JPH024143Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、例えば、電子柄出し丸編機や靴下編
機等のような編機における多数のボビンから編機
シリンダーの給糸口までに張設された編糸から発
生する風綿の付着を防止する編機の風綿除去装置
に関する。

（従来の技術） 既に提提されているこの種の編機の風綿除去装
置は、第３図及び第４図に示されるように構成さ
れている。

即ち、第３図及び第４図において、丸編機にお
ける機台１の中央部には、編枠体２が設けられて
おり、この編枠体２内には、多数のジヤツクや編
針等を備えた編機シリンダー６が回転自在に嵌装
されている。又、上記編枠体２の外側には、囲い
枠体（フレーム）３が立設されており、この囲い
枠体３の水平枠体３ａ，３ｂには、複数のボビン
４や複数のテンシヨン部材５がそれぞれ付設され
いる。また、多数のジヤツク、編針等を備えた編
機シリンダー６には、駆動機構７が図示されない
伝動機構によつて駆動されるようになつている。

従つて、上記丸編機は、駆動機構７を駆動する
ことによつて、多数のボビン４から上記各テンシ
ヨン部材５を介して編機シリンダー６の各給糸口
までに張設された編糸をメリヤス編をするように
なつている。

一方、上記丸編機の外側には、第３図に示され
るように、機枠８が上記ボビン４に衝合しないよ
うにして立設されており、この各機枠８の各角隅
部８ａには、各送風噴射筒体９が上記丸編機を中
心にして、しかも、丸編機の外側の仮想円上に立
設されている。また、この各送風噴射筒体９に
は、多数の渦巻旋流口１０が軸方向に並べて穿設
されており、この各渦巻旋流口１０は、第４図に
示されるように、上記他の送風噴射筒体９に対し
て約15乃至20度程度の傾斜角度θで上記機枠８の
内側へ向けて配設されており、この各渦巻旋流口
１０から噴射される圧力流体（空気）は、上記丸
編機の周りに竜巻状の渦巻旋流を生成するように
なつている。さらに、上記各送風噴射筒体９に
は、送風ダクト１１が接続されており、この送風
ダクト１１の端部には、送風機１２が設けられて
おり、上記送風ダクト１１の一部には、水を超音
波で蒸気に生成する加湿器１３が接続されてお
り、この加湿器１３は生成された蒸気を上記送風
ダクト１１を通して上記各送風噴射筒体９の渦巻
旋流口１０から圧力流体と混合して噴射するよう
になつている。

他方、上記機枠８の天板８ｂの中程には、排気
ダクト１４の一端開口部１４ａが接続されてお
り、この排気ダクト１４の一端開口部１４ｂに
は、フイルタ１５ａを内臓した風綿貯蔵タンク１
５が設けられている。なお、上記機枠８の外周に
は、例えば、ビニールのような透明なフイルム８
ｃが添設されており、これによつて、各丸編機全
体は覆われている。また、上記排気ダクト１４の
一端開口部１４ｃは、他の丸編機の排気ダクト
（図示されず）にそれぞれ接続している。

従つて、既に提案されているこの種の編機の風
綿除去装置は、上記丸編機を駆動機構７を駆動す
ることによつて、多数のボビン４から上記各テン
シヨン部材５を介して編機シリンダー６の各給糸
口までに張設された編糸でメリヤス編をする。す
ると、上記ボビン４から上記各テンシヨン部材５
を介して編機シリンダー６の各給糸口までに張設
された編糸から多くの風綿が生成されるけれど
も、前記送風機１２からの圧力流体と上記加湿器
１３からの低温蒸気とによる混合気流が送風ダク
ト１１を通して前記各上記送風噴射筒体９の渦巻
旋流口１０から圧力流体と混合して噴射するの
で、これらの混合流体は上記丸編機の周りに竜巻
状の渦巻旋流を生成し、丸編機の周りに乱舞する
風綿を上方の排気ダクト１４を通してフイルム１
５ａを内臓した風綿貯蔵タンク１５へ収集するか
ら、編糸でメリヤス編された靴下等の製品に風綿
の付着を防止して品質の向上を図ると共に、衛生
的にも作業環境の向上を図るようになつている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上述した編機の風綿除去装置
は、編糸から発生する風綿を竜巻状の渦巻旋流を
起こして機外へ排除して靴下等の製品に風綿の付
着を防止して品質の向上を図つているけれども、
これは理論上、有効であつても、現実には、一度
舞い上がつた風綿は、この風綿自体の自重で次第
に落下し、有効適切に効率よく排除することは困
難である。

本考案は、上述した事情に鑑みてなされたもの
であつて、編機シリンダーの各給糸口までに張設
された編糸から発生する風綿を強制的に竜巻状の
渦巻旋流を生成して排除し、他の異色の編糸や完
成した製品に付着しないようにして品質の向上を
図るようにすると共に、上記丸編機の周辺に飛散
する風綿を渦巻旋回流によつて編機の周辺雰囲気
を清浄化し、作業環境の向上を図るようにした編
機の風綿除去装置を提供することを目的とする。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段とその作用） 本考案は、編機の外側に機枠を立設し、この機
枠の各角隅部に各送風噴射筒体を送風ダクトへ連
結し立設した編機の風綿除去装置において、この
各送風噴射筒体にの下部及び中央部に各渦巻旋流
口を水平方向に渦巻きを形成するようにして穿設
し、上記各送風噴射筒体の上部に各渦巻旋流口を
斜め上方へ少しづつ傾斜角を変えて、しかも、竜
巻状の渦巻旋流を形成するようにして穿設し、上
記機枠の天板に排気ダクトを設け、各送風噴射筒
体に多数の渦巻旋流口から強制的に上方へ吹き上
げて竜巻状の渦巻旋流を生成して多数のボビンか
ら各上記テンシヨン部材を介して編機シリンダー
の各給糸口までに張設された編糸から発生する風
綿を排除して他の異色の編糸や編成された製品に
付着しないようにして品質の向上を図ると共に、
上記丸編機の周並に飛散する風綿を渦巻旋回流に
よつて排気ダクトを通して機外へ排除し、作業環
境の向上を図るようにしたものである。

（実施例） 以下、本考案を図示の一実施例について説明す
る。

なお、本考案は、上述した具体例と同一構成部
材には同じ符号を付して説明する。

第１図及び第２図において、符号９は、編機の
外側の前記機枠８の各角隅部８ａに円弧状の各調
整孔１６と取付ボルト１７で流体の旋回流形成角
度θを調整自在にして立設された各送風噴射筒体
９であつて、この各送風噴射筒体９の一端部は、
送風ダクト１１に連結されており、この送風ダク
ト１１の他端部には、送風機１２が設けられてお
り、上記送風ダクト１１の通路上には、水を超音
波で蒸気に生成する加湿器１３が接続されてお
り、この加湿器１３は生成された蒸気を上記送風
ダクト１１を通して上記各送風噴射筒体９の渦巻
旋流口１０から圧力流体と混合して噴射するよう
になつている（第３図参照）。

一方、上記各送風噴射筒体９の下部９ａ及び中
央部９ｂには、各渦巻旋流口１０ａ，１０ｂが水
平方向に渦巻きを形成するようにして穿設されて
おり、上記各送風噴射筒体９の上部９ｃには、他
の各渦巻旋流口１０ｃが斜め上方へ少しづつ傾斜
角α₁，α₂を変えて、しかも、竜巻状の渦巻旋流を
形成するようにして穿設されている。

他方、上記機枠８の天板８ｂの中程には、排気
ダクト１４の一端開口部１４ａが接続されてお
り、この排気ダクト１４の一端開口部１４ｂに
は、フイルタ１５ａを内臓した風綿貯蔵タンク１
５が設けられている（第３図参照）。また、上記
排気ダクト１４の一端開口部１４ｃは、他の丸編
機の排気ダクト（図示されず）にそれぞれ接続し
ている。

従つて、今、前記送風機１２からの圧力流体と
上記加湿器１３からの低温蒸気とによる混合流体
が送風ダクト１１を通して前記各上記各送風噴射
筒体９の下部９ａ及び中央部９ｂに穿設された各
渦巻旋流口１０ａ，１０ｂから水平方向に圧力流
体（空気）と蒸気を混合した渦巻きを形成して噴
射するので、これらの混合流体は上記丸編機の周
りに渦巻旋流を生成し、丸編機の周りに乱舞する
風綿を上方の舞上げるけれども、一度舞上がつた
風綿はその自重で落下しようとするも、上記各送
風噴射筒体９の上部９ｃに設けれた各渦巻旋流口
１０ｃから噴射される竜巻状の渦巻旋流で再び強
制的に高く舞上がり、これにより、舞上がつた風
綿は上記排気ダクト１４を通してフイルタ１５ａ
を内臓した風綿貯蔵タンク１５へ収集するから、
編糸でメリヤス編された靴下等の製品に風綿の付
着を防止して品質の向上を図ると共に、衛生的に
も作業環境の向上を図ることができる。

なお、本考案の多数の送風噴射筒体９は上記編
機を中心にして、しかも、この編機の外側に位置
する仮想円上に立設するように設計変更すること
は自由である。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案によれば、編機の外側
に機枠８を立設し、この機枠８の各角隅部８ａに
各送風噴射筒体９を送風ダクト１１へ連結して立
設した編機の風綿除去装置において、この各送風
噴射筒体９の下部９ａ及び中央部９ｂに各渦巻旋
流口１０ａ，１０ｂを水平方向に渦巻きを形成す
るようにして穿設し、上記各送風噴射筒体９の上
部９ｃに各渦巻旋流口１０ｃを斜め上方へ少しづ
つ傾斜角α₁，α₂を変えて、しかも、渦巻状の渦巻
旋流を形成するようにして穿設し、上記機枠８の
天板８ｂに排気ダクト１４を設けてあるので、上
記丸編機の周りに竜巻状に生成された渦巻旋流が
強制的に風綿を竜巻状に上方へ巻あげて機外の風
綿貯蔵タンク１５へ効率よく廃棄できるから、編
成された製品に風綿の付着を防止して品質の向上
を図り、併せて、作業環境を良好にすることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による編機の風綿除去装置の
要部を示す断面図、第２図は、同上平面図、第３
図は、既に提案されている編機の風綿除去装置を
示す正面図、第４図は、同上平面図である。 １……機台、２……編枠体、３……囲い枠体、
４……ボビン、５……テンシヨン部材、６……編
針シリンダ、８……機枠、９……送風噴射筒体、
１０ａ，１０ｂ，１０ｃ……渦巻旋流口、１１…
…送風ダクト、１２……送風機、１３……加湿
器、１４……排気ダクト、１５……風綿貯蔵タン
ク。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 編機の外側に機枠を立設し、この機枠の各角
   隅部に各送風噴射筒体を送風ダクトへ連結して
   立設した編機の風綿除去装置において、この各
   送風噴射筒体の下部及び中央部に各渦巻旋流口
   を水平方向に渦巻きを形成するようにして穿設
   し、上記各送風噴射筒体の上部に各渦巻旋流口
   を斜め上方へ少しづつ傾斜角を変えて、しか
   も、渦巻きを形成するようにして穿設し、上記
   機枠の天板に排気ダクトを設けたことを特徴と
   する編機の風綿除去装置。 ２ 複数の送風噴射筒体は上記編機を中心にし
   て、しかも、この編機の外側に位置する仮想円
   上に立設したことを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の編機の風綿除去装置。 ３ 送風ダクトに加湿器を接続したことを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載の編機
   の風綿除去装置。 ４ 機枠の外周に透明なフイルムを添設したこと
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項又
   は第２項記載の編機の風綿除去装置。