JPH0225325Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、座席の下面に、着座者の所持品等を
収容しうる棚を備え、かつ不使用時には、積み重
ねうるようにした積み重ね椅子に関するものであ
る。

（従来技術） このような椅子は、実公昭41−15390号公報や
実公昭41−20034号公報あるいは実公昭58−40918
号公報等に開示されている。

（本考案が解決しようとする問題点） しかし、実公昭41−15390号公報に開示されて
いる椅子は、棚を前方または後方に折り畳むよう
になつているので、積み重ねた時、棚板の端部が
座席より突出しないように、棚の上下高あるいは
前後幅が制限され、大型の所持品を収容すること
が出来ず、また積み重ねる際には、折り畳んだ棚
を、その状態に手で保持して積み重ねる必要があ
り、操作が面倒である。

実公昭41−20034号公報に開示されている椅子
は、積み重ねる際に、棚を取り外すようになつて
いるので、その着脱が面倒であるとともに、取り
外した棚を別に紛失しないように保管する必要が
ある。

実公昭58−40918号公報に開示されている椅子
は、積み重ねる際には、棚を回動させて、その状
態に保持する必要があつて面倒であり、かつ棚板
が片持ちであるため、強度的に問題がある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、椅子の座席下面四角部に、下端に縦
長環を備える等長の吊杆を、前後もしくは左右揺
動自在に枢着し、かつ２個ずつの縦長環を、水平
をなす棚板に設けた互いに平行をなす各支持杆
に、摺動自在に、かつ常時は各吊杆が、その縦長
環が互いに近接する方向に傾斜するように係合し
てなる折り畳み式棚を設けることにより、上述の
問題点の解決を図つたものである。

（作用） 本考案の椅子は、単に積み重ねるだけで、椅子
の自重により、傾斜する各吊杆の縦長環が、自動
的に棚板の支持杆を摺動して、各吊杆がほぼ水平
になり、棚は偏平に折り畳まれる。

（実施例） 第１図乃至第３図は、本考案の第１実施例を示
すもので、１は、側面形が下向Ｕ字形に屈曲し
て、前脚１ａと後脚１ｂを形成する左右１対の脚
杆、２は両脚杆１の中央片１ｃに架設された座
席、３は背もたれである。

座席２の下面、左側端前部と後部および右側端
前部と後部には、それぞれ側面形が下向Ｕ字形に
屈曲する左右１対の吊杆４の中央片４ａが、吊合
具５をもつて、左右揺動自在に枢着され、各吊杆
４の下向片４ｂの下端には、縦長環６が曲成され
ている。

７は、水平をなし、前後長が吊杆４の中央片４
ａとほぼ等長、左右幅が左右両中央片４ａの間隔
より短寸であり、かつ下向片４ｂの長さの２倍以
上の、棒材よりなる棚板である。

この棚板７は、前後の枠杆を兼ねる支持杆８
に、吊杆４の縦長環６が摺動自在に係合すること
により、座席２に吊支されて棚９が形成され、吊
杆４の下向片４ｂは、縦長環６が互いに近接する
方向に傾斜している。

上述の椅子を、第３図に示すように積み重ねる
と、自重により、上方の椅子の棚９′は、傾斜し
ている下向片４′ｂの縦長環６′が、支持杆８′上
を、互いに近接する方向に摺動して、下向片４′
ｂが水平に揺動することにより、偏平に折り畳ま
れて、座席２同士が重合して積み重ねられる。

上述のように積み重ねた上方の椅子を、使用す
るため持ち上げると、その棚９′は、その自重に
より、自動的に、第１図に示す状態に降下する。

上述の棚９は、椅子を積み重ねる時、初めに上
方の椅子の縦長環６′が、下方の椅子の座席２に
当接するので、その上張りの材質によつては、摩
擦抵抗により、縦長環６′が側方に摺動し難いこ
とがあり、また多重に長期積み重ねたり、積み重
ねを多数回繰返したりすると、座席２の局部を圧
迫して、凹みが生じたり、損傷したりすることが
ある。

第４図は、このような場合に使用して効果的な
棚２１を示すもので、２２，２２ａ，２２ｂ，２
３，２４は、それぞれ上記４，４ａ，４ｂ，６，
７に相当する吊杆、中央片、下向片、縦長環、棚
板である。

この棚２１の棚板２４の正面形は、両端部が上
方に向かつて傾斜し、かつ前後両枠杆２４ａの若
干上方に、上記支持杆８に相当する支持杆２５
が、枠杆２４ａと平行をなすように設けらてお
り、この支持杆２５に、縦長環２３が係合してい
る。

図示を省略したが、この棚２１を取付けた椅子
は、積み重ねる際、上方の椅子の縦長環２３が、
下方の椅子の座席に当接せず、かつ支持杆２５の
両端部が傾斜しているので、縦長環２３の摺動が
容易であり、上述のような問題はおこらない。

上述２種類の棚板７，２４は、いずれも、その
横幅が座席２の横幅より狭いが、場合により、棚
板の横幅を、座席２の横幅と等しく広げたいこと
がある。

第５図は、このような場合に使用して効果的な
棚３１を略示するもので、３２，３２ａ，３２
ｂ，３３，３４，３５は、それぞれ上記４，４
ａ，４ｂ，６，７，８に相当する吊杆、中央片、
下向片、縦長環、棚板、支持杆である。

座席（図示省略）の横幅と等長をなす各支持杆
３５は、その中間に左右１対のストツパ３６を設
けて、両ストツパ３６間を縦長環３３の摺動部３
７としてある。

この棚３１は、棚板３４の横幅が、両吊杆３２
の中央片３２ａの間隔より若干長寸であるが、ス
トツパ３６により、吊杆３２の下向片３２ｂが対
向する方向は傾斜しているので、上記棚９と同様
に、椅子を積み重ねると自動的に折り畳まれる。

また、図示を省略したが、上述同様の吊杆を、
座席の下面の前端と後端に、前後揺動自在に枢着
して、その下端に棚板を吊設してもよい。

吊杆４等の上端部を、脚杆１又はその前後の脚
杆１，１間に両端を固着した水平な補強杆等に枢
着してもよい。

（本考案の効果） 上述のように、本考案の椅子の棚は、椅子を積
み重ねるだけで、自動的に折り畳まれるので、特
別の折り畳み操作が不要で、甚だ便利である。

また、構成が簡単で、棚板の四角部が座席に吊
支されているので、強固であり、しかも、必要に
応じ棚板を大きくして、物品の収容能力を大きく
することもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係わる椅子の側面図、第２
図は、同じく要部分解拡大下方斜視図、第３図
は、同じく積み重ねた状態を示す正面図、第４図
は、同じく棚の他の例を示す、第２図に相当する
斜視図、第５図は、同じく棚のさらに他の例を略
示する上方斜視図である。 １……脚杆、１ａ……前脚、１ｂ……後脚、１
ｃ……中央片、２……座席、３……背もたれ、４
……吊杆、４ａ……中央片、４ｂ，４′ｂ……下
向片、５……吊金具、６，６′……縦長環、７，
７′……棚板、８，８′……支持杆、９，９′……
棚、２１……棚、２２……吊杆、２２ａ……中央
片、２２ｂ……下向片、２３……縦長環、２４…
…棚板、２４ａ……枠杆、２５……支持杆、３２
……吊杆、３２ａ……中央片、３２ｂ……下向
片、３３……縦長環、３４……棚板、３５……支
持杆、３６……ストツパ、３７……摺動部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 椅子の座席の下面四角部に、下端に縦長環を
   備える等長の吊杆を、前後もしくは左右揺動自
   在に枢着し、かつ２個ずつの縦長環を、水平を
   なす棚板に設けた互いに平行をなす各支持杆
   に、摺動自在に、かつ常時は各吊杆が、その縦
   長環が互いに近接する方向に傾斜するように係
   合してなる荷棚付き積み重ね椅子。 (2) 支持杆を、棚板の若干上方において棚板と平
   行をなすように設けてなる実用新案登録請求の
   範囲第(1)項に記載の荷棚付き積み重ね椅子。 (3) 支持杆の両端部を、上向傾斜させてなる実用
   新案登録請求の範囲第(1)項又は第(2)項に記載の
   荷棚付き積み重ね椅子。 (4) 支持杆にストツパを設けて、かつ吊杆を傾斜
   させてなる実用新案登録請求の範囲第(1)項乃至
   第(3)項のいずれかに記載の荷棚付き積み重ね椅
   子。