JPH0411Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、パンテイストツキングやボデイス
トツキングのようにストツキング部が一体に連成
された形式の下着に関するものである。

〔従来の技術〕

ストツキング部とパンテイ部とを一体に連成し
た、所謂パンテイストツキングは、パンテイを包
み込んだ重ね着といつた着装状態となり、特に高
温多湿の夏期にはパンテイ部が蒸れたりして不快
な着用感を与えることがある。そこで、このよう
な欠点を解消したものとして、例えば実開昭51−
149711号公報に記載されているような吊上げ型ス
トツキングがある。この吊上げ型ストツキング
は、第４図に示すように、細幅の環状ベルト１と
ストツキング２とを、着用時における各臀部と身
体の前側両脇とにそれぞれ沿つた４本の吊り帯３
で一体に連成したものである。従つて、着用時
に、パンテイがストツキング２と環状ベルト１と
の間において露出することになり、パンテイ部が
蒸れることがないとともに、環状ベルト１とスト
ツキング２とが一体であるため、一般的なパンテ
イストツキングと同様にガーターやガードルなど
を必要としない。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記吊上げ型ストツキングにお
いては、着用時の背面を示す第５図から明らかな
ように、後ろ側の２本の吊り帯３が左右の臀部の
各頂上部分にそれぞれ位置しており、身体のこの
部分は動きの変化の激しい部位であることに起因
して、不快な着用感を与える欠点がある。すなわ
ち、人体の動きにおいて歩行や走行とともに主要
な動作である前屈運動では、ウエストＷの位置か
ら臀溝Ａまでにかけての左右各臀部の皮膚は静立
状態時の約３割伸ばされる。とりわけ、臀部の、
臀溝Ａの直上部分においてはその伸びが静立状態
時の約２倍となり、この部分に吊り帯３が位置し
ているため、吊り帯３が著しく伸長され、腰の上
辺部に位置する環状ベルト１の安定が悪く、ずり
下がりや着崩れが生じる。また、４本の吊り帯が
前後の左右対称位置に単に設けられているだけで
あるから、身体を捻たりすることによつてそれら
吊り帯が左右にずれたりする。さらに、臀部の頂
上の下方部位は、人体中でも最も皮下脂肪の多い
部分の１つであつて極めて柔かく、前屈動作や階
段の昇降動作、あるいは椅子への着座動作などに
より前述の後ろ側の吊り帯３が伸長した場合に、
この吊り帯３により臀部の曲面を圧迫して臀部に
凹凸が生じ、例えばタイトスカート等の身体にフ
イツトする外装着を着用している場合などには、
外装着の表面に前記臀部に形成された凹凸が現わ
れ、外観を損なうという欠点がある。さらにま
た、第４図に示したような吊上げ型ストツキング
は、分離した各ストツキング２を環状ベルト１に
それぞれ２本ずつの吊り帯３で連接したものであ
り、それを着用しようとする場合、左右の各スト
ツキングの位置を固定しづらく捻れたりして、パ
ンテイストツキングにおけるように簡単に着用す
ることができず、普通のストツキングを片方ずつ
穿くよりも却つて手間がかかる。

この考案は、このような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、ずり下がりや着崩れなどが生じ
ることがなく、また外観を損なうこともなく、そ
して一般のパンテイストツキングと同様に容易に
着用することができる、ストツキング部を有する
下着を提供することを課題とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、上記課題を達成するために、前側
中央部分と、着用時における身体の各大腿部上部
外側位置から臀裂中心線近傍位置にかけた、各転
子部位及び左右各臀部の臀溝上方部位のそれぞれ
対応部分とが開口した形状のパンテイ部にストツ
キング部を連接することによりストツキング部を
有する下着を構成したことを要旨とするものであ
る。

〔作用〕

上記構成としたことにより、この考案に係るス
トツキング部を有する下着においては、パンテイ
部の後ろ側中央の帯状の被覆布が、前屈運動に伴
う皮膚の伸縮において最も安定した背面側中心に
おける腰部から「ヴイーナスのえくぼ」と称され
る部分に位置するため、その伸縮が比較的少な
く、着崩れやずり下りが生じることがない。ま
た、左右のストツキング部はパンテイ部の下面中
央の被覆布によつて連接され一体構成になつてい
るので、激しい動きによつても着用状態が体軸周
りにずれたりすることがなく、また一般のパンテ
イストツキングと同様に容易に着用することがで
きる。そして、人体中で最も柔らかい部位の１つ
である臀部頂上の下方部位が開口しているので、
吊り帯などにより臀部の曲面が圧迫されて臀部に
凹凸が生じたりすることがない。

〔実施例〕

以下、この考案の好ましい実施例を図面に基づ
いて詳細に説明する。

第１−１図及び第１−２図、第２図並びに第３
図は、この考案をパンテイストツキングに適用し
た１実施例を示し、第１−１図はパンテイストツ
キングを前方から見た斜視図、第１−２図はそれ
を後方から見た斜視図、第２図はその着用状態を
下方から見上げた斜視図、第３図はその着用状態
の背面図をそれぞれ示す。図に示すように、この
パンテイストツキングは、パンテイ部５とストツ
キング部６とが一体に連成された形状であつて、
パンテイ部５に、前側中央部分の開口部５Ａと、
着用時における身体の各大腿部上部外側位置から
臀裂中心線近傍位置にかけて、各転子部位及び左
右各臀部の臀溝上方部位のそれぞれ対応部分を開
口した、左右対称な開口部５Ｂ，５Ｃとが形成さ
れている。従つて、パンテイ部５は、腰の前側左
右に対応する前部左、右側の帯状の各被覆布５
Ｄ，５Ｅと、後ろ側中央の帯状の被覆布５Ｆと、
下面中央の被覆布５Ｇと、ウエスト部の被覆布５
Ｈとにより構成される。また、各開口部５Ａ，５
Ｂ，５Ｃの周縁部には伸縮テープ７が縫着されて
縁取りが施されている。

このような形状としたパンテイストツキングに
おいては、後ろ側中央の帯状被覆布５Ｆは、身体
の動きに対して最も安定した部位に位置するた
め、伸縮が比較的少なく、ずり下りや着崩れを生
じることがない。また、臀裂Ｂの上端の上方部
位、所謂「ヴイーナスのえくぼ」部分は臀部のよ
うに曲面でなく平面に近いので、身体の運動に対
し極めて安定した部分である。従つて、後ろ側中
央の帯状被覆布５Ｆは身体の動きに対して安定し
た状態でフイツトする。また、左右のストツキン
グ部６同士はパンテイ部５の下面中央の被覆布５
Ｇにより連接されてパンテイ部５及びストツキン
グ部６が体軸周りにずれたりすることがなく、ま
た一般のパンテイストツキングと同様にして着脱
することができる。そして、このパンテイストツ
キングを着用した時に、人体中で最も柔らかい部
位の１つである臀部頂上の下方部位がそれぞれ開
口部５Ｂ，５Ｃに位置することになるので、臀部
の曲面が圧迫されて臀部に凹凸が生じたりするこ
とがない。このため、外装体としてタイトスカー
ト等の身体にフイツトするものを着用した場合に
も、パンテイストツキング着用に伴う外観的影響
が現われたりすることなく、外観を損なうことも
ない。

尚、以上の説明は、この考案をパンテイストツ
キングに適用した場合の例であるが、それ以上の
ストツキング部を有する下着、例えばボデイスト
ツキングなどにもこの考案は適用し得るものであ
り、その場合にも上記と同様の作用効果を奏す
る。

〔考案の効果〕

この考案は以上説明したように構成され、かつ
作用するので、この考案に係る、ストツキング部
を有する下着においては、ずり下がりや着崩れな
どが生じることがなく、快適な着用感を得ること
ができる。また、吊り帯で臀部の柔らかい部位を
圧迫して臀部に凹凸が生じたりすることもなく、
外観を損なうこともない。そして、一般のパンテ
イストツキングと同様に容易に着用することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１−１図及び第１−２図、第２図並びに第３
図は、この考案をパンテイストツキングに適用し
た１実施例を示し、第１−１図はパンテイストツ
キングを前方から見た斜視図、第１−第２図はそ
れを後方から見た斜視図、第２図はその着用状態
を下方から見上げた斜視図、第３図はその着用状
態の背面図をそれぞれ示す。また第４図は従来の
吊上げ型ストツキングの斜視図、第５図はその着
用状態の背面図である。 ５……パンテイ部、５Ａ，５Ｂ，５Ｃ……開口
部、６……ストツキング部、７……伸縮テープ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 前側中央部分と、着用時における身体の各大
   腿部上部外側位置から臀裂中心線近傍位置にか
   けた、各転子部位及び左右各臀部の臀溝上方部
   位のそれぞれ対応部分とが開口した形状のパン
   テイ部にストツキング部に連接してなる、スト
   ツキング部を有する下着。 ２ パンテイ部の開口部分の周縁に伸縮テープを
   縫着した実用新案登録請求の範囲第１項に記載
   の、ストツキング部を有する下着。