JPH0229143Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は金型成形による八幡型鬼瓦（通称覆
輪鬼瓦）に関するものである。

（従来技術） 従来、八幡型鬼瓦の製造では、図面第１図に示
すように、表面１ａ側の表筋３ａ及びムクリ部２
ａを金型で一体成形し、その後にムクリ部２ａの
裏側の垂直な裏周端面に、透孔７ａを有する予め
別途作製の裏板６ａを、接着剤（荒地と同素材の
土を細かくした白地粉をひき、食塩を加え泥漿状
にしたもの）によつて接着合体して裏筋４ａを形
成するように製造していたものである。所がこの
ような従来構造の八幡型鬼瓦では、上記裏筋４ａ
の基部であるムクリ部２ａと裏板４ａとの接合部
が乾燥時の収縮などによつて亀裂，ひび割れなど
をきわめて生じ易いと共に接合部などの微細な内
部水分が凍結膨脹して薄く裂ける（ラミネーシヨ
ン）所謂凍害を被るなど強度、耐久性の面で劣る
大きな欠点があつた。また外観美的にも劣ると共
に作業性も悪く人件費も嵩み安価な量産に不向き
であつた。なおムクリ部と裏筋（紐）とを一体成
形することが望ましいが、真空土練機によらない
玉土と呼ばれる原料を使用する場合には金型成形
上不可能であつた。

（技術的課題） この考案は裏筋とムクリ部との接合部の亀裂な
どを生ぜしめない、物理的にも耐候性など自然的
にも強度，耐久性が優れた、かつ外観的にも優れ
た安価に量産できる八幡型鬼瓦を得ることを技術
的課題とする。

（技術的手段） この考案の八幡型鬼瓦は上記技術的課題を解決
するためのものであつて、以下図面実施例につい
て説明すると、２は表面１及び該表面１側の表筋
３が一体のムクリ部である。そこでこの考案で
は、上記ムクリ部２の裏側に、裏筋４が形成され
るよう紐筒部５を金型成形によつて延設する。そ
して該紐筒部５の先端に約45度の傾斜接合面５′
を設け、裏板６周端の傾斜接合面６′と上記傾斜
接合面４′とを適合させ普通使用する接着剤で接
着合体してなるものである。なお７は透孔であ
る。

（効果） この考案では、裏板６の接合が、適合する傾斜
接合面５′，６′の接着合体であるから、従来の接
合手段に比べて接触面積が大で、接着強度が強
く、かつ接合部の紐筒部５及び裏板６に作用する
伸縮力ベクトルは合力として裏板６を接合面に圧
着せしむるように作用し、接合部及び裏筋４の強
度，耐久性を著しく増大できる優れた効果があ
る。また凍害など耐候性に優れると共に作業性が
よく、優良製品の安価な量産に寄与できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来鬼瓦の縦断側面図、第２図はこの
考案鬼瓦の表側からの斜視図、第３図は同裏側か
らの斜視図、第４図は同縦断側面図である。 １，１ａ……表面、２，２ａ……ムクリ部、
３，３ａ……表筋、４，４ａ……裏筋、５……紐
筒部、６，６ａ……裏板、５′，６′……傾斜接合
面、７，７ａ……透孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ムクリ部２の裏側に、裏筋４が形成されるよう
   紐筒部５を金型成形によつて一体延設し、該紐筒
   部５の先端に傾斜接合面５′を設け、裏板６周端
   の傾斜接合面６′と上記傾斜接合面５′とを適合さ
   せ接着合体してなる八幡型鬼瓦。