JPH037151Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はパイプ，ホース、電線ケーブル及びテ
ープ等の長尺物に印刷するオフセツト印刷機に関
し、詳しくはメートル表示やロツド番号の表示の
ように被印刷物に連続的に異なる文字が印刷でき
るオフセツト印刷機に関する。

〔従来の技術〕

従来のこの種のオフセツト印刷機としては第４
図及び第５図に示すように版胴０５の一部にナン
バリング０１の凸版を嵌め込んで版胴０５が一回
転するごとに版のインクを転写胴０６に転移させ
るとともにナンバリング０１を作動させて連続的
にメートル表示できるようにしたものが知られて
いる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記の従来構造のものでは、版が版胴０５の径
に比して非常に小さいナンバリング０１の周面に
形成されているから、印刷しようとする版が線状
的に版胴の周方向に対して直交する方向に配列さ
れていて、被印刷物の搬送方向に対して直交する
方向において線状にしか印刷できない欠点があつ
た。

本考案は、版胴の周面を一定ピツチで多数に区
分して、その区分内で周方向に版を形成して、連
続的に異なる印刷をできるようにするとともに、
被印刷物に対してその搬送方向にも平面的にも印
刷ができるオフセツト印刷機を提示することを目
的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案におけるオフセツト印刷機の技術的手段
は、版胴と転写胴とを〓間を有する状態で配設す
ると共に、前記版胴の周りに一定ピツチで多数区
分された版を形成し、前記転写胴の一部に前記版
胴の一区分領域の版のインクを転写する部分転写
面を形成し、該部分転写面を転写胴の径方向外方
に向けて出退自在に構成して、転写胴の一回転毎
に前記の出退自在な部分転写面を前記版胴に接当
させて一ピツチの区分領域の版のインクを前記部
分転写面に転写させると共に、版胴と転写胴とを
それぞれ異なる回転角速度で等速回転させながら
版胴を転写胴に対して一回転毎に一定の位相差で
回転させて転写胴の一回転毎に異なる印刷ができ
るよう構成した点がある。かかる技術的手段を講
じることによつて本考案には次の作用効果を奏す
る。

〔作用〕

版胴と転写胴とには〓間があるので版胴の周に
形成した版のインクが転写胴に転写されないで回
転する。そして転写胴にその径方向外方に出退自
在に構成した部分転写面が版胴に近接すると該部
分転写面が突出して版胴に接当し、一ピツチの版
のインクが前記部分転写面に転写し、転写が完了
すると部分転写面が元の位置に戻つて転写胴の回
転に伴つて被印刷物に印刷される。このとき一ピ
ツチに区画された版を版胴の幅方向、周方向に如
何に配設しても、その版のインクを確実に転写胴
に転写させることができる。

転写胴が一回転して再び部分転写面が突出して
版胴に接当するときは、異なる区画の版と接当
し、版胴が転写胴とは異なる回転角速度で等速回
転しながら転写胴が一回転するごとに版胴の周り
に一定ピツチで多数区分された各区分領域の異な
る版のインクを順次転写胴の部分転写面に転写し
て被印刷物に対して異なる印刷を行う。

〔考案の効果〕

版胴と転写胴とをそれぞれ異なる回転角速度で
等速回転させながら連続して一印刷ごとに異なる
印刷が行えながらも版胴の幅方向のみならず周方
向にも版（記号や文字等）を配列させて、被印刷
物に対して平面的に記号や文字等を配列させて印
刷することができるに至つた。

〔実施例〕

以下に、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

１はインキング装置２，３により夫々グラビア
主版胴４及びグラビア副版胴５にインクを盛つて
転写胴６に転写した後、被印刷物７に印刷するグ
ラビアオフセツト印刷機である。

被印刷物７としては、帯鋼板、アングル材、テ
ープ等のように平面印刷できるものあるいはパイ
プ，ホース及び電線ケーブル等のように曲面に印
刷するものであつてもよく、またその材質として
は、紙材、木材、金属、合成樹脂等印刷可能なも
のであればいかなるものでもよい。本実施例の被
印刷物７は塩化ビニール製のホースである。

前記ホース７を載置する圧胴８はホース７の載
置面が正面視Ｖ字状のローラーから成り、印圧を
調整する油圧シリンダ９に取付けてあり、機体１
０の前後には上下高さが変更可能な補助ローラ１
１，１２を装着してある。

前記インキング装置２，３はインクを吹出すノ
ズル１３，１４とインクスクレーパー１５，１６
とインク回収トレイ１７，１８から構成してあ
る。機体１０の下部にはインクタンク１９、イン
ク供給ポンプ２０及びインクポンプ用モーター２
１を収納してあり、モーター２１の駆動によつて
インクタンク１９内のインクをポンプ２０で圧送
して輸送管２２に接続した前記ノズル１３，１４
からインクを版胴４，５の周面に吹付けるよう構
成してあり、吹付けられた余剰インクはスクレー
パー１５，１６によつて掻き落とし、インク回収
トレイ１７，１８からインクタンク１９に返送管
２３を介して回収するよう構成してある。

前記主版胴４の外周長は1mでその外周面にメ
ーカー名や規格品名や記号等を刻設するとともに
少なくとも後述する転写胴６の揺動小ピース２４
に取付けたゴムブランケツト２５ａ外周面によつ
て形成される部分転写面２６に対応する版面を平
滑面に形成してある。

前記副版胴５の外周長は1m2cmで２cmを一区画
として51区画に区分し、区分された各区分領域ご
とに副版胴５のほぼ全幅にわたる基準線と周方向
に配列した０〜50の数字及びｍの文字、計３〜４
文字を刻設してある。

前記転写胴６は輪体２７の周囲にゴムブランケ
ツト２５を取付けて構成してあり、ブランケツト
２５の外周面は主版胴４の外周面と常時接当させ
てあり、副版胴５の外周面とは0.3〜0.5mmの微小
な〓間を設けてある。転写胴６の輪体２７は輪体
本体２７ａと小ピース２４とから成り、小ピース
２４の両側には軸心側に向つて平行なアリ溝を形
成してあり、これらアリ溝を輪体本体２７ａに形
成したアリに嵌合するとともに、小ピース２４と
輪体本体２７ａとに亘つて引張スプリング２８を
張設してある。

図中２９は機体１０に取付けたカムローラで、
輪体本体２７ａには接触せず、転写胴６の回転に
よつて小ピース２４の外周部に内側に向つて張り
出したフランジ部３０に接当して前記小ピース２
４を径方向外方に持ち上げて小ピース２４に取付
けたブランケツト２５ａの外周面２６を副版胴５
に接当させるようにしてある。

次に印刷機１の伝動系について説明する。

３１はモータ、３２及び３３はモータ３１から
の駆動力を入り切りにする電磁式の主クラツチブ
レーキ及び副クラツチブレーキ、３４及び３５は
減速用プーリー、３６〜42は夫々のタイミングプ
ーリーに巻回した突起付のタイミングベルトであ
る。

４３及び４４は転写胴６の回転軸に嵌着したプ
ーリーで、プーリー４３にはベルト３９を巻回し
てあり、また前記プーリー４４にはプーリー４
５，４６に掛けたベルト４０を巻回してある。４
７は主版胴４の回転軸に嵌着したギヤで、このギ
ヤ４７は前記プーリー４５と同軸のギヤ４８に噛
合させてある。４９は前記プーリー４６の軸５０
に遊嵌したギヤで、副版胴５の軸５１に嵌着した
ギヤ５２に噛合させてあり、軸５０にスプライン
嵌合させた電磁クラツチ（図外）の入り切りによ
つて主クラツチブレーキ３２側から副版胴５への
駆動力を断接できるよう構成してある。

副版胴５のギヤ５２は前記ギヤ４９に噛合する
とともにベルト４２に巻回したプーリ５３の軸５
４に遊嵌してあるギヤ５５に噛合してあり、この
ギヤ５５は前記軸５４にスプライン嵌合させた電
磁クラツチ（図外）の入り切りによつて副クラツ
チブレーキ３３側から副版胴５への駆動力を断接
できるよう構成してある。

５６は副版胴５の軸５１に嵌着した円板で、こ
の円板５６の側面には零点検出用の触子（図外）
を付設するとともに円板５６外周近くに等間隔で
51個のねじ孔（図外）を穿設して後述するスイツ
チを押圧するための作動子（図外）を前記ねじ孔
の任意の個所に取付けられるようにしてあり、前
記ねじ孔には０〜50までの番号を付けてある。そ
して作動子を所望のねじ孔に取付けることによつ
て50mまでの間の所望長さ単位で連続して印刷す
ることができる。

第３図は作動シーケンスを示す電気回路図であ
り、S₀はメインスイツチ、S₁及びS₂は夫々本機用
及びインクポンプ用のモーター３１，２１のスイ
ツチ、S₃及びS₄は主クラツチブレーキ３２の作動
用及び停止用の押釦スイツチ、L₁及びL₂は主ク
ラツチブレーキ３２のソレノイドで、スイツチS₃
操作によるリレーＶの動作でリレー接点V₁が閉
じると共にリレー接点V₂が切換わりソレノイド
L₁が消磁、ソレノイドL₂が励磁してブレーキが
掛かる。逆にソレノイドL₁が励磁するとクラツ
チが入る。

S₅は前記円板５６に取付ける作動子の押圧によ
つて閉じるａ接点スイツチで１回転毎に閉じ、そ
の作動タイミングは前記作動子の取付けた番号に
対応するグラビア版の文字のインクが転写した後
に閉じるようにしてある。S₆は転写胴６の１回転
毎に閉じるａ接点スイツチで、その作動タイミン
グは前記スイツチS₅と同じく小ピース２４の突出
によつてインクが部分転写面２６へ転写した後に
閉じるようにしてある。前記スイツチS₆は転写胴
６の回転軸またはこの軸に取付けた円板に付設し
た作動子によつて閉成されるようにするとよい。

しかして、スイツチS₀，S₁，S₂を入れるとモー
ター３１，２１が作動し、次いで押釦スイツチS₃
を押すと電磁式の主クラツチブレーキ３２が入つ
て、夫々矢印方向に回転してホース７に1m毎に
メーカー名、規格品名が印刷されるとともに、メ
ートル表示が印刷される。

今、ホースの長さが20mを１ロツドとして印刷
したいときは円板５６の20番のねじ孔に作動子を
取付ける。この作動について説明すると、スイツ
チS₅とS₆は副版胴５及び転写胴６の１回転毎に１
回づつ閉じるが通常は閉じるタイミングがずれて
いて、定常運転で1mから順次印刷される。副版
胴５が50回転に対して転写胴６が51回転し、副版
胴５と転写胴６との回転角速度比は50対51で両者
５，６の回転周期がわずかに異なつていて回転に
伴つてスイツチS₅，S₆の閉じタイミングが接近し
副版胴５の20mの文字が転写胴６に転写された直
後にスイツチS₆が閉じるとこれと同時にスイツチ
S₅も閉じる。これによつてリレーＷが動作してリ
レー接点W₁，W₂，W₃が閉じ、回路５７，５８
及び５９が閉成し、これによつてリレーX₁，Y₁，
Z₁も閉じる。スイツチS₅，S₆が開いてリレーＷが
復帰しても回路５７，５８，５９は自己保持され
ている。リレーＸ，Ｙ，Ｚの動作によつてリレー
接点X₂が切換わるとともにリレー接点Y₂が閉じ
てリレー接点Z₂が開きソレノイドL₄，L₅が励磁
するとともにソレノイドL₃，L₆が消磁する。

前記ソレノイドL₃，L₄は電磁式の副クラツチ
ブレーキ３３の作動用でソレノイドL₃の励磁で
ブレーキが掛かり、ソレノイドL₄の励磁でクラ
ツチが入る。ソレノイドL₅はギヤ５５用の電磁
クラツチのもので、ソレノイドL₆はギヤ４９用
の電磁クラツチのものであり、夫々励磁につてク
ラツチが入る。

しかして20mの文字の転写完了後にリレーＸ，
Ｙ，Ｚが動作して副版胴５に対する主クラツチブ
レーキ３２側からの動力が断たれる一方、ギヤ５
５及び副クラツチブレーキ３３のクラツチが入つ
て副版胴５は２倍速で回転する。そしてこの回転
中に前記円板５６に付設した零点検出用の接触子
によつてスイツチS₇が操作されるとリレーＸが復
帰してブレーキが掛かり副版胴５が停止する。他
方部分転写面２６に20mの文字を転写された転写
胴６は主版胴４とともに回転して、印刷が経続さ
れる。

副版胴５は版の零点が部分転写面２６に転写す
る位置よりも一区画以上手前で零点停止するよう
にしてあり、転写胴６の前記部分転写面２６が副
版胴５の零ｍ区画と一致する位置にくると転写胴
６側の前記作動子によつてスイツチS₈，S₉が操作
されてギヤ５５のクラツチが切れると同時にギヤ
４９のクラツチが入つて副版胴５が回転し、再び
主版胴４、副版胴５及び転写胴６が連動して1m、
2mと順次20mまで印刷文字を異ならせて印刷さ
れる。

また、円板のねじ孔に取付ける作動子を付設し
ないときは副版胴５が零点復帰することなく、連
続して印刷することができる。

〔別実施例〕 上記実施例ではスイツチS₅とS₆で以つて零点
復帰指令用スイツチを構成したが、零点復帰指
令スイツチを１つにして、転写胴６の回転数
（パイプの一ロツド長さ）をリセツトカウンタ
ーで計測して、所望の回転数（例えば20回転）
で零点復帰指令スイツチを閉じるようにしても
よい。

第１図における軸５０に対してギヤ４９を回
転不能に取付けるとともに軸５０に設けたクラ
ツチ、副クラツチブレーキ３３側の駆動系並び
に第３図におけるスイツチS₅，S₆、リレーＷ以
下の回路を省略してもよい。

副版胴５の区分は51区画よりも以下でも以上
でもよい。このとき区分長さに応じて部分転写
面の長さを決定すべきことはもちろんである。
また副版胴５の径を転写胴６の径よりも小さく
してもよい。

版胴４，５またはそのいずれかの版を凸版で
構成してもよいが凸版の場合はインクの転移が
グラビア版の場合のように完全でないので少な
くとも印刷文字の変わる副版胴５をグラビアホ
イールとするか、または副版胴５を凸版とする
場合は部分転写面のインクが被印刷物７に移つ
た後部分転写面上に残留したインクを別途除去
するのが望ましい。

主版胴４を省略して版胴５と転写胴６とで構
成するオフセツト印刷機としてもよい。

版胴５の文字はメートル表示の文字に限ら
ず、例えば、英文字、漢字、カナ文字等の商標
を交互に印刷するようにしてもよく、また転写
胴６一回転毎に版胴５の多数に区分された区分
領域が順次ずれながら各区分領域の版が転写胴
６の部分転写面に転写されればよく、この関係
を保つ以上版胴５及び転写胴６の径を所望の径
に決定してもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案のオフセツト印刷機の実施例を示
し、第１図は下部を露出させた側面図、第２図は
転写胴の要部断面図、第３図は回路図、第４図は
従来構造を示す概略側面図、第５図は従来構造の
要部側面図である。 ５は版胴、６は転写胴、２６は部分転写面であ
る。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 版胴５から転写胴６に転写したインクを被印
   刷物に転移させて印刷するオフセツト印刷機で
   あつて、前記版胴５と転写胴６とを間〓を有す
   る状態で配設すると共に前記版胴５の周りに一
   定ピツチで多数区分された版を形成し、前記転
   写胴６の一部に前記版胴５の一区分領域の版の
   インクを転写する部分転写面２６を形成し、該
   部分転写面２６を転写胴６の径方向外方に向け
   て出退自在に構成して、転写胴６の一回転毎に
   前記の出退自在な部分転写面２６を前記版胴５
   に接当させて一ピツチの区分領域の版のインク
   を前記部分転写面２６に転写させると共に、版
   胴５と転写胴６とをそれぞれ異なる回転角速度
   で等速回転させながら版胴５を転写胴６に対し
   て一回転毎に一定の位相差で回転させて、転写
   胴６の一回転毎に異なる印刷ができるよう構成
   してあることを特徴とするオフセツト印刷機。 ２ 前記版胴５はグラビアホイールである実用新
   案登録請求の範囲第１項記載のオフセツト印刷
   機。