JPH027431Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、布帛のシリンダ乾燥機に関するも
のである。

（従来の技術） 布帛の加工工程で、布帛を洗浄したのちに乾燥
するための乾燥装置として、背の高い左右１対の
サイドフレーム間に蒸気で加熱される多数本の加
熱シリンダを前後２列の上下方向に、かつ千鳥状
に配設し、これら多数本の加熱シリンダに長尺の
布帛をジグザグ状に巻き掛けて下から上向きに移
送し、乾燥するようにしたものが知られている。

（考案が解決しようとする問題点） 従来の布帛のシリンダ乾燥装置は、左右のサイ
ドフレームがそれぞれ一体に鋳造さた成型品であ
り、直径約57cmの加熱シリンダを前列および後列
にそれぞれ４本以上並べる場合には、サイドフレ
ームの高さが3.3ｍ以上に達するので、上部の加
熱シリンダを取付けるためには高所作業を必要と
し、困難で、かつ危険であつた。また、加熱シリ
ンダは、上記鋳造製のサイドフレームの鉛直な前
面および後面に固定した軸受によつて支持されて
いたので、多数本の加熱シリンダを平行に取付け
るためにはサイドフレームの軸受取付面を正確に
切削加工する必要があり、面倒であつた。そし
て、上記の切削加工を必要とするので、シリンダ
乾燥装置の製作工場で装置全体を組立てて完成品
とし、しかるのち布帛の加工工場に納入すること
を要し、しかもこの納入に際しては、上記のよう
にサイドフレームの背が高いので、その搬送、搬
入を容易にするため上記の完成品を部品に分解
し、上記の搬入後に再び組立てることが必要であ
り、この組立ての際に再び前記の高所作業を必要
とした。

この考案は、組立ておよび組立て後の搬送が容
易な布帛のシリンダ乾燥装置を提供するものであ
る。

（問題点を解決するための手段） 多数本の加熱シリンダ４を前後２列の上下方向
に、かつ千鳥状に配列するための左右のサイドフ
レーム１を互いに着脱自在の上部サイドフレーム
２と下部サイドフレーム３の２部分で構成する。
そして、これらの上部サイドフレーム２および下
部サイドフレーム３を、それぞれ鋼板の曲げ加工
で断面コ字形に成形された前後の支柱５，６，１
１，１２と、これらを接続する前後方向の連結板
７，８，１３，１４とで構成する。この場合、コ
字形断面形状の中間部が幅方向外方を向くように
取付け、この支柱５，６，１１，１２の中間部外
面に自動調心式フランジ型軸受１７を固定し、こ
の軸受１７によつて加熱シリンダ４を支持する。

（作用） 左右のサイドフレーム１が着脱自在の上部サイ
ドフレーム２と下部サイドフレーム３で構成され
るので、完成品の装置全体を上半部と下半部に分
けて製作し、分離した状態で搬送が可能になり、
搬送した後は、上半部を下半部に乗せ、上部サイ
ドフレーム２と下部サイドフレーム３を接続する
ことにより装置が完成する。そして、上部サイド
フレーム２および下部サイドフレーム３がそれぞ
れ鋼板製の前後の支柱５，６，１１，１２と連結
板７，８，１３，１４で構成され、この鋼板製の
支柱５，６，１１，１２の外面に固定された自動
調心式フランジ型軸受１７で加熱シリンダ４を支
持するので、フランジ型軸受１７の取付位置を上
下前後に調節することにより、多数本の加熱シリ
ンダ４が平行に取付けられる。

（実施例） 第１図および第２図において、サイドフレーム
１は、上部サイドフレーム２と下部サイドフレー
ム３とからなり、上部サイドフレーム２には４本
の加熱シリンダ４が、また下部サイドフレーム３
には５本の加熱シリンダ４がそれぞれ支持され、
布帛Ｆを千鳥状に巻掛けて下から上へ導くように
なつている。上部サイドフレーム２は、前後の支
柱５，６の上端および下端をそれぞれ断面Ｌ字形
の上部連結板７および下部連結板８の溶着で接続
して形成され、上記の上部連結板７および下部連
結板８の中央部がそれぞれ幅方向の上部ステー９
および下部ステー１０で連結される。一方、下部
サイドフレーム３は、前後の支柱１１，１２の上
端および下端をそれぞれ断面Ｌ字形の上部連結板
１３および断面Ｔ字形の下部連結板１４の溶着で
接続して形成され、上記の上部連結板１３および
下部連結板１４の中央部がそれぞれ幅方向の上部
ステー１５および下部ステー１６で連結されてい
る。

下部サイドフレーム３の前後の支柱１１，１２
は、第３図に示すように、鋼板の曲げ加工により
断面コ字形に形成したものであり、コ字形の中間
部が幅方向外側を向くように固定されている。そ
して、前部支柱１１の前面および後部支柱１２の
後面にそれぞれ切欠き部１１ａ，１２ａが設けら
れ、これらの切欠き部１１ａ，１２ａに加熱シリ
ンダ４の軸部が挿入され、支柱１１，１２の中間
部の外面に自動調心式フランジ型軸受１７がボル
トとナツト（図示されていない）で締付け固定さ
れる。この場合、支柱１１，１２のボルト孔は、
ボルト径よりも若干大きく設定され、上記の軸受
１７の位置を前後上下に移動して加熱シリンダ４
の位置や傾斜を調整できるようになつている。な
お、加熱シリンダ４の軸端には回転接手１８を介
して蒸気導入口１９が取付けられる。同様にし
て、上部フレーム２の前後の支柱５，６に切欠き
部５ａ，６ａが設けられ、自動調心式フランジ型
軸受１７によつて加熱シリンダ４が取付けられ
る。そして、上部サイドフレーム２の下部連結板
８と下部サイドフレームの上部連結板１３をボル
ト（図示されていない）で締付けることにより、
上下のサイドフレーム２，３が接続される。なお
また、下部サイドフレーム３の後部支柱１１の下
部に複数本のガイドローラ２０がブラケツト（図
示されていない）によつて取付けられる。

上記の実施例は、支柱５，６，１１，１２に切
欠き部５ａ，６ａ，１１ａ，１２ａを設けたの
で、加熱シリンダ４の軸部を左右同時に上記の切
欠き部５ａ，６ａ，１１ａ，１２ａに挿入して取
付けることができ、取付け作業を容易に行なうこ
とができる。また、連結板７，８，１３，１４に
断面Ｌ字形、Ｔ字形の型板を用いたので、サイド
フレーム２，３としての強度にすぐれている。

（考案の効果） この考案は、サイドフレームを上下に分離でき
るので、完成品を組立後、上下に分割して搬送す
ることができ、かつ組立に際しては上半部と下半
部を個別に組立てることができるので、危険な高
所作業が著るしく減少する。また、上下のサイド
フレームを鋼板製の支柱と連結板で構成し、その
外面に自動調心式フランジ型軸受を取付けて加熱
シリンダを支持するようにしたので、多数本の加
熱シリンダの平行度を容易に出すことができ、上
記軸受の取付面を切削加工する必要がない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の側面図、第２図は
第１図の−線断面図、第３図は第１図の−
線断面図である。 １：サイドフレーム、２：上部サイドフレー
ム、３：下部サイドフレーム、４：加熱シリン
ダ、５，６，１１，１２：支柱、７，８，１３，
１４：連結板、１７：自動調心式型軸受フラン
ジ、Ｆ：布帛。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右のサイドフレーム間に多数本の加熱シリン
   ダを前後２列の上下方向に、かつ千鳥状に配設
   し、これら多数本の加熱シリンダに長尺の布帛を
   ジグザグ状に巻き掛けて移送し、乾燥するように
   した布帛のシリンダ乾燥機において、上記のサイ
   ドフレームが着脱自在の上部サイドフレームと下
   部サイドフレームとからなり、これらの上部サイ
   ドフレームおよび下部サイドフレームがそれぞれ
   鋼板の曲げ加工で断面コ字形に成形された前後１
   組の支柱を、上記コ字形状の中間部が幅方向の外
   方を向くように前後方向の連結板で接続して形成
   されており、上記支柱の上記中間部外面に固定さ
   れた自動調心式フランジ型軸受を介して上記の加
   熱シリンダが支持されていることを特徴とする布
   帛のシリンダ乾燥機。