JPH0338095Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は、コンパクト、口紅等の化粧具を外
から見えるようにした状態で包装する化粧具包装
材に関するものである。

〔従来の技術〕 一般に、コンパクトや口紅等の化粧具は、紙製
の化粧箱に入れられて販売されている。しかしな
がら、このような状態で販売する場合には、内容
物が外から見えないため、購買者は内容物を見な
いで想像して買わなければならない。これは購買
者が購買に際して包装箱を開けて内容物を確認す
ると、その時点でその商品は新品ではなくなつて
商品価値を失うからである。しかしながら、購買
者の心理としては内容物を見て確認したうえで購
買したいというのが実情である。また、このよう
な紙製の包装箱に入れられて流通される場合に
は、その流通過程において不用意に落とされる
と、内容物が破損するというような欠点もある。
このような内容物の破損を防止するためにスポン
ジ等を詰めることが一部で行われているがこのよ
うにすることは甚だ煩雑である。さらに紙製の包
装箱に入れて販売する場合には、陳列台等に載置
するのが通例であるが、紙製の包装箱では積重す
るにも限度があり、陳列に場所をとるという難点
も有している。

〔考案が解決しようとする課題〕

一方、注射用アンプルのようなガラス容器を破
損させることなく、上下方向に多段に積重する角
筒状ケースが考案されている（実公昭52−32465
号公報）。このケースは、多角状ケースの上面に
形成された切開部の端縁を、それより上段に積ま
れる他のケースの底面に形成された係合用凹部に
嵌合することにより多段に積重するようになつて
いるが、各ケースの上面は上記切開部の存在によ
り開いた状態になつている。したがつて、最上段
では、ケースの上記切開部を、別個に設けた蓋で
被覆しなければならない。また、このように多段
に積重されたケースを、壁等から吊下げて保管す
ることは不可能である。そのうえ、上記ケースは
アンプルを挿入するため、角筒状ケースの左右の
開口は開いたままになつていることから、美観も
悪く、またその開口から内部のアンプルに物が当
たりアンプルが破損するという難点も有してい
る。

この考案は、このような事情に鑑みなされたも
ので、外部から内容物が見え、また美観も良好
で、少々の衝撃を受けても内容物が破損せず、し
かも陳列する際に場所を取らない化粧具包装材の
提供をその目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、この考案は、プラ
スチツク発泡材製の板状包装基材１の中央部に、
化粧具収容切欠部２を形成し、上記板状包装基材
１の上端の端面に、略楔状の係合凸部３を形成
し、下端の端面に、下段に積まれる他の板状包装
基材１の上端端面の略楔状係合凸部３と嵌合しう
る略楔状係合凹部４を形成し、上記係合凸部３
に、吊下げ用の係止部７を設け、断面コ字状の化
粧紙１１のコ字状の間に上記板状包装基材１を挿
嵌して化粧具収容用切欠部２を塞ぎ、上記化粧紙
１１の透明部１２を化粧具収容用切欠部２の上に
位置決めし、上記化粧紙１１のコ字状の両横辺内
側にそれぞれ設けたきのこ状釘部１０をプラスチ
ツク発泡材製板状包装基材１の側縁部に突き刺し
化粧紙１１を取り付けたという構成をとる。

〔作 用〕

この化粧具包装材は、板状包装基材１の上端に
形成された略楔状の係合凸部３を、それより上段
に積まれる他の板状包装基材１の下端の略楔状の
係合凹部４に嵌合することにより、多段に積重す
ることができ、この多段積重体を、最上段の板状
包装基材１の略楔状係合凸部３の吊下げ用係止部
７を利用して吊下げることができる。したがつ
て、陳列に際して場所を取らない。また、上記化
粧具収容用切欠部２に収容された化粧具は、上記
板状包装基材１に横方向から挿嵌される断面コ字
状の化粧紙１１により保護され、かつその化粧紙
１１に設けられた透明部１２を通し、外部から見
ることができる。また、上記化粧紙１１は、コ字
状の両横辺を内側に設けたきのこ状釘部１０をプ
ラスチツク発泡材製板状包装基材１の側縁部に突
き刺して固定されることから、取り付けが極めて
簡単となる。

つぎに、実施例について説明する。

〔実施例〕

第１図はこの考案の一実施例の要部の説明図で
ある。図において、１はウレタン、発泡スチレン
もしくは発泡ポリエチレン等の発泡合成樹脂製の
板状包装基材であり、その中央部に化粧具収容用
切欠部２が形成されている。３は板状包装基材１
の上端の端面に設けられた略楔型の係合凸部であ
り、４は板状包装基材１の下端の端面に形成さ
れ、上記楔型の係合凸部３に対応する形状に形成
された係合凹部である。７は係合凸部３に設けら
れた吊下げ用の釘穴である。

この化粧具包装材は、上記化粧具収容切欠部２
にコンパクト５を無理嵌めし、一点鎖線で示す部
分に第３図に示すように、断面コ字状の化粧紙１
１を横方向から取り付ける。すなわち、上記化粧
紙１１のコ字状の間に上記板状包装基材１を挿嵌
し、その化粧紙１１の透明部１２を化粧具収容用
切欠部２の上に位置決めして内部のコンパクト５
が見えるようにする。そして、その状態で、化粧
紙１１のコ字状の両横辺内側にそれぞれ設けられ
たきのこ状釘部１０を、プラスチツク発泡材製板
状包装基材１の側縁部に突き刺し化粧紙１１を取
り付ける。上記化粧紙１１は、透明フイルム部分
１２を残し、残つた部分に銀色紙ラベルが貼着さ
れ美麗な銀色に彩色されている。このようにし
て、化粧紙１１が取り付けられた板状包装基材１
は、第２図に示すように、その上端の端面に形成
された略楔状の係合凸部３を、それより上段に積
まれる他の板状包装基材１の下端端面の略楔状係
合凹部４に係合させて、上下方向に多段に積重さ
れ、最上段の板状包装基材１の係合凸部３の釘穴
７を利用し吊下げられる。

〔考案の効果〕

この考案の化粧具包装材は、プラスチツク発泡
材製板状包装基材の上端面に略楔状の係合凸部を
形成するとともに、下端面に、下段に積まれる他
の板状包装基材の上端端面の略楔状係合凸部と係
合しうる楔状係合凹部を形成していることから、
上記楔状係合凸部と係合凹部の係合により板状包
装基材を上下方向に多段に積重することができ
る。そして、最上段の板状包装基材の係合凸部の
吊下げ用係止部を利用し多段積重状態で吊下げる
ことができ、陳列に場所をとらない。また、化粧
紙の取り付けは、上記板状包装基材を断面コ字状
の化粧紙のコ字状の間に挿嵌して行うため、板状
包装基材の多段積重前に取り付けることも、また
多段積重後に取り付けることも可能であり、化粧
紙の取り付けの自由度が大きくなる。しかも、上
記化粧紙の取り付けは、上記化粧紙のコ字状の両
横辺の内側に設けたきのこ状釘部を、プラスチツ
ク発泡材製板状包装基材の側縁部に突き刺すこと
により行うため、取り付けは極めて簡単であり、
またその取り付けに特別な取り付け手段を要しな
い。すなわち、この考案の化粧具包装材は、上記
板状包装基材をプラスチツク発泡材で構成し、そ
の切欠部に収容した化粧具をプラスチツク発泡材
自身の弾性と化粧紙の被覆効果とにより保護する
と同時に、プラスチツク発泡材自体の突き刺し容
易性を利用し、きのこ状釘部を板状包装基材の側
縁部に突き刺すことによつて化粧紙を取り付ける
ものであり、板状包装基材は、保護材としての機
能と化粧紙取り付け部材としての機能の双方の機
能を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の要部の斜視図、
第２図はそれを複数個上下方向に係合させて吊し
た状態の説明図、第３図は板状包装基材に断面コ
字状の化粧紙の取り付け状態を説明する説明図、
第４図は板状包装基材に断面コ字状の化粧紙の取
り付け状態を説明する説明図である。 １…板状包装基材、２…化粧具収容用切欠部、
３…係合凸部、４…係合凹部、５…コンパクト、
１０…きのこ状釘部、１１…化粧紙、１２…透明
フイルム部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プラスチツク発泡材製の板状包装基材１の中央
   部に、化粧具収容切欠部２を形成し、上記板状包
   装基材１の上端の端面に、略楔状の係合凸部３を
   形成し、下端の端面に、下段に積まれる他の板状
   包装基材１の上端端面の略楔状係合凸部３と嵌合
   しうる略楔状係合凹部４を形成し、上記係合凸部
   ３に、吊下げ用の係止部７を設け、断面コ字状の
   化粧紙１１のコ字状の間に上記板状包装基材１を
   挿嵌して化粧具収容用切欠部２を塞ぎ、上記化粧
   紙１１の透明部１２を化粧具収容用切欠部２の上
   に位置決めし、上記化粧紙１１のコ字状の両横辺
   内側にそれぞれ設けたきのこ状釘部１０をプラス
   チツク発泡材製板状包装基材１の側縁部に突き刺
   し化粧紙１１を取り付けたことを特徴とする化粧
   具包装材。