JPH03503117A - 免疫グロブリン結合性物質そのサブフラグメント、それらの製造方法、試薬キットおよび免疫グロブリン結合性物質 - Google Patents

免疫グロブリン結合性物質そのサブフラグメント、それらの製造方法、試薬キットおよび免疫グロブリン結合性物質

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 免疫グロブリン結合性物質そのサブフラグメント、それらの製造方法、試薬キッ トおよび免疫グロブリン結合性物質 この発明は、免疫グロブリン(Ig)結合性の、特にIgM結合性のクロストリ ジウム・バーフリンジエンス(Clostridium perfringen s)菌株、免疫グロブリン結合性タンパク質、そのサブフラグメント、および免 疫グロブリン結合性物質の製造方法に関する。
いくつかの細菌は免疫グロブリン結合性を示す。したがって、スタフィロコッカ ス・アウレウス(5taphylococcusaureus)由来のプロティ ンAの、Fc領域を通じてIgGと結合する性質は、免疫グロブリンの研究に価 値のある手段になった(米国特許3,850,798号)。ブドウ球菌由来の上 記の公知タンパク質に加えて、非免疫式にIgGと結合する受容体もブドウ球菌 中に見出されている。このようなブドウ球菌の受容体は、精製され、強力な免疫 手段であることがわかっている。IgG以外のクラスのIgと優先的に結合する 細菌受容体も、免疫学の研究には価値のあるものである。
IgAとIgMに対する受容体は、特に種々の用途が見出されるであろう。Ig Aと結合する細菌タンパク質が単離されているが、IgM受容体はまだ報告され ていない。プロティンAは、IgMとある種の反応性をもっているが、少数のI gM分子が結合するだけで、かつプロティンAはIgGと優先的に結合するので 、上記の反応は用途が著しく制限、され七いる。
ここにおいて多数の細菌菌株を、IgMと結合する性質についてスクリーニング した。その結果、嫌気性細菌であるクロストリジウム・バーフリンジエンスに属 するい(つかの菌株が、大きな割合のポリクロナールIgMと結合しつるが、ポ リクローナルIgGとはその小割合でしか結合できないことを示している。この 結合性は、Ig分子のF(ab’)z部分を通じて行われるようであるが、細菌 に結合する新しい種類のIgを示している。免疫グロブリン結合性物質を単離し た。
したがって、この発明は、免疫グロブリンのF(ab’)z部分、特にIgMの F(ab’)zに結合する、5OS−PAGE上で(ドデシル硫酸ナトリウム− ポリアクリルアミドゲル)の見掛けの分子量が約160kDのタンパク質に関す る。またこの発明は、免疫グロブリンに結合する上記タンパク質のサブフラグメ ントに関する。
この発明によれば、免疫グロブリンと結合する、クロストリジウム・バーフリン ジェンスの菌株は、分析および分離に用いる免疫グロブリン結合性物質および特 にIgM結合性物質として用いることができる。また上記の微生物は、免疫グロ ブリンによる沈澱反応用の緩衝悲濁液に用いることができる。
免疫グロブリン結合性のクロストリジウム・バーフリンジエンスの菌株は、Ig MのF(ab’)z領域に結合するので、予想通り、強いリンパ球マイトジンと して作用する。またこの発明は該菌株のリンパ球マイトジェンとしての用途に関 する。
この発明は、特に、クロストリジウム・バーフリンジエンスに属する新しい菌株 L1540とL9593に関し、そのL1540は、Deutsche Sam mlung von Mikroorgonismen (DSM)に寄託番号 DSM4331のもとに寄託されている。
増殖条件 菌株L1540(およびクロストリジウム・バーフリンジェンスに属する他の菌 株)は、標準の細菌学的方法を用いて嫌気性条件下、GLCブイヨン(Lab  M Ltd社、英国、サルホード)中で増殖させることができる。GLCブイヨ ン中37℃で24時間増殖させた後、細菌を、5.000〜10.000gで3 0分間遠心分離にかけることによって集菌し、リン酸緩衝塩類溶液“PBSA”  (120mM NaC1,30mMリン酸塩、0.02%アジ化ナトリウム、 pH7,4)に10%(V/V)の濃度で再懸濁させる。
その細菌濃度は、小型遠心分離器(Microfuge Model 152゜ Beckman Instruments Inc、 、米国、カリフォルニア 州、フユーラートン)のキャピラリー管中、 10,000 X  gで5分間 、遠心分離することによって測定した。細菌は、80℃で5分間熱処理すること によって安定化し、PBSA中で一度洗浄し、10%の濃度でPBSA中に再懸 濁させた。得られた細菌製剤はスー結−合活性を失うことなく数ケ月間、4℃で 貯蔵できる。
シー・バーフリンジエンスの菌株L1540は、シー・バーフリンジェンスの多 数の菌株の中から見出されたもので、これらの菌株は、スエーデン、ルンドのU niversity Ho5pital、 Laboratory of C1 1nical Microbiologyにおける常用の臨床試料から単離され た。この菌株は、標準の細菌学的方法によってシー・バーフリンジエンスとして 確認された(Holdeman L、V、、 Cato、 E、P、、およびM oore、 W、E、C,、1977年、 Anaerobe Loborat ory Mannual、 Virginia Po1ytechn−ic I n5titita、−米国、バージニア州、ブラックスバーグ参照)。シー・バ ーフリンジェンスのすべての菌株は、嫌気性、グラフ陽性および胞子形成性の桿 菌である。
キャラクタリゼーションデータ L1540菌株を、グルコースを含有するペプトン酵母エキス(PYG)または GLCブイヨン中で培養した場合、その培地をガスクロマトグラフィーで分析す ると、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸およびコハク酸が生成していることを示 す。この菌株は、フルクトース、グルコース、グリセリン、イノシトール、ラク トース、マルトース、マンノース、メリビオース、ラフィノース、デンプン、ス クロース、およびトレハロースを利用する。ミルク中でのカードの生成、肉の消 化、および溶血の二重領域の生成がある。広端部に狭窄を有する胞子があり、レ シチナーゼ反応は陽性である。この−菌株−4tNH3とH,Sを産生ずる。
受容体構造体の熱およびタンパク質分解酵素に対する感受性 L1540の懸濁液を80℃で10分間加熱しても、そのIgMとの結合性に影 響を与えなかった。またこの製剤は、4℃で6ケ月間保管後でIgMとの結合性 を保持していた。TgMの結合性は、ペプシンもしくはトリプシンによる消化に よって影響はなかったが、パパインによる消化(400gg/nu、pH8,0 ,37℃で1時間)で1/10で低下した。
またこの発明は、免疫グロブリン結合性物質の特にIgM結合性物質の製造方法 に関し、クロストリジウム・バーフリンジェンスに属する免疫グロブリン結合性 菌株を培地で培養し、培地を微生物から分離し、次いで、該物質を分離した培地 から回収するか、または分離した微生物を緩衝液に懸濁させて緩衝液から該物質 を回収することによって、該物質を、分離した微生物から回収することを特徴と する方法である。
クロストリジウム・バーフリンジェンスの適切な菌株として選択しつる菌株は、 実施例2に記載しである。L1540とL9593の菌株を使用するのが好まし い。培地としてはGLCが好ましく、菌株は37℃で24時間増殖させるのが好 ましい。微生物は例えば約5.000〜10.000gで約30分間遠心分離す ることによって培地から分離することができ、前記物質は、アフィニティークロ マトグラフィー、好ましくはIgM−セファロース(登録商標、Pharmac ia社、スエーデン)で、培地から回収される。また前記物質は、微生物を培地 から分離した後緩衝液に微生物を懸濁させることによって製造することができる 。好ましくは、遠心分離で得たベレットを、0.5M トリス緩衝液(pH9, 0)に懸濁させ、37℃で約5時間放置した後、前記物質を、上記のように微生 物から緩衝液を分離し特にアフィニティークロマトグラフィーで前記物質を緩衝 液から精製することによって回収する。
下記の実施例で得たデータは、Igの新しいタイプの非免疫結合性が、嫌気性細 菌のシー・バーフリンジェンスに属するある種の菌株に見出されることを示して いる。試験した菌株の1つであるL1540菌株は、特に高い結合性を有するの で特に重要である。この菌株のポリクローナルIgとの結合性は、Igの異なる クラスによって変動し、最高の結合性はIgMで得られる。ポリクローナル1g 製剤のL1540との結合性は、Igのサブユニットの数と実際に相関関係があ る。すなわち、結合可能な割合は、二量体のIgMから二量体の分泌型IgAを 通じて単量体のIgGと血清IgAになるにつれて減少する。この相関関係に対 する最も簡単な解釈は、全1gサブユニットは、細菌受容体に対して低い親和性 で結合しつる構造体を含有し、rg分子の結合活性は、サブユニットの数が増大 するにつれて増大するということのようである。凝集したIgGがL1540菌 株と結合し、結合割合が凝集物の大きさが増大するにつれて増大するという知見 は、上記の解釈と一致するが、その解釈を証明してない。1g中の結合性構造体 は、明らかにF(ab’)x領域に位置しているが、Igの細菌受容体に対する 結合性は、真の抗原抗体反応とは到底考えられない。なぜならば、ポリクローナ ルIgMの少なくとも60%といくつかの異なる骨髄腫タンパク質が細菌と結合 するからである。この結合性構造体のF(ab’)z領域内の位置は分かってい ないが、単離されたH鎖もしくはL鎖は結合を阻害しないという知見は、結合性 構造体が ′H鎖とL鎖の結合によって発生することを示している。
結合性構造体の生体内で起こりつる効果については、IgMのF(ab’)を領 域に対する細菌の結合性によって、細菌がBリンパ球の表面に結合できるかもし れないということに留意すべきf4る。この予測どおりに、予備実験の結果、L 1540の菌株が強いリンパ球のマイトジェンであることを示している。
上記の新しい菌株の結合特性と、免疫グロブリン結合性物質の精製について、添 付図面を参照して以下の実施例で説明する。
図面の説明 第1図 20種類の種の204の細菌菌株の、ヒトIgM(K)骨髄種タンパク 質と結合する性質。0内の数字は、各種について試験した菌株の数を示す。
第2図 各種の細菌濃度の、シー・バーフリンジェンス菌株L1540とL95 93およびニス・アウレウス、カラアンIに対するポリクローナル1g製剤の結 合性。
第3図 ポリクローナルIgMのシー・パーフリンジェンスL1540−に対す る一結合性の、各種Ig調製剤よる阻害。試験の感度を上げるために、これらの 実験では、材料と方法の項で述べるように、細胞濃度を10’/ mβに低下さ せた。
第4図 各種分子量のIgG凝集体の、各種細菌濃度におけるシー・パーフリン ジエンスL1540との結合性。
第5図 凝集したIgGのシー・バーフリンジエンスL1540との結合性に対 する、各種Ig調製剤よる阻害。この実験に用いたIgG凝集体は、分子量が約 1.3 XIO’であった。
試験の感度を上げるために、材料と方法の項で述べるように、細菌濃度を10’ / mAまで下げた。
第6図 L1540菌株から精製した免疫グロブリン受容体のウェスタンプロッ ト分析。精製受容体を5OS−PAGE (ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアク リルアミドゲル)電気泳動法に付し、得られたタンパク質をI+nmobilo n膜上に電気プロットを行い、この膜を放射能で標識をつけたIgMでプローブ し、オートラジオグラフィに付した。そのオートラジオグラフを示す。
実施例I L1540菌株を、4枚の血液寒天プレート上に画線し、37℃で24時間嫌気 的に培養した。各プレートから、重接種物を綿棒で集め、250nlの滅菌GL Cブイヨンが入っている50OIIIβビンに接種するのに使用した。培養物は 、前記のように37℃で24時間嫌気的に培養し、次に細菌を遠心分離で集め、 PBSA中に再度懸濁させ、熱で不活性化した。これらの細菌をJ−免疫グロー ブリン結合性を試験するのに用いた。
以下の実施例2〜5では、下記の材料と方法を用いた。
材料と方法 細菌菌株、培地および増殖条件 特にことわからない限り、結合性試験に用いた細菌菌株(第1図)は、ヒト起源 の常用臨床試験から単離され、標準法で分類した。ニス・アウレウスカラアンI  CNCIC8530)は、対照のプロティンA菌株として用いられ、ニス・エ ビデルミゾイス(L603)の菌株は、非結合性の対照菌株と−して用いター、 −結1合性を試験するために、細菌を下記の培地で増殖させた。ビー・カタハリ ス(B、 catarrhalis)、ニス・アウレウス(S、 aureus )、ニス・エビデルミゾイス(S。
epidermidis)、レンサ球菌、ジフテロイド桿菌、エム・フォーチュ イタム(M、 fortuitum)  : トッド−ヒユーイツトブイヨン; エイチ・インフルエン七(H,Influenzae) :ヘミン、NADおよ びL−ヒスチジン(各々lOμg/ml2)を補充したブレーンハートインフュ ージョンブイヨン;イー・コリ(E、GoLL)、ケイ・ニューモニエ(K、  pneumoniae)、ビー・ミラビリス(P、 m1rabilis)、ビ ー・エルジノーサ(P、 aeruginosa) : トリプトンブイヨン; 嫌気性細菌: GLCブイヨン(Lab M Ltd、  ソルファード、英国 )。37℃で一夜培養した後、細菌を集めて、PBSAT(0,12M Nac l、0.03Mリン酸塩、0.02%NaNi、0.05%ツイーン20、pi (7,2)で2回洗浄し、PBSATに再懸濁させて微生物数を109微生物/ mβにした。
免疫グロブリン製剤 使用した製剤はすべて、ヒト起源のものでとくにことわりのないかぎりポリクロ ーナルであった。IgGはAB Kabi社(ストックホルム、スエーデン)か ら購入したが、これは1%未満のIgMを含有し、このことは、特異的な抗血清 を用いるロケット電気泳動法で測定した。IgMは、CaIb1゜chem A G(ルツエルン、スイス)から購入したが、特にことわりがないかぎり、この1 gM製剤は、本願で報告した、IgMを用いる実験に用いた。IgMの第2の製 剤は、A、 Grubb博士のご吐息で頂いたものである。この製剤は、Ult rogelAcA22(LKB−produkter AB社、ブロマ、スエー デン)を用いてゲル濾過法を繰り返し行って精製した。両者の1gM製剤は、1 %未満のIgGを含有していることがロケット電気泳動法で分かった。
IgGのFc断片、L鎖(Kプラスλ)およびγH鎖は、Calbiochem  AG社(ルツェルン、スイス)から購入した。IgGのF(ab’)z断片、 血清IgAおよび分泌性IgAは、CappelLaboratories社( 米国ペンシルヴエニア州)から購入した。
結合性試験(第1図)と阻害性試験(第3図)に用いた骨髄腫IgMの製剤は、 マクログロブリン血症の患者の血清から単離した。用いた血清は、高濃度のモノ クローナル骨髄腫成分を含有していたのが、バックグランドIgGの濃度は低下 していた。骨髄腫IgMは、0.6%アガロース中でゾーン空気−泳一動法(− Johansson、 B、、G、、  ”Agarose gel elec trophoresis ” 、 5cand、 J、 C11n、 Lab、   Invest、、 29巻、(5upp1.124)、7頁、1972年: この文献は本願に援用する)と次いでゲル濾過法で精製した。
放射能標識 特にことわらないかぎり、タンパク質類は、改変ラクトペルオキシダーゼ法(M yhre、 E、 B、およびP、 Kuusela、’Binding of  human fibronectin to group A、 C:、 a nd G 5treptococci” 、  Infect、  Immun 、40巻、29頁、  1983年:この文献は本願に援用する)を用いて、無 担体+zsIで標識をつけた。遊離の未反応の同位元素を、PBSATに対して エクステンシーブ透析で除去した。標識をつけたタンパク質をさらにゲル濾過法 で精製し、適正な分子量に対応する両分を集め、結合性の実験に使用した。標識 をつけた製剤(比活性:約4mC1/mgタンパク質)を4℃で保管し1ケ月以 内に使用した。
結合性の検定 検定はすべて、室温で、プラスチック管を用いて行った、25uAのPBSAT 中に2〜5ng(約10’cpm)の放射能標識をつけたタンパク質を含有する 二重試料を、 200μaPBSAT中に懸濁させた2 X 10”の細菌と混 合した。60分間培養した後、各管に2mgのPBSATを添加し、細菌を遠心 分離した(2000Xg、15分間)。上澄み液を排棄し、ベレットの放射能を ガンーマガウンターで測定した。結合した量は、付加した放射能の百分率で示す 。
非結合細胞で記録された非特異的捕捉量(5%未満)を推定した。
いくつかの実験では、各種の細菌菌株の結合性を、培養混合物中の試験細菌の数 を変えて試験した(第2図と第4図)。これらの実験において、試験細菌を、非 結合性細菌の懸濁液(濃度10”/ mg )で希釈し、混合物中の細菌の合計 数を一定に保持した。使用した非結合性菌株は、すべてニス・エビデルミゾイス し603である。
放射能標識をつけたIgG凝集体の製造1、0mgのIgG(0,05Mのリン 酸緩衝液pH7,5の150μffに溶解)に、クロラミン−T法(Green wood、 F、C,、W、 M、 HunterおよびJ、 S、 Glov er、  ”The preparation of”’l−1abelled  human growth hormone of high 5pecif ic radioactivity ” 、 Biochem、 J、、89巻 、114頁、 1963年この文献は本願に援用する)で、1.0mC1の12 8工を用いて放射能標識をつけた。0.15Mリン酸緩衝液pH7,5に対して エクステンシーブ透析を行った後、Avrameas法(Avrameas、  S、 ” Coupling of enzymes to proteins  with glutaraldehyde、 IJseof conjuga tes for the detection of antigens、 a nd antibodies”、  Immunochemistry、  6 巻、43頁、  1969年)で凝集させた。すなわち、製剤(容積320u  I2)を、0.1%グルタルジアルデヒドの30μ2と混合し、室温で20時間 培養した。(L−LM”L−リシン含有PBSAT300 uβを添加して反応 を終結させた。凝集中沈澱は精製しなかった。凝集体を大きさによって分画する ために、セファロース4B (Pharmacia社、アップサラ、スエーデン )の校正をされたカラムに入れた。このカラムを、0.1ML−リシン含有PB SATで溶離し、画分を放射能について検定した。凝集したIgGは、空隙容量 (Vo)から単量体IgGの位置までにわたる広幅のピーク中に存在していた。
各種分子量に対応する画分を結合性検定に用いた。
実施例2 IgMのクロストリジウム・バーフリンジェンスに対する結合性 最初の実験で、好気性細菌と嫌気性細菌の20種類の種の204の細菌菌株を、 Igl、l骨髄腫タンパク質と結合する性能について試験した。第1図に示すよ うに、結合性は、スタヒロコツカス・アウスレスとフロストリラジウム・パーフ リンジェンスに対してのみ観察された。ニス・アウレウスに属する菌株はすべて 高い結合性を示したが、シー・バーフリンジェンスに属する各種菌株に対する結 合性は、高度に結合するものから全く結合しないものまで変化があった。第2の IgM骨髄腫タンパク質との結合性試験では、ニス・アウレウスに属する菌株に ついては結合性が観察されなかったことを除いて非常に類似した結果が得られた (データは記載していない)。第1の骨髄腫タンパク質のニス・アウレウスと− の結合性は、恐ら(プロティンAが原因と思われる。このプロティンAは少数の IgM骨髄腫タンパク質と結合することが知られている。
実施例3 IgM、 IgGおよびIgAとの結合性についての、シー・バーフリンジエン スの各種菌株の比較 シー・パーフリンジェンスの各種菌株を、IgM、 IgGおよびIgAとの結 合性についてより詳細に比較した。骨髄腫タンパク質の異常な性質によって起こ ることがある思わぬ困難を避けるために、これらの実験と、これに続くすべての 実験は、特にことわりがない限り、ポリクローナルIg製剤で行った。細菌数を 減少させながら一定量のIgMもしくはIgGとの結合性を試験する実験で、シ ー、パーフリンジエンスの菌株を比較した。2種の菌株の試験結果を第2A図と 第2B図に示し、ニス・アウレウス力ウアンエ、すなわち標準のプロティンA菌 株についての同様の実験についての比較データを第2C図に示す。IgMの結合 性については、シー・パーフリンジェンスの両方の菌株はともに、最高の細菌濃 度で、大きな割合のポリクローナルIgMと結合するが、細菌の数が減少すると 菌株L9593の結合性は強く低下し、一方菌株L1540の結合性はほとんど 変化していないことは明らかである。この差は結合速度の差によるものではない 。その理由は、さらに培養を行っても結合したIgの割合は増加しなかったから である(データは記載せず)。この種の実験によって、L1540菌株が本願で 試験したシー・パーフリンジェンスの他のどの菌株よりも多量のIgMと結合す ることが分かった。ポリクローナルIgMの2種類の製剤によって事実上同一の 結果が得られた。
また両方のシー・バーフリンジェンス菌株は、ポリクローナルIgGとも結合で きるが、結合割合は、IgMよりはるかに小さい(第2A図と第2B図)。予想 したように、逆の結果がニス・アウレウス・カラアンIに起こっている(第2c 図)。この試験で用いたシー・バーフリンジェンスの他のすべての菌株について もIgGとの結合性を試験したが、いずれの場合も、結合したIgGの割合はL 1540菌株より高かった。全菌株にわたって、IgGとの結合性はIgMとの 結合性と実際に相関性があったが、これは、両クラスの免疫グロブリンが、各菌 株の同じ細菌表面構造体に結合することを示唆している(データ記載せず)。
上記2種のシー・バーフリンジエンス菌株、L1540とL9593を、より詳 細な特性決定を行うために選択して用いた。L1540菌株で得た結果だけを以 下に述べるが、L9593菌株によって、すべての場合に定性的に同様な結果が 得られた。TgMと結合しないシー・パーフリンジエンスのひとつの菌株を常に 対照として用いたが、この菌株はどの場合も結合性は認められなかった。
IgAの結合性。
第2D図に示すように、L1540菌株はポリクローナルIgAと結合すること ができる。第2A図と比較すると、血清IgA(単量体)の結合性は。IgGと 類似しているが、分泌性IgA(二量体)の結合性は、IgGとIgMの中間で あることが分かる(このパターンは、IgA、 IgGおよびIgMの結合性を 同じ実験で試験した場合、繰り返し認められた)。ポリクローナルIgのL15 40菌株との結合性は、Ig中のサブユニットの数に明らかに相関性がある。す なわち、結合可能な割合が、二量体のIgMから、二量体の分泌性IgAを通じ て、単量体のIgGと血清IgAにむかって低下する。
実施例4 阻害性の試験 上記データの最も単純な解釈は、シー・バーフリンジェンスL1540の単一の レセプターが、各種のクラスのIg分子と結合できるということである。この問 題は、標識を付けたポリクローナルIgMのL1540菌株との結合を阻害する 性能について、各種の免疫グロブリンを試験する阻害性実験でさらに分析した。
結合の阻害性は、50μβの標識をつけたタンパク質と50μβの阻害剤(公知 のタンパク質濃度)とを混合して試験した。両製剤ともにPBSATで希釈した 。次に細菌(200μβ)を添加し、続いて、検定を上記のようにして実施した 。
阻害性試験の感度を上げるために、結合細菌の濃度を上記の結合性検定に比べて 1/100に下げた。しかし試験混合物中の合計細菌数は、非結合性のL603 細菌の懸濁液中の結合細菌を希釈することによって変化しないように保持した。
第3A図に示すように、IgMの結合性は、ポリクローナルIgMとポリクロー ナルIgGの両者ならびにIgM骨髄腫タンバク質によって完全に阻害すること ができた。ポリクローナルIgGの結合性を、同じ3種のIgで阻害させた場合 同様の結果が得られた。さらに、ポリクローナルIgAと、IgGもしくはIg MのL1540菌株との結合性を阻害することができた(データは記載せず)。
これらの結果は、IgG、 IgMおよびIgAが1つの同じ受容体構造体に結 合するということを明確に示している。
実施例5 免疫グロブリンの断片の結合性免疫グロブリンのシー・バーフリンジ ェンスL1540との結合性をさらに特徴づけるために、この菌株のF(ab’ )z断片およびFc断片との結合性を試験した(第2E図)。この試験にはIg G由来の断片を用いた。第2A図と比べてみると、F(ab’)z断片のL15 40との結合性は全IgGのそれと類似しているが、Fc断片は結合しないこと が分かる。それ故に、結合性は、IgGのF(ab’)z領域で起こっているよ うである。この結論は阻害性の実験によって裏付けられている。すなわち、Ig Gの結合性は、F(ab’)2断片によって有効に阻害されたが、Fc断片では 阻害されなかった(データ記載せず)。同じ2つのIgG断片も、IgMの結合 を阻害する性質について試験した(第3B図)。F(ab’)z断片だけが有効 な阻害剤であったが、このことは、結合の方式がIgMとIgGについて類似し ているという前記結論と一致している。
分離したH 11とL鎖も、L1540菌株との結合性および阻害性の両方の実 験で試験した。ポリクローナルγ鎖もしくはポリクローナルL鎖(にプラスλ) にうちては結合性はみとめられず、またこれらのタンパク質のいずれも、全Ig Gもしくは全IgMの結合を阻害できなかった(データは記載せず)。このこと は、分子のF(ab’)z部分内の結合性構造体は、H鎖とL SI4が結合し ている時にのみ存在するということを示唆している。
実施例6 免疫グロブリン結合性物質の精製この方法は、受容体構造体が、pH が高いときに細菌から放出されるということに基づいている。各々250mρづ つのGLCブイヨンを入れた8個の500mρビンにL1540菌株を接種し、 嫌気性条件下、37℃で24時間培養した。細菌を遠心分離で集菌し、PBSで 2回洗浄し、80℃で5分間、熱不活性化処理を行い、もう一度PBSで洗浄し 、0.5Mトリス緩衝液(pH9,0)に10%(V/V)濃度で再懸濁させた 。得られた懸濁液(40mI2)を、37℃で5時間培養した。次に細菌を遠心 分離で除き、上澄み液を、IgM−セファロース(5mI2; 1mgIgM/  rnρ)を用いるアフィニティークロマトグラフィーに付した。このセファロ ースを1000mβのPBSで洗浄し、次に3M KSCNで溶離した。溶出液 (6+nl2)を1mρに濃縮し、プローブとして放射能で標識したIgMを用 いて、ウェスタンプロット法(H,Towbin、 T、 5tachelin およびJ、 Gordon。
Proc、 Natl、 Sci、 USA、  76巻、 4350頁、   1979年、この方法は本願に援用する)で分析した(第6図)。得られた免疫 グロブリン受容体は、約160kDの見掛けの分子量を有する。IgM骨髄種タ ンパク質をプローブとして用いた場合、類似の結果が得られた。シー・パーフリ ンジェンスの非結合性菌株を同じ方式で分析したところ、IgM結合性物質は見 出されなかった。これらのデータは、第6図に見られるバンドが実際にL154 0菌株の免疫グロブリン受容体によるものなので、その受容体が精製されたこと を示している。
綿金1今争 FIG、6 国際調査報告

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.SDS−PAGE(ドデシル硫酸ナトリウムーポリアクリルアミドゲル)上 で約160kDの見掛け分子量を有し、免疫グロブリンの特にIgMのF(ab ′)2部分に結合することを特徴とするタンパク質。 2.請求の範囲第1項のタンパク質のサブフラグメント3.クロストリジウム・ パーフリンジェンスに属する免疫のグロブリン結合性菌株を培地で培養し、微生 物を培地から分離して緩衝液に懸濁させ、次いで免疫グロブリン結合性物質を培 地および/または緩衝液から回収することを特徴とする、免疫グロブリン結合性 物質およびそのサブユニットの製造方法。 4.菌株をGLC培地で培養することを特徴とする請求の範囲3項記載の方法。 5.免疫グロブリン結合性物質をアフィニティークロマトグラフィーで回収する ことを特徴とする請求の範囲第3項または第4項記載の方法。 6.アフィニティークロマトクラフィーがIgM−セファロースで行われること を特徴とする請求の範囲第5項記載の方法。 7.免疫グロブリン結合性のリンパ球マイトジエン物質として用いられるクロス トリジウム・パーフリンジェンス菌株。 8.IgM結合性のすなわちIgM沈澱性物質として用いられる請求の範囲第7 項記載のクロストリジウム・パーフリンジェンス菌株。 9.Deutsche Samm1ung von Mikroorganis menに寄託番号4331で寄託されているクロストリジウム・パーフリンジェ ンスL1540。 10.請求の範囲第1〜2項のいずれか1つに記載のタンパク質またはサブフラ グメントまたは請求の範囲第7〜9項のいずれか1つに記載の微生物からなるこ とを特徴とする、免疫グロブリンと結合させ、分離してこれを同定するための試 薬キット。
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