committed”を
渡す(図5Bのステップ545)。次に、保護会話アダ
プタ64Aが、この段階2の決定“committed
”を保護会話アダプタ64Dに送る(図5Bのステップ
546)。ところが、この処理中に保護会話アダプタ6
4Aが、障害を発見し、その結果、アプリケーション5
6Aとアプリケーション56Dの間の保護された会話の
ための、システム50Aとシステム50Dの間の経路が
使用不能になる。 保護会話アダプタ64Aは、同期点マネジャ60Aに“
resource failure(資源障害)”と回
答する。これは同期点マネジャ60Aの処理への割込み
であり(図5Bのステップ550)、同期点マネジャ6
0Aに回復処理を開始させる(図5Bのステップ557
)。
【0230】回復手順は、使用される2段階コミットの
例によって定義される。この実施例では、2段階コミッ
トの例は、「保護された資源の調整式同期点管理」で使
用したものである。回復処理は、同期点マネジャの段階
1または段階2の呼出しに対して、保護資源アダプタが
異常な回答をした場合に発生する。この異常な回答は、
システム障害、経路障害、プログラム障害または資源マ
ネジャ障害によって引き起こされる資源障害の結果であ
る。回復は、それを必要とする、障害を発生した保護さ
れた各資源ごとに独立に行われる。回復の目的は下記の
通りである。 1.保護された資源を、可能なら整合性のある状態に置
く。不可能なら、そのシステムの操作員に通知し、保護
された会話に障害が発生した場合には、その損傷を検出
したシステムに通知する。 2.ロックされた資源を他の用途に自由に使用できるよ
うに、ロック解除する。 3.回復ファシリティのログを更新して、そのLUWI
Dに関して保護されたすべての資源に同期点作業がこれ
以上は不要であると示す。
【0231】回復すなわち再同期化に伴うステップには
、下記のものが含まれる。 1.回復ファシリティが動作しているシステムが障害を
発生した場合に、同期点の動作状況を表す、回復ファシ
リティのログ・レコードからのデータ構造が復元される
。これらのデータ構造から、回復ファシリティ(他の実
施例では、1つのファシリティが同期点処理と回復処理
の両方を実行するので、回復ファシリティが同期点マネ
ジャと呼ばれることもある)は、それが回復を開始する
責任を負う資源を決定する。この回復がシステム障害な
しに発生する場合には、この回復ファシリティによって
使用される同期点中に書かれたデータ構造がまだ無傷な
ので、ログから情報を復元する必要はない。 2.回復を開始する責任を負う回復ファシリティ内のプ
ログラムが起動される。この実施例で保護された会話に
使用される会話の例では、これは、下記のことを意味す
る。保護された会話に関して、最初にこの同期点に関係
した、確認を必要とするタイプのシステムの回復ファシ
リティ内で実行中のパートナ回復プログラムとの保護さ
れない会話を確立する。(これには、活動化すべき2つ
のシステムの間に新規の経路が必要になることがある。 )パートナが、LUWIDの適当な記憶を有することを
検査するためにログ名を交換する。両パートナのLUW
IDの状態(すなわち、commitまたはbacko
ut)を比較し調節する。回復完了時に回復ファシリテ
ィ・ログのエントリを消去し、その結果を両パートナの
操作員に通知する。 3.この2段階コミット手順に参加する他の資源マネジ
ャに対して、同様の回復方法が定義される。一般に、非
分散式保護資源マネジャに対する回復処理は、同期点サ
ポートを実施するオペレーティング・システムによって
定義される。保護された会話に対する回復処理は、シス
テム間通信アーキテクチャによって定義される。たとえ
ば、前者は、VMオペレーティング・システム(“VM
”はIBMコーポレーションの登録商標)の拡張バージ
ョンによって定義されるタイプでよく、後者は、“Sy
stem Network Architecture
 LU 6.2 Reference: Peer P
rotocols, SC31−6808, Chap
ter 5.3 Presentation Serv
ices − Sync Point verbs”で
部分的に定義されるタイプのものでよい。
【0232】次に、同期点マネジャ60Aは、障害を発
生した資源の識別子(この例の場合、この資源は保護さ
れた会話64Aである)と処理中のLUWIDを用いて
回復ファシリティ70Aを呼び出す。回復ファシリティ
70Aは、そのLUWIDのログ・エントリと保護され
た会話64Aのエントリを見つける(図4のステップ5
18)。回復ファシリティ70Aは、このエントリ中の
状態情報から、回復の判断を決定する(ステップ519
)。上述の処理に基づけば、この判断は“Commit
”である。回復ファシリティ70Aは、回復すべき資源
が保護された会話であることを知っており、回復処理を
開始する。この回復処理は、その会話のための体系化さ
れた回復方法と使用される2段階コミット・パラダイム
とによってその処理が定義されるアプリケーションであ
る。 この回復処理は、システム50D上の回復ファシリティ
70D内のパートナの回復処理のために、保護されない
会話を開始する(ステップ520)。この回復の試みは
、経路障害のために2つのシステム間で会話が開始でき
ない(判断ブロック521のNO分岐)ので、失敗する
。その後、回復ファシリティ70Aは、ログ・エントリ
を検査して、アプリケーション56Aが、回復が完了し
ないうちに、回復ファシリティ70Aが同期点マネジャ
60Aにリターンできることを意味する WAIT =
 Noを要求したか否かを調べる。次いで、回復ファシ
リティ70Aは、後でアプリケーション56Aとは非同
期的に回復を完了することができる(ステップ524)
。この情報は、同期点マネジャ60Aが、その段階1の
ログ書込み中に書き込んだものである。上述したように
、アプリケーション56Aは、“set syncpo
int options wait = no”コール
を発行した。したがって、回復ファシリティ70Aは、
同期点マネジャ60Aに回復の意図すなわちコミットと
、再同期(回復)がまだ進行中であるとの指示を戻す(
ステップ526)。同期点マネジャ60Aは、すでに他
の保護された資源から“forget”を伝えられてい
るので(図5Bのステップ545A)、LUWIDの値
を1だけ更新し、アプリケーション56Aに、意図した
結果であるCommitと、すべての資源がコミットさ
れてはいないこととを示す戻りコード“RC= OK.
LUW_OUTCOME_PENDING”を戻す(図
5Bのステップ558)。これは、このコミット処理が
アプリケーション56Aとは非同期的に完了されること
を意味する。したがって、アプリケーション56Aはそ
の後に他の作業の処理を継続でき、再同期化を待って時
間を浪費することがない。
【0233】回復ファシリティ70Aは、システム50
D上の回復ファシリティ70Dを用いて、保護会話アダ
プタ64Aの回復の完了を成功させようと繰り返し試み
る(図4のステップ527)。回復を開始して最終的に
完了した時(判断ブロック521のYES分岐)、回復
ファシリティ70Aと回復ファシリティ70Dは共に、
回復が開始されたこと、およびそれが成功裡に完了した
ことを示す操作員メッセージを書く(ステップ522)
。 同期点マネジャ60Dも、その登録された資源である保
護会話アダプタ64Dを介して、障害を発生した会話に
ついて知らされている。同期点マネジャ60Dは、障害
を発生した資源、この場合は保護された会話64Dの識
別子とLUWIDとを用いて、その回復ファシリティ7
0Dにもコンタクトしていた。回復ファシリティ70D
は、同期点マネジャの「不確定」の状態に基づいて、回
復ファシリティ70Aによる回復のためにコンタクトさ
れるのを待たなければならなかったことを知っていた。 この回復が最終的に完了する時(判断ブロック523の
分岐YES)、回復ファシリティ70Dは同期点マネジ
ャ60Dにコミットの判断を戻す(ステップ523A)
。 その後、同期点マネジャ60Dはその段階2の処理を実
行する。保護された会話が中断しているので、同期点マ
ネジャ60Dは続いて新規の一義的なLUWIDを得る
。その後、同期点マネジャ60Dはアプリケーション5
6Dにコミットの結果を戻す。これで、アプリケーショ
ン56Dはその処理を実行できるようになる。以前の例
では、同期点マネジャ60Aに対して保護会話アダプタ
64Aによって代理される保護された会話ではなく、ス
テップ545Aでファイル・マネジャ63Aで障害が起
こり得たことに留意されたい。この代替例では、回復フ
ァシリティ70Aは、オペレーティング・システムによ
って定義される保護されない会話用の回復方法に基づい
て、回復ファシリティ70Dの代わりにファイル・マネ
ジャ63Aを用いて回復を開始することになる。
【0234】図5では、アプリケーション56A(した
がって、同期点マネジャ60Aも)が、コミット要求の
開始側であった。ところが、図51は、アプリケーショ
ン56Aではなく、システム50Hにある別のアプリケ
ーション56Hがコミットを開始した(ステップ700
)別の例を示す図である。アプリケーション56Hが実
行されるアプリケーション環境は、アプリケーション5
6Aが実行される環境と類似していても異なっていても
よい。ただし、両方のシステムおよびアプリケーション
環境は、どちらも前述の通信と2段階コミット手順をサ
ポートする。システム50Aとシステム50Dは、図2
のそれと同一である。図51(およびそれに続く図52
と図53)に示す例では、アプリケーション56Hは、
システム50H内の同期点マネジャ60Hに対して、シ
ステム50H、システム50Aおよびシステム50D内
の資源を使用するコミット要求(SYNCPT)を発行
した。このコミット要求に応答して、同期点マネジャ6
0Hは、段階1の“prepare”コールを用いて、
その登録された資源である保護会話アダプタ64Hを呼
び出す。次に、保護会話アダプタ64Hが、システム5
0A内の保護会話アダプタ64Bに体系的システム間“
prepare”コールを送る(ステップ701)。前
述したように、この“prepare”信号は、2段階
コミット手順の第1段階の一部である。次に、保護会話
アダプタ64Bがアプリケーション56Aに“Take
 Syncpoint”の通知を与え(ステップ704
)、これに応答して、アプリケーション56Aが同期点
マネジャ60Aに対してコミット要求(SYNCPT)
を発行する(ステップ706)。次に、同期点マネジャ
60Aが、段階1の“prepare”コールを用いて
保護会話アダプタ64Aを呼び出す。保護会話アダプタ
64Aは、システム50D内の保護会話アダプタ64D
に体系的システム間prepareコールを送る(ステ
ップ708)。これに応答して、保護会話アダプタ64
Dがアプリケーション56Dに“Take Syncp
oint”通知を与える(ステップ710)。これに応
答して、アプリケーション56Dが同期点マネジャ60
Dにコミット(SYNCPT)要求を発行する(ステッ
プ712)。同期点マネジャ60Dは、その登録された
すべての資源に段階1の“prepare”コールを発
行する。同期点マネジャ60Dによってアクセスされる
すべての資源がコミットの準備ができた時、同期点マネ
ジャ60Dは、“request commit”の回
答を用いて保護会話アダプタ64Dを呼び出す。保護会
話アダプタ64Dは、体系的システム間“reques
t commit”コールをこのコミット要求の開始側
、この場合には保護会話アダプタ64Aに送り、保護会
話アダプタ64Aは同期点マネジャ60Aに“requ
est commit”と回答する(ステップ714)
。同期点マネジャ60Aは、この要求と、その資源がす
べて作動可能である旨の通知とを受け取った後に、保護
会話アダプタ64Bに“request commit
”と回答する。保護会話アダプタ64Bは、体系的シス
テム間“request commit”コールを、こ
のコミット要求の開始側、この場合には開始側の保護会
話アダプタ64Hと同期点マネジャ60Hに送る(ステ
ップ716)。同期点マネジャ60Aの代理として保護
会話アダプタ64Hからのこの回答と、同期点マネジャ
60Hの資源がすべて作動可能である旨の通知とを受け
取った後に、同期点マネジャ60Hの段階2の決定がコ
ミットされる。同期点マネジャ60Hは、段階2の決定
“commit”を用いてすべての資源を呼び出す。保
護会話アダプタ64Hは、呼び出されると、体系的シス
テム間“commit”コールを保護会話アダプタ64
Bに送り、保護会話アダプタ64Bは同期点マネジャ6
0Aに“committed”と回答し、これがその段
階2の決定になる(ステップ718)。
【0235】ここまでは、2段階コミット手順の実施に
問題がなかった。また、各アプリケーションが、ステッ
プ700、706および712で当該の同期点マネジャ
にコミット要求を発行した後に、各同期点マネジャが、
段階1の情報と状態をそれぞれ当該の回復ファシリティ
・ログにロギングすることに留意されたい。同様に、同
期点マネジャ60Aおよび60Dはそれぞれ、それに関
連する資源からすべての資源が作動可能である旨の通知
を受け取ると、それぞれ当該の回復ファシリティ・ログ
のエントリに“in doubt”とロギングする。1
つまたは複数の資源がコミットできない場合、ログ・エ
ントリは作成されないが、上流側の開始側に“back
out”と回答する前に、バックアウト処理が完了して
いる。同様に、同期点マネジャ60Hは、その登録され
たすべての資源から“request commit”
を受け取ると、その回復ファシリティ・ログに“com
mit”の決定を書き込む。同期点マネジャ60Aおよ
び60Dは、それぞれこのコミット判断を受け取ると、
その登録された資源にコンタクトする前に、それぞれ当
該の回復ファシリティ・ログにこのコミット決定を書き
込む。
【0236】次に、同期点マネジャ60Aが、段階2の
“commit”決定を用いて、その登録されたすべて
の資源を呼び出す。同期点マネジャ60Aが、“com
mit”コールで保護会話アダプタ64Aを呼び出すと
、保護会話アダプタ64Aは、体系的システム間“co
mmit”コールを保護会話アダプタ64Dに送ること
を試み、保護会話アダプタ64Dは、同期点マネジャ6
0Dに“committed”と回答しなければならな
い。ところが、この例ではこの送信は会話経路の障害の
ために成功しない(ステップ720)。この障害に応答
して、同期点マネジャ60Aは、このLUWIDと保護
された会話とのための回復処理を求めて回復ファシリテ
ィ70Aにコンタクトする。上述したように、回復ファ
シリティ70Aは、回復ファシリティ70Dを用いた回
復の実行を1回試みる(ステップ722)。この例では
、通信経路の障害が持続しているので、この試みも成功
しない。次に、回復ファシリティ70Aは、ログ・エン
トリを読み取って、非同期的再同期化が必要なことを知
る。そこで回復ファシリティ70Aは、同期点マネジャ
70Aに、この失敗した回復の試みと、回復が非同期的
に継続されることを通知する。その後、同期点マネジャ
60Aは、“forget, resynchroni
zation−in−progress(RIP)(忘
却、進行中の再同期化)”を用いて、保護会話アダプタ
64Bを呼び出す。保護会話アダプタ64Bは、体系的
システム間“forget, RIP”コールを保護会
話アダプタ64Hに送り、保護会話アダプタ64Hは同
期点マネジャ60Hに“forget, RIP”と回
答する(ステップ726)。その後、同期点マネジャ6
0Aは、アプリケーション56Aに戻りコード“RC 
= OK. LUW_OUTCOME_PENDING
”を与えて、commitの意図と、このコミット処理
が非同期的に完了されることを知らせる(ステップ72
4)。ステップ726の“Forget, RIP”通
知は、ステップ718に対する肯定応答として働き、そ
れによって同期点マネジャ60Hは、ステップ700の
同期点に関係する同期点情報用のその回復ファシリティ
・ログに“forget”の状態を書き込む。というの
は、この時、2段階コミット処理がアプリケーション5
6Hの要求したコミットに関して完了しているからであ
る。同期点マネジャ60Hは、その保護会話アダプタ6
4Hから“Forget, RIP”の指示を受け取る
と(このコミットに関係する他のすべての資源からメッ
セージを受け取っていると仮定して)、アプリケーショ
ン56Hに戻りコード“RC = OK. LUW_O
UTCOME_PENDING”を戻して、コミットの
意図と、このコミット処理が非同期的に完了されること
を知らせることができる(ステップ728)。
【0237】回復ファシリティ70Aは、システム50
D上の回復ファシリティ70Dを用いた回復処理の実行
を定期的に試み、同時にコミットの指令を試みる(ステ
ップ730)。上述したように、回復が完了した時、回
復ファシリティ70Dは段階2の“commit”決定
で同期点マネジャ60Dに回答する。同期点マネジャ6
0Dは、その段階2の処理を完了し、アプリケーション
56Dにこのコミット要求が成功裡に完了したことを意
味する戻りコード“RC =OK. ALL_AGRE
ED”を戻す(ステップ732)。アプリケーション5
6H、56Aおよび56Dは、いずれも他の処理を続行
できる。回復ファシリティ70Aと回復ファシリティ7
0Dの間で回復処理が行われる時は、回復の開始とその
処理の結果を示すメッセージが、操作員コンソールに送
られることに留意されたい。
【0238】また、同期点マネジャ60Aは、回復ファ
シリティ70Aから“FAILED ATTEMPT 
TO RESYNC(再同期化の試みに失敗した)”通
知を受け取った時、ログ72A内のログ・エントリ内の
LUWIDの状態を“Forget, RIP”に更新
することにも留意されたい。システム50Aは、後で、
このLUWIDに含まれる保護された会話を搬送してい
たシステム50Aとシステム50Hの間の会話経路上に
次の正常な流れが到着した時に、このLUWIDに“f
orget”の状態を書き込む。これが“implie
d forget(暗黙の忘却)”動作である。同期点
マネジャ60Aが“Forget, RIP”の状態を
書き込んだ後、“implied forget”を受
け取る前に、システム50Aとシステム50Hの間の会
話経路(これを介して、進行中の再同期化の通知を受け
取ったコミット手順に関係していた保護された会話が流
れていた)が働かなくなる障害が生じた場合、システム
50AのLUWIDのログ・エントリが、使用される2
段階コミット・パラダイムによって定義される正常な回
復手順によって消去される。ただし、これには、以前に
定義した比較状態データ流れ中で、新規の進行中の再同
期化の標識が送られることが必要となる。“impli
ed forget”が受け取られ、それによってシス
テム50Aが回復ファシリティ・ログ72Aに“for
get”の状態を書き込む場合は、回復ファシリティ7
0Dでの回復が完了しない限り、回復ファシリティ70
Aはこの回復レコードを実際に忘却させない。
【0239】同期点マネジャ間には移送経路があるので
、前述の非同期的再同期化(進行中の再同期化)機能を
サポートする同期点マネジャは、これをサポートしない
他の同期点マネジャと通信できることにも留意されたい
。同期点処理をサポートするシステムが最初に互いに通
信する時は、両方のシステムに使用される通信体系と2
段階コミット手順とによって定義される初期ケイパビリ
ティ交換の際に、これらのシステムが前述の進行中の再
同期化機能をサポートするか否かが決定される。コミッ
ト要求の開始側、図51の上記の例では同期点マネジャ
60Hが、進行中の再同期化をサポートしない場合には
、カスケード式の開始側(このコミット要求を受け取る
同期点マネジャ、上記の例では同期点マネジャ60A)
は、このコミット要求を開始した同期点マネジャ(上記
の例では同期点マネジャ60H)に、同期点要求の意図
(コミットまたはバックアウト)を送り返すが、再同期
化が後で非同期的に行われるとの指示は送り返さない。 ローカル・アプリケーションは、故障停止が発生し(上
記の例ではアプリケーション56A)、同期点マネジャ
が進行中の再同期化をサポートする(上記の例では同期
点マネジャ60A)場合、この進行中の再同期化通知を
受け取る。
【0240】図52は、同期点マネジャ60Hが、以下
で詳細に示すようにバックアウトを発行する場合の進行
中の再同期化の機能を示す図である。ステップ700〜
714は、図51と同一である。ただし、同期点マネジ
ャ60Hは、ステップ716で同期点マネジャ60Aか
ら保護会話アダプタ64Hを介して回答“reques
t commit”を受け取った後に、その保護された
資源のうちの1つまたは複数が動作不能であるために、
バックアウトすることを決定する。そこで、同期点マネ
ジャ60Hは、段階2の決定“backout”を用い
てその登録された資源を呼び出す。この決定“back
out”が、同期点マネジャ60Aに与えられる(保護
会話アダプタ64Hが、体系的システム間backou
tコールを保護会話アダプタ64Bに送り、保護会話ア
ダプタ64Bが、同期点マネジャ60Aに“backo
ut”と回答する)(ステップ740)。 同期点マネジャ60Aは、段階2の決定“backou
t”でその登録された資源を呼び出す。保護会話アダプ
タ64Aは、ステップ742で、保護会話アダプタ64
Dを介して同期点マネジャ60Dにシステム間back
outコールを送ろうと試みる。ところがこの例では、
通信経路障害またはその他のタイプの障害のために、ス
テップ742は失敗する。これに応答して、同期点マネ
ジャ60Aは、ステップ744で、LUWIDと障害を
発生した資源の識別子とを用いて回復ファシリティ70
Aを呼び出し、システム50D上の回復ファシリティ7
0Dを用いた回復処理を実行させる。しかし、この例で
は、この回復の試みも失敗する。回復ファシリティ70
Aは、同期点マネジャ60Aに、この回復の試みに失敗
したが、非同期的に回復処理を完了すると回答する。他
の保護された資源からの通知を受けた後に、同期点マネ
ジャ60Aは、その回復ファシリティのログ72Aに、
“backout, rip”の状態を書き込む。その
後、同期点マネジャ60Aは、“backout, r
ip”の回答を用いて保護会話アダプタ64Bを呼び出
す。体系的システム間backoutコールに基づいて
、保護会話アダプタ64Bは、保護会話アダプタ64H
からの元の段階2の“backout”コールに対して
エラー回答を送る(ステップ748)。その後、保護会
話アダプタ64Bは、保護会話アダプタ64Hに、体系
的システム間“backout, rip”コールを送
る(ステップ750)。保護会話アダプタ64Hは、こ
の“backout, rip”の指示を受け取った後
に、体系的システム間肯定応答を送り(ステップ752
)、同期点マネジャ60Hに“backout, ri
p”と回答する(ステップ752)。同期点マネジャ6
0Hは、他の資源からの回答を得た後に、アプリケーシ
ョン56Hに、バックアウトが保留中であることを通知
する戻りコード“RC = Backout, LUW
_OUTCOME_PENDING”を戻して、アプリ
ケーション56Hが他の有用な作業を行ってもよいと知
らせる(ステップ754)。保護会話アダプタ64Bは
、保護会話アダプタ64Hから“backout, r
ip”コールに対する肯定応答(ステップ748および
750に対する応答)を得ると、同期点マネジャ60A
に“ok”と回答する。その後同期点マネジャ60Aは
、回復ファシリティのログ72A内のこのLUWID用
のログエントリに“forget”の状態を書き込み、
アプリケーション56Aに戻りコード“RC = Ba
ckout, LUW_OUTCOME_PENDIN
G”を戻す(ステップ746)。この戻りコードは、こ
のコミット要求の意図された結果がバックアウトである
が、すべての資源がバックアウトしたわけではないこと
を意味する。ここでアプリケーション56Aは、その処
理を続行できる。回復ファシリティのログ72A内のL
UWIDエントリは、上述の“implied for
get”としてシステム50Aによって忘却される。こ
の“forget”が書き込まれる時、このLUWID
内の障害を発生した資源がまだ回復されていない場合は
、回復が行われるまでそのLUWIDエントリは実際に
は忘却されない。その間に、回復ファシリティ70Aは
、システム50D内の回復ファシリティ70Dを用いて
非同期的に回復の試みを続ける(ステップ756)。回
復が完了した時、同期点マネジャ60Dは、バックアウ
トの通知を受け、その段階2の処理を完了する。その後
同期点マネジャ60Dはアプリケーション56Dに、す
べての資源がバックアウトされたことを意味する戻りコ
ード“RC = BACK OUT. ALL_AGR
EED”を戻す(ステップ758)。アプリケーション
56H、56Aおよび56Dは、いずれも他の処理を続
行できる。回復ファシリティ70Aと回復ファシリティ
70Dの間で回復処理が行われる際に、回復の開始とそ
の処理の結果を示すメッセージが操作員コンソールに送
られることに留意されたい。
【0241】図53は、同期点マネジャ60Aが、以下
で詳細に示すようにバックアウトを発行する場合の進行
中の再同期化の機能を示す図である。ステップ700〜
714は、図52と同一である。ただし、同期点マネジ
ャ60Aは、ステップ714で回答“request 
commit”を受け取った後、同期点マネジャ60A
に関連する資源のうちの1つまたは複数がコミット不能
であるため、段階2の“backout”コールを用い
てその登録された資源を呼び出す(ステップ759)。 保護会話アダプタ64Aは、保護会話アダプタ64Dに
体系的システム間“backout”コールを送ろうと
試みる(ステップ760)。 ところが、ステップ760に示されるように、通信経路
障害またはその他の障害のため、この“backout
”コールを保護会話アダプタ64Dは受け取らない。同
期点マネジャ60Aは、LUWIDと障害を発生した資
源の識別子とを用いて回復ファシリティ70Aを呼び出
し、回復処理を実行するよう求める。回復ファシリティ
70Aは、システム50D内の回復ファシリティ70D
を用いて、回復処理を実行しようと試みる(ステップ7
44)。通信経路の障害が持続しているので、ステップ
744も失敗し、その結果、同期点マネジャ60Aは、
図52を参照して上述したステップ746の信号を送る
。 ステップ750〜758も、図52と同一である。
【0242】図54は、以下で詳細に示すように異なる
障害のために、同期点マネジャ60Aがバックアウトを
発行する場合の進行中の再同期化の機能を示す図である
。ステップ700〜706は、図52と同一である。 ただし、同期点マネジャ60Aは、ステップ706でコ
ミット要求を受け取った後に、段階1の“prepar
e”コールを用いてその登録された資源を呼び出す。保
護会話アダプタ64Aは、保護会話アダプタ64Dに体
系的システム間“prepare”コールを送ろうと試
みる(ステップ708A)。ところが、ステップ708
Aに示されるように、通信経路の障害またはその他の障
害のために、この“prepare”コールを保護会話
アダプタ64Dは受け取らない。同期点マネジャ60A
は、段階2のbackoutコールを用いてそのローカ
ルな登録された資源を呼び出す(ステップ763)。そ
の後同期点マネジャ60Aは、LUWIDと障害を発生
した資源の識別子とを用いて回復ファシリティ70Aを
呼び出し、回復処理を実行するよう求める。回復ファシ
リティ70Aは、システム50D内の回復ファシリティ
70Dを用いて回復処理を実行しようと試みる(ステッ
プ744)。通信経路の障害が持続しているので、ステ
ップ744も失敗し、その結果、同期点マネジャ60A
は、図52を参照して上述したステップ746の信号を
送る。ステップ750〜756は、図52と同一である
。同期点マネジャ60Aによって行われる処理とは非同
期的に、アプリケーション56Dが、以前(アプリケー
ション56Aがアプリケーション56Dを開始した時)
に確立されたアプリケーション56Aとの保護された会
話上で経路障害の指示を受け取る(ステップ761)。 この経路障害のため、保護会話アダプタ64Dは保護会
話アダプタ64Aからprepareコールを受け取れ
なかった。この経路障害は、保護された会話に対して発
生したので、アプリケーション56Dはバックアウト要
求を発行しなければならない。アプリケーション56D
は、バックアウト要求を発行し(ステップ762)、最
終的に、すべての資源がバックアウトされたことを示す
戻りコードを受け取る(ステップ764)。この時点で
、アプリケーション56H、56Aおよび56Dは、い
ずれも他の処理を続行できる。 その間に、回復ファシリティ70Aは、システム50D
内の回復ファシリティ70Dを用いて非同期的に回復の
試みを続ける(ステップ756)。回復処理が回復ファ
シリティ70Aと回復ファシリティ70Dの間で行われ
る際に、回復の開始とその処理の結果を示すメッセージ
が操作員コンソールに送られることに留意されたい。
【0243】以上の説明により、本発明を実施する方法
およびシステムが開示された。ただし、本発明の範囲を
逸脱することなく、多数の変更および置換が可能である
。したがって、本発明の開示は、例示的なものであって
、限定的なものではなく、本発明の範囲を決定するには
、頭記の特許請求の範囲を参照すべきである。
【0244】以下は、部分的な用語集である。
【0245】アプリケーションある実行環境内で実行さ
れ、コミット、バックアウトまたは作業要求のうちの1
つまたは複数を発行できる、ユーザ・プログラムまたは
サービス・プログラムまたは資源マネジャと統合された
作業分散機能。
【0246】実行環境 仮想計算機、パーソナル・コンピュータ、ワーク・ステ
ーション、ミニ・コンピュータ、メインフレーム・コン
ピュータまたはその他のタイプのコンピュータあるいは
それらの任意の組合せにおいて、アプリケーション、シ
ステム・ファシリティ(回復ファシリティ、通信ファシ
リティなど)、資源マネジャまたはその他のプログラム
あるいはそれらの任意の組合せを実行するための、何ら
かの計算手段。
【0247】保護された会話 何らかの形の同期点処理または保護的コミットもしくは
バックアウト手順の対象となる会話。
【0248】保護された資源 何らかの形の同期点処理または他の保護的コミットもし
くはバックアウト手順の対象となる資源。
【0249】回復ファシリティ 障害を発生した同期点またはその他のコミットもしくは
バックアウト手順の回復の責任を負うファシリティ。
【0250】2段階コミット手順 更新または保護会話あるいはその両方の、コミットまた
はバックアウトを調整または同期あるいはその両方を行
うための手順。通常、2段階コミット手順は、保護され
た会話を介して、複数の資源または単一の資源を原子的
にコミットまたはバックアウトするのに使用される。た
とえば、2段階コミット手順には、ポーリングまたは準
備段階と、バックアウトまたはコミット段階を含めるこ
とができる。
【0251】
【発明の効果】本発明は、資源に対する1段階と2段階
のコミット手順を選択して、コミット処理全体を最適化
する、方法およびコンピュータ・オペレーティング・シ
ステムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】各実行環境内にすべてのコミット機能と回復機
能を組み込んだ、従来技術によるコンピュータ・システ
ムのブロック図である。
【図2】本発明による、2つの相互接続されたコンピュ
ータ・システムを含むコンピュータ・ネットワークのブ
ロック図である。各システムは、共通の回復ファシリテ
ィとログで複数の実行環境をサポートする。
【図3】図2の実行環境内で実行されるアプリケーショ
ンによって使用される資源に関する、2段階コミット手
順の流れ図である。
【図4】図3に示した2段階コミット手順中に割込みが
発生する時に実施される、回復処理の流れ図である。
【図5A】図2の同期点ファシリティをサポートする保
護された会話によって接続された、2つの分散アプリケ
ーション環境内で実行されるパートナ・アプリケーショ
ンによって使用される資源に関する、2段階コミット手
順の流れ図である。
【図5B】図2の同期点ファシリティをサポートする保
護された会話によって接続された、2つの分散アプリケ
ーション環境内で実行されるパートナ・アプリケーショ
ンによって使用される資源に関する、2段階コミット手
順の流れ図である。
【図6】単一の図2の実行環境内で異なるコミット範囲
を定義する複数の作業ユニットと、図2の複数のシステ
ムにまたがるコミット範囲とを示す、ブロック図である
【図7】コミット処理の範囲を定義し、コミット処理を
容易にするための、図2の1つのアプリケーション環境
による、ローカル作業ユニットとグローバルな作業論理
ユニットの使用を示す、流れ図である。
【図8A】コミット処理の範囲を定義し、コミット処理
を容易にするための、図2のもう1つの関連するアプリ
ケーション環境による、ローカル作業ユニットとグロー
バルな作業論理ユニットの使用を示す、流れ図である。
【図8B】コミット処理の範囲を定義し、コミット処理
を容易にするための、図2のもう1つの関連するアプリ
ケーション環境による、ローカル作業ユニットとグロー
バルな作業論理ユニットの使用を示す、流れ図である。
【図9】図7および図8のグローバルな作業論理ユニッ
トにおける、保護された会話のタイミング図である。
【図10】図2のシステム内での資源の自動的かつ総称
的な登録を示す、ブロック図である。
【図11】図6の同期点マネジャ内に適当なタイプのコ
ミット手順用の資源を登録する手順と、そのコミット手
順のステップとを示す、流れ図である。
【図12】図2のシステム内での作業ユニットに基づく
登録を示す、ブロック図である。
【図13】作業ユニットに基づく登録を示す、銀行取引
の時間の流れを示す図である。
【図14】同期点マネジャで、資源を登録し、資源の登
録情報を変更し、資源を登録解除する手順を示す、流れ
図である。
【図15】資源アダプタ、保護会話アダプタおよび同期
点マネジャが、資源の登録を解除するのに使用する手順
を示す、流れ図である。
【図16】同期点要求に応答して同期点マネジャが行う
処理と、1段階コミット処理か2段階コミット処理かを
選択する際に同期点マネジャが行う最適化とを示す、流
れ図である。
【図17】2段階コミット手順を示す、流れ図である。
【図18】2段階コミット手順に参加する3つの分散ア
プリケーション・プログラムを示す、流れ図である。
【図19】図2のあるシステム内のアプリケーションと
別のシステム内のパートナ・アプリケーションの間で保
護された会話が行われる時に、障害を発生したコミット
手順の回復をサポートするためのログ名交換に用いる構
成要素と手順を示す、ブロック図である。
【図20】通信ファシリティによる、初期の事象とその
後の会話事象のための図19に関連する処理の流れ図で
ある。
【図21A】ローカル通信ファシリティが回復ファシリ
ティにある経路用のログ名を交換するよう要求した時に
、その結果として生じる、回復ファシリティによる、図
19に関連する処理の流れ図である。
【図21B】ローカル通信ファシリティが回復ファシリ
ティにある経路用のログ名を交換するよう要求した時に
、その結果として生じる、回復ファシリティによる、図
19に関連する処理の流れ図である。
【図22】別の回復ファシリティからログ名交換要求を
受け取った結果として生じる、回復ファシリティによる
、図19に関連する処理の流れ図である。
【図23】図2の一部における、ローカル資源マネジャ
を用いログ名交換のための構成要素と手順を示す、ブロ
ック図である。
【図24】図2のシステムとリモート資源マネジャを使
用するログ名交換のための構成要素と手順を示す、ブロ
ック図である。
【図25】図2の回復ファシリティの内容を示す、ブロ
ック図である。
【図26】ログ名の交換を実施すべき時点を決定する処
理を示す、流れ図である。
【図27】参加する資源マネジャと回復ファシリティの
間でログ名を交換するための処理を示す、流れ図である
【図28】同期点ログの可搬性とバックアップ回復ファ
シリティを活動化する能力を示す、ブロック図である。
【図29】コミット手順における問題を定義するエラー
・フラグおよび情報をアプリケーション・プログラムに
渡す際の、図2の資源アダプタと同期点マネジャの参加
を示す、ブロック図である。
【図30】図29の構成要素を使ってアプリケーション
・プログラムにエラー情報を渡す手順を示す、流れ図で
ある。
【図31】システムの作業用記憶域を減らすために、図
29に関連するエラー・ブロックが使用するページを共
用するための、制御ブロック構造を示す図である。
【図32】図29のエラー・フラグおよび情報の生成と
管理に参加する、図2の構成要素のブロック図である。
【図33】開始側アプリケーションと同一のシステムお
よび異なるシステムに常駐する資源マネジャと、コミッ
ト処理中に使用される通信経路ならびに同期点回復処理
のために使用される経路を組み込んだ、複数のシステム
・コミット範囲にわたるコミット・サイクルを含む、3
つのシステムを示す、ブロック図である。
【図34】同期点参加者のツリーを形成する、図33の
3つの参加するアプリケーションおよびアプリケーショ
ン環境とそれらが使用する資源マネジャとを示す、ブロ
ック図である。
【図35】回復ファシリティの、同期点以前の同意の手
順と同期点障害からの回復の手順を示す、高水準の流れ
図である。
【図36】同期点障害からの回復のための回復ファシリ
ティの手順をより詳細に示す、流れ図である。
【図37】図2のログ72の内容と、図35で表される
手順を制御するのに必要な制御構造とを示す、ブロック
図である。
【図38】図35のステップ299および300の詳細
を示す流れ図である。
【図39】図35のステップ301および302の詳細
を示す流れ図である。
【図40】図36のステップ311の詳細を示す流れ図
である。
【図41】図36のステップ312の詳細を示す流れ図
である。
【図42】図36のステップ313の詳細を示す流れ図
である。
【図43】図36のステップ314の詳細を示す流れ図
である。
【図44】図36のステップ315の詳細を示す流れ図
である。
【図45】図36のステップ304の詳細を示す流れ図
である。
【図46A】図36のステップ317の詳細を示す流れ
図である。
【図46B】図36のステップ317の詳細を示す流れ
図である。
【図47】図36のステップ318の詳細を示す流れ図
である。
【図48A】図36のステップ319の詳細を示す流れ
図である。
【図48B】図36のステップ319の詳細を示す流れ
図である。
【図49】図36のステップ306の詳細を示す流れ図
である。
【図50A】同期点処理中にエラーが発生した場合に、
アプリケーション56Aおよびアプリケーション56D
が非同期的再同期化を要求する様子を示すブロック図で
ある。
【図50B】同期点処理中にエラーが発生した場合に、
アプリケーション56Aおよびアプリケーション56D
が非同期的再同期化を要求する様子を示すブロック図で
ある。
【図51】追加のシステム50Hを伴う、非同期的な進
行中の再同期化のステップを示す、流れ図である。
【図52】システム50Hから発する障害を発生したバ
ックアウト指令に関係する、非同期的な進行中の再同期
化のステップを示す、流れ図である。
【図53】システム50Aから発する障害を発生したバ
ックアウト指令に関係する、非同期的な進行中の再同期
化のステップを示す、流れ図である。
【図54】システム50Aから発する障害を発生したp
repareコールに関係する、非同期的な進行中の再
同期化のステップを示す、流れ図である。
【図55A】図2の代替例としての、本発明のもう1つ
の実施例のブロック図である。
【図55B】図2の代替例としての、本発明のもう1つ
の実施例のブロック図である。
【符号の説明】
50  システム 52  アプリケーション実行環境 53  会話マネジャ 55  システム制御プログラム 56  アプリケーション 60  同期点マネジャ(SPM) 62  資源アダプタ 63  資源マネジャ 64  保護会話アダプタ 70  回復ファシリティ 72  ログ

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)複数の資源を必要とする作業要求を
    行うステップと、 (b)前記資源をテーブルに登録するステップと、(c
    )前記テーブルへの登録に基づいて、前記資源のうちの
    どれがある種類のコミット手順を必要とし、どれが別の
    種類のコミット手順を必要とするかを判定するステップ
    とを含む、コンピュータがアクセス可能な資源に対する
    コミット手順の種類を選択する方法。
  2. 【請求項2】前記資源のうちの1つ以上が更新モードで
    あることを特徴とし、さらに前記更新モードである前記
    資源に対して2段階コミット手順を設定するステップを
    含む、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記資源のうちの別の1つが読み取り専用
    モードであり、関連する資源マネジャが1段階コミット
    手順をサポートすることを特徴とし、さらに、前記1つ
    の資源が読み取り専用モードであると判定し、読み取り
    モードである前記1つの資源に対して1段階コミット手
    順を開始するステップを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】さらに、同一の資源を必要とする別の作業
    要求を行う後続のステップを含み、ステップ(b)を繰
    り返さずにステップ(c)を繰り返すことを特徴とする
    、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記テーブルが、前記作業要求を行うアプ
    リケーションを実行する実行環境内にあることを特徴と
    する、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記作業要求が、仮想計算機内で実行中の
    アプリケーションによって行われ、前記テーブルが、前
    記仮想計算機内にあることを特徴とする、請求項5に記
    載の方法。
  7. 【請求項7】前記資源が前記実行環境から遠隔位置にあ
    ることを特徴とし、さらに、前記資源を前記実行環境か
    ら遠隔管理するステップを含む、請求項5に記載の方法
  8. 【請求項8】前記判定ステップが、前記資源または関連
    する資源マネジャのいずれとも通信せずに行われること
    を特徴とする、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】ステップ(c)が、前記資源のうちのいず
    れかが保護された会話であるか否かを判定し、そうであ
    る場合には、前記保護された会話に対して2段階コミッ
    ト手順を開始するステップを含むことを特徴とする、請
    求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】ステップ(c)が、前記資源の全てが1
    段階コミット手順をサポートし、かつ更新モードである
    資源が1つ以上は存在しないか否かを判定し、そうであ
    る場合には、前記資源の全てに対して1段階コミット手
    順を開始するステップを含むことを特徴とする、請求項
    1に記載の方法。
  11. 【請求項11】アプリケーション・プログラムを実行す
    るためのプロセッサ手段と、前記プロセッサ手段に関連
    づけられた登録域と、前記アプリケーション・プログラ
    ムからアクセス可能な複数の資源に必要なコミット手順
    の種類を直接的または間接的に示す、前記資源に関する
    情報を、前記登録域に登録する手段とを備える、資源に
    対するコミット手順の種類を選択するための、コンピュ
    ータ・システム。
  12. 【請求項12】さらに、前記登録域内の前記登録情報を
    分析して、前記資源のそれぞれに必要なコミット手順の
    種類を判定する手段を含む、請求項11に記載のコンピ
    ュータ・システム。
  13. 【請求項13】前記登録域が、前記資源および関連する
    資源マネジャの全ての外部にあり、前記分析手段が、前
    記資源および関連する資源マネジャと通信せずに前記判
    定を行うことを特徴とする、請求項12に記載のコンピ
    ュータ・システム。
  14. 【請求項14】前記登録域が、前記プロセッサ手段と同
    じ所にあることを特徴とする、請求項13に記載のコン
    ピュータ・システム。
  15. 【請求項15】各資源に関する前記情報が、前記資源が
    1段階コミット手順または2段階コミット手順あるいは
    その両方のいずれをサポートするかを示すことを特徴と
    する、請求項11に記載のコンピュータ・システム。
  16. 【請求項16】各資源に関する前記情報が、前記アプリ
    ケーション・プログラムが前記資源を更新するかそれと
    も読み取るだけであるかを示すことを特徴とする、請求
    項11に記載のコンピュータ・システム。
  17. 【請求項17】各登録が資源または作業要求あるいはそ
    の両方の特徴を含む、関係する作業要求で必要とされる
    複数の資源に対する登録を受け取るための、第1オペレ
    ーティング・システム手段と、少なくとも部分的には登
    録情報に基づき、前記資源に関連する資源マネジャに後
    で問い合わせることなしに、前記資源のそれぞれに適し
    たコミット手順の種類を判定するために、前記登録にア
    クセスすることのできる、第2オペレーティング・シス
    テム手段とを含み、コンピュータ可読媒体を有するコン
    ピュータ・システム。
  18. 【請求項18】前記第1および第2のオペレーティング
    ・システム手段が、前記作業要求を定義したアプリケー
    ションを実行する実行環境をサポートし、前記登録が、
    前記実行環境内に記憶されることを特徴とする、請求項
    17に記載のコンピュータ・プログラム製品。
  19. 【請求項19】前記資源のうちの2つに関する情報が、
    前記2つの資源が前記作業要求に従って更新されること
    を示し、前記第2オペレーティング・システム手段が、
    前記2つの資源には2段階コミット手順が適していると
    判定することを特徴とする、請求項17に記載のコンピ
    ュータ・システム。
  20. 【請求項20】前記資源のうちの別の1つが前記作業要
    求に従って読み取り専用になり、前記別の1つの資源用
    のマネジャが1段階コミット手順をサポートしており、
    前記第2オペレーティング・システム手段が、前記別の
    1つの資源には1段階コミット手順が適していると判定
    することを特徴とする、請求項19に記載のコンピュー
    タ・システム。
  21. 【請求項21】前記資源のうちの第1の資源が前記作業
    要求に従って読み取り専用になり、前記第1資源のマネ
    ジャが1段階コミット手順をサポートしていることを、
    前記第1資源に関する登録が示し、前記資源のうちの第
    2の資源が保護された会話であることを、前記第2資源
    に関する登録が示し、前記第2オペレーティング・シス
    テム手段が、前記第1資源には前記1段階コミット手順
    が適しており、前記第2資源には前記2段階コミット手
    順が適していると判定することを特徴とする、請求項1
    7に記載のコンピュータ・システム。
  22. 【請求項22】前記第1および第2のオペレーティング
    ・システム手段が、前記作業要求を行うアプリケーショ
    ンの実行を部分的に制御することを特徴とする、請求項
    17に記載のコンピュータ・システム。
  23. 【請求項23】各資源に関する前記情報が、各資源が1
    段階コミットと2段階コミットのいずれをサポートする
    か、および作業要求に2段階コミットが必要であるか否
    かを示すことを特徴とする、請求項17に記載のコンピ
    ュータ・システム。
  24. 【請求項24】前記複数の資源のうちに他に更新された
    資源が含まれない時には、前記第2オペレーティング・
    システム手段が、更新された資源に1段階コミット手順
    が適しており、読み取り専用資源に1段階コミット手順
    が適していると判定することを特徴とする、請求項17
    に記載のコンピュータ・システム。
  25. 【請求項25】(a)保護された会話と別の資源の更新
    とを必要とする作業要求を行うステップと、(b)前記
    保護された会話と前記別の資源を、前記作業要求に関連
    するテーブルに登録するステップと、(c)前記テーブ
    ルを分析して、前記作業要求に少なくとも1つの保護さ
    れた会話が関係するか否かを判定するステップと、 (d)前記保護された会話が前記作業要求に関係すると
    判定した後に、前記保護された会話と前記別の資源に対
    して2段階コミット手順を開始するステップとを含む、
    保護された会話を含むコンピュータ資源に対するコミッ
    ト手順の種類を選択する方法。
  26. 【請求項26】前記作業要求が、読み取り専用モードの
    資源をも必要とすることを特徴とし、さらに、前記分析
    ステップの後に、前記読み取り専用モードの資源に対し
    て1段階コミット手順を開始するステップを含む、請求
    項25に記載の方法。
  27. 【請求項27】前記保護された会話が、2つの参加者を
    介して行われることを特徴とし、さらに、引き続いて、
    前記参加者の間での前記保護された会話を必要とする作
    業要求を行うステップと、ステップ(b)を繰り返さず
    にステップ(c)および(d)を繰り返すステップとを
    含む、請求項25に記載の方法。
  28. 【請求項28】前記保護された会話と前記別の資源が、
    前記作業要求を行った実行環境内にある同期点マネジャ
    に登録されることを特徴とする、請求項25に記載の方
    法。
  29. 【請求項29】前記保護された会話が、2つの異なる仮
    想計算機の間で行われ、前記保護された会話が、前記仮
    想計算機のそれぞれにある同期点マネジャに登録される
    ことを特徴とする、請求項28に記載の方法。
  30. 【請求項30】前記作業要求が、仮想計算機内で実行中
    のアプリケーションによって行われ、前記同期点マネジ
    ャが、前記仮想計算機内にあることを特徴とする、請求
    項28に記載の方法。
  31. 【請求項31】前記別の資源が、前記実行環境の外部に
    あることを特徴とし、さらに、前記資源を別の実行環境
    から管理するステップを含む、請求項28に記載の方法
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