JPH0366435B2 - - Google Patents

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JPH0366435B2
JPH0366435B2 JP63270115A JP27011588A JPH0366435B2 JP H0366435 B2 JPH0366435 B2 JP H0366435B2 JP 63270115 A JP63270115 A JP 63270115A JP 27011588 A JP27011588 A JP 27011588A JP H0366435 B2 JPH0366435 B2 JP H0366435B2
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JP
Japan
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pulp
mechanical pulp
whiteness
paper
bleaching
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JP63270115A
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Takashi Sato
Norio Matsukura
Kunio Hata
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Jujo Paper Co Ltd
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Jujo Paper Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、白色度を向上させた製紙用機械パル
プを製造する方法並びに白色度の高い高品質の紙
を製造する方法に関するものである。 (従来の技術) 近年、世界的な紙需要の急増に伴い、パルプの
生産量も増加の一途を辿つているが、これに関連
してパルプ収率が非常に高い機械パルプに対する
期待が高まつてきている。機械パルプは、クラフ
トパルプと比較して、パルプ収率が格段に高いほ
かに、嵩高で不透明度が高いという特長がある
が、その反面、漂白後の白色度及びパルプ強度に
ついては、クラフトパルプよりも劣ることが問題
とされている。このうち、パルプ強度について
は、亜硫酸ナトリウムによりスルホン化を行うこ
とで、大幅に改善されることが見い出され、この
方法は既に実用化されているが、一方の白色度の
改善については、未だ満足のできる方法が開発さ
れていない。 製紙用機械パルプの漂白は、殆どパルプ収率の
低下を起こさない方法によつて行われる。この漂
白方法には2種類あり、アルカリ性過酸化水素等
を使用する酸化漂白と、亜二チオン酸塩による還
元漂白である。このうち、漂白力の強い酸化漂白
が一般的に使われており、この方法では、着色の
原因となるリグニン中の共役二重結合をペルオキ
シドアニオンが破壊し、白色度を向上させる。し
かし、同時に過酸化水素に対して安定な着色構造
が生成してしまうために白色度のレベルオフは避
け難く、結果として白色度の向上は約20%が限度
であるとされている。このようなことから、更に
高い白色度を実現するために、過酸化水素漂白を
多段式に行つたり、或いは還元漂白と組合わせた
りすることが提案されている。しかし、このよう
な方法を実生産に適用すると設備が膨大で操作も
複雑となり、製造コストが高いものとなつてしま
う。 また、特開昭60−23878号公報や特開昭62−
220190号公報には、リグニン分解酵素の製法及び
その利用について記載されているが、製紙廃水中
に多量に含まれているリグニンを分解して、廃水
処理に役立てることを提案するものにすぎない。 一方、特開昭51−149976号公報、特開昭54−
147202号公報には、ラミー、ジユート等の軟質系
麻類、がんぴ、みつまた等のじん皮繊維類の如き
ペクトセルロース系繊維に対して、ペクチン分解
酵素を作用させ繊維間結合を担うペクチン質を分
解することによつて、分繊化繊維を製造すること
が提案されている。この方法は、ペクチン質を多
量に含むという、軟質系麻類やじん皮繊維類に特
有の性質を利用したものであるが、多糖類である
ペクチン質を分解しても、それ自体で白色度が向
上するものではない。また、この分繊化方法は、
これらペクトセルロース系繊維と比較して遥かに
ペクチン質の少ない木材繊維の分繊化には、殆ど
効果がない。 (発明が解決しようとする課題) 本発明は、木材丸太、木材チツプを原材料とす
る木材繊維に関して、酸化漂白及び還元漂白によ
る到達白色度の向上には限界があるとの認識か
ら、より高い白色度のパルプが得られる新規な製
造方法を提供し、併せて高白色度の紙を製造する
方法を提供しようとするものである。 (課題を解決するための手段) 製紙用機械パルプの過酸化水素による漂白特性
を見ていくと、漂白後の到達白色度は、漂白前の
白色度に依存することが知られている。例えば、
未漂白の状態で白色度に差のある数種の機械パル
プを同一条件で過酸化水素漂白しても、その白色
度の序列は変わらない。このようなことから、本
発明者らは、機械パルプの到達白色度を向上させ
るためには、酸化漂白或いは還元漂白に先立つ
て、機械パルプの白色度をある程度上げておくこ
とが効果的であるとの認識から、更に研究を進め
本発明に到達した。 即ち、本発明に係る製紙用機械パルプの製造方
法は、木材丸太又は木材チツプを磨砕又は解繊し
てカナダ標準濾水度50〜700mlの製紙用機械パル
プのスラリーを調製し、このスラリーにペクチン
質分解活性を有する酵素を添加して酵素処理した
後、更に叩解してカナダ標準濾水度を低下させる
過程で白色度を向上させることを特徴とするもの
であり、また、上記の製法によつて白色度を向上
させた製紙用機械パルプを、更に酸化漂白及び/
又は還元漂白することを特徴とするものである。
一方、本発明に係る紙の製造方法は、上記の製法
によつて製造された製紙用機械パルプを抄紙する
ことを特徴とするものである。 本発明で酵素処理の対象とするのは、木材丸太
又は木材チツプを磨砕又は解繊して得られたカナ
ダ標準濾水度50〜700mlの製紙用機械パルプであ
つて、SGW(ストーングラウンドウツド)、RMP
(リフアイナーメカニカルパルプ)、TMP(サーモ
メカニカルパルプ)等が例示される。磨砕や解繊
に際しては、グラインダーやリフアイナー等が使
用される。通常の木材チツプやこれを細かくした
程度では、木材の強固な組織構造が残つているた
めに、酵素が活発に作用することができないの
で、少なくとも一次解繊され、カナダ標準濾水度
が所定の範囲にあるものでなければならない。 既述の通り、軟質系麻類やじん皮繊維にはペク
チン質が多量に含まれているが、一般的な製紙用
原料である木材中には、ペクチン質は僅かしか存
在しない。ペクチン質は、未だリグニンが沈着し
ていない早熟細胞、即ち一次壁のみからなる形成
層細胞の中間層における主要成分であると言わ
れ、木化した木材中では、繊維細胞のうち中間層
と一次壁に存在していて、細胞間の接着に寄与し
ていると言われている。しかし、その含量は他の
成分に比較して非常に少ない。構造的には、α−
D−ガラクツロン酸の他にラムナン、アラビナ
ン、ガラクタン等の中性糖が含まれる多糖で、カ
ルボキシル基は種々の割合いでメチルエステル化
されていることが知られているが、必ずしも明確
ではない。 このペクチン質を分解する酵素としては、メチ
ルエステルを分解するペクチネステラーゼ(ペク
ターゼ)、ガラクツロニド結合を加水分解するポ
リガラクツロナーゼ(ペクチナーゼ)、ガラクツ
ロニド結合を脱離反応によつて開裂をさせるペク
チントランスエリミナーゼなどが使用される。こ
れらの酵素は、単独に又は併用して用いられ、
0.05〜5.0重量%(対絶乾パルプ)、好ましくは0.1
〜1.0重量%を、機械パルプのスラリーに添加す
る。 酵素処理に当たつて、機械パルプスラリーの濃
度は0.3〜10重量%、好ましくは1〜3重量%で
あり、PH2〜7、好ましくはPH4〜5に調整す
る。また、スラリーの温度は20〜70℃、好ましく
は40〜50℃で、静置するか静かに攪拌しながら、
短ければ1時間、長ければ7日程度続ける。一般
的に、酵素処理の時間は長い程効果的であるが、
実生産上の制約を考慮して処理時間を決めれば良
い。また、酵素には、夫々活性の最適条件がある
ので、その条件に合せて処理することが望まし
い。 酵素処理された機械パルプは、叩解してカナダ
標準濾水度を低下させる過程で、リグニンを脱離
し、白色度を向上させる。叩解は、デイスクリフ
アイナーやPFIミル等、どのようなものを用いて
も差支えない。 本発明においては、上記のように酵素処理後に
叩解されて白色度が一定レベルに達した機械パル
プを、更に酸化漂白或いは還元漂白、またはこれ
らを併用することで更に白色度を向上させた機械
パルプを製造することができ、また、このように
して製造された機械パルプを定法に従つて抄紙す
ることで、高品質の紙を造ることができる。 (作用) 機械パルプは、酵素処理によつて或る程度白色
度を向上させるが、叩解を行うことによつて、極
めて顕著な白色度の向上が示される。これは、先
ず、第一段階として、酵素が作用し易い状態であ
るカナダ標準濾水度50〜700mlの機械パルプのス
ラリーにペクチン質分解酵素を添加すると、ペク
チン質のうち比較的表面近くに存在するものが、
酵素によつて分解される。このペクチン質はパル
プ繊維のセルロースやリグニンと結合しているの
で、結果的にその結合が緩むことになる。次に、
第二段階として、パルプ繊維に叩解の物理的な力
を作用させると、結合に緩みのあつたリグニンは
パルプ表面から容易に脱離することになる。 更に、上記のように、酵素処理と叩解処理によ
つて、白色度を一定レベルまで向上させた機械パ
ルプを、酸化漂白或いは還元漂白又はそれらの併
用によつて漂白すると、あたかも白色度の高い木
材丸太や木材チツプを原料としたときと同じよう
に、漂白前の白色度の高さが有効に作用して、高
い到達白色度の機械パルプが得られることにな
る。 このように白色度の良好な製紙用機械パルプを
抄紙原料とすることで、高白色度の紙を製造する
ことができる。 (実施例) 以下に、本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例 1 針葉樹材(エドマツ、トドマツ混合)チツプを
リフアイナーによつて解繊し、カナダ標準濾水度
660mlの未漂白TMPのスラリーを得た。この
TMPスラリーを酢酸緩衝液でPH4.0に調整し、ま
たパルプ濃度を3重量%に調整した後、ペクチナ
ーゼ(スイス・フルカ社製)を0.1重量%添加し、
温度40℃で1時間静かに攪拌した。次に、シング
ルデイスクリフアナーでカナダ標準濾水度が350
mlになるまで叩解した。 得られたパルプを用いて抄紙するに当り、機械
パルプの特性に応じて次にようにした。先ず2g
相当のパルプを抄紙し、ワイヤーを通過した微細
繊維含有水を容器に貯えた。ワイヤー止まりのパ
ルプを廃棄した後、先の微細繊維含有水を稀釈水
として、1回目と同じ手順で抄紙し、この作業を
5回繰返した。次に、この微細繊維含有水を稀釈
水として、TAPPI−T205−os−71に従つて抄紙
し、品質試験に供する坪量60g/cm2の抄紙シート
を得た。 実施例 2 実施例1において、ペクチナーゼの代りにペク
トリアーゼY−23(盛進製薬製)を用いた他は同
様にして、抄紙シートを得た。 比較例 1 実施例1において、ペクチナーゼによる酵素処
理を行わなかつた以外は同様にして、抄紙シート
を得た。 比較例 2 実施例1において、リフアイナーによる解繊を
カナダ標準濾水度660mlに代えて350mlまで行うと
共に、酵素処理後の叩解を省略した以外は同様に
して、抄紙シートを得た。 実施例 3 実施例1の抄紙に使用したパルプを更に白色度
を向上させるために、過酸化水素により漂白し
た。先ず、パルプに硅酸ナトリウム3.8重量%、
過酸化水素4重量%を添加し、水酸化ナトリウム
溶液でPH11に調整し、最終的にパルプ濃度が10重
量%となるようにした。これを70℃で3時間保持
し漂白した後、濾紙上で良く水洗した。 得られたパルプを用いて、実施例1と同様にし
て、抄紙シートを得た。 比較例 3 実施例3において、過酸化酸素漂白に使用した
パルプが、比較的1で抄紙に使用したパルプであ
る以外は同様にして、抄紙シートを得た。 実施例 4 針葉樹材(エドマツ、トドマツ混合)チツプを
グラインダーにより解繊して得られたSGWを、
更にリフアイナーによつてカナダ標準濾水度150
mlのまで解繊した。このSGWスラリーをパルプ
濃度3重量%とし、酢酸緩衝液でPH4.0に調整し
た後、ペクチナーゼG(天野製薬製)を1.0重量%
添加し、温度45℃で6時間保持した。次に、PFI
ミルを使用してカナダ標準濾水度80mlまで叩解
し、得られたパルプを用いて、実施例1と同様に
して抄紙した。 比較例 4 実施例4において、ペクチナーゼGによる酵素
処理を行わなかつた他は同様にして、抄紙シート
を得た。 以上の実施例及び比較例で得られた各抄紙シー
トについて、白色度と比散乱係数をハンター白色
度計で測定すると共に、JIS P8113に従つて引張
強度から裂断長を測定した。測定結果は、次の表
に示す通りである。
【表】 (発明の効果) 本発明は、木材を原料とする製紙用機械パルプ
をペクチン質分解活性を有する酵素によつて処理
し、その後叩解することで繊維表面に存在するリ
グニンを極めて効果的に脱離するものであるの
で、白色度を向上させたパルプの製造に有用であ
る。一方、本発明は、機械パルプ中に極めて少量
含まれているペクチン質を分解するものであるの
で、パルプ収率の低下は全くなく、経済性におい
ても優れている。更に、このようにして得られた
機械パルプを酸化漂白、還元漂白等漂白処理する
ことで、到達白色度の高い機械パルプを製造する
ことができる。また、本発明によつて製造された
機械パルプを使用すれば、白色性、不透明性に優
れ、強度においても良好な紙を製造することがで
きる。 本発明に係る機械パルプ及び紙の製造方法は、
既設の工場設備に酵素処理の設備を付設すること
で、容易に実用化することができるので、実施の
ための設備改造費も安価で済むという利点があ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 木材丸太又は木材チツプを磨砕又は解繊して
    カナダ標準濾水度50〜700mlの製紙用機械パルプ
    のスラリーを調製し、このスラリーにペクチン質
    分解活性を有する酵素を添加して酵素処理した
    後、更に叩解してカナダ標準濾水度を低下させる
    ことを特徴とする製紙用機械パルプの製造方法。 2 請求項1によつて得られた製紙用機械パルプ
    を、更に酸化漂白及び/又は還元漂白することを
    特徴とする製紙用機械パルプの製造方法。 3 請求項1または2によつて製造された製紙用
    機械パルプを、定法に従つて抄紙することを特徴
    とする紙の製造方法。
JP27011588A 1988-10-26 1988-10-26 製紙用機械パルプの製造方法及び紙の製造方法 Granted JPH02118191A (ja)

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JOURNAL OF WOOD CHEMISTRY AND TECHNOLOGY=1982 *

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