JPH04120980U - 表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電柱等に取付ける看板を強風時には風向きに
より向きを変え、所定風圧以下の場合は正常位置に復元
保持させる。 【構成】 電柱に固定される支持フレーム２に看板３を
軸支部材４ａ、４ｂにより回転可能に軸着し、この軸着
部にねじりコイルスプリング１７を組付けて看板３を所
定風圧以下において正常位置に保持させるように構成し
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、広告用看板、案内板等の屋外において電柱等の支持物に固定状に設 置する表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種の表示装置として、道路に沿って立設される電柱、建造物の壁面等には 通行者の目に留まるように広告用看板、案内板等が取付けられているが、これ等 の広告用看板等は車の通行の支障となることなく、また、比較的遠方からも見え るように高い位置に突出状に取付けられている。 そして、このように電柱等に取付けられる広告用看板等は落下により通行者に 危害を与えることがないように充分な強度を持って取付ける必要があるので支持 フレームに対する取付け構造を強固にし、また広告用看板自体は通行者が見易い ように支持フレームに対して固定されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このように構成される従来の広告用看板等は支持フレームに固定されているの で、台風等の強風時には全面で風圧を受けることになり、支持フレームはもとよ り広告用看板自体の強度も大にしなければならず、このため各部材は肉厚なもの を、また取付け金具等も大型なものを用いることになるので重量が増大し、設置 作業において作業性、危険性の面で問題がある。 また、広告用看板等の全面において受ける風圧は支持フレームから支持物側と しての電柱等に加わることになるので、この支持物側が建造物の壁面の場合はこ の壁面を損傷するおそれがある。

【０００４】 本考案はかかる点に鑑みてなされたもので強風時には、その風向きにより、看 板、案内板等の表示体の向きを変えて表示体に受ける風圧を減少させると共に無 風又は或る限度までの風速の場合は看板等を正常位置に復元保持させるように構 成することによって、簡易な構造で軽量化し、設置作業の安全性が大幅に改善さ れると共に設置後の安全性も確保されるようにした表示装置を提供することを目 的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前述した目的を達成するために本考案は、支持物側に固定される支持フレーム に表示体を回転可能に軸着すると共に、その軸着部に、表示体が所定値以上の風 圧を受けることによって向きを変え、風圧の低下により正常位置に復元保持させ るバランス保持部材を備えて構成したものである。

【０００６】

【作用】

このように構成される本考案において、表示体に風圧が加わることによって表 示体は支持フレームに対する軸着部を中心として回転されることになるが、この 軸着部に備えられるバランス保持機構により所定値以下の風圧においては正常位 置で支持フレームに対して固定状態に保持されて正常の表示機能を果たし、そし て、所定値以上の風圧、例えば台風等の強風による風圧を受けると、表示体は保 持機構の保持力に抗して風向の方向に回転されて表示体に作用する風圧が緩和さ れることになり、表示体及び支持フレームの強風による破損等が防止される。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面を参照して説明するに、まず、図１〜図５を参照 して第１の実施例を説明する。

【０００８】 本例は電柱に設置する広告用看板に本考案を適用した場合であり、図１におい て１は支持物としての電柱で、この電柱１に固着される支持フレーム２に表示体 としての広告用看板３を軸支部材４により回転可能に軸着し、この軸着部に所要 の回転圧力に対抗し得るバランス保持部材５を装着して表示装置を構成してある 。

【０００９】 すなわち、支持フレーム２は縦長四辺形状で、その上辺部２ａは一端が水平方 向に延長されて支持部２ａ₁ が形成されており、この延長支持部２ａ₁ を電柱１ に締付固定される固定金具６に嵌挿してボルト７で締付けることにより、この支 持フレーム２は電柱１に対して片持状に取付けられる。 図２及び図３に示すように支持フレーム２の上辺部２ａ及び下辺部２ｂと広告 用看板３の上辺面３ａ及び下辺面３ｂとの間に看板３の軸支部材４が配設されて おり、この軸支部材４は上下の部材４ａと４ｂが対称に構成されるもので、先端 に段付ねじ部８ａが形成され、センターピンブラケット９に植設されたセンター ピン８をブラケット１０に固着された軸管１１に平座金１２ａを介して嵌挿し、 この軸管１１の後端から突出されるねじ部８ａに平座種１２ｂを介してナット１ ３を螺合し、弛み止めピン１４により締付けることにより構成される。 このように構成される軸支部材４はセンターピンブラケット９を支持フレーム ２の上辺部２ａ及び下辺部２ｂに溶接等により固着し、またブラケット１０は看 板３の上辺面３ａ及び下辺面３ｂに固着したナット１５にボルト１６により締付 け固定する。 これにより、看板３は支持フレーム２に対して回転自在に軸支されることにな るが、この軸支中心、すなわち、センターピン８と軸管１１との嵌挿中心ａは看 板３の中心Ｌより所要距離ｅだけオフセットされた位置に設定してある。

【００１０】 そして、この支持フレーム２と看板３との間に配設される上下部の軸支部材４ （４ａ、４ｂ）に看板３のバランス保持部材５（５ａ、５ｂ）を装着してある。 このバランス保持部材５は本例においては、上下の軸支部材４ａ、４ｂのセン ターピンブラケット９とブラケット１０との間にねじりコイルスプリング１７を 組付けることにより構成されるもので、この上下のねじりコイルスプリング１７ 、１７は同等のねじり反発力を保有するように設計されて、看板３に対して上下 逆方向に反発力を付与するように組付けられている。 すなわち、上部の軸支持部４ａ側においては図４に示すように、ねじりコイル スプリング１７は、そのコイル部１７ａをセンターピン８が嵌挿される軸管１１ に嵌挿した状態で、その一側アーム部１７ｂを支持フレーム２に固着されるセン ターピンブラケット９の一側縁９ａに係合すると共に他側アーム部１７ｃを看板 ３側に固定されるブラケット１０の一側縁１０ａに係合して組付け、また下部の 軸支部材４ｂ側においてはねじりコイルスプリング１７を上下反転してそのコイ ル部１７ａを軸管１１に嵌挿した状態でその一側アーム部１７ｂをセンターピン ブラケット９の他側縁９ｂに係合すると共に他側アーム部１７ｃをブラケット１ ０の他側縁１０ｂに係合して組付ける。

【００１１】 このように、バランス保持部材５を構成する上下のねじりコイルスプリング１ ７、１７を上下反転して上下の軸支部材４ａ、４ｂに組付けるので看板３には上 下部において相反する方向の反発力が付与されることになり、このため、看板３ は両方向に弾性的に保持されて中立位置、すなわち、支持フレーム２に対して同 一面上に位置される。 このように看板３に対して反発力を付与するねじりコイルスプリング１７の組 付け時に、この組付けが容易に行えるように、センターピンブラケット９にはブ ラケット１０側に係合される他側アーム部１７ｃの反発変位を抑える規制ピン１ ８を植設してある。そしてねじりコイルスプリング１７をセンターピンブラケッ ト９とブラケット１０の間に組付ける際に軸管１１にコイル部１７ａを嵌挿し、 一側アーム部１７ｂをセンターピンブラケット９に係合した状態で他側アーム部 １７ｃを反発力により規制ピン１８に係合することにより、ねじりコイルスプリ ング１７はセンターピンブラケット９側で支持されることになり、このためブラ ケット１０はセンターピンブラケット９に対して回転自在となって、看板３の取 付が何等の支障なく容易に行えることになる。 このようにして上下のブラケット１０、１０間に看板３を取付けた後は、上下 のブラケット１０、１０にはそれぞれ相反する側のねじりコイルスプリング１７ の他側アーム部１７ｃの反発力が看板３を介して作用し、回動変位される状態と なるので上下のブランケット１０、１０はそれぞれ対応するねじりコイルスプリ ング１７の他側アーム部１７ｃに係合することになる。

【００１２】 以上のようにして支持フレーム２に上下の軸支部材４及びバランス保持部材５ を介して取付けられる看板３に風が衝突すると、風圧による力が看板３の中心に 作用することになるから、この看板３の中心Ｌとこの中心Ｌからオフセットされ たセンターピン８による回転中心ａとのオフセット量の関係でセンターピン８の 回りに回転トルクが発生するが、この回転力に対してバランス保持部材５として のねじりコイルスプリング１７の反発力が大である場合は看板３は回転されず正 常位置に保持される。 また、台風等の強風時に風圧が増大し看板３に加わる回転力がねじりコイルス プリング１７の反発力より大になると、看板３はスプリング反発力が風力にバラ ンスするように回転して向きを変えることになる。すなわち、図５に示すように 風力Ｆによりねじりコイルスプリング１７の反発力に抗して角度θ回転される看 板３にはFsinθの風力が作用することになるが、これは看板３の面に沿った風力 となるためこの風力の看板３に対する作用は殆ど問題にならない。 そして、風力が低下するとねじりコイルスプリング１７の反発力により正常位 置に復元される。この看板３の風力による回転力に対向する反発力は風の向きと 対向する側のねじりコイルスプリング１７の作動によって付与されることになる 。

【００１３】 次に図６〜図１０を参照して第２の実施例を説明するに、前述した第１の実施 例において説明した部材と同じ部材には同一符号を付してその説明は省略する。 本例は、看板３を支持フレーム２に対してバランス保持するための反発力の付 与の方式を変えたもので、本例におけるバランス保持部材５としてのねじりコイ ルスプリング２７は看板３側のブラケット１０に対して、いわゆる蟹ばさみ式に より反発力を付与してバランス作動させるものである。

【００１４】 すなわち、本例のねじりコイルスプリング２７はコイル部２７ａに対して両側 アーム部２７ｂ、２７ｃを対称的に延長形成してある。そしてこのねじりコイル スプリング２７を前述した第１の実施例と同様に、コイル部２７ａを、センター ピンブラケット９のセンターピン８が嵌挿されるブラケット１０の軸管１１に嵌 挿して両側アーム部２７ｂと２７ｃを、その反発力に抗して交差させてその先端 部２７ｂ₁ と２７ｃ₁ においてブラケット１０の両側縁１０ａと１０ｂに挟んだ 状態で圧接させて看板３側に反発力を付与するようになされ、このため看板３は 両方向に弾性的に保持されて中立位置、すなわち、支持フレーム２に対して同一 面上に位置される。 また、本例においてもねじりコイルスプリング２７の組付け時に、この両側ア ーム部２７ｂ、２７ｃが支障とならないようにセンターピンブラケット９には規 制ピン１８を植立して、ねじりコイルスプリング２７をそのコイル部２７ａをブ ラケット１０の軸管１１に嵌挿した状態で両側アーム部２７ｂと２７ｃを弾性変 位させて交差状に係合することによりその反発変位を抑えるようになされており 、両ブラケット９、１０に対するねじりコイルスプリング１７の組付け及び看板 ３の取付けが、ねじりコイルスプリング１７の両側アーム部２７ｂ、２７ｃの反 発力に影響されることなく容易に行えることになる。

【００１５】 このように構成される本例においては、バランス保持部材５としてのねじりコ イルスプリング２７は両側アーム部２７ｂと２７ｃを軸支部材４の看板３側に固 定されるブラケット１０の両側縁１０ａ、１０ｂにいわゆる蟹ばさみ式に係合さ せるので、看板３には両面側から両側アーム部２７ｂと２７ｃの対向する反発力 が作用することになって、看板３は支持フレーム２に対して正常位置に静止保持 される。 そして、看板３にねじりコイルスプリング２７の両側アーム部２７ｂ、２７ｃ の反発力より大の風圧が加わると、看板３はねじりコイルスプリング２７の反発 力と風圧がバランスするように支持フレーム２に対して回転し、向きを変えるこ とになる。すなわち、図１０に示すように、風力Ｆによりねじりコイルスプリン グ２７の反発力に抗して角度θ回転される看板３にはその面に沿ったFsinθの風 力がスプリング反発力にバランスして作用することになるので看板３は風圧によ る影響を殆ど受けることがない。 また、本例においては、前述した如く、看板３側にはねじりコイルスプリング ２７の両アーム部２７ｂ、２７ｃが蟹ばさみ式に圧接され、ねじりコイルスプリ ング２７は看板３側に対して両面側からバランス作動するので、前述した第１の 実施例の如く上下の軸支部に設置することなく、上下何れか一方の軸支部にのみ 設置することによっても前述の作用動作が行われる。 従って本例の場合はバランス保持部材５としてのねじりコイルスプリング２７ を１個用いればよいので構成が簡単になり、コストを低減できる。

【００１６】 以上、本考案の実施例を説明したが、本考案はこの実施例に限定されるもので はなく、本考案の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更できるものである。 例えば、前述した実施例においては、バランス保持部材としてねじりコイルス プリングを用いているが、板ばね等の他のばね材を用いることができると共に、 ばね材以外のゴム等の変形復元可能な部材を用いて形成することができる。 また、表示体としての看板は方形平板状に形成されているが円形等の各種形状 に形成したものを使用できると共に立体的に形成したものも使用でき、さらに、 この表示体としては広告用看板に限ることなく案内板、標識板等の各種の表示板 が適用されるものである。

【００１７】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、支持物側に固定される支持フレームに表示体を 回転可能に軸着すると共にその軸着部に、表示体が所定値以上の風圧を受けるこ とにより向きを変え、風圧の低下により正常位置に復元保持されるバランス保持 部材を備えたことにより、表示体は台風等の強風時においてはその風向きにより 向きが変えられて直接受ける風圧が減少されると共に所定値以下の風圧又は無風 の場合は正常位置に復元保持されることになるので、表示体の強風による破損が 防止されて支持フレームに対する取付け構造を強固にすることなく、安全性が確 保されると共に取付け構造の簡単化により軽量化が可能になって表示体の設置作 業の安全性も大幅に改善することができ、特に道路に設置する広告用看板に適用 してその効果が大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を適用した広告用看板装置の一例の全体
正面図

【図２】同、一部省略した正面図

【図３】同、要部の分解斜視図

【図４】図２のＡ−Ａ線断面図

【図５】一例の動作説明図

【図６】本考案を適用した広告用看板装置の他例の全体
正面図

【図７】同、一部省略した正面図

【図８】同、要部の分解斜視図

【図９】図７のＢ−Ｂ線断面図

【図１０】他例の動作説明図

【符号の説明】

１ 電柱 ２ 支持フレーム ３ 表示体としての看板 ４ 軸支部材 ５ バランス保持部材 ８ センターピン ９ センターピンブラケット １０ ブラケット １７、２７ ねじりコイルスプリング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 支持物側に固定される支持フレームに表
   示体を回転可能に軸着すると共に、その軸着部に、前記
   表示体が所定値以上の風圧を受けることにより向きを変
   え、風圧の低下により正常位置に復元保持させるバラン
   ス保持部材を装着したことを特徴とする表示装置。