JPH02503010A - ダウンホール掘削におけるポリアルファオレフィンの使用 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （発明の名称） ダウンホール掘削におけるポリアルファオレフィンの使用 （発明の背景） 良粟上Ω皿里圀１ 本発明はダウンホール（ｄｏｗｎｈｏｌｅ）の潤滑剤及びスポット流体（ｓｐｏ ｔｔｉｎｇ　ｆｌｕｉｄｓ）に関するものである。より具体的には、本発明はダ ウンホールの掘削に使用されるコンパウンドであって、水ベースの掘削流体の添 加剤として使用し、掘削工程の際、掘り管（ｄｒｉｌｌ　ｐｉｐｅ）を潤滑する と共に、掘削中に動かなくなった掘り管を自由にするものである。

本発明は更に、合成炭化水素流体の使用に関するものであって、具体的には１− デセンモノマー（ｄｅｃｅｎｅ　ｍｏｎ。

ｍｅｒ）の含有量が０．５％以下のポリアルファオレフィン（ＰＡＯ）液を５体 積％以上の濃度範囲で乳化剤と混合したもので、これは、以下の説明においてＰ ＡＯ／乳化剤のブレンドと称することがある。所定量のコンパウンドがダウンホ ールに注入されると、フンパウンドは潤滑剤として機能し、掘り管に抗力（ｄｒ ａｇ）及びトルクが作用することを防止するために使用される。また、フンバウ ンドはスポット流体として機能し、固着して動かなくなった掘り管を油井穴から 取り外すために使用される。

当該分野における従来技術と比べて、本発明の特にすぐれている点は、ＰＡＯ／ 乳化剤のブレンドは海洋生物に対して無毒であって、かつ、水中に放出されても 海面にシーン現象（ｓｈｅｅｎ）を生じない点である。

λ肌至背五 油井及び／又はガス井の掘削では、地層（ｆｏｒｍａｔｉｏｎ）への進入は、回 転掘削索の先端又は掘削モータの先端に設けられた掘削ビットを用いて行なわれ る。この工程中、掘削マッド（ｄｒｉｌｌｉｎｇ　ｍｕｄ）は、掘削索（ｄｒｆ ｌｌ　ｓｔｒｉｎｇ）を通じて流れ、ビットから出て、掘り管と地層の間の環状 空間を通り、表面に戻される。掘削マッド、即ち流体は、掘削索及び掘削ビット の冷却と潤滑を行なうと共に、それの静水圧が地層圧力と釣り合うようになし、 更に洗浄作用（ｗａｓｈｉｎｇ　ａｃｔｉｏｎ）を発揮し、井戸穴から地層の切 屑（ｆｏｒｍａｔｉｏｎ　ｃｕｔｔｉｎｇｓ）を除去する作用を行なう。掘削マ ッドは更に掘削索と井戸穴の間の摩擦を軽減するウオールケーク（ｗａｌｌ　ｃ ａｋｅ）を形成する。

井戸の掘削中、回転トルクが許容限度を超えて上昇したり、最悪の場合、固着す る（ｓｔｕｃｋ）事態を生じることがある。このようになってしまうと、掘削索 の引き上げ、押し下げ、回転は不可能である。このような状況を引き起こす最も 通常の原因として、（１）ポーリング穴に切屑又は泥の堆積、（２）寸法以下の ポーリング穴の形成、（３）不均一なポーリング穴のため、掘り管の一部が掘削 マッドのウオールケークに埋め込まれる、（４）地層に予期せぬ差圧が発生、が 考えられる。

圧力差固着（ｄｉｆｆｅｒｅｎｔｉａｌ　ｓｔｉｃｋｉｎｇ）が起こると、掘削 マッドの静水圧は、掘削マッドの流れを固着領域へ導くための浸透圧より大きく なり、地層面に対して掘り管を押し付ける。この現象が起こると、掘り管と地層 の接触面積は広がり、回転トルクが上昇するため、掘り管をそれ以上更に動かす と、掘削索と分離する危険が生じる。

掘り管の固着を防ぐ方法、及び／又は固着した掘り管を解放する方法について、 従来刊行物には、油マッド又は油若しくは水ベースの界面活性剤を用いて、摩擦 を軽減し、掘削マッドのウオールケークに浸透させ、浸透したウオールケークを 壊して圧力差を小さくする一般的な方法が記載されている。出願人は、本発明と 関係のある技術を述べた陳述書をここに添付している。

このような技術の存在に拘らず、摩擦トルクを一層軽減し、固着した掘り管を解 放すると共に、海洋生物に対する毒性が更に低く、特に、ＮＰＤＥＳが許容して いる、ＧＯＭＬＣａＯテストに合格する製品であって、かつ、水面でシーン現象 を生じない化学組成物の出現が従来から強く望まれている。従来では、精製した 原油、ジーゼル油、ケロシン油、鉱物油を使用し、最近では低級多核芳香族鉱物 油（国際特許番号Ｗ　０８３／１０２９４９）を使用している。これに対し、出 願人は、合成油、芳香族化合物を含まないイソ−パラフィン油、特に、ポリアル ファオレフィンとして知られている合成油が、所定の流体特性を発揮し、ＮＰＤ ＥＳが許容するＧＯＭ　ＬＣ８０テストに合格する、低い毒性を示し、掘削穴添 加流体添加剤の主たる成分として機能し、特に潤滑剤及びスポット流体としての 機能を発揮することを見出した。

この分野での従来技術は、油ベースのマッドを使用するものである。本発明は、 ポリアルファオレフィン化合物を水ベースの掘削流体の添加剤として使用するこ とに関するものである。従来は、合成油をエンジン、機械の潤滑に使用している 。しかし、本発明は従来のように、金属対金属の薄膜型潤滑に使用するものでは ない。本発明は特にポリアルファオレフィン液を乳化剤と混合したブレンドの使 用に関し、該ブレンドを０．２５体積％以上の濃度で添加剤として水ベース掘削 流体へ添加することにより、マッドフィルターケーク、硬質或は軟質の岩、油井 のケーシングを、一回転しながら又は引っ張りながら通過する掘り管の潤滑を行 なうと共に、圧力差固着によって動かなくなった掘り管の固着を解除するもので ある。

（発明の要旨） 本発明の組成物質及びその適用は、合成炭化水素のコンパウンドに関するもので 、ポリアルファオレフィン液を、化学的油乳化剤、化学的水乳化剤、シンナー、 油面張力減少剤及び水面張力減少剤と種々の濃度で混ぜ合わせたブレンドであっ て、ポリアルファオレフィン液の濃度は、ブレンド残部の濃度に対して５％以上 である。ポリアルファオレフィン液と乳化剤は、水ベースの掘削マッドが入れら れた混合タンクの中で混合し、量は０．２５体積％以上にする。ポリアルファオ レフィン液と乳化剤のブレンドを、水ベースの掘削マッドと共にダウンホールを 循環させることにより、ポリアルファオレフィン液乳化剤のブレンド及び水ベー ス掘削マッドは掘削索の潤滑を行ない、掘削穴の壁部と掘削索との間における回 転トルク又は抗力（ｄｒａｇ）を軽減する。掘削索は自由に回転することができ るから、より小さい抗力またはトルクにて掘削を行なうことができる。

本発明の他の実施例として、乳化剤と混ぜ合わせたポリアルファオレフィンは、 スポット流体として、固着した掘り管の固着を解除するのに使用することができ る。

この方法によれば、ポリアルファオレフィンは、乳化剤と混合され、ポリアルフ ァオレフィンの濃度は５％以上である。ポリアルファオレフィンと乳化剤のブレ ンドは、「ピル」として掘削穴の中に注入される。ビルはダウンホールを循環し 、マッド系の中を環状部を通り、固着した掘り管のある深さ位置に達する。ポリ アルファオレフィンと乳化剤のブレンドは壁のフィルターケークとして作用し、 圧力差による接合状態を弱める。本発明をスポット流体として使用する場合、乳 化剤、シンナー及び表面張力低減添加剤は、改質脂肪酸（ｍｏｄｉｆｉｅｄ　ｆ ａｔｔｙ　ａｃｉｄ）とアミドのブレンドとして表わすことができる。この場合 、ポリアルファオレフィンは、１−デセンの如きアルファーオレフィンから作ら れたものであって、全水素添加（ｔｏｔａｌｌｙ−ｈｙｄｒｏｇｅｎａｔｅｄ） アルファーオレフィンのオリゴマーである。より具体的には、ポリアルファオレ フィンは、二量体、二量体、四量体及び二量体から構成さね、粘度は２１０°Ｆ にて約２センチストークスである。

本発明の第１の目的は、合成炭化水素を提供することにあり、より具体的には、 ポリアルファオレフィンを潤滑剤として用い、ダウンホールの掘削作業を管理で きるようにしたもので、掘削中、掘削索に作用する抗力又はトルクを軽減できる ようにしたものである。

本発明の他の目的は、ポリアルファオレフィンを、ダウンホールに固着した掘り 管を取り外すためのスポット流体として使用することにある。

本発明の他の目的は、ポリアルファオレフィン−乳化剤のブレンドを、ダウンホ ールの潤滑剤として使用することにあって、該潤滑剤は、海洋生物に無害であり 、水中に放出されても水面にシーン現象を生じないようにしている。

本発明の他の目的は、ＮＰＤＥＳ−ＧＯＭ−ＬＣ”テストに合格する無毒性ベー スの流体を提供することにあり、ポリアルファオレフィン液における１−デセン モノマーの濃度は０．５％よりも少ない。

（望ましい実施例の詳細な説明） 本発明の組成物の望ましい実施例は合成炭化水素流体を利用したものであって、 合成炭化水素流体は、特に、１−デセンモノマーの含有量が０．５％以下のポリ アルファオレフィン（ＰＡＯ）液を５体積％以上の濃度範囲にて他の液体添加剤 と種々の濃度で混合したブレンドである。

添加剤として、化学的油乳化剤、化学的水乳化剤、シンナー、油面張力減少剤及 び水面張力減少剤が挙げられる。

ポリアルファオレフィン液の濃度は、ブレンドの残部の濃度に対して５％以上で あり、水ベースの掘削マッド潤滑剤又は水ベースの掘削マッドスポット流体とし て機能する。水ベースの掘削潤滑剤として使用する場合、ポリアルファオレフィ ンと添加剤のブレンドは、現在登録商標”Ｃ０ＡＳＴＡＬＵＢＥ”として市販さ れており、最適なＰＡＯ濃度は７０〜９５％、最適な添加剤の濃度は３０〜５％ である。

水ベースのスポット流体として使用する場合、ブレンドは、現在登録商標”Ｃ０ ＡＳＴＡＬ　５ＰＯＴ”として市販されており、同じように、ブレンドの７０〜 ９５％を占めるポリアルファオレフィン液と、ブレンドの３０〜５％を占める添 加剤からなる。

ＰＡＯ液−添加剤ブレンドを掘削流体潤滑剤として使用する場合、又はスポット 流体として使用する場合、乳化剤、シンナー、表面張力減少添加剤は、改質脂肪 酸及びアミドのブレンドとして表わすことができる。ポリアルファオレフィン液 は、幾つかの異なる方法で商業的に調製されるが、本発明の目的に対しては、全 水素添加アルファーオレフィンオリゴマーは、１−デセンの如きアルファーオレ フィンから作られる。より具体的に述べると、ＰＡＯ液はアルファーオレフィン のオリゴマーであって、該オリゴマーは、二量体、二量体、四量体及び二量体か ら構成され、粘度は２１０°Ｆにて約２センチストークスである。更に、無毒性 ベースの流体としての品質を有し、ＮＰＤＥＳ−ＧＯＭ−ＬＣ”テストに合格す るため、ポリアルファオレフィン液の１−デセンモノマーは低い値（０，５％濃 度よりも少ない）でなければならない。種々のオリゴマーの分布状態は、ガスク ロマドフィーによって求めることができる。ポリアルファオレフィン液を特に沖 合のファオレフィン液は、海水中に放出しても、海洋生物に無毒であって、水中 にシーン現象を生じないことが要求される。

ＰＡＯブレンドをダウンホールに適用する場合、既に説明したように、水ベース の掘削系においては、掘削歯は、回転中にトルク又は抗力が増大する位置かあ、 す、掘削歯の潤滑は重要である。従って、掘削歯を潤滑するために、水ベースの マッド系の中に潤滑剤が注入される。

この潤滑剤の場合、ポリアルファオレフィン液の含有する１−デセンモノマーは ０．５％以下であり、ポリアルファオレフィン液の最適な濃度範囲は７０〜９５ ％であり、添加剤、例えば化学的油乳化剤及び化学的水乳化剤の最適な範囲は３ ０〜５％である。しかしながら、ポリアルファオレフィン液の割合はブレンドの ５％以上である。このポリアルファオレフィン−添加剤のブレンドを水ベースの マッド系に添加する。例えば、ポリアルファオレフィン−添加剤のブレンドをマ ッドピットの中に注入し、ブレンドの濃度が水ベースの掘削マッド系において０ ．２５〜６．０体積％となるように調節する。ＰＡＯ−添加剤のブレンドを注入 する間、系の中の掘削マッドは遮られることはない。このため、ブレンドは水ベ ースのマッド系の中で混合され、ダウンホールの中に導かれる。ダウンホールに 導かれると、ＰＡＯ−添加剤のブレンドは掘り管の壁と、周りの地層の壁との間 で、表面潤滑作用を発揮し、ダウンホール掘削中、掘削歯に作用するトルクと抗 力を軽減することができる。

ポリアルファオレフィンは、１−デセンモノマーの濃度が０．５％以下であり、 ポリアルファオレフィン液は海洋生物に対して無毒である。従って、掘削中にマ ッド系の中で維持しておくことができ、掘削切屑を回収することなく排出できる 。従来技術の場合、油ベースの潤滑剤をマッド系に注入すると、マッド系全体の 毒性レベルは、ＬＣＩ（ｌテストの許容値を超えるし、及び／又は、海水にシー ン現象を生ずることになる。潤滑剤が周囲海水へ流れ込むことを防止したり、海 洋生物への害発生を防止するためには、掘削流体及び切屑を封じ込む必要がある 。本発明の組成物の場合、このような問題は解消され、水ベースのマッド系の中 で含めておくことができ、掘削流体及び／又は切屑を通常通り排出できる。

第２の実施例においては、ダウンホールの圧力差を含む種々の要因により地層の 壁に固着した掘削歯を取り外すために、ポリアルファオレフィン液／添加剤のブ レンドを用いており、該ブレンドは、同じ濃度で使用し、乳化剤の如き添加剤に ついても同じものを使用している。

本発明のこの用途の場合、”ピル”として活性マッド系の中に注入されるポリア ルファオレフィン液／添加剤ブレンドの量を考慮するため、水ベース系の通常の 流通が変更される。これによって、ポリアルファオレフィン／添加剤のブレンド はダウンホールの中の予め決められた位置で、より大きく結合される。ブレンド を掘削穴に注入した後、ブレンドは、掘削歯が固着したと推定される高さで、掘 削穴の環状部に入り込む。ブレンドは、スポット流体として作用し、例えば、圧 力差によって掘り管を壁のマッドケークに固着させたマッド中の水と置換し、そ の圧力と回転トルクを緩和し、掘削歯の回転運動及び上下運動を回復できるよう にしている。ポリアルファオレフィン液／添加剤のブレンドが海洋生物に対して 無毒であることから、ピルを系の中で維持して再び循環することができる。これ は、その後、潤滑剤として機能し、活性マッド系から分離したり、除去したりす る必要性はない。現時点に於て、油ベースの潤滑剤マッドをピルとしてダウンホ ールに注入した場合、従来の油ベースのスポット流体の如き毒性物質によるマッ ド系の汚染を防止するため、ＥＰＡでは、ピル注入前後における５０バレルのマ ッドの回収を要求している。

本発明の内容をより明確にするため、出願人は以下に記載の書類を本願の付属書 類として提出する。これら付属書類は本発明の有用性及び無毒性を明らかにした ものである。

住凰棗夏五 付属書類Ａはポリアルファオレフィン液／添加剤のブレンドをスポット流体とし て使用するときのブレンドのミキシングチャートでありで、種々の密度条件下に おける組成物の種類を表わす。

住鳳棗題１ 付属書類Ｂは、３体積％のポリアルファオレフィンを含有する掘削流体について 、コースタルケミカルカンパニーの生物定量法（ｂｉｏ−ａｓｓａｙ）のデータ を明らかにするために行なった試験結果をまとめたものである。

住匡ｌ且ぷ 付属書類Ｃは、試料中に１０％のスポット流体を含有するベースマッドをＬＣ＠ ０に接近させるために行なった試験及びその試験結果である。

本発明の範囲内で実施例を変更すること、及び実施例に変更を加えることは可能 であり、本明細書の開示の細部についても例示的なものであって、限定するもの と解するべきではない。

国際調査報告

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 （１）掘削を行なう間、水ベースのマッド系の中で掘り管の潤滑を行なうための 掘削流体コンパウンドであって、該コンパウンドは、 濃度が掘削流体コンパウンドの５％以上であるポリアルファオレフィン液と、 ポリアルファオレフィン液に添加され、濃度が３０〜５％の乳化添加剤からなり 、 掘削流体コンパウンドは、水ベースのマッド系に注入され、液の体積濃度は水ベ ースの掘削マッドの０．２５〜６．０％であって、水ベースの掘削マッド系の潤 滑剤として使用される。 （２）ポリアルファオレフィンに含まれる１−デセンモノマーは０．５％以下で ある請求の範囲第１項に記載の掘削流体コンパウンド。 （３）掘削流体コンパウンド中のポリアルファオレフィンの最適な割合は９０％ である請求の範囲第１項に記載の掘削流体コンパウンド。 （４）掘削流体コンパウンド中の乳化添加剤の最適な割合は１０％である請求の 範囲第１項に記載の掘削流体コンパウンド。 （５）掘削流体コンパウンドは海洋生物に対して無毒であって、水ベースのマッ ド系に対して永久的に添加することのできる請求の範囲第１項に記載の掘削流体 コンパウンド。 （６）水ベースのマッド系を用いて、掘削索を地層の中を回転させながら油井を 掘削する方法において、該方法は、 液体ポリアルファオレフィンを、ポリアルファオレフィンを５体積％以上の濃度 にて乳化剤と結合する工程、 ポリアルファオレフィン−乳化剤の結合物を、ポリアルファオレフィン−乳化剤 ０．２５〜６．０％の濃度で水ベースのマッドの中に注入する工程、 ポリアルファオレフィン−乳化剤を含有するマッドをダウンボールの下方に流す 工程から構成され、掘り管の充分な潤滑を行ない、掘り管の回転時、掘り管の壁 と地層との間の摩擦を減少できるようにしている。 （７）ポリアルファオレフィン−乳化剤は、９０％のポリアルファオレフィンと 、１０％の乳化剤を含有している請求の範囲第６項に記載の方法。 （８）ポリアルファオレフィン−乳化剤は海洋生物に対して無毒である請求の範 囲第６項に記載の方法。 （９）水ベースのマッド系において、圧力差により地層に固着した掘り管の固着 を解除する方法であって、該方法は、 掘り管が地層に固着したダウンボールの位置を求める工程、 ポリアルファオレフィンを５体積％以上の濃度にて乳化剤と混合する工程、 掘り管の固着を解除するために、掘り管が固着した領域全体に亘って水ベースの マッドで置換するのに充分な量のポリアルファオレフィン−乳化剤を、スポット 流体として、掘り管が固着した位置まで注入する工程から構成される。 （１０）ポリアルファオレフィン−乳化剤のブレンドはマッド系の中に、系のマ ッドとは分離した「ピル」として注入される請求の範囲第９項に記載の方法。 （１１）ポリアルファオレフィン乳化剤のブレンドは掘り管が地層に固着した位 置で地層の水と置換され、掘り管及び油井を潤滑し、掘り管が再び回転運動及び 上下運動を行なえるようにしている請求の範囲第９項に記載の方法。