JPH0351425Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「考案の目的」 （産業上の利用分野） 本考案は、簡易水洗便器のフラツパ装置に関す
るものである。

（従来の技術） 簡易水洗便器は、公共的な下水設備が未整備の
状態にある地域等に設置されるものであつて、便
鉢内の汚物等を、少量の洗浄水によつて地下埋設
の便槽へ排出するように構成されている。第３図
は、簡易水洗便器における便鉢１の排出口１ａ近
傍を示す側断面図である。該排出口１ａには、便
鉢１の下部側に、開閉軸４ａを中心として揺動可
能になされた便皿２が取り付けられている。該便
皿２には、前記開閉軸４ａを介した反対側に、横
倒した「く」の字状に曲折する支持杆４が延設さ
れており、該支持杆４の突端部に錘３が設けられ
ている。また、前記便皿２は、第４図に示す如き
フラツパ装置によつて強制的に開動させられるよ
うになつている。該フラツパ装置は、ロータンク
（図示省略）等に設けられた洗浄操作機構に付設
されたものであつて、その構成は、前記洗浄操作
機構における洗浄ハンドル８の回動力を直線動力
に変換する歯車機構９と、該直線動力を錘３の押
上力として活用すべく支持杆４へ伝える駆動伝達
器５とから成る。尚、前記洗浄操作機構は、ロー
タンク内に設けられたフロート弁７を、洗浄ハン
ドル８の回動力によつて引き上げて、便鉢１内へ
洗浄水を供給する如く構成されている。前記第３
図に示すように、駆動伝達器５は、フレキシブル
なチユーブ５ａ内にワイヤーケーブル５ｂが摺動
自在に挿通されて成り、チユーブ５ａの出力側端
部５ｄが、前記便皿２を包囲する通弁筒６の外面
に螺着固定されている。また第４図に示す如く、
支持杆４は、その中途部分が平らに漬されて接続
孔４ｂが穿設されており、該接続孔４ｂ内に、前
記駆動伝達器５のワイヤーケーブル端部に取着さ
れたリング状接続具５ｃが挿通されている。

従つて、洗浄ハンドル８を回動操作すると、駆
動伝達器５の出力端部５ｄから接続具５ｃが伸び
出て支持杆４を押圧し、錘３を押し上げるように
なる。このため、便皿２が開動（第３図に、その
先端部分だけを二点鎖線で示す）して便鉢１内の
汚物等を排出させる。また、前記洗浄ハンドル８
の回動操作と同時に、ロータンクから便鉢１内へ
洗浄水が供給されるため、前記便皿２の開動と共
に便鉢１の洗浄が行われるようになる。このよう
な簡易水洗便器は、洗浄ハンドル８を操作しない
限りは便皿２が開動しないため、便鉢１内に僅か
な溜水をつくることを可能にして、該便鉢１の内
面に汚物が付着するのを防止できる。

（考案が解決しようとする問題点） フラツパ装置の駆動伝達器５は、洗浄ハンドル
８の操作により、ワイヤーケーブル５ｂが真つ直
ぐ伸び出ようとする。しかし、支持杆４は、開閉
軸４ａを中心に回動しようとするので、白抜き矢
符で示す如く、ワイヤーケーブル５ｂが小さい曲
率半径で折曲することとなる。従つて、ワイヤー
ケーブル５ｂは、その出力側端部５ｄでチユーブ
５ａと強く接触しつつ摺動するようになり、前記
洗浄ハンドル８の操作が重くなるという欠点を有
していた。また、前記ワイヤーケーブル５ｂに
は、繰り返しの曲成力が作用することとなるか
ら、その寿命も短くなる。

本考案は、上記の如き事情に鑑みてなされたも
のであつて、洗浄操作機構の操作を重くするおそ
れのない、簡易水洗便器の新規なフラツパ装置
（以下、本案装置という）を提供することを目的
とする。

「考案の構成」 （問題点を解決するための手段） 本案装置の要旨とするところは、簡易水洗便器
の排出口に開閉可能に取り付けられた便皿をワイ
ヤーケーブル等からなる駆動伝達器により洗浄操
作機構と連動させて強制開閉動させるフラツパ装
置において、前記駆動伝達器の駆動伝導端にリン
グ状接続具が設けられ、前記便皿の開閉軸に連設
され突端部に錘が取着された支持杆の縦杆部が前
記リング状接続具のリング孔内へ摺動可能に挿通
されていることである。

（作用） 洗浄操作機構（洗浄ハンドル）の操作に伴い、
駆動伝達器の接続具は、錘用支持杆の縦杆部を押
し出す如く伸び出る。これによつて支持杆は、便
皿の開閉軸を中心として上方へ回動するが、前記
支持杆の縦杆部は、前記駆動伝達器が曲成されな
い状態を維持するように接続具のリング孔内を摺
動することとなるから、該駆動伝達器は、ワイヤ
ーケーブルがチユーブに強く接触することなく、
真つ直ぐ伸び出るようになる。

（実施例） 以下本考案を、その実施例を示す図面に基づい
て説明すると次の通りである。

第１図は本案装置の要部を示す側断面図であ
る。本案装置の最も特徴とするところは、駆動伝
達器１０の接続具１１と、錘３用の支持杆１２と
の接続構造にある。

錘３用の支持杆１２は、縦杆部１２ａと横杆部
１２ｂとが、略々Ｌ字状に曲折されて成る。

第２図に示すように、駆動伝達器１０の接続具
１１は、前記支持杆１２における縦杆部１２ａの
直径に対して、その全部を遊嵌する如きリング状
に形成されている。

このようにしてなる本案装置では、駆動伝達器
１０における接続具１１の伸出によつて、開閉軸
４ａを中心として支持杆１２の縦杆部１２ａを回
動させても、該縦杆部１２ａが接続具１１のリン
グ孔１１ａ内を摺動するようになるから、当該接
続具１１の伸び出し方向は、真つ直ぐなままとな
る。従つて、駆動伝達器１０は、無理な力を受け
て曲成されるようなことがないため、当然の如
く、ワイヤーケーブルがチユーブに強く接触する
こともない。

（別態様の検討） 接続具の断面形状は、円形としておくことが好
ましい。また接続具のリング形状は、支持杆の押
出方向に沿つた長丸状のものとしておくとよい。
このようにすることで、支持杆との摺動抵抗が減
少し、該接続具の移動が円滑化される。このよう
に、本案装置の構成及び形状は、実施の態様に応
じて適宜変更可能である。

「考案の効果」 以上の説明で明らかなように、本考案に係る簡
易水洗便器のフラツパ装置によれば、駆動伝達器
で支持杆を押し上げることにより、便皿を強制的
に開動させ、逆に支持杆を引つ張ることにより便
皿を強制的に閉止させる。つまり、便皿の開閉動
を強制的に行うので、動作が確実になされる。駆
動伝達器は、非操作時にあつては、便皿の開動を
阻止する機能を有する。従つて、便鉢内に洗浄水
を貯溜させて汚物の付着を防止することができ
る。また、用便中に便皿が開くおそれがないの
で、便槽から悪臭を逆流させることがなくなる。
さらに、駆動伝達器の駆動伝導端に設けたリング
状接続具のリング孔内を、支持杆の縦杆部が摺動
するように構成したので、便皿を開閉するために
支持杆を回動させるに際し、駆動伝達器は直線方
向を往復動すればよい。駆動伝達器は、便皿開放
の往動時には圧縮応力が作用し、便皿閉止の復動
時には引張応力が作用する。従つて、往復動の方
向が湾曲する従来に比べると、直線方向を往復動
させる本願考案は駆動伝達器の負担が著しく軽減
されるので、駆動伝達器の長寿命化がもたらされ
る。しかも、駆動伝達器を往復動させるために必
要な操作力が少なくて済むので、洗浄操作機構の
操作が極めて円滑になる。尚、従来のフラツパ装
置と異なり、錘用支持杆に、駆動伝達器を接続す
るための加工を加える必要がないため、製造コス
ト的にも低廉する等、幾多の優れた利点を有して
いる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案装置の要部を示す側断面図、第２
図は駆動伝達器の接続具を示す斜視図、第３図は
従来における簡易水洗便器の排出口近傍を示す側
断面図、第４図は従来のフラツパ装置を概略して
示す斜視図である。 １……便鉢、１ａ……排出口、２……便皿、３
……錘、８……操作ハンドル、１０……駆動伝達
器、１１……接続具、１２……支持杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 簡易水洗便器の排出口に開閉可能に取り付けら
   れた便皿をワイヤーケーブル等からなる駆動伝達
   器により洗浄操作機構と連動させて強制開閉動さ
   せるフラツパ装置において、前記駆動伝達器の駆
   動伝導端にリング状接続具が設けられ、前記便皿
   の開閉軸に連設され突端部に錘が取着された支持
   杆の縦杆部が前記リング状接続具のリング孔内へ
   摺動可能に挿通されていることを特徴とする簡易
   水洗便器のフラツパ装置。