JPH034283Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 Ａ 考案の目的 イ 産業上の利用分野 本願のものは点滴注射の自動式安全コントロー
ラーに関するものである。

ロ 従来の技術と問題点 一般の人は自分で点滴注射を受けたり、入院し
た家族の人の点滴注射を見守つた経験がある。点
滴注射に要する時間は一回普通２〜４時間かか
り、注射の最中に病人はよく眠つてしまうし、又
看護人は注射がいつ終るか始終注意しなければな
らぬ。又、注射中不注意の為に血液が逆流した
り、空気が体内に流入して病人に危害をあたえな
いとも限らない。特に夜間おそく点滴注射を行う
時には看護人は容易に居眠しておろそかになり、
病人もその注射のために安心して睡眠したり、静
養したりすることが出来ない等の欠点がある。

Ｂ 考案の構成 イ 問題を解決しようとする手段 本願のものは、コントローラーを使用すること
により、点滴注射が完了する時には自動的に注射
液の流動を阻止し、注射液の点滴が終了した時で
も注射針とコントローラーの中間にあるプラスチ
ツク細管にはまだ注射液が残留してるから病人の
血液は逆流して流出することも絶対なく、空気も
病人の体内に流入する恐れは全くない装置であ
る。

第１図はこの点滴注射の自動式安全コントロー
ラーの斜視図で、円柱形プラスチツクケース１、
真空浮子２、ゴム管３、可動短管４の各部を組合
せて構成されている。実際にこれを使用するとき
には、このコントローラーの上端に順次プラスチ
ツク細管５、点滴緩衝器８、プラスチツク細管
５、注射液瓶７を連結し、又、下端に順次にプラ
スチツク細管５ａ、速度調整器１０、プラスチツ
ク細管５ａ、空気排出器９、プラスチツク細管５
ａ、注射針１１を連結すれば点滴注射用具の全体
のセツトが完成される。プラスチツクケース１の
内部の上下端は凹んだ半円形に作り、この半円形
の寸法は真空浮子２の上下端の凸半円形の寸法に
合致し、又、真空浮子２はケース１の内部の注射
液の量の多少に相応して浮上、沈下の動作をして
ケース１の上下端の半円形に確実にはまり、注射
液出口管６、注射液入口管６ａをふさぐ作用をす
る。

第２図を参照して、可動短管４は注射液出口管
６の管壁に密着しながら滑動できる状態にあり、
ゴム管３で注射液出口管６とプラスチツク細管５
ａの連接点を当該ゴム管の弾力性を利用して緊密
にしめ付け注射液の洩出を防ぐほか、ゴム管３は
弾性があるから、力を加えれば可動短管４を上下
に移動させることができる。それで必要の場合に
は、この可動短管４を利用して真空浮子２を上方
に移動させて、プラスチツク細管５ａの中にある
注射液を除去することができる。なお、第２図の
如く、点滴注射が進行中の時はこのコントローラ
ーの内部は注射液が沢山たまり真空浮子２は注射
液の浮力を受けて上向に浮いて注射液出口管６の
上端はあいてるから注射液は順調に下方のプラス
チツク細管５ａ、空気排出器９、速度調整器１０
を通り抜けて最後に注射針１１から病人の血管に
流入する。注射液が殆んど点滴を終るときは真空
浮子２の半円形の下端は注射液の減少にしたがつ
て下方に降下し可動短管４の上端のくぼんだ半円
形（可動短管４が元来の最低の位置にある時はそ
の上端は丁度注射液出口管６の上端と合致する）
にはまり合うから注射液の流動降下は阻止され
る。それで同時に空気も注射液出口管６に流入す
る可能性もなく、又病人の血液が注射針から逆流
してプラスチツク細管５ａに入ることも発生しな
い。だから点滴注射の安全性が十分に保証される
からこのコントローラーは理想的なものと言え
る。然し、このコントローラーを使用して点滴注
射を終了した時、プラスチツク細管５ａから注射
針１１までの部分にはまだ注射液が残留してるか
ら、この部分の注射液を浪費させない為に、ゴム
管３の下の部分を上の方に向けて押し上げて可動
短管４を上方に移動させれば、真空浮子２も一緒
に押し上げられる。すれば可動短管４が下の原位
置にだんだんもどるとき真空浮子２も降下するか
らプラスチツク細管５ａの中に残つている注射液
も押し出されて注射針から病人の体内に全部入つ
て行き、注射液の浪費もなく注射は完了される。
本願の点滴注射の自動式安全コントローラーの原
理は主に真空浮子の浮上沈下作用を利用し、注射
液の流動口を開閉することにある。又、注射液が
全部流れ終るときには浮子は浮力を失い沈下して
流出口をふさぎ、注射液の下方流動を阻止するの
で、空気が病人の体内に入る恐れはなく、かつ、
病人の血液が体内から流出する心配もないもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は要部拡大斜視図、第２図は要部拡大縦
断面図、第３図は同上の作用を説明する縦断面
図、第４図は第３図のイ部分の拡大図、第５図は
使用状態を示す全体の斜視図である。 １……プラスチツクケース、２……真空浮子、
３……ゴム管、４……可動短管、５，５ａ……プ
ラスチツク細管、６……注射液出口管、６ａ……
注射液入口管、７……注射液瓶、８……点滴緩衝
器、９……空気排出器、１０……速度調整器、１
１……注射針。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円柱形プラスチツクケースの内部に一個の真空
   浮子を設け、この浮子が注射液面に従つて昇降す
   ることにより注射液の流入と流出をコントロール
   し、上記プラスチツクケース内の注射液の点滴が
   終了した後は真空浮子の下端は液面の降下ととも
   に可動短管の上端にはまり、注射液出口管をふさ
   ぐ様に構成すると共に、この可動短管は注射液出
   口管の中に連結して上方に真空浮子を押せるよう
   にし、真空浮子をして下方を圧迫する力を生じさ
   せて下方に連結したプラスチツク細管の中に残留
   する注射液を全部排出するよう構成したことを特
   徴とする点滴注射の自動式安全コントローラー。