JPH0327182B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は超音波によるボウフラ撃退器に関し、
詳しくは水質に影響を及ぼすことなく、水中のボ
ウフラを殺滅しうるボウフラ撃退器に関する。

本発明は生活環境における蚊の発生の抑制に利
用される。

〔技術の背景および従来技術の説明〕

蚊の幼虫はボウフラであり、ボウフラは、蚊の
生活地域の川、池、沼または水たまりにせい息
し、そこで成長し、変態をして蚊になるから、蚊
の発生を抑えるために、その生活環境における幼
虫のボウフラを駆除することが広く行なわれ、そ
のために、 (a) 農薬の散布および (b) 水面に油を散布して、油膜を形成する酸素供
給の遮断、 が広く行なわれている。

しかしながら、これらの手段は水中にせい息す
る他の動物、たとえば、魚を殺滅したり、またそ
の生長に有害であるという問題を生じ、さらに
川、池または貯水池の水を水道水や工業用水に利
用する場合に多くの問題を生じる。

一方において、超音波を水中に伝えると、水中
にキヤビテーシヨンが起ること、また超音波が小
動物や細菌を死滅させることが知られている（共
立出版株式会社発行「化学大辞典」第５巻第945
頁「超音波」）。

また、水中に生息する微生物に対し、超音波エ
ネルギーを照射して、その成長および増殖を抑制
する試みもなされている。（実開昭52−12656号公
報）。

しかしながら小動物や細菌を殺滅するのに必要
な超音波の周波数および出力などは生物の種類に
よつて異なつていて、その詳細は解明されていな
い。

また、前記した従来知られた超音波を用いる水
中生物の成長および増殖を抑制する試みのものは
超音波発振装置が水中に保持され、かつ特定の方
向にのみ超音波を発射する構成のため、その作用
範囲は限られたものであり、また使用している周
波数が200kHz前後のものであることから超音波
によるキヤビテーシヨン効果を水中生物の成長お
よび増殖を抑制するために積極的に利用している
ものではない。

本発明者は、セラミツクスについて多年の研究
を続けているが、セラミツクスの超音波発振素子
は小型で軽量であることに着目し、小型で軽量の
超音波発振装置にフロート（浮き輪）をつけ、こ
れを池や水たまりのボウフラのせい息する場所に
浮べて、20〜50KHzの周波数の超音波を水に伝え
ると、水中のボウフラを殺滅しうることを見出
し、この知見に基づいて本発明に到達した。

〔発明の目的および発明の要約〕

本発明の目的は、水質に影響を与えることな
く、水中のボウフラを殺滅、撃退する手段を提供
することにある。

本発明は、底面から超音波を発振する超音波発
振装置にフロートを取り付け、それによつて超音
波発振装置を水面に浮べ、水中に超音波を伝える
ことができるボウフラ撃退器である。本発明のボ
ウフラ撃退器における超音波発振装置は20〜50K
Hzの周波数の超音波を発振するものであり、それ
によつてボウフラの殺滅ないし撃退効果が大きく
なり、蚊の発生を抑えることができる。

〔発明の具体的な説明〕

第１図は本発明のボウフラ撃退用の超音波発振
装置の内部の断面を示す側面図であり、第２図は
本発明のボウフラ撃退用の超音波発振装置の内部
を示す平面図である。

図において、１は超音波発振子、２はバツテリ
ーボツクス、３はフロートホルダー、４はフロー
ト、５は超音波発振回路ボツクス、６は超音波発
振回路５と超音波発振子を結ぶリード線、そして
７は超音波発振装置を収納するボツクスである。

本発明のボウフラ撃退用の超音波発振装置はフ
ロート４によつて水面に浮ぶ。本発明のボウフラ
撃退用の超音波発振装置をボウフラのせい息する
池、沼または水たまりの水面に浮べ、そのバツテ
リーボツクス２に電源用の電池を入れ、スイツチ
（図示なし）をオンにすると、超音波発振回路５
が作動して、パルス信号を搬送する電流がリード
線６を通じて超音波発振子１に送られ、超音波発
振子１を振動し、この振動によつてボツクス７の
底面から超音波発振子１の振動数に応じた周波数
の超音波が水中に伝えられる。

超音波が水中に伝えられると、15〜50KHzの周
波数において、水中キヤビテーシヨン（一種の空
洞化現象）を生起し、キヤビテーシヨンによつて
生じた水中のキヤビテイがつぶれるときに、大き
な衝撃的圧力を発生するが、前記衝撃的圧力は、
20〜50kHzの範囲が最大であり、この範囲を外れ
ると急激に減衰する。この衝撃的圧力によつて水
中にせい息するボウフラは殺滅され、また撃退さ
れると考えられる。

特に、本発明装置においては、超音波発振装置
をフロートによつて水面に上に浮遊させて、超音
波を装置底面から発射させるようにするととも
に、その発振周波数を20〜50KHzとした。20〜
50KHzの周波数の超音波を水中に伝えると、水中
のボウフラの殺滅ないし撃退効果が大きい。

本発明のボウフラ撃退用ほ超音波発振装置の出
力は、水中のボウフラを殺滅しうる強さであれば
よいが、４〓／m²程度の出力のものが好ましい。
超音波の発振素子は、小形で強力なものであれ
ば、どのようなものであつても、これを使用する
ことができるが、ランジユバン型圧電素子または
フエライト発振素子を使用するのが好ましい。

〔発明の効果〕

本発明装置においては、超音波の発振周波数を
20〜50KHzとするとともに発振装置をフロートに
よつて水面に上に浮遊させるようにしたことによ
り、装置底面から発射される超音波は水中へ下方
に向けて伝播されることとなり、超音波が適用さ
れる区域は広域となり、該区域に生息するボーフ
ラは確実に殺滅される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のボウフラ撃退器の内部の断面
を示す側面図であり、第２図はその内部を示す平
面図である。 〔図面符号〕、１：超音波発振子、２：バツテ
リーボツクス、３：フロートホルダー、４：フロ
ート、５：超音波発振回路ボツクス、６：リード
線、７：超音波発振装置を収納するボツクス。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 底面から20〜50kHzの超音波を発振する超音
   波発振装置、およびこの超音波発振装置に取り付
   けられたフロートからなるなることを特徴とする
   超音波によるボウフラ撃退器。