JPH0243499Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

〔産業上の利用分野〕 本考案は粉末農薬、粉末肥料等の粉末状物を
田、畑等に散布するための散布ホースに関する。 〔従来の技術〕 田、畑等に粉末農薬や粉末肥料を散布する場
合、小人数で一度に広範囲の領域に散布するよう
散布ホースを使用する。すなわち、第３図に示す
ように散布孔を複数穿設したようなホースを水平
に張設し、一方の端部を手で絞るか紐等で結び、
他方の端部より粉末農薬等を公知の方法により圧
入、圧送する。すると粉末農薬等は散布孔から散
布され、ホースが張設されてる長さに亘り、線状
に散布される。したがつて張設されたホースを平
行に移動することにより、広い面積に亘つて散布
することができる。ところで、従来の散布ホース
は第３図に示したように全散布孔の面積が同一で
ある。しかるに、このような散布ホースは圧入側
端部から反対方向の端部に行くにしたがい散布孔
からうまく粉末農薬が散布されず、反対方向端部
附近では実質的に散布されないという問題があ
る。そこで実開昭56−164045号は、張設した散布
ホースの中央部に位置する散布孔面積が両端部に
位置する散布孔面積より小さくなるような面積勾
配を持つた散布ホースを提案している。すなわち
第４図の散布ホースがそれであり、l₁＞l₂＞l₃…
…＞l_n-1＞l_n＜l_n+1……＜l_n+oとなるように散布孔
が穿設されている。成る程この様な散布ホース
は、規格長で使用すると圧入側端部から反対方向
端部に亘り均一散布が可能である。しかるに、反
対方向端部を絞つて行き、規格長以下にして使用
すると、途端に均一散布性が低下し、第３図の散
布ホースと同じような問題が発生する。つまり第
４図のような面積勾配のホースでは、少なくとも
圧入側と反対方向の端部の散布孔面積が圧入側端
部の散布孔面積と同等以上が好ましく、反対方向
端部を絞つて行き、圧入側端部の散布孔面積＞反
対方向端部散布孔面積となると、均一散布性が低
下する。故に第４図のようなホースでも、種々の
規格長のものを用意し、対象地域の大きさ、形状
に応じて使い分けているのが実情である。また規
格長の異なる複数のホースを製造することは、穿
孔パターンが異なるので連続生産性が低下する原
因にもなる。 〔考案が解決しようとする問題点〕 本考案者らは、かかる現状に鑑み、一つのホー
スで絞る位置を変えても均一散布性が低下せず、
したがつて連続生産性にも優れた散布ホースにつ
いて得られないか研究を重ね、その結果穿設パタ
ーンを特殊にすることにより目的が達成できるこ
とを見い出した。 〔問題点を解決するための手段〕 すなわち、本考案は適宜の長さで可撓性のホー
スに適宜の間隔で散布孔を適数個形成し、そのホ
ースを水平ないし略水平に張設してホース内に粉
末農薬、粉末肥料等を圧送することにより散布孔
から上記粉末を散布する粉末農薬等の散布ホース
において、上記散布孔は孔面積が大から小に勾配
を持つた散布孔配列の複数回の繰返しからなるこ
とを特徴とする散布ホースである。 〔作用〕 第１図、第２図に本考案の散布ホースの一例を
示す。第１図の散布ホースには散布孔l₁，l₂，l₃
が複数回繰返して穿設されている。そして各の孔
面積はl₁≧l₂≧l₃（但しl₁〜l₃は同一孔面積になるこ
とはない）の順に小さくなるよう勾配がついてい
る。本例では繰返し単位の散布孔数は３である
が、勿論これ以上の散布孔数を繰返し単位として
もよい。すなわち、l₁，l₂，l₃……l_o-1，l_oのｎ個
を繰返し単位としてよく、この場合l₁≧l₂≧l₃≧
……l_o-1≧l_o（但しl₁〜l_oは同一孔面積になること
はない）の如く面積勾配を持たせる。繰返し単位
における最大孔面積の散布孔の大きさは、最小孔
面積の散布孔の1.5倍以上、好ましくは1.7倍以上
であるのが最適である。さらに、最小孔面積の散
布孔は、丸孔とすると、直径が８mm以下、好まし
くは４mm以上が最適である。１つの繰返し単位の
長さ（第１図におけるｌ）は250cm以下、好まし
くは150cm以下が最適である。以上のような構成
を採ることにより、本考案の散布ホースは、 均一散布性に優れ、 端部（圧入側と反対側の端部）の附近のみな
らず、ホースの如何なる場所で絞つても、圧入
側から絞り箇所迄均一散布でき、 したがつて一つ散布ホースにより如何なる幅
の場所でも均一に農薬等を散布でき、 穿設パターンが散布ホースの長さによつて変
わらないので、連続生産性に優れ、 利用者から要求される長さの散布ホースは、
で生産される実質無定長のホースを適宜切断
するだけで簡単に供給できる、 といつた優れた作用効果を示す。 本考案の散布ホースの材質は可撓性に富むもの
であり、通常のプラスチツクフイルムが好適に用
いられる。また、粉末が、ホース内を圧送すると
きに発生する静電気により詰まることを防止する
ため、金属箔を積層したり、金属を蒸着したり、
ケツチエンブラツク のような導電性物質を配合
たりしたフイルムを使用することも考えられる。 散布孔の形状は、前述のような丸孔のほかに楕
円孔、三角孔、四角孔、これら以外の多角孔等如
何なるものでもよい。 〔実施例〕 以下本考案の内容を好適な例でもつて説明する
が、本考案はとくにことわりのない限り、何らこ
れらの例に制限されるものではない。 実施例１〜２及び比較例１〜２ 全長55ｍの散布ホースに下表に示したような散
布孔を穿設した。各例とも合計139個の散布孔が
穿設された。

【表】

【表】 次に全長55ｍの各散布ホースの一端を手で絞つ
て閉口し、他端より粉末農薬を圧送したところ、
実施例１〜２及び比較例２の散布ホースからは全
長に亘り均一に粉末農薬を散布できた。しかし、
比較例１の均一孔面積のホースの場合、圧送側附
近は散布できないが、反対側に行くに従い散布量
が減少し、55ｍ先の反対側附近ではうまく散布孔
から散布できなかつた。 次に各散布ホースの一端の手で絞る位置を段々
中心に近い位置へずらして行き、散布状態を判定
したところ、実施例１〜２は全体に亘り均一散布
できたものの、比較例１は上述の如く最初から最
後まで不均一散布であり、比較例２は全長40ｍ程
度まで絞つた頃に圧送側の反対側附近からうまく
散布できなくなつて不均一散布となつた。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案の散布ホースの図。第
３図、第４図は従来の散布ホースの図。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 適宜の長さで可撓性のホースに適宜の間隔で
   散布孔を適数個形成し、そのホースを水平ない
   し略水平に張設してホース内に粉末農薬、粉末
   肥料等を圧送することにより散布孔から上記粉
   末を散布する粉末農薬等の散布ホースにおい
   て、上記散布孔は孔面積が大から小に勾配を持
   つた散布孔配列の複数回の繰返しからなること
   を特徴とする散布ホース。 (2) 大きい孔面積の散布孔が小さい孔面積の散布
   孔の1.5倍以上の大きさである実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の散布ホース。 (3) 面積勾配を持つた散布孔配列の繰返し単位長
   さが250cm以下である実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の散布ホース。