JPH03114454A - 超音波カプラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、超音波カプラに関するものである。

詳しく述べると、超音波を利用した生体計測の分野にお
いて用いられる超音波探触子と被検体の接触面の間に介
在される超音波カプラに関するものである。

（従来の技術） 超音波診断装置は、その簡便性と患者への無侵襲性によ
り、心臓および肝臓のような腹部臓器などをはじめとす
る多くの診断分野において使用されている。

例えば、心臓患者において、開心術を的確に行なうため
には術前に病変部の位置や形状、それに隣接する正常な
部分との関係等が詳細に診断されることが望まれ、特に
新生児等の重病例においては、このことは手術結果を左
右する重要な問題であり、超音波診断装置を用いた術前
診断の正確さは、最近の手術成績の向上に大いに役立っ
ている。

しかしながら、胸壁」二からプローブを当てて肺や骨組
織を避けつつ術前の音波検査では心疾患や病変部につい
て十分な情報を得ることができない。

この限界を越えてさらに詳しく超音波診断を行なう方法
として開心術中の超音波検査が考えられる。

すなわち、胸骨正中切開後に心膜または心臓や血管を切
開する前にその外側よりプローブを直接当てて超音波検
査を行なえば、それぞれの内腔に関してより詳しい外科
的に有用な診断が得られる。

また、この術中超音波検査により行なった外科的処置が
的確であったかどうかを術中に確認することが可能で、
このことを再手術の防止や術後管理の上で重要なことで
ある。

超音波診断においては、超音波パルスが体表ないしは臓
器表面より体内に放射され、生体内の各組織での音響イ
ンピーダンスの差により生じる反射波を受信することに
より生体の断層像が得られる。このため正確な断層像を
得るためには、超音波に対し反射率の高い空気層を存在
させることなく超音波プローブを体表ないしは臓器表面
に密着させてやる必要がある。

しかしながら、このようにプローブを直接体表面に当て
た場合、得られる画像において体表付近の血管などの組
織の形状は圧迫により変形“して得られるものとなって
しまう。また心臓や血管壁に直接プローブを当てて超音
波検査を行なう場合、心臓や血管は心拍とともに画一的
でない動きをしており、またプローブに上り圧迫を隻；
チると不整脈や血圧の低下を生じやすい。したがって、
変形できない接触面を有する従来型のプローブを拍動す
る心臓等の表面に絶えず密着させ、安全に使用すること
は困難で、実際には術中のリアルタイム超音波断層検査
法の有用性が十分に発揮されていないのが実情である。

従って、これらのような場合においては、プローブと体
表ないしは臓器表面との間に用いるための適当な接触媒
体物質が必要であり、すなわち、心臓等の表面に密着し
たままその動きを追従する柔かさと超音波特性に優れた
超音波カプラが必要である。

従来、この種の超音波カプラにおいては、ｋ？Ｊ２図（
Ａ）および（Ｂ）に示すように、弾性音響媒体１の被検
体２に接触する部分の突出部１ａは、固定部材３の被検
体側の開口４から、その開口幅Ｗと同じ幅で、すなわち
その開口面積と同一の面積で突出していた（特開昭６１
−２８８，８４０号）。また弾性音響媒体１が超音波プ
ローブ５の超音波送受波面５ａに接触する面の形状は平
坦なものであった。さらに、超音波カプラを超音波プロ
ーブ５へ装着する際の装着手段、位置決め手段等につい
てはその方法が整っておらず、また弾性音響媒体１を固
定部材３に収納する手段についても、その方法が整って
いなかった。

また、超音波カプラの形状については、第３図（Ａ）、
（Ｂ）および（Ｃ）に示すように、弾性音響媒体１の超
音波走査方向に直交する断面形状に関して、その幅が超
音波が送波される方向に向って狭くなる例が知られてい
る（特開昭６３−３６．１７３号）が、超音波走査方向
かつ超音波送波方向に平行な断面形状に関しては、長方
形あるいは超音波送波方向に向って幅が広くなる形状で
あった（特開昭６３−１１７．７３５号）。また、従来
、この種の超音波カプラにおいては、弾性音響媒体１が
固定部材から被検体側に突出しているものに限られてい
た。

（発明が解決しようとする課ａ） しかしながら、従来のように、固定部材の被検体側の開
口から、その開口幅と同じ幅で弾性音響媒体が突出して
いる場合、第２図（Ｂ）に示すように、超音波カプラを
被検体２上で移動したときに弾性音響体１が撓んでしま
い所望する超音波の送受波が妨害され、画像の劣化を生
じさせる。あるいは弾性音響媒体１が撓んでしまうこと
により弾性音響媒体が破損してしまうという問題点があ
った。また、弾性音響媒体１が超音波プローブ５の超音
波送受波面に接触する面が平坦であるために、超音波カ
プラを超音波プローブに接着する際−に、超音波プロー
ブの超音波送受波面と弾性音響媒体との接触面に気泡（
空気）が混入してしまい、被検体への超音波の送波が良
好に行なわれなくなるという問題点があった。

さらに、超音波カプラの形状に関して、超音波走査方向
かつ超音波送波方向に平行な断面形状については、長方
形あるいは超音波が送波される方向に向って幅が広くな
る形状であるため、超音波プローブの外形寸法に超音波
カプラの大きさが限定されてしまい、超音波ビームが送
受波される領域よりも超音波カプラの形状が大きくなっ
てしまう。このため、被検体への接触性あるいは超音波
カプラの被検体上の走査性を低下させる要因となってい
た。

したがって、本発明の目的は、新規な超音波カプラを提
供することにある。本発明の他の目的は、弾性音響媒体
の保持性および弾性音響媒体の撓みによる画像の劣化と
超音波カプラを超音波プローブへ装着する際に気泡が混
入するのを防止し、なおかつ被検体への接触性および操
作性を向１−させた超音波カプラを提供することにある
。

（課題を解決するための手段） これらの諸口的は、超音波プローブと被検体との間に介
在されかつ該超音波プローブの送受波面と該被検体との
両方に接触する面を有する弾性音響媒体と、該弾性音響
媒体を収納するとともに該超音波プローブ側と該被検体
側との両方に開口を有しかつ該超音波プローブへ着脱可
能な固定部拐とを備えた超音波カプラにおいて、該弾性
音響媒体の超音波プローブの超音波送受波面に接触する
面の一部または全部が凸状の湾曲形状を呈し、かつ該弾
性音響媒体が該固定部材の被検体側の開口部の先端面と
ほぼ同一の面になるように形成され、前記超音波プロー
ブに該固定部材を装着したときに、該弾性音響部材が該
開口部の先端面より突出するように形成されしているこ
とを特徴とする超音波カプラにより達成される。

本発明はまた、該固定部材の超音波プローブ側開口部の
一ヒ部には、該超音波プローブの少なくとも一対の対向
する側面に接触するように接着部が設けられ、かつその
対向する装着部の間隔を、これに対応する超音波プロー
ブの幅よりも狭くしてなる超音波カプラである。

（作用） 本発明によれば、弾性音響媒体の超音波プローブの超音
波送受波面に接触する面の一部または全部が凸状の湾曲
形状を呈し、かつ該弾性音響媒体が該固定部材の被検体
側の開口部の先端面とほぼ同一の面になるように形成さ
れ、前記超音波プローブに該固定部材を装着したときに
、該弾性音響媒体が該開口部の先端面より突出するよう
に形成されてなるものであるから、不使用時（超音波カ
プラを超音波プローブに装着しない場合）には、弾性音
響媒体が他のものと接触する可能性が極めて低く、この
ため汚損を防止できる。一方、超音波カプラを超音波プ
ローブに装着した場合には、超音波プローブの挿入（圧
力）により固定部材の被検体側の開口の先端面から弾性
音響媒体が突出して、所ｑ（の突出部が形成され、被検
体に良好に弾性音響媒体を接触できる。

また、弾性音響媒体の超音波プローブの超音波送受波面
に接触する面の一部または全部は凸状の湾曲形状に形成
することにより、超音波カプラを超音波プローブに装着
する際に、気泡（空気）が押し出される形となり、超音
波プローブの超音波送受波面と、これに接触する弾性音
響媒体との間に気泡を混入することが防止できる。　弾
性音響媒体は、水溶性高分子化合物の水溶液の架橋物が
通常用いられる。水溶性高分子化合物としては、例えば
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエ
チレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル
酸、ポリアクリル酸アルカリ金属塩、ポリアクリル酸の
アルカリ金属による部分中和物等があり、最も好ましく
はポリエチレンオキサイドである。ポリエチレンオキサ
イドの分子量は１００．０００以上であり、好ましくは
２ｏｏ、ｏｏｏ〜８，０００．０００である。

水溶性高分子化合物の架橋は種々の方法で行なうことが
でき、例えば多官能イソシアネート化合物、多官能エポ
キシ化合物等を反応させる方法、放射線を照射する方法
、冷凍および解凍による方法等がある。これらのうち、
放射線照射による方法は、架橋と同時に滅菌も行なえる
点で好ましい方法である。

放射線照射により架橋する場合には、水溶性高分子化合
物の水溶液を前記固定部材に入れたのち、あるいは別途
反応容器に該水溶液を入れたのち、放射線を照射するこ
とにより該重合体を架橋して三次元化させ、その網目構
造の中に８０〜９９重量％、好ましくは９０〜９８重量
％の水を含ませることにより行なわれる。すなわち、含
水率が８０重量％未満では超音波の減衰が大きくなり、
方９９重量％を越えると超音波伝達媒体の機械的強度が
劣ってしまうからである。また、前記水溶液中の水溶性
高分子化合物の濃度は、１〜２０重量％、好ましくは２
〜１０重量％である。さらに、この水溶液中には、防腐
剤、安定剤を添加することもできる。

架橋の際に用いられる放射線としては、γ線、電子線等
があり、好ましくはγ線である。放射線の線量は、０．
　２５〜２．　５Ｍｒａｄ、好ましくは０゜５〜１　、
　５　Ｍｒａｄである。すなわち、照射線量が０゜２５
Ｍｒａｄ未満では架橋度が不充分で、それ自身の形状を
保つことが困難であるからであり、一方、２、　５Ｍｒ
ａｄを越えると固くなりすぎて可撓性が不充分となり当
接すべき部位の形状への密着性が低下してしまうからで
ある。

（実施例） つぎに、図面を参照しながら本発明の詳細な説明する。

第１図（Ａ）および（Ｂ）に示すように、本発明による
超音波カプラは、ゲル状に固化された弾性音響媒体１１
と、この弾性音響媒体１１を超音波プローブ１２の超音
波送受波面１２ａに接触して着脱可能な固定部材１３と
からなる。弾性音響部材１１の超音波送受波面に接触す
る面１１ａの一部または全部が凸状の湾曲形状を呈して
いる。

また、該弾性音響媒体１１の被検体側の先端面１１ｂが
固定部材１３の被検体側の開口部１３ａの先端面１３ｂ
とほぼ同一の面となるように形成されている。

しかして、前記超音波プローブ１２に該固定部材１３を
装着すると、第１図（Ｂ）に示すように、超音波プロー
ブの挿入（圧力）により固定部材１３の被検体側の開口
の先端面１３ｂから弾性音響媒体１１が突出して、所望
の突出部１１ｃが形成される。また、弾性音響媒体１１
の側面には、固定部材１３の凸部１３ｄまたは凹部（図
示せず）に対一応する凹部ｌｉｄまたは凸部（図示せず
）が形成されている。

固定部材１３は、例えばポリカーボネート、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン”等の硬質プラスチックスからなる
。

以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は
該実施例ついてのみ限定されるものではなく、本発明の
要旨の範囲内において適宜変更可能である。

例えば、本発明は、リニアアイレプローブのみならず、
単プローブ、メカニカルスキャンプローブ、コンベック
スプローブ等にも対応は可能である。

（発明の効果） 以上述べたように、本発明は、超音波プローブと被検体
との間に介在されかつ該超音波プローブの送受波面と該
被検体との両方に接触する面を有する弾性音響媒体と、
該弾性音響媒体を収納するとともに該超音波プローブ側
と該被検体側との両方に開口を有しかつ該超音波プロー
ブへ着脱可能な固定部材とを備えた超音波カプラにおい
て、該弾性音響媒体の超音波プローブの超音波送受波面
に接触する面の一部または全部が凸状の湾曲形状を呈し
、かつ該弾性音響媒体が該固定部Ｈの被検体側の開口部
の先端面とほぼ同一の面になるように形成され、前記超
音波プローブに該固定部材を装着したときに、該弾性音
響部材が該開口部の先端面より突出するように形成され
ていることを特徴とする超音波カプラであるから、不使
用時には、弾性音響媒体が他のものと接触する可能性が
極めて低く、このため弾性音響媒体の先端面の汚損を防
止でき、一方、超音波カプラを超音波プローブに装着し
た場合には、超音波プローブの挿入（圧力）により固定
部材の被検体側の開口の先端面から弾性音響媒体が突出
して、所望の突出部が形成され、被検体に良好に弾性音
響媒体を接触できるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図（Ａ）は本発明による超音波カプラの一実施例を
示す断面図、第１図（Ｂ）は和音プローブに装着したと
きの断面図、第２図（Ａ）は従来の超音波カプラの断面
図、第２図（Ｂ）は側面図、第３図（Ａ）〜（Ｃ）は従
来の超音波カプラの断面図である。 １１・・・弾性音響媒体、１２・・・超音波プローブ、
１３・・・固定部材。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）超音波プローブと被検体との間に介在されかつ該
   超音波プローブの送受波面と該被検体との両方に接触す
   る面を有する弾性音響媒体と、該弾性音響媒体を収納す
   るとともに該超音波プローブ側と該被検体側との両方に
   開口を有しかつ該超音波プローブへ着脱可能な固定部材
   とを備えた超音波カプラにおいて、該弾性音響媒体の超
   音波プローブの超音波送受波面に接触する面の一部また
   は全部が凸状の湾曲形状を呈し、かつ該弾性音響媒体が
   該固定部材の被検体側の開口部の先端面とほぼ同一の面
   になるように形成され、前記超音波プローブに該固定部
   材を装着したときに、該弾性音響部材が該開口部の先端
   面より突出するように形成されていることを特徴とする
   超音波カプラ。
2. （２）該弾性音響媒体の側面の一部または全周に凸部ま
   たは凹部を形成するとともに、これに対応する固定部材
   の内壁に凹部または凸部を形成してなる請求項１に記載
   の超音波カプラ。