JPH0236798Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は帆走艇、帆を補助装置として用いる
船舶の帆巻取軸のたわみ防止装置に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

従来、帆巻取装置として第７図および第８図に
示すものが考えられている。

１は帆走艇、２はこの帆走艇１のデツキ、３は
このデツキ２に設けたマスト、４はこのマスト３
とデツキ２の間に張設した張索、４ａはこの張索
４の一端をデツキ２に繁着する繁着部、５はこの
取付部４ａで一端をデツキ２に繁着した張索４に
回動可能に緩嵌した帆巻取軸、６はこの帆巻取軸
５に穿設した側溝、７はこの側溝６に側端７ａを
折り曲げて挿入した帆、７ｂはこの帆７の先端、
８はこの先端７ｂを一端に取り付けた帆張ロー
プ、９はこの帆張ロープ８を先端７ｂに取り付け
た帆７を巻き取る帆巻取軸５と一体に設けた巻
筒、１０はこの巻筒９に一端に取り付けて巻着し
た帆巻ロープ、１１はこの帆巻ロープ１０、帆張
ロープ８、張索４を案内するガイド、１２は上記
帆巻ロープ１０、帆張ロープ８、張索４の他端を
係止する係止部、この係止部１２で張索４をゆる
めると、張索４、帆巻取軸５、帆７の重量により
帆巻取軸５が水平方向に傾き、張索４を矢印方向
に引いて元の位置に戻し、係止部１２に係止する
ようになつている。

以下に作用を説明する。

帆７を帆巻取軸５に巻き取つてあるときは、係
止部１２で帆巻ロープ１０をゆるめ、帆張ロープ
８を矢印方向に引いて帆７を帆巻取軸５から巻き
戻すことにより帆巻取軸５を回わし、帆巻取軸５
に巻き取られている帆７を張つて、帆巻ロープ１
０を、係止部１２でデツキ２に係止し帆走しうる
状態とする。

また、帆７を帆巻取軸５に巻き取るには、係止
部１２で帆張ロープ８をゆるめ、帆巻ロープ１０
を矢印方向に引いて巻筒９を回わして、帆７を帆
巻取軸５に巻き取り、この状態で帆巻ロープ１０
を係止部１２でデツキ２に係止すればよい。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところがこのような従来装置では、帆を巻き取
るとき張索、帆巻取軸などの重量で帆巻取軸がた
わみ、また帆が強風を受けてたわむことがあり、
このようなたわみを防止するには太い帆巻取軸を
用いればよいのであるが、重い帆巻取軸を使うこ
ととなるという問題点があつた。

〔問題点を解決しようとする手段〕

この考案は、このような問題点を解決するため
になされたもので、その目的とするところは、帆
巻取軸を遊装する環状部材、この環状部材に放射
状に突設した腕、この腕の先端に設けた索通し、
この索通しに挿通し一端をマストに取り付け他端
をデツキに取り付けたワイヤロープを備えること
により、太くて重い帆巻取軸を用いることなく帆
巻取軸のたわみ防止しうる装置を提供することに
ある。

〔実施例〕

この考案の一実施例を第１図ないし第３図につ
いて説明する。

符号１〜１２は従来装置と同一であるので説明
の詳細を省く。

１３は帆巻取軸５を遊装する環状部材であるリ
ング、１３ａはこのリング１３の開口部、１４は
この開口部１３ａがあるリング１３の外壁に等角
度の間隔で放射状に突設した腕、１５はこの腕１
４の先端に設けた索通しである穴、１６はこの穴
１５に挿通し、一端をマスト３、他端をデツキ２
に取り付けて張設したワイヤロープ、１７はこの
ワイヤロープ１６の両端をデツキ２、マスト３に
取り付ける取付部、１８はこの取付部１７でデツ
キ２とマスト３の間に張設したワイヤロープ１６
に穴１５の両端に設けた摺動止めである。

この考案の一実施例は上記のように構成されて
いるので、帆７を帆巻取軸５に巻き取つてあると
きは、係止部１２で帆巻ロープ１０をゆるめ、帆
張ロープ８を矢印方向に引いて帆７を帆巻取軸５
から巻戻すことにより、帆巻取軸５を回わし、帆
巻取軸５に巻き取られている帆７を開口部１３ａ
から引き出して帆７を張つて、帆張ロープ８を係
止部１２でデツキ２に係止し帆走しうる状態とす
る。

また、帆７を帆巻取軸５に巻き取るには、係止
部１２で帆張ロープ８をゆるめ、帆巻ロープ１０
を矢印方向に引いて巻筒９を回わして帆７をリン
グ１３の開口部１３ａから帆巻取軸５に巻き取
り、この状態で巻取ロープ８を係止部１２でデツ
キ２に係止すればよい。

上記のように帆巻取軸５の外側に遊装したリン
グ１３の外壁に放射状に腕１４を突設し、この腕
１４の先端に設けた穴１５に挿通したワイヤロー
プ１６の一端をマスト３の上部に取り付け他端を
デツキ２に取り付けて張設したので、張索４によ
る帆巻取軸５の傾きとその復元、帆張ロープ８、
帆巻ロープ１０による帆巻取軸５に対しての帆７
の巻き取り、巻き戻しを行なうとき、帆巻取軸
５、帆７、張索４などの重量と、帆張ロープ８、
帆巻ロープ１０の引張力によつて帆巻取軸５に曲
げモーメントが作用しても、帆巻取軸５に巻き取
られた帆７または帆巻取軸５がリング１３の内壁
に圧接され帆巻取軸５のたわみを防止しうる。こ
れによつて一ランク下の帆巻取軸５の使用が可能
となる。

〔他の実施例〕

この考案の一実施例では、帆巻取軸５の外側に
１箇のリング１３を遊装したが、帆巻取軸５が長
いときは第４図に示すように２箇以上のリングを
遊装して構成しても良い。

また、この考案の一実施例では、腕１４の先端
に穴１５を穿設し、この穴１５にワイヤロープ１
６を摺動不能に挿通したが、第５図および第６図
に示すように腕１４の先端に切欠１９を設け、こ
の切欠１９に摺動止め１８を設けたワイヤロープ
１６を係止し両端をマスト３の上部とデツキ２に
取り付けても同様な作用、効果を奏しうることは
いうまでもない。

さらに、リング１３を軽金属で作ると、それだ
け重量を軽くできる。

さらにまた、第５図および第６図に示すように
リング１３の開口部１３ａにローラー２０を軸支
すると、帆７をリング１３に円滑に収容しまたは
引き出すことができる。

〔考案の効果〕

この考案は、上記説明のとおり、帆巻取軸を遊
装した環状部材に放射状に突設した腕に設けた索
通しにワイヤロープを挿通し、このワイヤロープ
の両端をマストとデツキに取り付けるという簡単
な構造により、太くて重い帆巻取軸を用いること
なく帆巻取軸のたわみを防止しうるという効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の説明図、第２図
は同主要部の側面図、第３図は同平面図、第４図
は他の実施例の説明図、第５図は同主要部の側面
図、第６図は同平面図、第７図は従来装置の説明
図、第８図は第７図の−線り沿つて裁断した
断面図である。 ２……デツキ、３……マスト、５……帆巻取
軸、７……帆、１３……リング、１４……腕、１
５……穴、１６……ワイヤロープ。なお各図中同
一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 帆巻取軸を遊装する環状部材、この環状部材に
   放射状に突設した腕、この腕の先端に設けた索通
   し、この索通しに挿通し一端をマストに取り付け
   他端をデツキに取り付けたワイヤロープを備えた
   帆巻取軸のたわみ防止装置。