JPH0413603Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、樹木や建物の地上高、２点間の高
さ、あるいは２点間の距離等の測量に用いる標尺
などの測定杆、さらに詳細には伸縮自在の伸縮測
定杆に関するものである。

（従来の技術） 従来のこの種の伸縮測定杆は目盛が付された複
数の測定杆部材が伸縮自在に嵌挿状に連結されて
なり、測定時においては、測定杆をあらかじめ地
上の所定位置に立置させた後、各測定杆部材を順
次引き出して被測定物の高さ等に対応した長さに
伸長し、そのときの測定杆の目盛を読み取つて被
測定物の地上高等を測定するようにされている。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、上記測定杆を伸長させる作業は、最
下部の測定杆部材を片手で握りながら、その内部
に嵌挿された測定杆部材をもう一方の片手にて引
き出して行うのであるが、この引き出し時におけ
る各測定杆部材の接触面間の摩擦抵抗が大きく
て、引き出しにかなりの力を要するばかりか、最
下部の測定杆部材をも同時に引き上げてしまうこ
ともあり、作業が円滑迅速にできないという問題
があつた。

また、測定時において風があると、測定杆を長
く引き出しているときには、倒れ易く、作業の能
率が悪く、測定精度も著しく低下してしまうとい
う問題もあつた。

この点に関して、上記最下部の測定杆部材の下
端基部に、略足裏面と同じ大きさの金属片からな
る固定用支持部材が、上下方向へ回動可能に枢着
されてなるものが提案されていた（実開昭49−
73443号公報参照）。

このような構造によれば、上述した問題点はほ
ぼ解消されるに至つたが、上記固定用支持部材が
金属片製で重量大のため、測量杆自体の大幅な重
量増加を招き、運搬等の取り扱いが不便となり、
しかも、製品コストの上昇を招いていた。

本考案は、係る従来の問題点に鑑みてなされた
ものであつて、従来の固定用支持部材構造の利点
を損なうことなく、軽量で取り扱いが容易で、し
かも安価な構造を有する伸縮測定杆を提供するこ
とを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するため、本考案の伸縮測定杆
は、複数の測定杆部材が伸縮自在に嵌挿されてな
り、最下部の測定杆部材の下端基部に、固定用支
持具が折り畳み可能に設けられているものであつ
て、前記固定用支持具は、前記最下部の測定杆部
材の下端基部に下側から嵌合固定される器状の取
付本体と、該取付本体に上下方向へ回動可能に枢
支される支持部材とからなり、前記取付本体の左
右両側部に、支持孔を有する取付フランジが後方
へ向けて一体的に設けられ、前記支持部材は、金
属製棒材が略Ｕ字形状に折曲形成されてなり、該
支持部材は、その両端部が、前記取付フランジの
支持孔にそれぞれ上下方向へ回動可能に枢着され
る支持部とされるとともに、該支持部の近傍が下
向きの段部とされ、該段部の段差は、前記支持部
材の使用時において、該支持部材の下面が前記取
付本体の底面と面一になるように設定されている
ことを特徴とする。

（作用） 最下部の測定杆部材の下端基部に設けた、側方
に突出された固定用支持部材を足で踏んで固定
し、この状態で測定杆の伸縮作業および測定作業
を行う。固定用支持部材は上下方向へ回動可能に
枢着されており、例えば長く引き出して測定して
いる時に風を受けた場合などに、測定杆がある程
度前後方向へ倒れることにより、風の影響を吸収
し、測定杆の地上の固定位置がずれるのを防止す
る。

固定用支持部材を構成する支持部材は、金属製
棒材を略Ｕ字形状に折曲して形成することによ
り、伸縮測定杆の重量増加を防止するとともに、
材料コストおよび製造コストの低減化が図られ
る。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

本考案に係る伸縮測定杆を第１図に示し、該伸
縮測定杆は複数の測定杆部材１，２，３，４，５
が伸縮自在に嵌挿状に連結されてなり、最下部の
測定杆部材の下端基部に固定用支持具６が設けら
れている。

測定杆部材１，２，３，４，５はプラスチツク
製のもので、断面が楕円形状の管状とされ、前面
部分に測定用目盛７が長手方向へそれぞれ連続状
に付されている。各測定杆部材の長さ寸法はほぼ
同一に設定されるとともに、外径寸法は最下部の
測定杆部材１が最大で、以下、測定杆部材２、測
定杆部材３、測定杆部材４および測定杆部材５の
順に小さくなるように設定されている。測定杆
は、最小縮長時には、測定杆部材２〜５がすべて
測定杆部材１の内部に嵌挿して収納されて、ほぼ
測定杆部材１の長さに縮められ、一方、最大伸長
時には、測定杆部材１〜５が順次連続的に連続さ
れた状態つまり各測定杆部材の目盛７……が連続
して連結された状態となる。

固定用支持具６は基部の測定杆部材の側方に突
出されており、測定杆の伸長作業時および測定作
業時において該測定杆を地上に固定支持するため
のものであつて、金属製であり、第２図に示すよ
うに取付本体８と支持部材９から構成されてい
る。

取付本体８は、最下部の測定杆部材１の断面形
状の対応した楕円形断面を有するとともに、底部
材が閉塞された器状に形成されている。取付本体
８は測定杆部材１の下端基部材１ａに下側から嵌
合され、ボルト等の固定部材１０により固定され
て、測定杆の台座としても機能する。取付本体８
の左右両側部には支持部材９を取り付けるための
取付フランジ１１，１１が後方へ向けて一体的に
設けられている。

支持部材９は略Ｕ字形状に折曲形成された棒材
からなり、両端部が外側へ折曲されて支持部１
２，１２とされ、これらが上記取付フランジ１
１，１１の支持孔１１ａ，１１ａにそれぞれ内側
から回動可能に枢着されている。枢着は、支持部
材９を回動するのに少し力を加えなければならな
い程度とする。これにより、支持部材９は支持部
１２，１２を支点として上下方向へ回動可能とさ
れている。なお、支持部材９の両端部近傍には下
向きの段部９ａ，９ａが形成され、支持部材９の
使用時、つまり支持部材９が第２図の実線で示す
ように測定杆部材１に対して垂直となつた状態に
おいて、支持部材９の下面１３が取付本体８の底
面８ａと面一になるようにされている。

しかして、測定杆を持ち運ぶに際しては、測定
杆部材２〜５を測定杆部材１の内部に収納して縮
小状態とするとともに、支持部材９を上方に折り
たたんだ状態（第２図２点鎖線参照）とする。

一方、測定作業に際しては、まず測定杆を地上
所定位置に立置させた後、支持部材９を上記折り
たたみ状態から使用状態（第２図実線参照）に回
動して倒し、この支持部材９を作業者が足で踏ん
で地上に固定する。この状態で測定杆を例えば鉛
直に保ちながら、各測定杆部材２〜５を両手で握
つて測定杆部材１から上方へ引き出し、被測定物
の高さ等に対応した長さに伸長して、このときの
測定杆の目盛７……を読み取る。

なお、上記測定作業時に、突風等の強風を受け
ると、測定杆を倒そうとする力が作用するが、支
持部材９が測定杆に対して上下方向へ回動可能で
あるから、作業者は該支持部材９を足で踏んだま
ま測定杆を前後方向へある程度倒すことにより、
測定杆の受ける力を最小限に抑えるとともに、測
定杆が地上の所定位置からずれるのを有効に防止
することができる。

なお、本考案は上述の実施例に限定されるもの
ではなく、同一の機能を有する限り種々設計変更
できる。

また、測定杆部材１〜５も図示例のような楕円
形状断面のほか、円形、四角形などの他の断面形
状とすることができる。これに対応して、固定用
支持具６の取付本体８の形状も変形する。

（考案の効果） 以上詳述したように、本考案によれば、以下に
列挙するような種々のすぐれた効果が得られる。

(1) 複数の測定杆部材が伸縮自在に嵌挿されてな
り、最下部の測定杆部材の下端部基部に、固定
用支持具が折り畳み可能に設けられているか
ら、測定時、上記固定用支持具を開いて、これ
を足で踏んでおくことにより、伸縮測定杆の下
端を固定することができ、正確な測定が可能で
ある。

しかも、測定時以外は、固定用支持具を折り
畳むことができるので、持ち運びにも便利であ
る。

(2) 固定用支持具の支持部材は上下方向に回動可
能であるので、長く伸ばして伸縮測定杆に風を
受けた場合においても、伸縮測定杆が、風を受
けて傾くだけで、地上の位置は動かず、風が弱
まつてから基に戻せば継続して測定を行うこと
ができる。

また、風がどちらの方向から吹いても、足で
踏んでいる支持部材が持ち上がることはなく、
しかも、地面がどちらの方向に傾斜している場
合にも、目盛を必要な方向に向けて、固定用支
持部材を足で踏んでおくことができ、傾斜面に
おける測定も安定して行える。

(3) 上記支持部材を上または下の方向へ回動させ
ておくことにより、側方への嵩張りが小さく、
持ち運びに便利である。

(4) 上記支持部材が、金属製棒材を略Ｕ字形状に
折曲して形成されているから、地面に対する接
触面積が非常に小さく、凹凸の多い地面の上に
おいても、比較的安定した接地状態が得られ
る。

(5) また、支持部材が棒材から形成されているた
め、従来の金属片製の支持部材に比較して重量
が大幅に軽減される。これにより、伸縮測定杆
自体の重量増加が最小限度に抑えられ、軽量で
運搬等の取り扱いが容易である。

しかも、材料コストが低減でき、かつ加工が
容易で製造コストも低減でき、金属片製のもの
に比較してはるかに安価に提供することができ
る。

(6) 支持部材は、その両端支持部の近傍が下向き
の段部とされ、この段部の段差は、上記支持部
材の使用時において、該支持部材の下面が取付
本体の底面と面一になるように設定されている
から、取付本体の取付フランジの支持孔を、該
取付本体の下面から比較的高いところに設定で
き、取付フランジの強度低下を防止できるとと
もに、上記段部自体の存在により、支持部材の
曲げ強度等も強化することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例である伸縮測定杆の
全体を示す斜視図、第２図は同要部を拡大して示
す斜視図である。 １，２，３，４，５……測定杆部材、６……固
定用支持具、８……取付本体、９……支持部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 複数の測定杆部材が伸縮自在に嵌挿されてな
   り、最下部の測定杆部材の下端基部に、固定用支
   持具が折り畳み可能に設けられているものであつ
   て、 前記固定用支持具は、前記最下部の測定杆部材
   の下端基部に下側から嵌合固定される器状の取付
   本体と、該取付本体に上下方向へ回動可能に枢支
   される支持部材とからなり、 前記取付本体の左右両側部に、支持孔を有する
   取付フランジが後方へ向けて一体的に設けられ、 前記支持部材は、金属製棒材が略Ｕ字形状に折
   曲形成されてなり、 該支持部材は、その両端部が、前記取付フラン
   ジの支持孔にそれぞれ上下方向へ回動可能に枢着
   される支持部とされるとともに、該支持部の近傍
   が下向きの段部とされ、 該段部の段差は、前記支持部材の使用時におい
   て、該支持部材の下面が前記取付本体の底面と面
   一になるように設定されている ことを特徴とする伸縮測定杆。