JPH0318602B2 - - Google Patents

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JPH0318602B2
JPH0318602B2 JP57223103A JP22310382A JPH0318602B2 JP H0318602 B2 JPH0318602 B2 JP H0318602B2 JP 57223103 A JP57223103 A JP 57223103A JP 22310382 A JP22310382 A JP 22310382A JP H0318602 B2 JPH0318602 B2 JP H0318602B2
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deferoxamine
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aluminum
alzheimer
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    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
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    • A61K31/16Amides, e.g. hydroxamic acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/28Drugs for disorders of the nervous system for treating neurodegenerative disorders of the central nervous system, e.g. nootropic agents, cognition enhancers, drugs for treating Alzheimer's disease or other forms of dementia

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Description

【発明の詳細な説明】 アルツハイマー病は、老人性脳疾患の最もあり
ふれた原因であり、かつ、非情なまでも、進行性
の、致命的、かつ手に負えない病態である。この
病気は通常、学習−記憶欠損症をもつて始まり、
徐々に、判断、計算及び言語をはじめとする知的
活動のすべての面を包含するまで進行する。運動
機能も又、次第にそこなわれる。統合運動障害の
出現に続いて不定間隔で、錐体外路型の筋緊張及
び運動緩徐の全般的な加がみられる。疾病が進行
するにつれ、特に屈筋団において筋緊張の強さが
増加し、屈曲する際、末期的状態の体位をとる結
果となる。間代性筋痙攣反射があることもあり、
個々の患者のおよそ5〜15%に発作がおこる。疾
病の平均期間は8年であり、2〜19年まで様々で
ある。 90年以上の間、アルミニウムが、選択的神経毒
性剤として考えられている。高濃度の脳アルミニ
ウムと関連したヒトの神経学的病態は、例えば、
グアム及びキイ半島(日本)筋萎縮性側索硬化症
(脊髄コード及び脳);老人の脳;透析脳障害;線
条−黒質性症候群;斑状脱髄及び結晶析出を伴う
アルコール性痴呆;アルツハイマー老年期痴呆及
び初老期痴呆がある。〔デイ−・アール・クラツ
パー等、アルミニウム神経原線維変性及びアルツ
ハイマー病(D.R.Crapper et al.,Aluminum
neurofibrillary degeneration and Alzheimer's
disease),Science 180巻,511〜513頁(1973),
Brain99巻,67−80頁(1976)、ジー・エー・ト
ラツプ等、アルツハイマー病における脳中のアル
ミニウム濃度(G.A.Trapp et al.,Aluminum
levels in brain in Alzheimer's desease),
Biol.Psych.13巻,709〜718頁(1978)参照〕。デ
イー・ピー・パール(D.P.Perl)及びエー・アー
ル・ブローデイ(A.R Brody){Science208巻,
297〜309頁(1980)}により、アルミニウムは、
神経原線維変性を伴うニユーロンの神経細胞群中
に見出された。ジエー・アール・マクデルモツト
等(J.R.Mc−Dermott et al.){アルミニウム及
びアルツハイマー病(Aluminum and
Alzheimer's desease)Lancet(1977),第2巻,
710〜711頁}は、アルツハイマー型老人性痴呆を
伴う患者の脳が高濃度のアルミニウムを含有する
ことを見出した。しかしながら、同一年令の年配
者の対照脳も又高濃度のアルミニウムを含有し、
かつ両者間の相違は有意ではなかつた。デイー・
アール・クラツパー・マクラツハラン等(D.R.
Crapper McLachlan et al.{Neurotoxicology
巻,25〜32頁(1980)}により示されたように、
この矛盾は対照の選択にあるようであり、何とな
れば、同一年令の対照群の脳は、アルツハイマー
群に見出される密度とほぼ等しい密度の神経原線
維変性を有するからである。 ネコ及びウサギのような敏感な実験動物では、
アルミニウムの溶解性塩の単一致死量を頭蓋骨内
に注射すると、先ず、学習記憶欠損症から始ま
り、注射後14〜28日には間代性筋痙攣反射及び発
作で終る一連の症状がおこる。症患脳は神経原線
維変性を伴うニユーロンを含有する。この結果は
極めて短期間の行程ではあるが、アルツハイマー
病に見られる徴候の経過と著しく類似している。
更に、敏感な種(species)においては、アルミ
ニウムの毒性濃度は、4及び8μg/g乾燥重量
の間の範囲にある(デイー・アール・クラツパー
及びジー・トムコ,Brain Research97巻,253〜
264頁(1975)参照)。従つて、デイー・アール・
クラツパー等(D.R.Crapper et al.){Brain99
巻,61〜80頁(1976)}により測定された、アル
ツハイマー病により死亡した10人の脳からの585
試料のアルミニウム濃度は、総体的に、3.8μg/
g乾燥重量であり、かつ、総神経皮質域の約1/3
においては、4μg/g乾燥重量を超えていた。
更に、生体外のヒトの大脳の胎児ニユーロンは、
敏感な動物種と同濃度で、アルミニウムに対する
毒性応答を示す{デイー・アール・クラツパー等
(D.R.Crapper et al.),Aging,第7巻,471〜
485頁,アール・カツマン等(R.Katzman et
al.)による編集,レーブン・プレス,ニユーヨ
ーク(Raven Press,New York)(1976)参
照}。 アルミニウムの細胞内分布は、アルツハイマー
病の場合と同様、神経原線維変形に関連した実験
的脳疾患の場合にも、ほとんど例外なく核内であ
る。核画分内で、アルミニウムは均一に分布して
いない。沈降分析を基として、デイー・アール・
クラツパー(D.R.Crapper)及びニユー・ドボニ
(U.DeBoni){ケー・ナンデイ及びジエー・シエ
ルウイン編集:老人の脳及び老年痴呆,プレナ
ム・プレス,ニユーヨーク及びロンドン(K.
Nandy and J.Sherwin,Editors:The Aging
Brain and Senile Dementia,Plenum Press,
New York and London)1979,229〜246頁}
は、重い画分、すなわち異質染色質及び2つのよ
り軽い画分、すなわち中間真正染色質と軽真正染
色質を、対照ネコ及び実験的に誘発したアルミニ
ウム脳疾患の進行した段階で殺したネコの脳の核
から分離した。原子吸収によるアルミニウムの定
量測定及び標準方法によるDNAの定量測定は、
対照脳においては、核は、DNA1g当り約700μ
gのアルミニウム及び異質染色質画分はDNA1g
当り約1550μgのアルミニウムを含有することを
示した。脳疾患の脳においては、これらの濃度
は、それぞれ約370%及び540%増加した。デイ
ー・アール・クラツパー等(D.R.Crapper et al.
Brain99巻,67〜80頁(1976)}によると、初老
期アルツハイマー性痴呆症患者の脳(脳数:6、
試料:11)は、総核及び異質染色質について、そ
れぞれ1401及び3783μgAl/gのDNAの平均ア
ルミニウム濃度を有し、同一年令の対照脳(脳
数:6,試料:11)が716及び2111μg/gDNA
であるのと比較すると、アルミニウムの核内含量
が約2倍増加していることになる。 アルツハイマー病、及びアルミニウムイオンの
頭蓋骨内注射により誘発された実験上の脳疾患と
の間の類似性にも拘らず、アルツハイマー病をお
こす第1の症状は、アルミニウムイオンの過剰供
給にあるのではなく、むしろ自然に存在する毒性
アルミニウムに対する、脳の防禦が減退すること
にあると思われる。しかしながら、後者は透析脳
障害の原因、すなわち、アルツハイマー病とは際
立つて異なる存在であるものとして認識されてい
る。この相違は、透析痴呆には組織病理学上の脳
変化が全くないというところにある。体のすべて
の組織は、高いアルミニウム濃度を有し、すなわ
ち、正常の約10〜20倍であるが、脳においては、
アルミニウムは細胞質に限定され、かつ核からは
排除される。これと対照的に、アルツハイマー病
においては、神経原線維変性を含む強い組織病理
学上の変化があり、アルミニウムはほとんどすべ
て核内構造と結合し、かつ脳が、冒された唯一の
器官である。従つて、アルツハイマー病は、実験
動物の脳障害と極めて類似している。透析水のア
ルミニウム含量を最低値に確実に保つ注意がどこ
ででも行われるようになつて以来、透析脳障害は
稀になつている。1週に1度、10ヶ月間に亘つて
500mlの食塩水に薬剤用キレート剤メシル酸デス
フエリオキサミン(BAN,メシル酸デフエロキ
サミンUSAN及びINNに相当する)6gを添加
したものを、透析の最初の2時間動脈血管に注入
することにより、実質的な量のアルミニウムを除
去すると、透析脳障害に冒された患者の状態がめ
ざましく治癒されることが、ピー・アクリル等
(P.Ackrill et al.),{The Lancet(1980),第2
巻,692〜693頁}により報告されている。ピー・
ウイリアムズ,アール・ハンナ及びデイー・アー
ル・クラツパー・マツクラハン(P.Williams,
R.Khanna and D.R.Crapper MacLachlan)
Bulletin of Dialysis1巻,73頁(1981)}によ
れば、アルミニウムの排出は又、継続通院の腹膜
透析で、透析痴呆症に冒された患者にデフエロキ
サミンを投与することにより増進される。これ以
前に、エー・エー・ユーニス等(A.A.Yunice et
al){Arch. Envir.Health16巻,163〜170頁
(1968)}により、4ヶ月間デフエロキサミン
USAN上で飼育されたネズミにおいては、アル
ミニウムは肺、膵臓、心臓の筋肉及び脳中で減少
し、かつ動物は何ら毒性作用を示さなかつたこと
が知られていた。 本発明は、アルツハイマー病の治療方法を提供
するもので、かかる治療を必要とする人に、薬学
上許容しうる酸を付加したデフエロキサミン
USANの塩{デスフエリオキサミンBAN,化学
名N−〔5−〔〔4−〔〔5−(アセチルヒドロキシア
ミノ)ペンチル〕アミノ〕−1,4−ジオキソブ
チル〕ヒドロキシアミノ〕−ペンチル〕−N′−(5
−アミノペンチル)−N′−ヒドロキシブタンジア
ミド又は30−アミノ−3,14,25−トリヒドロキ
シ−2,10,13,21,24−ペンタオキソ−3,
9,14,20,25−ペンタアザトリアコンタン}を
投与することからなることを特徴とする。かかる
塩は、好ましくは、水溶液の形で非経口的に投与
される。適切な酸を付加したデフエロキサミンの
塩、例えば、メシル酸塩は投与量は、1日に約
0.2〜5gが便宜的によく、好ましくは約0.2〜約
1.5gであり、特に1日約0.5〜約1.0gであり、と
りわけ1日2回0.5gがよく、患者の個々の状態、
及び病気の段階次第で変わる。アルツハイマー病
の治療用の適切な処方は、特に2.5〜約12.5%、
好ましくは5〜約10%の、薬学上許容しうる酸を
付加したデフエロキサミンの塩の水溶液であり、
この溶液は、乾燥アンプル(バイアル)から、又
は、他の安定にかつ無菌状態に保管された特定の
塩の調合物及び蒸留水もしくは鉱物質除去水か
ら、調製直後のもの、又は直前に用意されたもの
である。例えば、メシル酸デフエロキサミンの10
%以下の濃度の溶液は、市販のデスフエラール
、(DESFERAL、 ){チバーガイギー・エー
ジー(CIBA−GEIGY AG)の登録商標}の乾
燥アンプル(バイアル)500mg及び例えば蒸留水
又は生理食塩水を用いて調製することができる。
かかる溶液は、例えば大臀筋又は前大腿筋又は錐
体外路筋への筋肉内注射により、更に静脈内注射
もしくは皮下注射により又は注入により、非経口
的に施してもよい。例えば、家庭で又は年配者の
ための施設で、自己治療又は無資格者による治療
に特に適切なものとしては、携帯用注入ポンプ及
び自在に撓むように設置された注射器を用いて、
1日に1回又は2回、数時間に亘り、又は昼夜連
続的に行う公知方法、例えば腹部の皮膚に施され
る緩行皮下注射がある。この公知の方法は、例え
ば、地中海貧血症のように、処置に定期的に血液
輸血を要する病気の場合、血液色素沈着症の処置
のためのように、デフエロキサミンの薬学的に許
容しうる酸を付加した塩、特にそのメシル酸塩を
含む臨床病理学的鉄の過剰蓄積(iron overload)
により特徴づけられた病気処置に用いられるもの
である。 デフエロキサミンの酸付加塩は、単一の、アル
ツハイマー病特効薬として投与されてもよく、
又、アルツハイマー病に有益な効果を有すると認
められている、例えば、テトラサイクリン、フツ
化ナトリウム、乳酸−グルコン酸カルシウム塩も
しくは他のカルシウム塩、ビタミンD3及び/又
はアスコルビン酸のような他の薬剤の、随伴的及
び/又は選択的投与を伴つて施されてもよい。例
えば、1週間毎、2週間毎もしくは1ヶ月毎のよ
うな別の方法がとられてもよく、又デフエロキサ
ミンの酸付加塩を3週間投与し、ついで、他の薬
剤を1週間投与してもよい。特に、他の有効な薬
剤が暫時投与されるならば、短期間、治療がこの
ように中断されてもよいが、治療は、患者の生存
期間中実質的に長期に亘つて継続されるべきであ
る。 デフエロキサミン及びその薬学上許容しうる
塩、特に、塩酸塩(融点171〜173℃)の製法は、
ドイツ特許第1186076号明細書(実施例1及び2、
デスフエリーフエリオキサミン B−塩酸塩とし
て記されている)に述べられている。原料として
用いられたフエリオキサミン B−塩酸塩の植物
材料からの製法は、ドイツ特許第1123436号明細
書に述べられており;デスフエリオキサミン類の
合成は、ドイツ特許第1163337号明細書に記載さ
れている。更に、既に参照したメシル酸塩(メタ
ンスルホン酸塩、融点:140〜142℃)、硫酸塩
(融点:170〜172℃)及び酒石酸塩(融点:159〜
161℃)については、フランス特許第1898M号明
細書に記載されている。この文献には、薬学上の
調剤すなわち、かかる塩類を含有する乾燥アンプ
ル(バイアル)、坐薬及びカプセルの製法も又述
べられている。更に、適切な塩類としては、例え
ばリン酸類、酢酸、グリコール酸、乳酸、コハク
酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、
クエン酸、エタンスルホン酸及びヒドロキシエタ
ンスルホン酸との塩をはじめとする、ドイツ特許
第1186076号明細書に参照されているものがある。 水素滴定による新しい測定によれば、デフエロ
キサミンは、アルミニウムとの結合に対する安定
性恒数1021〜23を有し、かつ、鉄との結合に対す
る安定性恒数1030〜31を有する。このことは、先
の指摘{エツチ・ケバール,デスフエリオキサミ
ンの生化学及びその鉄代謝との関連、ニユーヨー
ク・アカデミー・オブ・サイエンシス、鉄に関す
るシンポジウム、758〜764頁,1963年(H.
Keberle,The biochemistry of
desferrioxamine and its relation to iron
metabolism,New York Academy of
Sciences,Symposium on Iron,pages758〜
764,1963)参照}と一致する。 次の研究結果は、メシル酸デフエロキサミンを
非経口的に投与することによるアルツハイマー病
の治療の有益な効果を示す。 大脳機能についての3つの独立した測定が、臨
床過程の測定として選ばれた:ウエクスラー成人
用知能検査及びウエクスラー記憶検査(the
Wechsler Adult Intelligence Scale and the
Wechsler Memory Scale)により測定された判
断能力の繰り返し測定,バツクワード・マスキン
グ・パラデイム(backward masking
paradigm)を含む信号検出作業のくり返し測定
及び動力スペクトル分析を用いる、脳波記録法の
緩慢波異常のくり返し測定である。 方 法 A アルツハイマー病の臨床診断のための判定基
準 この検討の目的のために、アルツハイマー病の
診断には、信頼できる観察者による少なくとも24
ヶ月に亘る、性格の変化と共に、損われた記憶能
力及び他の判断機能の症例証拠を必須要件とし
た。判断力の欠損症の重大性が潜在的に発生し、
かつ間断なく進行したとの確証が得られた場合は
病歴に含めた。一過性脳虚血発作、卒中、無制御
高血圧症、腎炎、制酸剤を含有するアルミニウム
を必要とする消化性潰瘍又はいかなる他の系統的
疾病の病歴を持つ患者は除外した。長期間の意識
不明を伴う頭部の怪我、アルコールもしくは薬物
乱用、又はうつ病の病歴を持つ患者は除外した。
70歳以前に進行性記憶欠損症が現われた家族を持
つ患者又はいかなるタイプにせよ家族性の神経障
害をもつた患者は除外した。アルミニウム溶接、
研摩又は酸化アルミニウムを吸入する職歴を有す
る患者は含めなかつた。 身体検査は、記憶障害の徴候と共に、空間の見
当識障害、不全失語症又ははつきりした意識の存
在下での運動の統合運動障害の徴候のような大脳
半球の掛かり合いの徴候を必須要件とした。手掌
顎反射、過活性顔面反射及び上方凝視障害のよう
なアルツハイマー病の、より進行した段階の徴候
は、患者が研究対象にされるに至つた時点では稀
にしか見られなかつたが、それらは、後に病気が
すすむ過程で常に現われた。研究の結論として、
血圧をはじめとして、身体検査の残りの項目では
全く正常であつた。通常の血液及び尿検査は、心
電図と同様正常であつた。脳のX線断層撮影
(CT scan)は、すべての症例で脳の萎縮を示し
た。6〜18ケ月毎の再検査によると、初期診断の
大部分の判定基準について進行性変化の徴候を示
すはずであつた。記憶障害を患いながら自宅で生
活している100人を超す患者のうち17人の患者が
選択判定基準要件にかなつた。かれ等は、又、同
等水準の教育及び職業上の背景をもつ、同一の社
会的経済的層の出身者であつた。これらの患者の
各々は、親類による看護の恩恵を受けており、か
つ、各々は基本的に同一の環境状況のもとに自宅
生活をしており、かつ、総体的な健康は同等であ
つた。17人の患者から任意に選ばれた6人の患者
(男性3人及び女性3人)にメシル酸デフエロキ
サミン(以下、デフエロキサミンと呼ぶ)を、そ
の水溶液の筋肉内注射により投与した。毎日筋肉
内注射を約2年間に亘つて行うというプラセボ処
置を11人の対照患者に行うことは非論理的に思わ
れ、その上、6〜23ケ月間、処置グループにプラ
セボ効果を耐えさせるのは、うまくいきそうもな
い。 臨床診断の精度を評定するため、痴呆症患者の
他のグループを、詳細な臨床研究のために選ばれ
たグループと共に検査した。アルツハイマー病の
臨床診断が行われ、これらのうち41例について死
後検査が得られた。脳は、中央縦断面で2分さ
れ、2分されたものは、中性緩衝液で調節された
ホルマリン中に14日間固定した。広範囲に亘る組
織病理学上の検査が、ヘマトキシリン−エオシン
及びベアルシヨウスキイの染料
(Bielschowsky's stains)並びに電子顕微鏡検査
を用いて行われた。病理学上の診断を行うには、
神経原線維変性並びに新皮質及び海馬領域中の神
経炎による大脳斑を伴う広汎な、かつ、多数のニ
ユーロンを必要とする。組織病理学上の検査は、
41人の患者のうち36人中に典型的なアルツハイマ
ー病を見出した。 B 臨床的過程の測定 1 記憶をはじめとする判断機能の測定:ウエク
スラー成人知能検査(Wechsler Adult
Intelligencc Scale)及びウエクスラー記憶検
査I型(Wechsler Memory Scale form I)
を判断機能の測定法として選んだ。これらの手
段は、4〜18ケ月の間隔で用いられ、かつ、同
一の試験官により行使された。 2 バツクワード−マスキング・パラデイム
(Backward−Masking Paradigm)を用いる
信号検出作業。患者の視覚的情報処理能力をエ
ム・テイー・ターベイ(M.T.Turvey's)
(1973)の記号検出バツクワード・ヴイジユア
ル・マスキング(backward visual masking)
検査{Psychol.Review,80巻,1〜52頁
(1973)参照}を用いて検査をした。これらの
検査の成果は、脳への情報の単純な伝達という
よりむしろ目に見える形態及び型(パターン)
認識の分析に関与するこれらの中枢脳の活動性
を反映すると通常考えられている{例えば、テ
イル及びフランクリン(Till and Franklin),
J.Gerontol,26巻,200〜210頁(1980)}。 装置は、3チヤンネルのパンドラの箱瞬間露
出器(three−channel Pandora's−box
tachisto−scope)からなり、それによつて1゜
の視覚角に拡がつている単一の、双眼用文字刺
激(1/2インチのフランクリン・ゴシツク体・
ステイツク文字A,H,T,O,U,W,X及
びY)が20cd/m2の背景輝度に暗順応させら
れた被検査人に与えられた。 文字刺激の“オフ(off)”の状態に続いて、
30ミリ秒の“パターン・マスク(pattern
mask)”が170cd/m2の輝度で与えられた。光
学的測定は、テクトロニツクス
(Tektronix)・デジタル型光度計により、
J6503 輝度試験針を用いて行われた。パター
ン・マスクは文字刺激のセグメント、すなわ
ち、不規則に並びかつ、文字刺激が提示された
場の全面を覆つた“I”及び“T”からできて
いる。文字刺激がオフの状態とパターン・マス
ク提示された状態の間隔は、全時間に亘つてゼ
ロとした。文字刺激の持続時間のみを、1−
999ミリ秒の期待された実行範囲に亘つて、1
−5ミリ秒の範囲で変化せしめた。 文字刺激に対する認識閾値は、患者がマスキ
ング刺激が無い場合に、4つの連続した文字の
提示を正しく認識することができる文字刺激付
与時間として定義した。各人は、バツクワード
(back ward)パターン・マスク試験を受ける
ためには、この限界値(閾値)に達することが
要求される。文字刺激に対する閾値を確立する
ことができない場合には、試験を終了する取り
決めとした。 同定閾値は、文字刺激に続いてパターン・マ
スクが提示された場合であつて、かつ、認識閾
値が前もつて確定された後で得られるという点
を除き、認識閾値と同様の定義を有し、かつ、
認識閾値と同様に測定された。両眼の視覚的鋭
敏性及び視覚的作業の分析は、ボーシユ・アン
ド・ロームの改良型オルソ・レータ(Ortho−
rater)及びその使用法に関して手引書中に概
説された標準の臨床作業を用いて行われた。 3 脳波記録法による緩慢波の乱れの定量的測定
標準リード(C3−Pz:C4−Pz)を用いて、脳
波計の2つのチヤンネルを、CAMAC〔バーン
ズ(Barnes)及びフートン(Hooton)、アト
ミツク・エネルギー・オーソリテイ・リサー
チ・グループ・レポート(Atomic Energy
Authority Research Group Reports)(1969)
参照〕及び1〜70Hzにセツトされた帯域波通過
フイルター(band pass filter)を有するグラ
ス8型ポリグラフ(Grass Model 8
polygraph)からのPDP11/05型コンピユータ
の制御のもとにデジタル化した。 被検者は、両眼を閉じて横になり、1秒間に
128検体の割合で12秒間単位でサンプリングさ
れた。5〜6単位が不規則な間隔をおいて収集
され全体で30〜45分間観察が行われた。被検者
は、くつろいだよく気くばりがなされた状態に
維持され、測定はすべて同一人によつて行われ
た。得られた経時観察結果は、高速フエリー変
換用演算子によつて演算され、1サイクル振動
毎に表示された。対応するスペクトル分布が与
えられた。人工によつてもたらされた領域は、
いかなるものも、分析から除外された。統計分
析のために、シータ(theta)・バンドは、4−
7Hzの領域の出力の和として、又、アルフア
(alpha)・バンドは、8−12Hzの領域の出力の
和として定義された。この2つのバンドの比、
すなわち、アルフアに対するシータの比を、脳
波記録法による異常指数として用いた。 C アルミニウムのキレート化剤としてのデフエ
ロキサミン アルツハイマー病の患者においては、デフエロ
キサミンにより、アルミニウムの排泄が増加する
ことを立証するため、5人の患者を入院させ、48
時間、標準の病院規定食を与えた。アルミニウム
含有の制酸剤の服用歴を有するものはいなかつ
た。標準規定食の開始期に引き続いて、プラスチ
ツク製の、酸洗浄を施した。アルミニウムを含ま
ない容器を用いて12時間間隔で尿採集を行つた。
3日間の対照尿採集に続いて、患者に、午前8時
と午後8時に、500mgのデフエロキサミンの筋肉
内注射を施した。尿中のアルミニウムを、重水素
バツクグラウンド修正器及びパーキン・エルマー
(Parkin Elmer)HGA2000黒鉛炉を備えたパー
キン・エルマー・モデル・305B・ユニツト
(Parkin Elmer model 305B unit)を用いて、
原子吸収分光学により測定した{クリシユナン、
クイツトカツト及びクレツパー(Krishnam,
Quittkat and Crapper),Can.J.Spectroscopy,
21巻,25〜30頁(1976)参照} 結 論 上に報告した分離グループの患者のアルツハイ
マー病についての臨床的診断の検査に基づけば、
この報告の選ばれた場合においては、診断の精度
は、内輪に見積つて約86%の正確さである。従つ
て、この報告の17例中2例のみが、アルツハイマ
ー病以外のタイプの進行性痴呆症であるようであ
る。しかしながら、4例は、第1表に示したよう
に、すでに、組織病理学的に立証されている。 A デフエロキサミン及び尿中アルミニウムの排
泄 アルツハイマー病の患者5人を最初、病院へ入
院させ、標準病院規定食を与えながら、対照のた
めの3日間、及び12時間間隔で行つた500mgのデ
フエロキサミンの筋肉内注射を施した3日間、ア
ルミニウムの尿排泄を測定した。結果は第5表に
示されており、デフエロキサミンの筋肉内注射
は、尿中アルミニウム排泄を270パーセント増加
させる結果となることを示している。24時間に亘
つて1gの皮下注入は、アルミニウムの排泄量を
増加させる結果にはならなかつた。 B アルツハイマー病における判断機能 かなりの変動はあるが、4ないし9ケ月間隔
の、ウエクスラー成人知能検査及び記憶検査での
判断力のくり返し測定によると、総体的に、点数
が減少する傾向が示された。68のデータ点は、12
人の選ばれた在宅の外来患者に対するものである
(第1表)。患者がこの研究対象となりはじめた平
均年令は、61±7SD(標準偏差)歳であり、信頼
できる証拠によれば、平均年令57±7SD歳で最初
に症状があらわれたと思われた。 【表】 【表】 【表】 【表】 彼らには投薬が行われていなかつた。不変又は
改善の検査得点と比較して、衰退の検査得点の確
率が第2表に示されている。3点以上の検査得点
の相違は、判断力についての意味のある傾向を表
わしていると仮定すれば、8.8±4.2SD月の平均間
隔で測定すると、衰退の確率は、言語I.Q.(知能
指数)点に対しては0.80、作業I.Q.点に対しては
0.75及び記憶点に対しては0.87であつた。繰り返
し測定値間で、言語I.Q.点は全く改善されず、作
業I.Q.及び記憶点について改善された確率は、
0.05であることが立証された。 平均衰退速度は、患者により著しく変動し、単
−患者から得たくり返し測定値内でも著しく変動
した(第1表)。検査間隔間の1ケ月当りの点数
変化としてデータを表わしているが、言語I.Q.
点、作業I.Q.点、及び記憶点についての、平均変
化速度はそれぞれ、−0.81、−0.83及び−0.57点/
月であつた。 【表】 【表】 しかしながら、標準偏差は、それぞれ0.59、
0.77及び0.48と大きく、同一患者に対する、検査
−検査間に対してさえも、衰退速度が広範囲に分
布していることを示している。更に、判断機能の
変化又は性格の開始日と、I.Q.点とを関連づけよ
うと試みたが、患者グループの初めのI.Q.の平均
値を100又は120としたとの仮定に基づいて正常化
した場合でさえ、全く関連性はなかつた。ウエク
スラー知能検査及び記憶検査は、最初の診断後
2.5年以下又は判断機能の変化が観察された開始
日後、平均約6.5年間有効であつた。 C デフエロキサミン及び判断機能の変化 任意に選んだ6人のアルツハイマー病患者(男
性:3人,女性:3人)にデフエロキサミンを投
与したが、これらの患者が最初に診断された平均
年令は57±4SD(標準偏差)歳であり、信頼され
うる証拠により判断機能に変化をきたしたと最初
に知見された平均年令は、53±4SD歳であつた。
これらの患者は、第1B表に示したスケジユール
に従つて、6ないし23ケ月間、デフエロキサミン
の筋肉内注射を続けた。11人の厳密に一致した非
治療対照例の検査点数、及び被治療グループの1
つの治療前の点数と比較したところ、この6人の
被治療患者は、衰退を表わす点数が低いことを示
した:すなわち、言語I.Q.、作業I.Q.及び記憶検
査が非治療グループについては、それぞれ0.80、
0.75及び0.87であるのに比較して、被治療患者に
ついては、それぞれ0.67である(第2表)。被治
療グループは、変化なし及び改善のいずれかを表
わす点数の比率が高かつた。言語I.Q.、作業I.Q.
及び記憶点数については、非治療グループに対し
ての変化なし又は改善の確率は、それぞれ0.20、
0.25及び0.13であつたのに比較して、被治療グル
ープに対してのそれはそれぞれ0.39、0.34及び
0.35であつた。 【表】 【表】 第1B表の個人検査点数試験は、12ないし23ケ
月間の治療を受けた患者には全く変化がないこと
を示している。患者12及び13の両者においては、
治療中止後6ケ月で作業点数の劇的減少がおこ
る。患者12についての言語I.Q.、作業I.Q.及び記
憶点数は治療前には、それぞれ60,95及び62であ
り、2年間の治療後には、それぞれ60,89及び64
であつた。治療中止後3ケ月には、点数はそれぞ
れ46,68及び48と減少した。患者13についても同
様に、治療中の点数は72,59及び52であつたが、
治療中止後6ケ月には、I.Q.検査の点数は57,53
であり、記憶点数はウエクスラー記憶検査では検
査不能であつた。患者14は治療を続けたままであ
り、検査点数は変化もわずかな降下も示していな
い。治療中、たとえ判断機能に幾分かの衰退があ
つても、これらの患者の家族は、全く報告しなか
つた。対照的に、患者12及び13の家族は、投薬中
止後の急激な衰退に気付いた。6ケ月間だけ治療
を施した3人の患者は、これらの検査では下降を
続けた。 D バツクワード・マスキングを用いての信号検
出作業 第3表は、6人の非治療対照患者及び5人のデ
フエロキサミン治療を受けた患者についての、バ
ツクワード・パターン・マスク状態で得られた認
識閾の概要である。第3表の値は、次のようにし
て得られた:すべての患者について“治療前”値
は、検査で得られた初期点数であつた。被治療患
者についての“治療中”値は、治療期間(平均
313日)内に得られたすべての数値の平均から算
出し、同様の方法で、同一期間、対照患者(平均
304日)について“治療中”値を算出した。 非治療対照患者6人すべてが、パターン・マス
ク状態で行われた認識閾測定において、変化なし
又は増加(衰退)を示した。 【表】 対照患者についての、認識閾変化の平均は、平
均検査間隔304日(120ないし484日の範囲)で測
定した場合、20msecであつた。この差異は、相
関関係のある試料に対するStudentの“t”検定
が実施される場合、統計学上の有意性(0.05<P
<0.10,t=1.97,df=5)に達し、かつ、10ケ
月の間隔中に機能が衰退したことを示す、5人の
被治療患者のうちの2人について、治療前の点数
と治療中の点数とを比較すると閾の減少(改善)
を示した。相関関係のある試料に対するStudent
の“t”検定は、対照グループと同等の間隔にお
ける被治療グループの変化が、統計学的には有意
でないことを示した(t>0.10,df=3):すな
わち、グループとしては、これらの患者は、治療
中に機能を失わなかつた。 E 脳波記録法 エツチ・ベルガー(H.Berger)
{Electroenceph.clin.Neurophys.sppl.28巻,151
〜171頁(1932)}及び他の研究者ら〔クラツパ
ー、ドルトン、スコピツツ、スコツト及びハキン
スキ、(1976)、エツチ・エフ・ミユーラー、老人
性痴呆、生物医学的な研究法、ケイ・ナンデイ、
エルセビアによる編集、北オランダ生物医学プレ
ス{Crapper,Dalton,Skopitz,Scott,and
Hachinski(1976),H.F.Muller,Senile
dementia,a biomedical approach,ed.by
K.Nandy,Elsevier,North−Holland
Biomedical press},237〜250頁、(1978)参照〕
は、進行性判断力欠損症とほぼ相関関係のある、
原発性の実質脳(parenchymal brain)の変性に
おける進行性緩慢波崩壊について報告している。
6〜12ケ月の間隔で行われ、かつ、投薬を受けな
い15人の患者の58症例(第1表)に基づいて、シ
ータのアルフアに対する比の繰り返し測定も又発
病の推定期間との相関傾向(γ=0.51)を示して
いる(第1図)。この回帰直線(γ=0.51)は投
薬に先立ち、すべての患者の両脳半球から得たデ
ータについて算出した。 脳波記録法上の異常が更に深刻になるにつれ、
休止期の波形の変動性が増加する。アルフアに対
するシータの比は、拡散した緩慢波の活性量を反
映するのみならず、又同一個人内の日々の変動性
をも表わすので、パラメータとして選ばれた。5
人のアルツハイマー病に冒された個々の患者につ
いてのアルフアに対するシータの比の変動性を立
証するために、3日間の物理的検査の観察期間、
繰り返して28個の記録がとられた。アルフアに対
するシータの比の標準偏差は、グループのための
平均標準偏差を算出するのに用いられ、0.10±
0.04SDであることが判明した。この値は、健康
な対照としての個人について得られた16個の記録
に対する値0.03±0.01(26,32,65及び77歳)の
3倍大きい。 F 脳電図へのデフエロキサミンの影響 θ:α比へのデフエロキサミンの影響を調べる
ため、データを3つの状態:改善,不変、衰退に
分類する。分類の判定基準は、6〜18ケ月の間隔
で行われた2回の観察記録間での比の変化が、
0.10(アルツハイマー病患者についての、観察記
録間の変動性に対する1つの標準偏差)より大き
いかどうかに基づいている。これらの状態の各々
の確率を、各患者について算出し、ついで平均
し、その結果を第4表に示す。データを得た脳半
球が、左右どちらであつても、デフエロキサミン
の投与を受けていないアルツハイマー患者の確率
は0.79であり、θ−α比の増加を示した。この
EEG衰退の確率は、デフエロキサミンの治療を
受けた6人の患者グループでは、0.25まで減少す
る。被治療グループについての、もつとも確率の
高い状態は、EEGが不変の状態である:すなわ
ち非治療グループでは0.20であるのに対し、被治
療グループでは0.50である。わずか6ケ月間しか
デフエロキサミンの投与を受けず、判断機能の変
化を示すことができなかつた3人の患者でさえ、
EEGは安定化も改善も示し、これらの個々の値
は第1B表に示した。 【表】 G 結論 グループとして取り上げた、デフエロキサミン
投与を受けた6人の患者は、用いられた3つの判
断基準のそれぞれにより測定した際、脳機能の衰
退が、非治療グループの11人の患者について同一
の検査間隔で観察された衰退より大幅に減少して
いることを示した。第1B表に示したように、通
常の投与法には28日間、毎日、12時間おきに0.5
gを投与する場合から、毎日0.5gの投与を28日
行つた後、更に28日間はデフエロキサミンを投与
しない等がある。この研究において観察されたよ
うに副作用が最小であるという観点から、更に適
切な投与計画としては、12時間おきに、0.5gの
筋肉内注射を続けて行うことであるように思われ
る。 本発明による調剤は、従来の方法により、製造
される。フランス特許第1898M号明細書は、乾燥
アンプル、坐薬及びカプセルの上述の製法に言及
している。有効成分として、デフエロキサミンの
他の薬学上許容しうる酸を付加した塩、特にメタ
ンスルホン酸塩(メシル酸塩)、及び異なつた量
の有効成分を含有する乾燥アンプルも又製造でき
る。 本発明による調剤は、滅菌されかつアジユバン
ト例えば、防腐剤、安定化剤、湿潤剤及び/又は
乳化剤、可溶化剤、浸透圧の調節のための塩及
び/又は緩衝液を含有してもよい。これらの調剤
は、公知の方法、例えば従来の混合、溶解及び凍
結乾燥法により配合される。 実施例: 適量の滅菌水の添加により、10%又は
5%注射用水溶液を調製するため、メシル酸デ
フエロキサミンの10%溶液2.5mlを、即用
(ready for use)溶液のそれぞれ2.5ml及び5
ml用乾燥アンプル中に注ぎ、ついで従来法で凍
結乾燥することにより、250mgの有効成分を含
有する乾燥アンプルを調製した。 同様に、10%溶液5.0mlを調製するために、
有効成分の10%水溶液5.0ml又は20%水溶液2.5
mlを注ぎ、ついで凍結乾燥することにより、
500mgのメシル酸デフエロキサミン500mgを含有
する乾燥アンプルを調製した。 凍結乾燥に用いた溶液は、更に、それぞれ1
アンプル当に200mg又は400mgに相当する8%の
マンニトールを含有してもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、脳波測定法における異常と発病の推
定期間との相関関係を示す本発明の説明図であ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 薬学的に許容しうる酸を付加した、デフエロ
    キサミンの塩からなることを特徴とするアルツハ
    イマー病治療剤。 2 薬学的に許容しうる酸を付加した、デフエロ
    キサミンの塩を非経口的に投与するための、水溶
    液型の、特許請求の範囲第1項記載の治療剤。 3 薬学的に許容しうる酸を付加した、デフエロ
    キサミンの塩を、1日に約0.2ないし約5.0g、非
    経口的に投与するのに適切な特許請求の範囲第2
    項記載の治療剤。 4 薬学的に許容しうる酸を付加した、デフエロ
    キサミンの塩を、1日に約0.2ないし約1.5g、非
    経口的に投与するのに適切な特許請求の範囲第3
    項記載の治療剤。 5 薬学的に許容しうる酸を付加した、デフエロ
    キサミンの塩を、1日に約0.5ないし約1.0g、非
    経口的に投与するのに適切な特許請求の範囲第4
    項記載の治療剤。 6 筋肉内に投与を行うのに適切な特許請求の範
    囲第2〜5項のいずれかに記載の治療剤。 7 該治療剤が、薬学的に許容しうる酸を付加し
    た、デフエロキサミンの塩の2.5〜12.5%水溶液
    である特許請求の範囲第2〜6項のいずれかに記
    載の治療剤。 8 薬学的に許容しうる酸を付加した、デフエロ
    キサミンの塩がメシル酸塩である特許請求の範囲
    第2〜7項のいずれかに記載の治療剤。
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