JPH04126142A - 人工歯冠 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、人工歯冠に関し、より具体的には乳白ガラス
を使用した人工歯冠に関するものである。

［従来技術とその問題点コ 従来より一般に使用されている人工歯冠の材質としては
、大きく分けて金属、樹脂、陶材がある。

金属としては、金合金、銀合金、金銀パラジウム合金等
の貴金属やＮｉ−Ｃｒ合金、Ｃｏ−Ｃｒ合金等の非貴金
属が使用される。これらの材料は、いづれも鋳造によっ
て容易に作製することが可能であるが、色調が天然歯牙
と大幅に異なるという欠点を有している。また特に非貴
金属の場合は、口腔内で長期に亙って使用すると金属中
の有害イオンが溶出し、生体に悪影響を及ぼすことが知
られている。

また樹脂としては、メチルメタクリレート系やジメタク
リレート系の高分子あるいはこれらと無機フィラーとの
複合物が使用され、これらの材料からなる人工歯冠は、
色調が天然歯牙に近似しているが、長期に亙って使用す
ると摩耗や変色が生じるなど、口腔内における耐久性が
悪いという問題がある。

さらに陶材からなる人工歯冠としては、全て陶材からで
きているオールポーセレン系やキャップ形状を有する金
属コアーを使用した金属・ポーセレン複合系のものが存
在する。これらの歯科用陶材からなる人工歯冠は、色調
が天然歯牙に近似し、口腔内における耐久性も良好であ
るが、外表面の寸法精度や機械的な強度に劣るという欠
点を有している。すなわちこの種の人工歯冠は、陶材粉
末を築盛して所定形状にした後、焼結させて作製され、
人工歯冠の外表面の寸法精度は、焼結時の収縮によって
決定されるため、口腔内に装着するまでに多くの研削に
よる修正を必要とし、非常に作業が煩雑になる。また陶
材の焼結体は、その内部に気孔を含み、緻密体ではない
ため、機械的強度にも劣っている。

［発明の目的］ 本発明の目的は、色調が天然歯牙に近似しており、長期
に亙って口腔内で安定であり、寸法精度が良く、機械的
強度が高く、さらに装着時の色調が支台や歯科用セメン
トの色調の影響を受けない人工歯冠を提供することであ
る。

［発明の構成］ 本発明の人工歯冠は、キャップ形状を有するコアーの外
表面に、ガラス融液を鋳造することによって成形された
乳白ガラス層が形成されてなることを特徴とする。

以下、本発明の人工歯冠についてさらに詳しく説明する
。

本発明におけるコアーは、内腔所が存在するキャップ形
状を有しており、その材料としては金属、セラミックス
、結晶化ガラス、ガラス、セラミックスとガラスとの複
合物が適している。金属、ガラスあるいは結晶化ガラス
を使用する場合は、鋳造によって作製するが、薄い金属
箔を使用する場合は、圧接によって作製する。またセラ
ミック、結晶化ガラス、ガラスあるいはガラスとセラミ
ックとの複合物を使用する場合は、それらの材料からな
る粉体を水やグリセリン等の液と混合し、スラリー状に
練和した後、築盛し、焼成することによって作製するこ
とができる。

コアーの第一の作用は、人工歯冠の強度を向上させるこ
とである。すなわち人工歯冠を乳白ガラスのみで作製し
た場合は、口腔内で長期に亙って使用する部材としては
強度が不十分であるが、コアーを形成することによって
十分な強度を得ることが可能となる。

またコアーの第二の作用は、支台や歯科用セメントの色
調が人工歯冠の色調に反映するのを防止することである
。すなわち乳白ガラスからなる人工歯冠は、色調が天然
歯牙のそれと近似しているものの、実際の使用に当たっ
ては他の人工歯冠と同様にその色調を被装着者（患者）
の歯色に合わせて一本一本オーダーメイドで作製される
。この際、患者の天然歯牙の色調は、シェードガイドと
呼ばれる歯科用歯色色見本を用いて歯科医師（チェアー
サイド）から技工士（ラボサイド）にその色調が伝達さ
れ、歯科医師から伝達された色調に合致するように技工
士によって上薬を用いて最終的に色調が調整される。し
かし乳白ガラスは、色調が半透明であるため、−旦上薬
を用いてその色調を天然歯牙のそれに近似するように整
えても口腔内に装着した際に支台や人工歯冠と支台とを
接着するための歯科用セメントの色調が製作時と装着時
とでは異なってしまうという問題ををしているが、コア
ーを形成することによってこのような問題を解消するこ
とが可能になる。

コアーの色調としては、金属の場合は黄金色が好ましく
、それ以外の材料の場合は白色や黄色が好ましい。また
その肉厚は部位によって異なるが、金属の場合は０．０
２〜０．８ｍｍ　ｓそれ以外の材料の場合は０．２〜ｏ
、ｅｍｍである。肉厚が薄くなりすぎるとコアーとして
の強度が低下して高強度の人工歯冠が得られ難くなり、
一方厚くなりすぎると乳白ガラス層の厚みを薄くする必
要があるため、ガラスの成形が困難となると共にコアー
の色調が乳白ガラス層に反映しやすくなるために好まし
くない。

本発明の人工歯冠の乳白ガラス層は、色調が天然歯牙の
それに近似しており、且つ歯科用陶材からなる人工歯冠
と異なり、鋳造によって成形されるため寸法精度に優れ
ており、特にＮａ、Ｏ・Ａｌ２Ｏ３・ＳｉＯ２系乳白ガ
ラスを使用すると長期に亙る口腔内での安定性に優れて
いるので好ましい。また乳白カラスノハッチに着色剤を
混合することによってより天然歯牙の色調に近似した人
工歯冠を得ることができる。この乳白ガラスの形態とし
ては、ガラス融液にセラミック粉末を加えて懸濁させて
乳白化したものや溶融ガラスを冷却過程で分相あるいは
失透させて乳白化したものが存在する。　本発明の人工
歯冠を作製するには、コアーを鋳型の所定箇所に配置し
てからガラスを鋳造することによって作製する方法やコ
アーと乳白ガラス層とを別々に作製してから両者を接着
剤を用いて接着する方法等がある。

［実施例コ 以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説
明する。

（実施例１） 図面は、本発明の人工歯冠ｌを口腔内の支台歯２に装着
した状態を示す説明図であり、３は乳白ガラス層、４は
金属箔からなるコアー、５は歯科用セメント層、６は歯
肉である。

図面の人工歯冠１は、上顎中切歯として用いられ、その
作製方法は以下のとおりである。

まず石膏製作業用模型の上に約０．０５１１ｍの厚みに
なるようにスペーサ材、すなわち支台歯２に人工歯冠ｌ
を接着した際の歯科用セメント層５となる部分を確保す
るために使用される有機質塗料を塗布し、さらにその上
に約０．０５ｍｍの厚みを有する金と白金の合金からな
る金属箔を巻き、圧接することにより、コアー４を作製
した。その後コアー４の外表面にパラフィンやカーナバ
からなる歯科用ワックスを築盛してコアー４とワックス
が一体化した鋳造パターンを作製した。次いでこの鋳造
パターンにワックスからなるスプルー線を溶着した後、
石膏製作業用模型から取り外し、スプルー線を円錐台に
取り付け、その円錐台の外周縁部に鋳造用金属リングを
配置し、このリング内にシリカとリン酸塩とを混合した
鋳型材を注入した。鋳型材が硬化した後、円錐台を取り
外し、鋳型を電気炉内に入れ、室温から約３００℃まで
昇温し、ワックスとスプルー線を燃焼させてコアー４付
の鋳型を作製した。その後重量百分率でＳｉｎ、　　８
７％、Ａｌ２０３９％、Ｂ２０．２％、ＺｎＯ４％、Ｎ
ａ２Ｏ１８％の組成を有するガラス融液を小さなブロッ
クに成形し、これを約１５５０℃の温度で再溶融して該
鋳型に注入し、遠心鋳造することによってコアー４の外
表面にガラス層を形成した後、室温まで放冷することに
よってガラスを乳白化させ、鋳型から取り出してからス
プルー線を切断した。

こうして作製した人工歯冠１の破折強度を測定したとこ
ろ３８ｋｇｆであった。

（比較例１） 実施例１の人工歯冠と同じ形状で、コアーを有さない乳
白ガラスからなる人工歯冠を実施例１と同様の方法によ
って作製し、その破折強度を測定したところ２５ｋｇｆ
であった。

（比較例２） 実施例１と同様の方法で金属箔からなるコアーを作製し
た後、その外表面に歯科用陶材を築盛し、違法どおり乾
燥、焼成を行った。焼成後、研削して形態を整ることに
よって人工歯冠を作製し、その破折強度を測定したとこ
ろ３１ｋｇｆであった。

尚、破折強度は、人工歯冠を金属製の支台に歯科用リン
酸亜鉛セメン＋で接着し、万能試験機を用いて破壊する
までの荷重を測定したものである。

荷重は、歯輪に対して４５″の角度、０．５■／分の速
さで切端、すなわち歯の先端に負荷した。

［発明の効果コ 以上のように本発明の人工歯冠は、表面部が乳白ガラス
からなるため色調が天然歯牙に近似し、長期に亙って口
腔内で安定性であり、寸法精度が高く、またコアーを有
するため機械的強度が高く、且つその色調が支台や歯科
用セメントの色調の影響を受けないため製作時の色調が
装着時に正確に再現される。

【図面の簡単な説明】

図面は、本発明の人工歯冠を口腔内の支台歯に装着した
状態を示す説明図である。 ■・・・人工歯冠 ３・・・乳白ガラス層 ２・・・支台歯 ４・・・コアー 特許出願人　　日本電気硝子株式会社 代表者　　岸　１）清　作

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）キャップ形状を有するコアーの外表面に、ガラス
   融液を鋳造することによって成形された乳白ガラス層が
   形成されてなることを特徴とする人工歯冠。