JPH0230523Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案は寒冷期における凍結を防止するための
不凍栓バルブ用の排水確認装置に関する。

［考案の技術的背景とその問題点］ 一般に冬期等の寒冷期においては、地上に露出
した蛇口に給水栓が設けられている水道管内の水
が凍結したり、深夜等の寒冷期に凍結したりする
ことがあるため、使用後においては前記水道管内
の水を排出しておく必要がある。このため、地上
に配管される手前の地中内の水道管部分に凍結防
止用のいわゆる不凍栓バルブを設け、凍結する虞
れがある時には、この不凍栓バルブを操作して、
地上に露出する側の水道管内の水を排出するよう
にしている。

上記不凍栓バルブは寒冷期に長期にわたつて使
用されるため、不凍栓バルブのハンドル操作はで
きても、排出できない等の故障が生じる場合があ
る。又、上記不凍栓バルブは、夏期等は長期にわ
たつて使用されないので、排水管等に砂等が侵入
してつまつたりして、不凍栓バルブを使用する場
合、蛇口側の水道管内の水を排出できない場合が
ある。又、ハンドル操作が不十分で、給水停止操
作は行われたが排水が行われない場合もある。

上述のような場合、不凍栓バルブのハンドル操
作で排水し終えたものと誤認すると、凍結で水道
管を破損してしまう不都合がある。又、破損しな
いまでも蛇口側の水道管内の水が凍結し、解凍す
るまで給水使用できなくなつてしまう不都合が生
じる。

さらに上記水道管は一般に不透明であるので、
外部から見ただけでは蛇口側の水道管内の水が排
出されているか否かを知ることが困難であるとい
う不都合があつた。この場合、ハンドル操作によ
つて、排水管出口から排水されるか否かを調べる
ことによつて、多くの場合確認できるが、その操
作を行つたもの以外の人は知ることが出来ないと
いう不都合がある。又、排水管は一般に見にくい
場所に設けられるため、操作のたびに排水の有無
を確認することは煩しいという欠点があつた。

［考案の目的］ 本考案は上述した点にかんがみてなされたもの
で、不凍栓バルブの操作のたびに排水を調べるこ
となく、凍結する虞れのある蛇口側水道管内に水
があるか否かを容易に確認することができるよう
にして、凍結による水道管の破損等を未然に防止
できる不凍栓バルブ用の排水確認装置を提供する
ことを目的とする。

［考案の概要］ 本考案は不凍栓バルブに関して蛇口側となる水
道管における適宜位置に水圧により可動する水圧
感知手段を設けると共に、外部からその可動位置
を知ることができるように少くともその一部が透
明にされたカバーで覆うようにして、水道管内の
水の有無を容易に知ることができるようにしてあ
る。

［考案の実施例］ 以下、図面を参照して本考案を具体的に説明す
る。第１図及び第２図は本考案の１実施例に係
り、第１図は１実施例が構成された水道管を示
し、第２図は１実施例を拡大して示す。

第１図に示すように、地表面１下を配設された
上水道等の水道管２は、適宜位置で直角に湾曲さ
れる等して、地表面１上に引き出され、給水栓３
を設けた蛇口４が取付けてある。

上記地表面１下を配設された水道管２は、途中
に凍結防止用の不凍栓バルブ５が設けられてお
り、給水使用後に、この不凍栓バルブ５を操作し
て給水側の水道管２と、蛇口側水道管（符号２ａ
で示す。）との連通を遮断すると共に、蛇口側水
道管２ａを不凍水排水管（図示せず）に連通させ
て、蛇口側の水道管２ａ内の水を排水して凍結を
防止できるようにしてある。

上記不凍栓バルブ５は、例えば円筒状カバー６
で覆われ、その上端の上端７を開くことによつ
て、操作用ハンドル８を回動あるいは上下方向へ
の摺動等の操作で給水と、給水停止して排水する
ことができるようになつている。

上記不凍栓バルブ５としてはこれまで公知され
たものを利用したり、あるいは公知でないもので
も良い。

ところで、１実施例においては、水道管２ａに
凍結される蛇口４に、一体的に、又は蛇口４の手
前に介装される等して該水道管２ａ内に水が充満
してあるか否かの検出手段としての水圧感知機１
１が設けてあり、この水圧感知機１１は第２図に
示すような構造になつている。

即ち、水道管２ａにその（水圧感知機）本体１
２の基部側が螺着され（その他ろう付け等で固着
れても良い）、シリンダを形成する本体１２の中
空部１２ａは水道管２ａの中空部と連通し、この
中空部１２ａにその下端側の円板状太径部１３ａ
が摺接するピストン１３が嵌合収納され、この太
径部１３ａの上部側は細径にされて本体１２の細
径中空部１２ｂを経て突出し、その頂部には夜光
塗料１４ａが塗布されたフランジ１４が設けてあ
る。

上記ピストン１３の太径部１３ａの上部側の細
径の部分外周の中空部１２ａ内には、コイルばね
１５が収納され、該コイルばね１５によつて、ピ
ストン１３を下方に付勢するようにしてある（第
２図の状態）。

上記本体１２の上部側はプラスチツク等用いた
透明のカバー１６で覆われ、このカバー１６内側
における上記フランジ１４と対向し、該フランジ
１４上面と所定の間隔ｄ離れた上方位置にリミツ
トスイツチ１７が取付けてある。つまり、水道管
２ａ内に水が充満されており、その水圧で上記コ
イルばね１５に抗してピストン１３を上方に押し
上げた状態のとき、フランジ１４上面がリミツト
スイツチ１７を押圧して非導通状態の２接点を導
通させることができる位置に、リミツトスイツチ
１７が取付けてある。

このリミツトスイツチ１７が押圧されることに
より導通される２接点は、リード線１８，１８で
引き出され、これらリード線１８，１８は発光ダ
イオード１９等の表示素子に給電される電池２０
等の電源の給電ラインの少くとも一部を形成し、
発光ダイオード１９の点灯によつて、水道管２ａ
内に水が充満されていることを表示できるように
してある。又、夜光塗料１４ａが塗布されている
フランジ１４がリミツトスイツチ１７に当接して
いるか、下方にあるかを容易に見分けることがで
きるようになつている。

尚、ピストン１３の太径部１３ａには水密用に
凹部を形成してパツキン２１，２１が収納され、
又、本体１２の細径中空部１２ｂにもパツキン２
２を設けてある。

このように構成された１実施例の動作を以下に
説明する。

冬期等の寒冷期において、水道管２ａ内の水が
凍結する虞れがある場合には、給水栓３を開いた
状態で、不凍栓バルブ５のハンドル８を操作して
給水及び給水停止を行う。この給水の後にハンド
ル８を操作して、給水源側の水道管２と蛇口側水
道管２ａとを遮断すると共に、蛇口側水道管２ａ
を排水管と連通して排水することになる。この水
道管２ａの水が排水されると、該水道管２ａの水
圧が下がるので、水圧によつて、コイルばね１５
を押し縮めてそのフランジ１４がリミツトスイツ
チ１７を押圧して２接点を導通させていた状態の
ピストン１３がコイルばね１５の付勢力で下方に
さがると共に、発光ダイオード１９は消灯する。

従つて、水圧感知機１１のフランジ１４の位置
あるいは発光ダイオード１９の消灯状態から蛇口
側水道管２ａ内に水が残つてないことを知ること
ができ、凍結する虞れがないことを確認できる。

仮に、排水管がつまつていたり、不凍栓バルブ
５が故障していたり、ハンドル操作が不十分等で
あつたりして、水道管２ａの水が排水されてない
と、水道管２ａ内の水圧が下がらないので、ピス
トン１３はリミツトスイツチ１７を押圧する状態
に保持されるので、フランジ１４の位置あるいは
発光ダイオード１９の点灯状態から蛇口側水道管
２ａ内に水があることを知ることができる。従つ
て、この場合には不凍栓バルブ５周辺を調べれ
ば、その排水されない原因を知ることができ、排
水状態にして、凍結による水道管２ａの破損ある
いは破裂に至らないまでも凍結によつてしばらく
給水できない不都合等を未然に防ぐことができ
る。

尚、夏期等、凍結する虞れがない期間において
は、上記発光ダイオード１９の点灯を停止させて
も良く、電池２０等の電源を外したり、電源ライ
ンの途中に介装したスイツチ等をオフさせれば良
い。

上述の実施例において、発光ダイオード１９等
の表示素子を寒冷期に動作させる場合、動作中で
あることの表示を異る発光波長等の発光ダイオー
ド等で表示しても良い。又、これに代るものとし
て、水道管２ａ内に水が充満されてない場合にお
いても、上記発光ダイオード１９とは異る発光色
等の発光ダイオード等を点灯させるようにしても
良い。

尚、リード線１８，１８はその方をピストン１
３で兼用するようにすることもできる。

尚、上記発光ダイオード１９等は、給水栓３の
近辺にて表示したり、不凍栓バルブ５の周辺で表
示したり、屋内で表示したり、その他の場所で表
示したりすることもできる。この場合、同時に異
る複数の場所で表示させるようにすることもでき
る。又、不凍栓バルブ５は、給水栓３の近辺で操
作できるようにハンドル８の軸をフレキシブルシ
ヤフト等で延出させることもできる。

尚、上記水圧感知機１１の設置場所は、第１図
に示す位置に限らず、不凍栓バルブ５に関して蛇
口側となる適宜位置に設けることができる。この
場合、フランジ１４等ピストン１３の可動状態が
視認できる位置であれば良い。尚、カバー１６は
全体が透明であるものに限られるものでなく、少
くともその一部が透明であるものも本考案に属す
るものである。又、耐蝕性等の材料でピストン１
３等を形成したり、防錆用の塗料を塗布したりし
て、カバー１６を必要としない場合もある。

又、発光ダイオード１９等の表示素子の電源と
して、充放電可能な電池を用いたり、この電池と
共に太陽電池を併用して、この電池を自動的に充
電できるようにして長期にわたり、交換すること
なく表示機能を有するようにすることもできる。

尚、発光ダイオード１９等による表示素子又は
表示手段を設けてないものも、本考案に属するも
のである。

尚、ばね１５で付勢することなく、ピストン１
３の重量で下方に下がるよう付勢し、水圧で押圧
しない場合には下方に下がるようにしても良い。
又、このピストン１３が下方に下がる等ピストン
１３に水圧が作用しない場合に発光ダイオード１
９を消灯状態から点灯状態にすることもできる。

尚、不凍栓バルブ５が電気的に開閉制御される
場合には、給水停止状態のときに水圧感知機１１
を作動させて、この場合水が存在する場合には音
等で凍結する虞れがあることを警告するような構
成にすることもできる。

この他、蛇口側水道管２ａ内の水の有無を検出
するのに、蛇口側の水道管２ａの途中に、超音波
送受素子を対向させて配置し、受信した際その超
音波の減衰量の差異から水の有無を検出するよう
にすることもできる。この場合、その周波数は、
伝播物が水でなく空気になると大きく減衰する高
周波を利用すると、検出が容易である。

［考案の効果］ 以上述べたように本考案によれば、不凍栓バル
ブの蛇口側水道管に連通するシリンダに、ばね等
で付勢されたピストンを嵌合収納し、水道管内の
水圧で、前記ばね等の付勢力に抗して可動できる
ようにすると共に、そのピストンの可動位置を視
認できるようにしてあるので、寒冷期等凍結する
虞れがある期間、蛇口側の水道管内に水があるか
否かを確認できる。従つて凍結による水道管の破
裂、あるいは凍結による給水使用できなくなる不
都合等を未然に防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の１実施例に係り、
第１図は１実施例が設けられた水道管を示す説明
図、第２図は１実施例を拡大して示す断面図であ
る。 ２，２ａ……水道管、３……給水栓、４……蛇
口、５……不凍栓バルブ、８……ハンドル、１１
……水圧感知機、１２……本体、１３……ピスト
ン、１４……フランジ、１５……コイルばね、１
６……カバー、１７……リミツトスイツチ、１９
……発光ダイオード、２１，２２……パツキン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 不凍栓バルブが設けられた蛇口側の水道管の
   適宜位置に、該水道管と連通するシリンダと、
   ばねで一方に付勢され、且つ水圧で該ばねの付
   勢に抗して移動可能となるピストンと、該ピス
   トン外周の少くともその一部が透明にされたカ
   バーとを有することを特徴とする不凍栓バルブ
   用の排水確認装置。 (2) 前記ピストンは、シリンダから突出する端部
   が夜光塗料で塗装されていることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の不凍栓バ
   ルブ用の排水確認装置。 (3) 前記ピストンは、水圧で可動された場合、リ
   ミツトスイツチを非導通から導通状態にして、
   発光素子を、消灯から点灯又は点灯から消灯可
   能としたことを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の不凍栓バルブ用の排水確認装
   置。