JPH0342826Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、主に洋室に配置するソフアー兼用ベ
ツドの改良に係わり、更に詳しくは折り畳んでベ
ツドとして使用できるとともに、二段階に開いて
二態様のソフアーとして使用できるソフアー兼用
ベツドに関する。

〔従来の技術〕

従来、弾性体よりなる複数の構成部材を蝶着連
設して積層すればソフアーになり、また展開すれ
ば寝具用マツトレスとして使用できる折畳み椅子
は各種提供されている。例えば昭和56年実用新案
出願公告第13808号にて開示される如く、同一の
厚さの弾性体で形成された背凭れ部、後部座板及
び前部座板より構成され、これらは折畳み、積重
ねが可能なように蝶番部を介して連結されてい
て、展開して長尺の寝具用マツトレスとしても使
用できるのに十分な長さを持たせる場合、折畳ん
でソフアーとするには多層に積層する必要があ
り、そのため多数の弾性体からなる構成部材を蝶
番部を介して連結形成しなければならず、強く凭
れかかつたときには部分的に展開して形が崩れた
り、また外観性に問題があり、更に洋室で使用す
るベツドとしては低過ぎる等の問題点があつた。
また、構成部材を折畳み、積層して仰臥面の高い
ベツドとなし、展開して着座面の低いソフアーと
なす構成のソフアー兼用ベツドは、従来提供され
てなく、洋室がマンシヨンを始め一般住宅におい
て増加している昨今、衛生上の観点からも前述の
如く仰臥面の高いベツドが所望されるとともに、
通常は着座面が低く、各種の態様を選択できるソ
フアーとなすことができるソフアー兼用ベツドの
提供が待ち望まれていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案が前述の状況に鑑み、解決しようとする
ところは、折畳んで仰臥面の高いベツドとなすこ
とができるとともに、展開して着座面の低いソフ
アーとなすことができ、ベツドとして使用した場
合にもソフアーとして使用した場合にも、通常の
使用において如何なる力が加わつてもその形態を
確実に保持でき、更に各種の態様を選択でき、し
かも極めて容易にその態様を実現できるソフアー
兼用ベツドを提供する点にある。

〔問題点を解決する為の手段〕

本考案は、前述の問題解決の為に、一側面を後
方へ傾斜した斜面となした略直方体の基部の該斜
面底部から前方へ薄板状の座部を延設してなる階
段状の台座と、前記台座の座部と略同形状で該座
部の前端上縁に後端上縁を蝶着してなる座板と、
前記台座の基部上面と同形の下面を有し且つ前記
座板の下面と同形の上面を有するとともに、前面
を前記台座の斜面と同一傾斜の斜面となし、更に
上下の厚さを前記台座の基部の高さから座部及び
座板の厚さを引いた厚さに設定し、前記台座の斜
面上縁に前面下縁を蝶着してなる背凭れ板とより
なるソフアー兼用ベツド用単位部材を複数個並設
してなるソフアー兼用ベツドを構成した。

〔作用〕

以上の如き内容からなる本考案のソフアー兼用
ベツドは、背凭れ板を台座の基部上面に位置させ
るとともに、座板を前方へ展開して着座面の低い
第一態様のソフアーとすることができ、また前記
座板を台座の座部の上面に折畳んで、該座板と台
座の座部を合わせた高さの着座面を有する第二態
様のソフアーとすることができ、更に該第二態様
のソフアーの状態から前記背凭れ板を座板の上面
に折畳んで台座の基部の高さに相当する仰臥面を
有するベツドとすることができ、更に上記ソフア
ー兼用ベツド用単位部材を側方へ並設しているの
で、それぞれ独立に前記態様を選択することがで
き、多様な態様を実現できるものである。

〔実施例〕

次に添付図面に示した実施例に基づき更に本考
案の詳細を説明する。

第１図は本考案の代表的実施例を示す斜視図で
あり、Ａは台座、Ｂは座板、Ｃは背凭れ板をそれ
ぞれ示している。台座Ａ、座板Ｂ、背凭れ板Ｃの
各構成部材は、ポリウレタンの硬質の発泡体で形
成した弾性体等を芯材として、その外面を織布、
皮革、レザー等の外装材で被覆して構成したもの
である。台座Ａは、基部１と座部２から構成さ
れ、該基部１は前面側の一側面を後方へ傾斜した
背凭れ部となる斜面３となした横長の略直方体で
形成し、前記座部２は薄板状に形成し該基部１の
斜面３底部から前方へ延設して、全体として階段
状に形成したものである。座板Ｂは、前記台座Ａ
の座部２と略同形状で該座部２の前端上縁に後端
上縁を蝶着部４を介して折曲可能に連設してい
る。ここで、前記台座Ａと座板Ｂの蝶着部４の構
造としては、弾性体の芯材の外面に被覆した外装
材を単に連続させるだけで良いが、使用に際して
強度的に負担が最もかかる部分であるので、弾力
性において違和感を有しない材質で且つ形状の連
結部材を補強用に取付けることも可能である。背
凭れ板Ｃは、前記台座Ａの基部１上面と同形の下
面を有し且つ前記座板Ｂの下面と同形の上面を有
するとともに、前面を前記台座Ａの斜面３と同一
傾斜の背凭れ部となる斜面５となし、更に上下の
厚さを前記台座Ａの基部１の高さから座部２及び
座板Ｂの厚さを引いた厚さに設定し、前記台座Ａ
の斜面３上縁に前面の前記斜面５下縁を、前記同
様の蝶着部６を介して折曲可能に連設している。
以上の台座Ａ、座板Ｂ及び背凭れ板Ｃからなるソ
フアー兼用ベツド用単位部材Ｕの各態様を説明す
れば、第２図に示すように、台座Ａの座部２上面
に座板Ｂを折畳み、更に該座板Ｂの上方に背凭れ
板Ｃを折畳んで、上面を面一となしたベツドを構
成できる。この場合前記台座Ａの斜面３と背凭れ
板Ｃの斜面５は当接するとともに、台座Ａの座部
２前縁と座板Ｂの前縁は勿論のこと、背凭れ板Ｃ
の前縁も面位置となつて直方体のベツドとなすこ
とができ、その仰臥面の高さは、前記台座Ａの基
部１の高さに設定される。この第２図のベツド態
様から、第３図に示したように、蝶着部６を軸と
して背凭れ板Ｃを上方から後方へ回転させ、台座
Ａの上面に載置して前記第二態様のソフアーとな
すことができ、その着座面の高さは台座Ａの座部
２と座板Ｂを加えた高さに設定され、そして台座
Ａの斜面３と背凭れ板Ｃの斜面５は同一傾斜面と
なり一体で背凭れ部を形成する。この状態で、台
座Ａの後面と背凭れ板Ｃの後面は面一になるよう
に設定されている。この第３図の第二態様のソフ
アーから、蝶着部４を軸として座板Ｂを上方から
前方へ回転させ、床面に展開して台座Ａの座部２
の前縁に連設した状態で長尺の着座面を形成した
第一態様のソフアーとなすことができ、その着座
面の高さは台座Ａの座部２及び座板Ｂの厚さに相
当し、該座部２及び座板Ｂの上面は面一に設定さ
れる。

また、ベツドとして要求される横幅を有するよ
うに前記ソフアー兼用ベツド用単位部材Ｕを複数
個並設するものであり、該ソフアー兼用ベツド用
単位部材Ｕの横幅によつて、二連設、三連設（第
１図参照）及び四連設等適宜に構成できるが、ソ
フアーとして使用し得る最低幅があり、これ以上
の多連設で細分割状態に構成することは、強度的
にも価格的にも問題が生じ、自ずと限界があり、
四連設程度に止めてたほうが好ましい。そして、
その連設も、前述したような蝶着部４，６と同様
な構造で、隣接する台座Ａの側面下縁を蝶着部７
を介して側方へ並設すれば、例えば第５図に示す
ように、二連設の場合は、一方のソフアー兼用ベ
ツド用単位部材Ｕをベツド態様となして、他方の
第二態様のソフアーとなしたソフアー兼用ベツド
用単位部材Ｕの下面に折込めば、着座面の更に高
いソフアーを構成できるもので、各種の態様を実
現できる。また、四連設の場合は更に多くの態様
を実現でき、図示しないが第５図に示したソフア
ーを側方に並設した態様も可能である。更に、第
６図に示すように、前記ソフアー兼用ベツド用単
位部材Ｕを背中合わせに連設して、即ち台座Ａの
基部１の後面同士を当接状態にして該後面下縁を
蝶着部７を介して連結した構造も可能で、ソフア
ーとして使用する場合は、前後両側に座部２を有
し、ベツドとして使用する場合は広幅に設定で
き、ダブルベツドとして使用でき、また前後に位
置する一方のソフアー兼用ベツド用単位部材Ｕを
他方の下方に折り込めば、第５図に示した着座面
のより高い態様と同様の態様を実現できるばかり
でなく、仰臥面のより高い狭幅のシングルベツド
の態様を実現できるものである。そして、第１図
に示したように、それぞれのソフアー兼用ベツド
用単位部材Ｕを独立して各態様に設定でき、大人
や子供の所望する適宜な着座状態を選択できるも
のである。尚、一つのソフアー兼用ベツド用単位
部材Ｕの横幅をベツドとして要求される幅に設定
して単体として構成できることは言うまでもなく
明らかである。

〔考案の効果〕

以上にしてなる本考案のソフアー兼用ベツドに
よれば、一側面を後方へ傾斜した斜面となした略
直方体の基部の該斜面底部から前方へ薄板状の座
部を延設してなる階段状の台座と、前記台座の座
部と略同形状で該座部の前端上縁に後端上縁を蝶
着してなる座板と、前記台座の基部上面と同形の
下面を有し且つ前記座板の下面と同形の上面を有
するとともに、前面を前記台座の斜面と同一傾斜
の斜面となし、更に上下の厚さを前記台座の基部
の高さから座部及び座板の厚さを引いた厚さに設
定し、前記台座の斜面上縁に前面下縁を蝶着して
なる背凭れ板とよりなるソフアー兼用ベツド用単
位部材を複数個並設してなるので、背凭れ板を台
座の基部上面に位置させるとともに、座板を前方
へ展開して着座面の低い第一態様のソフアーとす
ることができ、また前記座板を台座の座部の上面
に折畳んで、該座板と台座の座部を合わせた高さ
の着座面を有する第二態様のソフアーとすること
ができ、更に該第二態様のソフアーの状態から前
記背凭れ板を座板の上面に折畳んで台座の基部の
高さに相当する仰臥面の高い衛生上の観点からも
好ましいベツドとすることができ、更に上記ソフ
アー兼用ベツド用単位部材を側方へ並設している
ので、それぞれ独立に前記態様を選択することが
でき、多様な態様を実現できるので、大人や子供
の所望する適宜な着座状態を選択できるものであ
る。そして、ベツドとして使用した場合にもソフ
アーとして使用した場合にも、通常の使用におい
て如何なる力が加わつてもその形態を確実に保持
でき、更に上述の如く各種の態様を選択的に構成
でき、しかも極めて容易にその態様を実現できる
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のソフアー兼用ベツドの各種態
様を示した斜視図、第２図はベツド態様の説明用
側面図、第３図は着座面の高いソフアー態様の説
明用側面図、第４図は着座面の低いソフアー態様
の説明用側面図、第５図は他の実施例を示し着座
面の更に高いソフアー態様の斜視図、第６図は他
の実施例を示し座部を前後両側に設けたソフアー
態様の側面図である。 Ａ：台座、Ｂ：座板、Ｃ：背凭れ板、Ｕ：ソフ
アー兼用ベツド用単位部材、１：基部、２：座
部、３：斜面、４：蝶着部、５：斜面、６：蝶着
部、７：蝶着部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一側面を後方へ傾斜した斜面となした略直方体
   の基部の該斜面底部から前方へ薄板状の座部を延
   設してなる階段状の台座と、 前記台座の座部と略同形状で該座部の前端上縁
   に後端上縁を蝶着してなる座板と、 前記台座の基部上面と同形の下面を有し且つ前
   記座板の下面と同形の上面を有するとともに、前
   面を前記台座の斜面と同一傾斜の斜面となし、更
   に上下の厚さを前記台座の基部の高さから座部及
   び座板の厚さを引いた厚さに設定し、前記台座の
   斜面上縁に前面下縁を蝶着してなる背凭れ板と、 よりなるソフアー兼用ベツド用単位部材を複数
   個並設してなることを特徴とするソフアー兼用ベ
   ツド。