JPH039632Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、高速、および、低速回転軸の取り替
えが安易に行えるようにしたデイスク型カツター
の改善に関する。

［従来技術とその課題］ 従来この種デイスク型カツターにおいては、稲
などの収穫期の使用に際し、高速回転刃の交換頻
度が低速回転体の約３倍であり、作業中に刃の交
換が必ず要求される。

従来装置の回転刃の交換は、回転軸端のカツタ
ーケース側枠への取付け構造が煩雑であるととも
に、カツターケースの側枠に対し着止めされてい
たため、刃、即ち、回転軸の交換に多くの時間と
労力を要し、作業機（コンバインなど）の稼動時
間が大巾に短縮されるなどの不都合があつた。

このような課題を解決するために、実公昭54−
43440号公報のように、カツターケースを上下に
２分割できるようにし、この上下のカツターケー
ス間に低、高速回転軸の軸受部材を介設し、これ
をケース外にとり出すようにしたものが提供され
ているが、このものは、排稈をカツターケースの
上方に導き、これを機外に放出回収する装置への
適用ができない。

このような課題を解決するために本件出願人
は、実開昭57−15153号公報に示されるようなデ
イスク型カツターにおける回転軸の交換容易な構
造を提案した。しかしながら、このデイスク型カ
ツターは、カツターケースの両側枠部に横長方形
状の移動ケース部をスライド可能に設けるととと
もに、この移動ケース部の内側方に低速回転軸を
軸支させ、また、移動ケース部の外側方には、後
方を開放した長方形状の切欠きを形成し、この切
欠きに対して開閉可能に設けた軸受板に上記高速
回転軸端を軸支させたものである。

このように構成されたデイスク型カツターは、
従来技術に比べて高速回転軸の交換性は改善され
てはいるが、重量のある高速回転軸を片手で支持
し、他の手で一方の軸受板を移動ケース部から操
作離反させ、次いで手を持ち変えて他方の軸受板
を離反させる操作には困難性が伴うという課題が
ある。また、低速回転軸が移動ケース部に軸支さ
れているため、この低速回転軸の交換はとても１
人の作業者で行うことができないという課題が残
されている。

本考案の目的は、このような実情に鑑みなされ
たもので、簡単な而も合理的手段によつて従来技
術の課題を解消せしめ、短時間で刃の交換がなし
うるカツターを提供し、省力化、および、稼動時
間の有効性の図れるデイスク型カツターを提供せ
んとするものである。

［課題を解決するための手段］ 従来技術の課題を解決する本考案の構成は、カ
ツターケースの両側枠に、後方を開放し、他の周
縁部に受溝を形成した横長方形状の切欠部を設
け、上記受溝に、適当間隔毎に回転刃を配設した
高速回転軸と、上記回転刃に対応する回転受刃を
設けた低速回転軸の軸受部材をスライド可能に定
着させたデイスク型カツターにおいて、上記高速
回転軸の軸受部材１２と、上記低速回転軸の軸受
部材１１を各別に構成するとともに、上記切欠部
の後方開放部を、上記カツターケースに着脱自在
にとりつけた後方カバー兼用の抜け止め防止板１
３にて開閉可能としたものである。

［作用］ 後方カバー兼用の抜け止め防止板をカツターケ
ースからとり外すことにより、簡単に高速、低速
回転軸をとり出し、新たなものと交換でき、更
に、高速、低速両回転軸が夫々別個の軸受部材に
軸支されているので、各別、または、同時のとり
出し交換が可能である。

［実施例］ 図は本考案の実施例を示し、第１図はコンバイ
ンに搭載した本考案デイスク型カツターの側面図
を示し、第２図は本考案デイスク型カツターの一
部切欠平面図、第３図は同上一部切欠正面図であ
る。

第１図におけるＡはコンバイン本体、１８は、
脱穀装置から排出される排稈をコンバイン本体Ａ
に搬送供給するための搬送機構、Ｂはデイスク型
カツターである。このデイスク型カツターＢは既
に公知公用であるため、その詳述な構成説明は省
略するが、１はカツターケース、２はこのカツタ
ーケース１の両側枠１ａ間に軸架された低速回転
軸、３は高速回転軸で、低速回転軸２には排稈の
かき込み作用を有する多数の回転受刃４が、ま
た、高速回転軸３には、上記回転受刃４に対応す
る回転刃５がとりつけられている。そして、第１
図のように、カツターケース１の前部に設けたス
テー６がコンバイン本体Ａの後端面に設けた受体
７に係脱自在に係止され、着脱自在の構造となつ
ている。

本考案は、上述のように構成された一般的なデ
イスク型カツターＢにおいて、このデイスク型カ
ツターＢを構成する両側枠１ａに、後方が開放さ
れた横長方形状の切欠部８を設け、該切欠部８の
後方を除いた全周縁外側に、断面形状が〓形のフ
ランジ部材９を取付け、切欠部８の周縁とフラン
ジ部材９との間に受溝１０を構成せしめる。

この上下の相対する受溝１０間に、上記低速回
転軸２、および、高速回転軸３の両端に設けた軸
受部材１１，１２を、切欠部８の後方開放部から
各別に順次挿入支持せしめる。そして第１図のよ
うに、この両軸受部材１１，１２によつて上記切
欠部８の全域が閉塞されるように、両軸受部材１
１，１２の形状、および、面積が決定されてい
る。

１３は、上記カツターケース１を構成する後方
カバーを兼ね、加えて、上記切欠部８、および、
受溝１０の後方端を閉塞し、両軸受部材１１，１
２の抜脱を防止するための抜け止め防止板で、こ
の後方カバー兼用の抜け止め防止板１３は、カツ
ターケース１に対し、ボルトナツト１４にて着脱
自在にとりつけられている。図中１５はプーリ
ー、１６，１７は伝動用のギアである。

［考案の効果］ 上述のように本考案の構成によれば、次のよう
な効果が得られる。

(a) 後方カバー兼用の抜け止め防止板をカツター
ケースからとり外すことにより、簡単に回転刃
を有する高速回転軸、および、低速回転軸を各
別に、または、同時にとり出し、夫々新たなも
のとの交換ができる。

(b) 交換は単なる引き抜き作業であるため、短時
間で、かつ、１人の作業者で容易に行われ、従
来技術に比べ、大巾な省力化と作業機の稼動効
率の向上が図れる。

(c) 後方カバー兼用の抜け止め防止板の取付けに
より、両軸受部材の抜け止めが簡単になしう
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のデイスク型カツターをコンバ
イン本体に装着した作業状態の要部を示す側面
図、第２図は本考案デイスク型カツターの一部切
欠平面図、第３図は同上一部切欠正面図である。 Ｂ……デイスク型カツター、１……カツターケ
ース、１ａ……側枠、２……低速回転軸、３……
高速回転軸、４……回転受刃、５……回転刃、８
……切欠部、９……フランジ部材、１０……受
溝、１１，１２……軸受部材、１３……後方カバ
ー兼用の抜け止め防止板、１４……ボルトナツ
ト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 カツターケースの両側枠に、後方を開放し、他
   の周縁部に受溝を形成した横長方形状の切欠部を
   設け、上記受溝に、適当間隔毎に回転刃を配設し
   た高速回転軸と、上記回転刃に対応する回転受刃
   を設けた低速回転軸の軸受部材をスライド可能に
   定着させたデイスク型カツターにおいて、 上記高速回転軸の軸受部材１２と、上記低速回
   転軸の軸受部材１１を各別に構成するとともに、
   上記切欠部の後方開放部を、上記カツターケース
   に着脱自在にとりつけた後方カバー兼用の抜け止
   め防止板１３にて開閉可能としたことを特徴とす
   るデイスク型カツター。