JPH0355806Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、特にデイーゼルエンジン用の分配型
燃料噴射ポンプの燃料送油圧調整装置に関するも
のである。

〔従来の技術〕

従来、分配型燃料噴射ポンプの全体構成は第６
図にその縦断面を示す通り、燃料送油圧調整装置
は前記第６図中符号１１で示すように噴射ポンプ
上部駆動側に組み込まれており、この従来の燃料
送油圧調整装置の構成は第２図にその縦断面図を
示す通りで、ボデー１の中空部の上部にプラグ２
が圧入されており、このプラグ２の下部にスプリ
ング４が配設され、その下部にピストン３が配設
されており、前記第６図図示のフイードポンプ１
２のポンプ室の燃料圧力（油圧）は、第８図の特
性図に示すように、ポンプ回転速度に比例して上
昇するようになつているが、ポンプ回転速度が上
がり、フイードポンプ１２の送油圧が上昇する
と、第７図図示のように、スプリング４を圧縮し
てピストン３を押し上げ、燃料をフイードポンプ
吐出側より吸入側へバイパスさせる。従つて、ポ
ンプ室の燃料圧力（油圧）は前記スプリング４の
初期荷重を変えて調整するようになつている。

ところで、前記第２図に示すような従来の燃料
送油圧調整装置の内圧特性は、スプリング４のバ
ネ定数によつてその傾きが決まつてしまう。従つ
て、燃料送油圧が規格に入らない場合にはバネ定
数の異なるスプリング４にとりかえる必要があ
る。

なお、第２図において、５はブツシユ、６，７
はＯリングである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上述のように、従来の燃料送油圧調整装置の内
圧特性は、スプリング４のバネ定数によつてその
傾きが決まつてしまうため、燃料送油圧が規格に
入らない場合にはバネ定数の異なるスプリング４
にとりかえる必要があるが、第２図図示の従来の
燃料送油圧調整装置では、スプリング４の上部に
プラグ２が圧入してあるためスプリング４のみを
とりかえることができず、燃料送油圧調整装置自
体をとりかえねばならないという問題点があつ
た。

〔問題点を解決するための手段〕

ピストンの下面に切り欠きを設け、シヤフトの
下部先端を前記ピストンの上面に設けた切り欠き
に係合させ、シヤフトを外部より回転させること
によりピストンを回転させてピストンの切り欠き
とボデーの連通孔との連通面積を可変とした。

〔作用〕

シヤフトを外部より回転させることによりピス
トンを回転させて、ピストンの切り欠きとボデー
の連通孔との連通面積を変えることにより燃料送
油圧調整装置の内圧特性の傾きを変えることがで
きる。

〔実施例〕

以下、本考案を図に示す実施例について説明す
る。

第１図は本考案になる分配型燃料噴射ポンプの
燃料送油圧調整装置の一実施例の縦断面図で、中
空部を有するプラグ２を上部中空部及び下部中空
部を有するボデー１の上部中空部に圧入し前記プ
ラグ２の中空部及びボデー１の下部中空部の一部
にシヤフト９を嵌合し、このシヤフト９の下部に
スプリング４を配設し、このスプリング４の下部
にピストン３を配設し、このピストン３の上面端
に切り欠き３ａを形成して前記シヤフト９の下部
先端と係合させ、このピストン３の下面端に切り
欠き３ｂを形成してピストン３の回転により前記
ピストン３の切り欠き３ｂとボデーに形成した連
通孔１３との連通面積を変えることが可能な構成
にしてある。

ピストンの回転は、前記シヤフト９の上端面を
回動させることにより行なわれる。なお、第１図
中５はブツシユ、６，７はＯリング、１０はナツ
トである。また、第４図ａ，ｂ，ｃは第１図図示
の本考案装置におけるピストン３の詳細図で第４
図ａは正面図、第４図ｂは上面図、第４図ｃは底
面図であり、第５図ａ，ｂ，ｃは第１図図示の本
考案装置におけるシヤフト９の詳細図で、第５図
ａは正面図、第５図ｂは底面図、第５図ｃは上面
図である。

また、第６図は本考案になる前記燃料送油圧調
整装置が適用される分配型燃料噴射ポンプの全体
構成を示す縦断面図で図中１１は燃料送油圧調整
装置を示し、１２はフイードポンプを示す。

上記構成になる本考案燃料送油圧調整装置の作
用について説明すると、シヤフト９を回転させて
ピストン３とボデー１の連通孔１３との連通面積
を変えることにより、内圧特性の傾きを制御する
ことができる。例えば、第３図ｂは、前記第１図
図示のＡ矢視による連通孔の状態を示す図である
が、アのようにピストン３とボデー１との連通面
積を小さくした場合、内圧特性の傾きを、第３図
ａの特性図中θ₁のように、大きくすることができ
る。また、反対に、第３図ｂのイのように連通面
積を大きくした場合、内圧特性の傾きを、第３図
ａ図示のθ₂のように、小さくすることができる。

なお、第９図及び第１０図はピストン３の切り
欠き３ｂの他の実施例を示し、ａは平面図、ｂは
底面図を示す、第９図はピストン３の切り欠き３
ｂを長方形にしたもので、第１０図は円弧形状に
したものである。

〔考案の効果〕

本考案になる分配型燃料噴射ポンプの燃料送油
圧調整装置においては、外部よりシヤフト９を介
してピストン３を回転させて、ピストン３の下面
に設けた切り欠き３ｂとボデーの連通孔１３との
連通面積を変えることにより、ポンプ内圧の高圧
側と低圧側の連通面積を変え、内圧特性の傾きを
変えることができるから、燃料送油圧調整装置を
とりかえなくても外部からの調整により内圧特性
の傾きを制御することができるという優れた効果
が大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案になる分配型燃料噴射ポンプの
燃料送油圧調整装置の一実施例の構成を示す縦断
面図、第２図は従来の分配型燃料噴射ポンプの燃
料送油圧調整装置の縦断面図、第３図のａ，ｂは
本考案になる燃料送油圧調整装置の作用を説明す
る図で、第３図ａは内圧特性図、第３図ｂはボデ
ーの連通孔の状態を示す図、第４図は第１図図示
の本考案装置におけるピストンの詳細図、第５図
は第１図図示の本考案装置におけるシヤフトの詳
細図、第６図は本考案になる燃料送油圧調整装置
が適用される分配型燃料噴射ポンプの全体構成を
示す縦断面図、第７図は従来の燃料送油圧調整装
置を説明するための模式図、第８図は従来の燃料
送油圧調整装置の内圧特性図、第９図、第１０図
は本考案になる燃料送油圧調整装置におけるピス
トンの切り欠き３ｂの他の実施例の構成図であ
る。 １……ボデー、２……プラグ、３……ピスト
ン、４……スプリング、９……シヤフト、３ａ，
３ｂ……切り欠き、１１……燃料送油圧調整装
置、１２……フイードポンプ、１３……連通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ピストン３の下面に切り欠き３ｂを設け、シヤ
   フト９の下部先端を前記ピストン３の上面に設け
   た切り欠き３ａに係合させ、前記シヤフト９の外
   部より回転させることによりピストン３を回転さ
   せて、前記ピストン３の切り欠き３ｂとボデー１
   の連通孔１３との連通面積を可変にしたことを特
   徴とする分配型燃料噴射ポンプの燃料送油圧調整
   装置。