JPH0375333A

JPH0375333A - 耐食性金型用鋼

Info

Publication number: JPH0375333A
Application number: JP21026789A
Authority: JP
Inventors: Yasushi Moriyama; 康森山; Takashi Yamaguchi; 高志山口
Original assignee: Japan Casting and Forging Corp
Current assignee: Japan Casting and Forging Corp
Priority date: 1989-08-15
Filing date: 1989-08-15
Publication date: 1991-03-29
Anticipated expiration: 2014-03-08
Also published as: JP2866113B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、金型用鋼に関し、特に種々のプラスチック製
品（自動車用部品、精密機械部品、家庭用又は各種産業
用の電気機器部品）などを成型するための金型用素材で
、しかも成型時に金型の腐食が問題となる難燃樹脂、塩
化ビニール、ＡＢＳ樹脂、ポリアセタールなどの成型用
としての、金型用鋼で、更に詳しくはＨＲＣ３５〜４５
の硬さを有すると共に被削性、耐摩耗性、耐加工時変形
性に優れた成型用金型用鋼に係るものである。

（従来の技術）金型、特にプラスチック成型用金型は、電気機器、精密
機械部品、自動車、化粧品容器、カメラボディ、各種エ
ンプラ製品（ギア等）、レンズ等各種プラスチック成型
品の需要増大を背景として、その生産量が急速に伸びて
おり、技術的にも量産化、精密化の傾向が著しい。

特に昨今では、使用するプラスチックの種類も増加し、
中には腐食性を有するプラスチックの成型により腐食に
よる金型の寿命低下も起るようになっている。この問題
に対し、では、硬質クロムメツキでの対応や、Ｊ　Ｉｓ
　　５ＫＤＩＩどいったステンレス系の金型用鋼が使用
されているが、このような従来の方法によると、寸法精
度の問題や、寿命、製作工程の増加、納明などの点で不
具合を生じているのが現状である。特に５ＫＤＩＩは、
巨大炭化物の析出のために７、鏡面加工性や耐摩耗性は
あるものの、被削性などが著１．＜劣るこεや、又靭性
が劣り、ノツチ部や尖鋭加丁部が比較的簡単に衝動的に
こわわることなどの問題点があった。

（発明が解決しようとする課題）本発明は以上のような問題点を解決するものであって、
基本的にはＣｆｆｆ１の大量添加によって耐食性を維持
１５、鋼中の炭素量を著Ｌ＜低減せしめ、焼入れ後、高
温に於げる焼戻１２によって金属間化合物や炭化物の析
出による硬さの上昇を図り、所定の硬さを確保すると共
に金型の切削加工時の耐変形性や設計変更時の溶接に対
する耐溶接割れ性などの優れた金型用鋼を提供すること
を［目的とするものである。

（課題を解決するための手段）」二足目的を達成するため本発明は重瓜比でＣ；０．０
３〜０．１２％、Ｓ　ｉ：ｏ、３％以下、Ｍｎ　：　１
　、５％以下、Ｃｒ：８．０−・　１４．０％、　　Ｍ
　ｏ　＋　０．１〜ｌ　、０％　、　　Ｎ　　Ｉ：２．
５〜３．５％、ＡＪ７　：０．５〜１．５％を含有１７
、史に必要に応じて０．２〜３．０％のＣＩＪ％　０．
０５＝０．３％の■の単独又は両方を含み、残部がＦｅ
及び不可避的不純物より戊る化学成分を有し、実質的に
焼戻し、ベイナイトと焼戻し低炭素マルテンサイト・か
ら成り、且つ、微細な金属間化合物及び炭・窒化物を析
出させたことを特徴とする鋼で、硬さＨＲＣ３５−４５
を確保することを要旨とする耐食性金型用鋼である。

本発明鋼は、基本的には、低炭素ベイナイト及びマルテ
ンサイトであり、この組織の良好な切削性を生かすと共
に、冷却時の歪みによる残留応力も、高温に於ける焼戻
し焼鈍によって、焼戻１〜組織となり、殆んど開放され
てし、まうため、あとの精密金型にする際の切削工程で
、残留応力に起因する歪みの発生が、少いε云う利点が
あり、更に、この焼鈍によりて、焼入れ時に固溶Ｉまた
ＮｌとＡＪの微細な金属間化合物の析出や、更に、Ｍｏ
。

Ｖ、Ｃｕなとの炭・窒化物の析出や、Ｃｕ−Ｆｅ金属間
化合物の析出による硬度の上昇を狙い、又Ｍｎの含有量
を適正にし、Ｍｏを添加することで、無量加圧時の未再
結晶域を拡大し、再結晶によるオーステナイト粒度を適
正粒度とすることでシボ加圧性、鏡面仕上性を付与した
ものである。

次に、本発明鋼の成分範囲を限定し、た理由について述
べる。

Ｃは、本発明の基本的組織である低炭素ベイナイト及び
低炭素マルテンサイトを得るためや、ＭＯ，Ｃｒ、ｖな
どを結合（７て炭・窒化物を形成１２、硬さを確保する
ための基本元素であり、これらの目的のために必要な下
限瓜は、０．０３％である。

又過度に多くなると焼入れ後の硬さが過度に大きくなり
Ｃ「の焼入れ性とも相俟って焼割れを生じ易くなったり
、又、耐良性元素であるＣ「と結ａして、Ｃ「の巨大炭
化物を生成１２、耐食性を劣化させると同時に切削性や
鏡面仕上性も杼１．＜劣化さぜる。又溶接性も著しく損
う。この限界が０．１２％であり、これをに限とした。

Ｓｌは脱酸元素であるが、本発明鋼は基本的に０．５〜
１．５％のＡ、Ｑを含有するため精錬十の脱酸は充分で
ある。従って、むしろＳｉｎ、などの介在物となり易い
Ｓｌは、シボ加工性や鏡面化−Ｌ性確保の上で、少Ｌ）
方が望ましい。０．３％以ドと１−たのはこれを超える
息の場合、鋼の清浄性が確保されにくく、シボ加工性、
鏡面仕上性に劣る結果を招く可能性が大きいからである
。

Ｍｎは、焼入れ性を高め、又要求される硬さ！ノベルに
応じて硬さを調整し、フェライトの生成を抑制する。１
２かし冬瓜に含有すると被削性、彫刻性を害するのでそ
の上限を１．５％とｊ−５た。

Ｃ「は耐食性を高める元素で、本発明鋼の基本元素であ
る。８．０％未満では耐食性が充分でなく、１４％まで
の添加で金型用鋼たしての耐食性は充分である。これを
超えて添力旧７ても耐食性はそれ程向上せずむ１７ろ経
済的観点からマイナス面が大きい。従って上限を１４％
とした。

Ｍｏは、５００℃以上の高温焼戻しにおいて微細炭化物
を析出して析出硬化をもたらし、又、焼入れの際のフェ
ライトの析出を抑制してベイナイト組織化を促進する。

又、使用時の雰囲気に対する耐食性、特に孔食を防止す
るのに有効な元素である。多すぎると被削性、靭性の低
下を招くので１．０％以下とし、低すぎると、上記効果
が得られないので、下限を０．１％とした。

Ｎｌは、変態点を下げ、冷却時にベイナイト組織及びマ
ルテンサイト組織を均一に晶出させる目的と、Ａｌ７と
の金属間化合物を造って焼鈍時制中にこれを析出させ、
硬化させる目的で添加するが、２．５％未満ではこの効
果が充分でなく、３．５％を超えてもその効果は添加量
の割りには顕著にならず、経済的でない。従って、２．
５〜３．５％とした。

Ａｌｌは溶解精錬時の脱酸元素としての働きと、Ｎｉと
の結合により、金属間化合物を析出させ硬化をもたらす
ために添加する。添加量が０．５％未満では、充分な析
出硬化を得ることができず、又１．５％を超えても、Ｎ
１とのバランス上析出硬化に効果が期待できないこと、
又、ＡＮ２０３などの非金属介在物となって、鏡面加工
性や、シボ加工性も劣化させることで、限界値を０．５
〜１．５％とした。

又本発明鋼は、これらの基本元素の他にＣｕ。

■を添加しても同様な効果が得られるがＣｕは０．２％
以上でその溶解度との関係から効果が現われ、焼鈍時に
Ｃｕ−Ｆｅの金属間化合物を析出し、硬化に寄与する。

その効果は、Ｃｕの量に応じて増加するが、３％を超え
ても、その効果は添加量の割合い程には期待ができない
。従って限界量は０．２〜３．０％とした。

■は、微細炭・窒化物として焼戻し焼鈍時に析出し、析
出硬化現象により、鋼を硬化させる。この効果を充分に
生かせる最低添加量は０．０５％であり、従って下限を
０．０５％としたが、多すぎると炭・窒化物を粗大化し
、肌荒れによる鏡面仕上性を低下させて問題である。こ
の上限が０．３％である。

金型材料は、最終的には機械切削による金型としての工
作を行うが、この際、特に精巧な仕上げを要するため切
削性のよいことが必要である。

本発明では基本的に切削性を良好にするための手段とし
て基地組織を低炭素のベイナイト及びマルテンサイトと
しており、焼入れままでの硬さは極力抑制している。こ
れはこの状態での粗切削を容易にすることが１つの目的
であり、又、焼割れを防止する意味がある。これら低炭
素ベイナイト及びマルテンサイトの中でＭｏ、Ｖなどの
炭・窒化物やＮ１−Ａｌ、Ｃｕ−Ｆｅなとの金属間化合
物による析出硬化を期待するのであるが、この場合硬さ
に上限があり、又、その硬さ迄でないと切削性が良好で
ない。この硬さの上限がＨＲＣ４５であり、これを超え
る硬さでは切削性が著しく劣化する。

一方、金型は使用耐用回数向上のためには、耐摩耗性が
必要であり、金型市場の要求は、これに応じて硬さを上
昇させる傾向にある。

従って、本発明の金型鋼はその耐摩耗性から最低硬さを
ＨＲＣ３５とした。

本発明による金型鋼は、焼戻し析出時効硬化鋼であり、
原則としてはプレハードン時効硬化熱処理して使用に供
される。即ち、本発明による金型鋼は、上記の化学成分
を有する鋼片又は鋳片を、圧延か鍛造による熱間加工を
施した後、焼入れし、次いではり５００〜６００℃の温
度に焼戻し処理を施すことによって製造する。

このようにして得られる金型鋼は、前記の理由によって
ＨＲＣ３５以上を有すると共に被削性、耐食性と共に耐
摩耗性に優れている。

以下に実施例によって本発明を説明する。

（実　施　例）第１表に示す化学成分を有する鋼を、５０ｋｇ真空溶解
炉で溶製し、１２０ｍｍΦのインゴットに鋳造した後、
２５ｍ＋＊厚に圧延した。その後、１０２０℃に１時間
加熱してから油冷しく焼入れ）　、５４０℃１時間加熱
後空冷した（焼戻し）。表中胤１〜Ｎｏ、６は本発明対
象鋼であり、ｋ７〜Ｎｏ、　１２は比較例である。

本発明例Ｎ０１１〜Ｎｏ、　６はいずれも本発明の目的
とする硬さを充分に満足１７ている。添付第１図は、本
発明例ＮＯ，５の鋼について、前記焼入れ処理後、各温
度（横１１ｈ）に１時間の焼戻しを行った試料の、それ
ぞれの焼戻１度と、硬度（ＨＲＣ）との関係を示したも
ので、５００℃近辺から硬度が上昇し、５４０℃で析出
硬化がピークに達していることがわかる。また、第２図
は同ＮＯ４５鋼の５４０℃焼戻し後の１００倍拡大顕微
鏡写真であり、焼戻し低炭素ベイナイト及びマルテンザ
イト組織に金属間化合物及び炭窒化物（黒い斑点）が析
出していることがわかる。

比較例ＮＯ，７〜Ｎｎ、ｌＯは、いずれも本発明の硬さ
の範囲を外れている。

また、比較例のＮｌ′１．１１は従来鋼のＪＩＳＳＣＭ
４の例で硬さがＨＲｃ４２の鋼であり、この鋼の被削性
を１００として本発明鋼の被削性を指数として示してい
るが、本発明鋼の狙２．　Ｎｏ、３は１５２　、１１８
といずれも高い値となっている。

比較例Ｎα１２は、５ＵＳ４２０Ｊ２相当鋼であり、本
発明例との耐食性の比較を行ったものである。

すなわち、表の右端欄にＳｂＣ，ｌｌ！２５％溶液中で
浸漬試験を行ったときの腐食減量の比較を示Ｉ〜でいる
。これから明らかのように、本発明鋼ＮＯ，２。

Ｎｏ、　３は、３１．３４と低く、耐食性が優れている
ことがわかる。

（発明の効果）以上説明したように本発明は炭素含有量を低くし、Ｍｎ
、　Ｍｏ、　　Ｎ１．　　Ａｌ２　、　　Ｃｕ、　　Ｖ
などの各種成分の調整を行うことにより、被削性と耐食
性に優れ、かつ、適当な硬さを有するもので、プラスチ
ック金型等の金型用鋼として好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明鋼の焼戻し温度と硬度との関係を示す図
。第２図は、第１図における最適条件（５４０℃）での
焼戻し後の組織を示す１００倍拡大顕微鏡組織写真であ
る。

Claims

【特許請求の範囲】１、重量比でＣ：０．０３〜０．１２％、Ｓｉ：０．３
％以下、Ｍｎ：１．５％以下、Ｃｒ：８．０〜１４．０
％、Ｍｏ：０．１〜１．０％、Ｎｉ：２．５〜３．５％
、Ａｌ：０．５〜１．５％を含有し残部Ｆｅ及び不可避
的不純物より成る化学成分を有し、実質的に焼戻しベイ
ナイトと低炭素焼戻しマルテンサイト組織から成り、且
つ微細な炭・窒化物及び金属間化合物を析出させたこと
を特徴とする硬さＨ＿Ｒ＿Ｃ３５〜４５の範囲にある耐
食性金型用鋼。２、重量比でＣ：０．０３〜０．１２％、Ｓｉ：０．３
％以下、Ｍｎ：１．５％以下、Ｃｒ：８．０〜１４．０
％、Ｍｏ：０．１〜１．０％、Ｎｉ：２．５〜３．５％
、Ａｌ：０．５〜１．５％を含有し、更にＣｕを０．２
〜３．０％、Ｖを０．０５〜０．３％の範囲で１種又は
２種を含み残部Ｆｅ及び不可避的不純物より成る化学成
分を有することを特徴とする請求項１記載の耐食性金型
用鋼。