JPH0411693Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この考案はバツテリを電源として動作する携帯
用治療装置に関する。

＜従来の技術＞ 応診などによる歯科治療が、老人の増加等によ
り年々増えており、これに伴い、バツテリを電源
とする携帯用歯科治療装置の必要性が益々高まつ
てきている。

かかる携帯用歯科治療装置は、例えば、実開昭
61−156912号公報に示されるように、バツテリ
と、このバツテリを電源として駆動されるモータ
を持つた治療器とからなり、このモータを上記バ
ツテリによつて直接駆動するようになつている。
このため、商用電源が得られない場所での歯科治
療に極めて有効である。

＜考案が解決しようとする問題点＞ しかしながら、歯科医院での治療とは異なり、
十分に照明が得られない所では、携帯には便利で
あつても、安全でしかも十分確実に治療をするこ
とは難しく、ドクターはその暗所での治療に必要
以上に神経を使わざるを得ないなどの問題点があ
つた。

この考案はかかる従来の問題点に着目してなさ
れたものであり、バツテリを電源として、電圧な
どが異なる照明用および治療器駆動用の２系統の
電力をコントロール回路によつて得るようにし、
これにより治療部位を照明しながら、治療器によ
り安全かつ確実に歯科治療を実施できる携帯用歯
科治療装置を得ることを目的とする。

＜問題点を解決するための手段＞ この考案に係る携帯用歯科治療装置は上記目的
を達成するためになされたものであり、バツテリ
電源を分配して、電圧が異なる２系統の電力を送
り出すコントロール回路を設け、そのうち１つの
系統には口腔内照明用のイルミネータを接続し、
他の系統には治療器を接続したものである。

＜作用＞ この考案におけるコントロール回路は、バツテ
リ電源から電圧の異なる２系統の電力を、イルミ
ネータおよび治療器のそれぞれ別々に供給するよ
うに作用し、これによつて、治療部位の照明を行
ないながら、治療器による歯科治療を安全かつ確
実に実施できるようにしている。

＜考案の実施例＞ 以下、この考案の実施例を図について説明す
る。

第１図はこの考案の携帯用歯科治療装置を示す
回路図であり、同図において、１は充電式のバツ
テリ電源、２はコントロール回路としてのコント
ローラであり、上記バツテリ電源１からの電力
を、例えば３〜9Vおよび20〜36Vなど、２系統
の異なる電圧を出力する。３は上記２系統のう
ち、１つの系統に接続されて点灯するイルミネー
タ、４は他の系統に接続されて駆動される治療器
用のモータである。

次に、この実施例の動作を説明する。

ます、バツテリ電源１は図示しない電源スイツ
チのオン操作により、所定電圧がコントローラ２
に入力される。コントローラ２では、この入力電
圧を点線で示す抵抗器３２，３３によつて、例え
ば電圧値が3V，20Vと異なる２つの系統の電圧
にコントロールして、これらをイルミネータ３お
よびモータ４のそれぞれに供給する。このため、
イルミネータ３は点灯して治療部位付近を照明
し、これによつて治療器による歯科治療を安全か
つ確実に実施できる。

第２図は上記イルミネータ３およびモータ４を
交流駆動する場合の携帯用歯科治療装置を示す回
路図である。これについて説明すると、１は充電
式のバツテリ電源、２はコントローラであり、上
記バツテリ電源１から電圧や周波数などが異なる
２系統の交流電力を取り出す。３は上記２系統の
うち、１つの系統に接続されて点灯するイルミネ
ータ、４は他の系統に接続されて回転する治療器
用のモータである。

また、コントローラ２において、５はパルス発
生器、６はスイツチング回路で、パルス発生器５
が出力するパルスによつて、バツテリ電源１の電
圧をスイツチングして、例えば３〜９ボルトの交
流電圧に変換する。このスイツチング回路６はサ
イリスタなどから構成され、各サイリスタのゲー
トに入力する上記パルス周波数を制御することに
より、所定周波数および所定レベルの交流電力を
出力する。７は波形整用のフイルタ回路で、上記
スイツチング回路出力を平滑してイルミネータ３
に供給し、ちらつきのない点灯を可能にする。

さらに、コートローラ２において、８は上記ス
イツチング回路６と同様のスイツチング回路で、
このスイツチング回路８の出力は例えば20〜35ボ
ルトの交流電圧で、これがモータ４に供給される
ようになつている。９はこのモータ４の回転速度
を検出する速度検出回路、１０はモータ４の回転
速度を指定する速度設定回路、１１は速度制御回
路で、速度検出回路９の出力と速度設定回路１０
で指定したデータとの誤差を検出し、この誤差を
一定値に維持するような周波数のパルス信号をス
イツチング回路８に入力して、上記モータ４を上
記指定した速度で定速駆動させるように動作す
る。

次に、上記実施例の動作を説明する。

バツテリ電源１からは、各スイツチング回路
６，８に対して直流電圧が印加されている。この
うち、スイツチング回路６はパルス発生器５から
のパルス入力により、上記直流電圧をスイツチン
グして交流電圧に変換する。この交流電圧はフイ
ルタ７で平滑化されて、脈動が抑えられ、イルミ
ネータ３をちらつきのない状態で点灯する。

一方、速度制御回路１１は、速度検出回路９で
検出したモータ４の速度と、速度設定回路１０で
指定したモータ４の回転速度との差に応じたパル
ス信号を、スイツチング回路８に入力して、その
パルス信号の周波数に応じた交流電圧を得て、こ
れをモータ４に供給する。

このため、上記イルミネータ３とモータ４は、
バツテリ電源１の直流電圧をスイツチングして得
た交流電圧を電源として点灯または駆動される。
なお、その交流電圧を整流し、上記イルミネータ
３、モータ４を直流駆動する場合には、上記コン
トロール回路をインバータ構成とすればよい。

また、このようにしてモータ４の駆動により治
療器による歯科治療が可能になるとともに、同時
にイルミネータ３の点灯により口腔内を照明する
ことができるので、商用電源が得られない場所で
の歯科治療を容易化し、ドクターの負担を軽減す
ることができる。

第３図は第１図または第２図に示す回路を装備
した携帯用歯科治療装置の実体斜視図であり、２
１はバツテリ電源１およびコントロール回路２を
備えた回路部、２２は電源スイツチ、２３，２４
はコントロール回路２から２つの系統の出力を取
り出すコネクタ、２５，２６は各系統にイルミネ
ータ３および治療器（ハンドピース）２７のモー
タ４に電力を伝えるリード線、２８はイルミネー
タ３の取付具に連設したデンタルミラーである。

これによれば、ドクターは一方の手にデンタル
ミラー２８を持つて口腔内を照明し、他方の手に
治療器２７を持つて、歯の治療を実施でき、この
とき、バツテリ電源を含む回路部２１は白衣のポ
ケツト内に収めておくことができる。

第４図は第３図に示す回路部２１を、コントロ
ーラ２９と、バツテリ電源１を有する電源部３０
とに分離したものを示す。これによれば、電源部
３０とコントローラ２９とを長いリード線３１で
接続しておくことによつて、軽量のコントローラ
２９を上記ポケツト内に入れて、治療を行うこと
ができ、ドクターの負担をより小さくすることが
できる。

＜考案の効果＞ 以上説明したように、この考案によれば、バツ
テリ電源を分配して、電圧の異なる２系統の電力
を送り出すコントロール回路を設けて、これらの
各系統にイルミネータおよび治療器を接続するよ
うに構成したので、治療部位の治療を照明をしな
がら可能にするとともに、かかる照明および治療
をバツテリ電源の消耗を抑えながら実施できるな
どの効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかる携帯用歯科治療装置
を示す回路図、第２図は他の実施例を示す回路
図、第３図および第４図は同じく具体的形状を示
す実体斜視図である。 １……バツテリ電源、２……コントローラ（コ
ントロール回路）、３……イルミネータ、４……
モータ、６，８……スイツチング回路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ バツテリを電源として動作する携帯用歯科治
   療装置において、上記電源を分配して、電圧の
   異なる２系統の電力を送り出すコントロール回
   路を設け、このうち１つの系統には口腔内照明
   用のイルミネータを接続し、他の系統には治療
   器を接続したことを特徴とする携帯用歯科治療
   装置。 ２ 前記治療器に用いる治療器用モータを指定速
   度で定速制御することを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の携帯用歯科治療装
   置。