JPH032518B2 - - Google Patents

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JPH032518B2
JPH032518B2 JP5364583A JP5364583A JPH032518B2 JP H032518 B2 JPH032518 B2 JP H032518B2 JP 5364583 A JP5364583 A JP 5364583A JP 5364583 A JP5364583 A JP 5364583A JP H032518 B2 JPH032518 B2 JP H032518B2
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acetic acid
acid
acetobacterium
carbon dioxide
medium
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JP5364583A
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Sadao Kageyama
Naoki Kawada
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Agency of Industrial Science and Technology
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) この発明は、アセトバクテリウム属に属する新
規な細菌を用いて二酸化炭素と水素とから酢酸を
製造する方法に関するものである。酢酸は食品用
あるいは工業用薬品として大量に消費されてい
る。 (従来技術) 食品用の酢酸水溶液である食酢は、アルコール
あるいはアルコールを含む酒類を酢酸菌を用いて
酸化する方法により作られる。一方、工業用の高
濃度の酢酸、主として化学的方法によりメタノー
ル、アセトアルデヒド、炭酸水素などを原料とし
て製造されている。 微生物を用いて二酸化炭素と水素とから酢酸を
製造する方法は文献にみられる。常温の条件下で
二酸化炭素と水素とを資化して、成育培地中に酢
酸を蓄積する微生物として、クリストリジウム・
アセチカム、アセトバクテリウム・ウツデイ、ブ
チリバクテリウム・メチロトポフイカム、ユーバ
クテリウム、リモサム、クロストリジウム・スト
レインCV−AA1などが知られていた。また高温
の条件下では、アセトゲニウム・ギヴイ、クロス
トリジウム・サーモオートトロフイカムがある。
この中で、アセトバクテリウム属に属するものは
A.ツテデイ1種である。 (発明の目的) 本発明者は高濃度の酢酸の製造原料を石油、天
然ガス等の化石資源に求めず、再生可能な資源で
あり、自然界におびただしく存在し、かつ各種産
業プロセスの最終の廃棄物でもある二酸化炭素に
着目し、これを将来のエネルギー源として大量供
給が期待されている水素と反応させることによ
り、生化学的に酢酸を製造する方法を検討し、こ
の発明に到達した。 これまでに、二酸化炭素と水素とから酢酸を製
造する微生物として、前記のような菌が知られて
あるものの、二酸化炭素と水素とからの酢酸の製
造を工業的に実施するために、解決すべき課題
は、まだ多い。中でも、酢酸の蓄積濃度および生
産速度の高い菌を得ることは重要である。 そのためには、公知の菌種にもとづいた育種改
良とならんで、二酸化炭素と水素とから酢酸を製
造しうる新菌種の創製がきわめて重要な手段とな
る。本発明は、このような意図のもとに二酸化炭
素と水素を資化して、培地中に酢酸を蓄積する新
規微生物を得、これを用いた酢酸の新製法に関す
るるものである。 (発明の構成) 本発明は、二酸化炭素と水素とを含む培地で、
アセトバクテリウム・エスピーNo.446を培養し蓄
積された酢酸を回収することを特徴とする酢酸の
製造方法である。 本発明で用いられる微生物は、幅0.6−1μm、
長さ2〜5μm、直桿菌とやや弯曲した形や中ぶ
くれ形の桿菌が混在する、単独もしくは二連の桿
菌である点、で公知の同属菌と区別できる新規微
生物アセトバクテリウム・エスピーNo.446である。 この微生物は、二酸化炭素と水素を含む培地
で、嫌気条件下で培養することにより酢酸を代謝
生産する偏性嫌気性グラム陽性無胞子桿菌である
点で、公知のアセトバクテリウムエ・ウツデイと
同属であると考えられるが、いくつかの菌学的性
質、特に形態において相違しており、新菌種であ
ると考えられる。正式の種名はまだ付されていな
いので、本発明ではアセトバクテリウム・エスピ
ーNo.446と表示する。 次にアセトバクテリウム・エスピーNo.446の創
製法および菌学的性質を示す。 (創製法) 本菌は種子島中種子町の畑土壌より下記の方法
により分離した。すなわち第1表に示す液体培地
5mlを試験管へ分注し滅菌後、土壌を嫌気グロー
ブボツクス中で約0.3g添加し、ブチルゴム栓で
密栓後、気相を水素(67%)と二酸化炭素(33
%)を含む除菌ガスに置換し、30℃で静置培養
し、約3週間毎に植え継ぎを行つた。2回液体培
地で植え継いだのち、ロールチユーブ法(メソツ
ズ・イン・マイクロバイオロジー、3巻B、117
頁(1969)アカデミツク・プレス)により第1表
の培地に寒天3%を加えた寒天培地で単菌分離し
本菌を得た。 (菌学的性質) 本発明の菌株の菌学的性質を示す。この菌学的
性質の検討には、アンアエロブ・ラボラトリー・
マニユアル第4版(Anaerobe Laboratory
Manual、The V.I.P.Anaerobe Labo ratory
Virgihia Polytechnic Institute and State
University、Blacksburg(1972))、微生物の分類
と同定(長谷川武治著、学会出版センター)に記
載されている方法、培地組成を用いた。 (顕微鏡的所見) 1 細胞の形および大きさ:直桿菌そ、ややわん
曲した形や中ぶくれ形の桿菌が混在する、単独
もしくは2連の桿菌。 第4図にこの菌の電子顕微鏡写真(倍率4000
倍)を示す。幅0.6−1μm、長さ2−5μm 2 鞭毛:あり、サブターミナル 3 胞子:なし 4 グラム染色:陽性、培養後期には陰性とな
る。細胞内に異染物がみられる。 (培地組成) 第1表に例示する。
【表】
【表】 (生育状態) 第1表の組成に3%寒天を加えた寒天培地での
成育は次の通りである。 形状:円形 周縁:円滑 隆起:わずかに盛上る 表面:円滑 色調:白ないしクリーム色 肉汁寒天培地では育成しない (生理的性質) 酸素に対する態度:偏性嫌気性 生育の範囲(PH)至適PH:7.7 生育PH5.5−8.5 (温度)至適温度:30℃ 生育温度:20−40℃ インドール生産:− ゼラチンの液化:− カタラーゼ産生:− デンプンの加水分解:− エスクリンの加水分解:− 色素の生成:− ビタミン要求性:チアミン、パントテン酸
(糖などからの酸の生成) 第1表の基本培地に下記炭素源を1%もしくは
0.5%添加し気相を窒素(67%)と二酸化炭素
(33%)を含む除菌ガスに置換し、本菌を植菌、
30℃で静置培養した。フラクトース(1%)、DL
−乳酸(1%)、メタノール(0.5%)、ギ酸(0.5
%)、リボース(1%)を炭素源として培養した
時、培地中には有機酸として酢酸が生産された。 (炭素源の資化性) 第1表の基本培地に下記炭素源(特に記載がな
いときは1%)を含む液体培地5mlを直径18mmの
試験管に加え、無菌培地を作成しNo.446を植菌し
気相を窒素(67%)と二酸化炭素(33%)を含む
除菌ガスに置換し、本菌を植菌、30℃で14日間静
置培養した。成育は600nmの濁度分光計(スペ
クトロニツク20、島津製作所製)で測定した。
600nmの濁度が炭素源を含まないコントロール
との差が0.1未満のものを「資化しない」、0.1以
上0.2未満のものを「わずかに資化」0.2以上のも
のを「資化する」とした。 質化するもの:D−フラクトース、ソルボー
ス、DL−乳酸、メタノール(0.5%) わずかに資化する:D−ラボース、ギ酸(0.5
%) 資化しないもの:アラビノース、セロビオー
ス、アラクトース、D−グルコース、ラクノー
ス、マルトース、マンノース、メレジトース、メ
リビオース、ラフイノース、ラムノース、シユク
ロース、トレハロース、キシロース、エリスリト
ール、イノシトール、マンニトール、デンプン、
ソルビトール、エチレングリコール、グリロー
ル、酢酸(0.5%)、プロピオン酸(0.5%)、エタ
ノール(0.5%)、プロパノール(0.5%)、コハク
酸、フマル酸、プルビン酸、リンゴ酸、カザミノ
酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、
グリシン、セリン、アドニトール、サリシン、馬
尿酸、アミグダリン、ペプトン、 酵母エキス (従来の類似種との比較など) 上記の菌学的性質から、No.446は、偏嫌気性の
グラム陽性無胞子桿菌で、その主要醗酵代謝産物
が酢酸であることを特徴とする菌株である。この
性状からバージーズ・マニユアル・オブ・デター
ミネイテイブ・バクテリオロジー第8版及びアン
アエロブ・ラボライトー・マニユアル第4版にも
とずき検索するとユーバクテリウム
(Eubacterium)に属すると考えられるが、ユー
バクテリウム属には諸性状がNo.446と一致する菌
種の記載はなかつた。一方、二酸化炭素と水素か
ら酢酸を主要醗酵生産物として蓄積する偏嫌気性
のグラム陽性無胞子桿菌として新たにアセトバク
テリウム属(Acetobacterium,type strain
Acetobacterium woodii)が1977に提案されて
いる。(インターナシヨナル・ジヤーナル・オ
ブ・システマテイク・バクテイオロジー、27巻、
335頁) No.446とアセトバクテリウム・ウツデイの性状
を比較したところ共に偏嫌気性のグラム陽性無胞
子桿菌で酢酸を主要醗酵生産物として蓄積する点
で一致したが、第2表に示す点で両菌の性状はち
がつていた。
【表】 以上のことから、No.446はアセトバクテリウム
属に属する新菌種であると考えられるので、アセ
トバクテリウム・エスピーNo.446と命名した。さ
らにこの菌株は工業技術院微生物工業技術研究所
「微工研第7017号(FERM−PNo.7017)として寄
託した。 (培養方法) 培養方法は原則的には、一般の微生物の場合と
同様であるが、酸素の混入を防ぐことが必要であ
り、実験室的には、ゴム栓等で密栓した培養器中
で、静置あるいは振盪する方法が用いられる。や
や大きい規模では、通常用いられる醗酵槽がその
まま利用でき、装置内の酸素は、窒素などの不活
性気体あるいは原料気体などで置換することによ
り嫌気的な雰囲気をつくることが可能である。醗
酵槽の形式は特に問わないが、普通に使用される
撹拌混合槽のはか、一段あるいは多段の気泡塔
型、ドラフトチユーブ型の醗酵槽も利用できる。 培養に用いる炭素源は、通常、二酸化炭素ガス
として供給するが、培地中に溶解二酸化炭素ある
いは炭酸塩、炭酸水素塩として加えることもでき
る。窒素源は塩化アンモニウムのごときアンモニ
ウム塩や硝酸ソーダのような硝酸塩のごとく、通
常の醗酵に用いうる各種の窒素化合物を用いるこ
とができる。 その他必要に応じ、リン酸二水素カリ、硫酸マ
グネシウム、硫酸マンガン、塩化ナトリウム、硫
酸鉄、塩化コバルト、塩化カルシウム、硫酸亜
鉛、硫酸銅、明ばん、モリブデン酸ソーダ、硼酸
などの無機化合物、あるいはビオチンや酵母エキ
スなどのビタミン類を添加することは、通常の行
なわれる通りである。 培養液中に蓄積された酢酸は公知の技術を用い
て回収することができる。 以下具体例により本発明を説明する。 実施例 1 アセトバクテリウム・エスピーNo.446を以下の
ように培養した。第1表に示す培地を試験管へ5
ml分注滅菌後、同培地で培養を行つた培養液
100μを嫌気グローブボツクス(フアーマ社、
アナエロボツクス)中で添加し、ブチゴム栓で密
栓したのち気相を水素(67%)と二酸化炭素(33
%)を含む除菌ガスに置換し、30℃で静置培養し
た。 培養液の一部を遠心分離機により菌体を分離
し、この上清をイオンパツクC811(昭和電工)カ
ラムを備えた高速液体クロマトグラフ(島津製作
所、LC4A型)に注入した。移動相として0.1%リ
ン酸水溶液を流速1ml/分で流し、検出を210n
mの吸収を利用して行なつたところ、第1図のク
ロマトグラムが得られた。このクロマトグラムに
おける2つのピークAおよびBの保持時間は、標
準品と照合することによりそれぞれ培地および酢
酸のものと一致することを確認した。 菌体の成育は、600nmの濁度を分光計で測定
することにより観察し、気相成分の微生物への吸
収両は、U字管の一方の先に取りつけた注射針を
培養試験管内へブチルゴム栓を貫いてさしこみ、
U字管内の水位の変動から測定した。 上記実験法により経日変化を測定したところ、
第2図に示すように本菌株は22日間の培養で5.1
g/の酢酸を生成した。図中の矢印は気相に新
ガス(H2/CO2=2/1)で置換したに日を示
さている。 実施例 2 L字型試験管を用い、実施例1と同様に準備し
てアセトバクテリウム・エスピーNo.446の振盪培
養を行なつた。測定方法も実施例1と同様に行な
い経日変化を測定したところ、第3図に示すよう
に本菌株は24日間の培養で9.2g/の酢酸を生
成した。図中の矢印は気相を新しいガス(H2
CO2=2/1)で置換した日を示している。 実施例 3 実施例1と同じ方法でアセトバクテリウム・エ
スピーNo.446を実施例1と同様に静置培養を行な
い、酢酸を測定し、気相中の二酸化炭素をユニビ
ーズC(ガスクロ工業)カラムを備えたガスクロ
マログラフで測定した。移動相としてヘリウムを
流速80ml/分で流し、カラム温度を60℃として
TCDで検出した。また培地中に含まれる炭酸水
素塩量および溶存二酸化炭素は、アプライド・ア
ンド・エンバイロンメンタル・マイクロバイオロ
ジー33巻、1270頁(1977)に記述してある方法に
より測定した。 上記方法により炭素収率を求めたところ、第3
表に示したように12日間の培養で82%であつた。
収率は2分子の二酸化炭素から1分子の酢酸を生
成する場合を100%とした。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1で得た培養液のクロマトグ
ラムであり、第2図、第3図は、それぞれ実施例
1および2における菌体生育、酢酸生成およびガ
ス吸収の経日変化を表わすグラフである。第4図
は、アセトバクテリウム・エスピーNo.446の形態
を表わす電子顕微鏡写真である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 二酸化炭素と水素とを含む培地で、アセトバ
    クテリウム・エスピーNo.446を培養し、蓄積され
    た酢酸を回収することを特徴とする酢酸の製造方
    法。
JP5364583A 1983-03-31 1983-03-31 酢酸の製造方法 Granted JPS59179088A (ja)

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