JPH0341779Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は排ガスの処理装置に関し、さらに詳細
には半導体製造工業などから排出される水素化物
系ガスによる収着剤の破過を自動的に知ることが
できる排ガスの処理装置に関する。

半導体産業の発展とともにシラン類、アルシ
ン、ホスフイン、セレン化水素およびジボランな
どの水素化物系ガスの使用量が著しく増加してい
る。これらの水素化物系ガスは燃料範囲が広くま
た条件によつては空気中で自然発水するので非常
に危険であり、さらに吸入すると人体に害をおよ
ぼすので大気に放出するに先立つて除去する必要
がある。

このため排ガスの処理装置には種々のものが提
案されている。なかでも乾式の収着剤を充填した
充填筒式の排ガスの処理装置はメンテナンスが容
易で使い易く、また水素化物系ガスによつて変色
する検知剤も開発されているのでその使用台数も
年々増加している。

〔従来の技術および考案が解決しようとする問題点〕

水素化物系ガスを含有する排ガスの処理装置に
は内部に充填され水素化物系ガスと接触すること
によつて変色する検知剤の変色が見易いように透
明な硬質プラスチツクまたはガラスを用いた充填
筒が使用されることが多い。しかしながらこれら
の材料は強度が低いために取扱いによつては破壊
して有毒ガスが周囲に充満するという問題点があ
つた。このため充填筒の材料としてステンレスや
FRPのような強度の高いものを使用し、その一
部にのみ透明な材料の覗窓を用いた充填筒が多く
なり、この覗窓から内部の検知剤の変色が監視さ
れるようになつた。

しかしながら覗窓についてもガラス、メタクリ
ル樹脂、ポリカーボネートなどがあるがこれらの
材料としても強度的に充分とはいえないため極力
寸法を小さくすることが要求される。

このように覗窓の寸法を小さくすることによつ
て強度が向上する反面、変色の状態が見難くな
り、これを目視によつて常時監視することは困難
であり、また不経済でもあつた。

〔問題点を解決するための手段、作用〕

本考案者らはこれらの問題点を解決するべく検
討を重ねた結果、光フアイバーを用いたカラーマ
ークセンサによつて検知剤の変色を感知して信号
を出力する装置を付帯させることによつて変色を
自動的にしかも確実に監視しうることを見出し本
考案に到達した。

すなわち本考案は、水素化物系ガスの収着剤
と、その収着剤の破過を変色によつて検知する検
知剤を備えてなる排ガスの処理装置において、ガ
スの入口および出口を有し、入口側に収着剤、中
間に検知剤および出口側に予備収着剤が順次充填
された充填筒と、該充填筒の検知剤充填位置の側
壁に設けられた透明材料製の覗窓と、該覗窓の外
面に投光用光フアイバーおよび受光用光フアイバ
ーそれぞれの先端部が取付治具によつて固定され
たカラーマークセンサーとを備えてなることを特
徴とする排ガスの処理装置である。

図面によつて本考案を具体的に説明する。

第１図は本考案の排ガスの処理装置の１例を示
す縦断面図である。第１図において、ガスの入口
１およびガスの出口２を有する円筒状の充填筒３
の内部には上下をフイルター４および４に挾持さ
れて収着剤５、検知剤６および予備収着剤７が充
填されている。さらに充填筒３の検知剤６の充填
位置の側面には強化ガラスを用いた覗窓８が設け
られ、この覗窓８の強化ガラスの外面に接してカ
ラーマークセンサーの先端部９が取付治具１０に
より強化ガラスに押しつけられる状態で固定され
ている。先端部９から導かれた投光用光フアイバ
ー１１および受光用光フアイバー１２はカラーマ
ークセンサーのアンプ部１３に接続され、アンプ
部９からは警報器などに接続するための信号線１
４，１４が取り出されている。

半導体の製造装置から排出された水素化物系ガ
スを含有する排ガスはガスの入口１に導かれて充
填筒の内部３に入り、収着剤５と接触することに
よつて水素化物系ガスが除去され、検知剤６およ
び予備収着剤７の層を通つてガスの出口２から大
気に放出される。収着剤５は水素化物系ガスを収
着することによつて収着能力は充填層の上部から
下部へと順次失われて破過し、水素化物系ガスに
よつて検知剤６の変色が始まる。この変色は覗窓
８を通してその外部に取付けられたカラーマーク
センサーによつて受光量の変化が鋭敏に認識さ
れ、アンプ部１３からの信号により警報器（図示
されていない）などが動作し、検知剤６の変色を
知ることができる。

覗窓はステンレス製などの円筒枠の中にたとえ
ば径が25φ、厚さが７mm程度の大きさの強化ガラ
スが焼嵌めされて固定されたものである。このよ
うな覗窓の内側の検知剤の変色を鋭敏に検知する
ためには光フアイバーを使用したカラーマークセ
ンサーが最も優れており、その先端部は覗窓の強
化ガラスの外面に接して取付けられる。また、光
フアイバーセンサーはメタクリル樹脂などである
ためガラス面に接して取付けるためには押付圧が
均一になるようにスプリング弾性による緩衝作用
を有する取付治具が用いられる。第１図における
カラーマークセンサーの先端部９はこのような性
質の取付治具によつて取付けられている。

第２図は第１図における覗窓附近を拡大した断
面図であり、第３図はセンサーの取付治具の斜視
図である。

第２図および第３図においてカラーマークセン
サーの先端部９はそのねじ部１５を取付治具１０
の孔１６に通し、ナツト１７で絞めつけられて取
付治具１０に固定されている。先端部９が固定さ
れた取付治具１０は覗窓８を構成するユニトのフ
ランジ部の外側をかかえる形で保持されている。

先端部９は取付治具１０のスプリング弾性によ
つて強化ガラス１８の面に押しつけられた状態で
あり検知剤の変色を鋭敏にしかも安定して感知す
る。

〔考案の効果〕

本考案によつて従来は目視でおこなわれて来た
検知剤の変色の察知を、自動的にしかも目視より
も確実におこなうことが可能となり、半導体産業
などにおける安全確保および作業性の改善に大き
く貢献することが期待できる。

〔実施例１〕 充填筒の内径114φ、長さ700mm、充填長として
収着剤320mm、検知剤50mm、予備収着剤40mm、覗
窓の強化ガラスの径25mm、厚さ７mmで第１図で示
されたと同様な処理装置を用い、検知剤の変色の
感知の状態を調べた。0.3ppmのホスフインを含
有するガスを流すことによつて、検知剤が青色か
ら黒色に変色し始るが、目視では60分を要したの
に対し、カラーマークセンサーでは40分で初期の
変色を感知することができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の排ガスの処理装置の縦断面図で
あり、第２図は覗窓附近を拡大した断面図であ
り、第３図は取付治具の斜視図である。 図において、１……ガスの入口、２……ガスの
出口、３……充填筒、４……フイルター、５……
収着剤、６……検知剤、７……予備収着剤、８…
…覗窓、９……先端部、１０……取付治具、１１
……投光用光フアイバー、１２……受光用光フア
イバー、１３……アンプ部、１４……信号線、１
５……ねじ部、１６……孔、１７……ナツト、お
よび、１８……強化ガラス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水素化物系ガスの収着剤と、その収着剤の破過
   を変色によつて検知する検知剤を備えてなる排ガ
   スの処理装置において、ガスの入口および出口を
   有し、入口側に収着剤、中間に検知剤および出口
   側に予備収着剤が順次充填された充填筒と、該填
   筒の検知剤充填位置の側壁に設けられた透明材料
   製の覗窓と、該覗窓の外面に投光用光フアイバー
   および受光用光フアイバーそれぞれの先端部が取
   付治具によつて固定されたカラーマークセンサー
   とを備えてなることを特徴とする排ガスの処理装
   置。