JPH0222129B2 - - Google Patents

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JPH0222129B2
JPH0222129B2 JP59082122A JP8212284A JPH0222129B2 JP H0222129 B2 JPH0222129 B2 JP H0222129B2 JP 59082122 A JP59082122 A JP 59082122A JP 8212284 A JP8212284 A JP 8212284A JP H0222129 B2 JPH0222129 B2 JP H0222129B2
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ceramic foam
molten metal
foam
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JP59082122A
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JPS605828A (ja
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Shii Yaautsudo Jon
Ii Dooaa Jeemusu
Kei Puryuusu Robaato
Jei Puraiyaa Maikuru
Jei Guree Toomasu
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Alusuisse Holdings AG
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Publication date
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Publication of JPH0222129B2 publication Critical patent/JPH0222129B2/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D43/00Mechanical cleaning, e.g. skimming of molten metals
    • B22D43/001Retaining slag during pouring molten metal
    • B22D43/004Retaining slag during pouring molten metal by using filtering means
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D39/00Filtering material for liquid or gaseous fluids
    • B01D39/14Other self-supporting filtering material ; Other filtering material
    • B01D39/20Other self-supporting filtering material ; Other filtering material of inorganic material, e.g. asbestos paper, metallic filtering material of non-woven wires
    • B01D39/2068Other inorganic materials, e.g. ceramics
    • B01D39/2093Ceramic foam
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B35/00Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products
    • C04B35/01Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on oxide ceramics
    • C04B35/10Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on oxide ceramics based on aluminium oxide
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22BPRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
    • C22B21/00Obtaining aluminium
    • C22B21/06Obtaining aluminium refining
    • C22B21/066Treatment of circulating aluminium, e.g. by filtration
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22BPRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
    • C22B9/00General processes of refining or remelting of metals; Apparatus for electroslag or arc remelting of metals
    • C22B9/02Refining by liquating, filtering, centrifuging, distilling, or supersonic wave action including acoustic waves
    • C22B9/023By filtering
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Description

【発明の詳細な説明】
多孔質セラミツク発泡体材料は本技術分野では
既に知られており、例えば既に米国特許第
3090094号明細書及び同第3097930号明細書に記載
されている。又1975年7月8日付米国特許第
3893917号明細書に詳細に記載されているように、
溶融金属をろ過する際に特に有用であることが知
られている。 溶融金属、特に溶融アルミニウムは実際には、
最終鋳造金属製品に有害な同伴固形分を概ね含有
している。これらの同伴固形物は、溶融金属の凝
固後に介在物として最終鋳造製品に現われ、最終
製品の延性を低下させ、或は最終光沢及び陽極処
理特性を悪くする。こうした介在物が入る原因は
いくつか考えられる。例えば、こうした介在物
は、砕けた表面酸化膜が入つて最終溶融金属に同
伴されたものであることがある。そのほかに、介
在物は炭化物、硼化物等々、または腐食された炉
及びといの耐火材の如き不溶性不純物として入る
ことがある。 当然非常に望ましいのは、特に溶融アルミニウ
ムに就いて、殊に例えば、得られた金属がアルミ
ニウム合金5252及び5657の如き5000台のアルミニ
ウム合金から作られた装飾トリム(trim)また
はシートの如き、装飾製品に使用される場合に、
最終鋳造製品から同伴固形物を除去するかまたは
それを最も少なくするのに使用される改良された
ろ過器をつくり出すことである。改良されたろ過
によつて有利になるその他のアルミニウム合金と
しては、薄物製品に於けるピンホール欠陥を減ら
しかつ圧延の際の生産性を最大にするために、ア
ルミニウム合金1145及び1188の如き1000台のアル
ミニウム合金から作られるアルミニウムコンデン
サー箔、超音波に対する高い品質を得るためのア
ルミニウム合金2024及び7075の如き高強度押出し
合金、及び押出し操作の生産性を一層高くするた
めのアルミニウム合金6061の如き6000台のアルミ
ニウム合金の押出合金等がある。 前述の如き介在物は、最終的に固化させた合金
の諸性質を悪くし、かつ最終製品の処理効率の低
下及び諸性質の低下の原因になる。例えば、アル
ミニウム合金5252から作られた装飾トリムまたは
シートに特に重要な一種の仕上げきずは、線状欠
陥として知られているすじ状欠陥である。 ガス フラクシング(gas fluxing)の如き激
しい溶融処理方法は、このような欠陥の発生を最
も少なくするが、限界的な用途に満足な程度に同
欠陥を減らすのには成功していない。従来、溶融
物に介在物が存在することによつて生ずるこのよ
うな欠陥等を減らすために、溶融物のろ過が利用
されている。最もありふれた形の溶融物ろ過に
は、移送とい及び注入とい内に、または凝固しつ
つあるインゴツトの頂部の溶融金属だめ内に置い
て使用する粗く織られたガラス布の網がある。こ
のようなろ過器は大きい介在物を除去するに過ぎ
ないから部分的にしか有効でないことが判明して
いる。広く使用されている他の形式のろ過器は、
例えば板状アルミナで作られた床(bed)ろ過器
である。このようなろ過器には多くの欠点があ
り、恐らく、そのうち最も重大なのは有効なろ過
に必要な孔径を制御しかつ維持するのが非常に困
難なことである。このようなろ過器の他の問題点
は、各鋳込み操作を始める際に、最初のうち品質
の悪い金属を生ずる傾向があることである。この
現象は、いわゆるインゴツトの“バツト効果
(butt effect)”即ちスクラツプにされて再処理
されなければならない比較的貧弱な品質のバツト
部分を有するインゴツトを生ずることになる。更
にまた、床ろ過器内の金属は、たとえ同ろ過器が
使用されていない時でも溶融状に維持されなけれ
ばならない。 それに較べて多孔質セラミツク製ろ過器は非常
に望ましいように見える。然し、溶融金属のろ過
の如き厳格な機能にこのようなろ過器を使用して
成功するには、同ろ過器が特定の物理的及び化学
的性質を有することが必要である。特に発泡セラ
ミツク物体は、溶融金属を商業上容認できる速さ
と純度で効率良くろ過するために、ある透過率と
均一な構造を必要とする。必然的な性質として発
泡体材料はろ過器として長期に亘る使用を促進す
る為には、溶融金属による化学的侵食に耐えなけ
ればならない。 今迄に本技術分野では発泡セラミツク発泡体材
料の製造に様々な方法が提唱されている。特に、
ボール(Ball)氏による米国特許第3111396号に
は、耐火材料を含浸させた発泡有機重合体を余分
の耐火材料を除去する為に予め調整されたローラ
へ通すことによつて圧縮する方法が提唱されてい
る。本技術分野で使用される様々な種類の従来の
除去方法に匹敵するこの方法には、物体全体に亘
つてスラリーが完全に均一に分布しない点で固有
の欠点がある。即ち、物体の外側部分は中心線付
近よりも薄くスラリで被覆されがちである。この
ような欠陥は、溶融金属ろ過器の製造に適当であ
ることが判明している透過率範囲の両端付近で特
にはなはだしく、従つて高い透過率を有する物体
は、弱くて望ましくない表面及び縁を有し勝ちで
あるのに対し、比較的低い透過率を有する物体
は、望ましくない中心部の閉塞を示し勝ちであ
る。前記欠陥は双方とも、得られる発泡体を溶融
金属のろ過に使用するには不適当なものにしてい
る。 本発明の主要な目的は、かなり高い温度抵抗を
有し、従つて様々な種類の溶融金属に対して使用
することができ、かつ溶融金属のろ過に伴なう激
しい使用条件の下で劣化に耐えることのできる構
造を有するようなセラミツク発泡体製ろ過器をつ
くることである。 本発明の更に別の目的は、製造し易くかつ合理
的な価格であることを特徴とする、高温に耐える
前記の如きセラミツク発泡体製ろ過器を与えるこ
とである。 本発明の更に別の目的は、上述の技術的欠陥を
克服し、溶融物を汚染せず、かつ最終金属製品の
望ましい特性を低下させることのない前記の如き
耐高温性セラミツク発泡体製ろ過器を提供するこ
とである。 本発明のその他の目的及び利点は以下の説明を
慎重に検討すれば明らかになるであろう。 本発明によれば、上述の目的及び利点が容易に
達成されることが判明している。 本発明は溶融金属、特に溶融アルミニウムをろ
過する際に使用される非常に効率の高いセラミツ
ク発泡体材料を提供する。本発明のセラミツク発
泡体材料は同セラミツク材料のウエブによつて囲
まれた相互に連通している多数の空隙を有する開
口細胞構造を有することを特徴としている。本発
明のろ過器は限界的特性の組合せによつても特徴
づけられる。同ろ過器は400〜8000×10-7cm2の範
囲内の空気透過率を有している。そのほかに、本
発明のろ過器は0.80〜0.95の気孔率即ち空隙分率
を有している。更に尚、本発明のろ過器は、直線
1cm当り2〜20個の孔、及び10〜100mmの範囲の
ろ過器有効厚さをもつ特徴を有する。空気透過率
が上記下限より小さくなると、余りにも緻密なフ
イルターを与えるようになり、それは溶融金属の
流れを開始させ、それを維持することを困難にす
る。例えば、実用的でないヘツドの蓄積を生ずる
ことが判明している。空気透過率が上記上限より
も大きくなると、溶融金属の流れの大きな特別な
速度をもたらすであろう。粒状物捕捉効果は低く
なり過ぎるであろう。開口気孔と気孔を通る流通
路が少なすぎると、粒状含有物を捕捉するのに有
効な容積が低くなり過ぎることを意味する。更
に、空気透過率が余りにも高すぎると、フイルタ
ーの強度は溶融金属のろ過には不適切になるであ
ろう。気孔率は、上述の範囲内であると、粒状含
有物をつかまえるのに適した捕捉容積をもつ適切
な数の流通路をもつ安定な構造であるセラミツク
発泡体を与える。その範囲よりも高いか又は低い
と、空気透過率について述べたのと同じ欠点が起
きる。孔の数が上記範囲より小さいと、余りにも
開いた構造を生じ、粒子捕捉効率が低くなる。孔
の数が余りにも大きすぎると、駆動力として重力
による供給を用いた溶融金属流量が小さくなり過
ぎ、金属注入ヘツドが高くなり過ぎる過結にな
る。厚さが上記範囲より薄くなると、溶融金属ろ
過のための強度が不充分になり、上記範囲より厚
くなると無駄になるであろう。本発明によれば上
記ろ過器が溶融金属、特に溶融アルミニウムのろ
過に特に有用であることが判明している。本発明
のろ過器を利用すれば、数多くの利点が得られる
が、そのいくつかは上述の通りであり、又以下に
も論ずるであろう。 普通の状態では、400〜2500×10-7cm2の空気透
過率、0.80〜0.95の気孔率即ち空隙分率、及び直
線1cm当り8〜18個の孔を有する本発明の比較的
目の細かいろ過器が、特に5000台のアルミニウム
合金をろ過する時に使用される。然し、もしも注
入金属が特に汚れているならば、直線1cm当り孔
2〜8個の孔の大きさ、2500〜8000×10-7cm2の空
気透過率及び0.90〜0.95の気孔率即ち空隙分率を
有する比較的目の粗にセラミツク発泡体製ろ過器
を通して、前もつてその金属をろ過するのがよ
い。このろ過は少しずつ性質が変つていく単一の
セラミツク発泡体製ろ過器かまたは、異なる気孔
率をもつ一連のろ過器を使用することによつて達
成することができる。 従つて、上述のほかに本発明は、ろ過器を通る
溶融金属の流通速度をろ過器面積1dm3当り1.25〜
12.5dm3/分の値にして、前述の如き特徴を有す
るセラミツク発泡体製ろ過器を通して溶融金属を
ろ過する方法を提供する。本発明の方法の別の具
体例によれば、溶融金属は本発明の比較的目の粗
にセラミツク発泡体製ろ過器を通して予めろ過
し、次いで本発明の比較的目の細かい好適なろ過
器を通してろ過することができる。この予備ろ過
工程では、気孔率が次第に小さくなつていく一連
のセラミツク発泡体製ろ過器を使用してもよく、
特に汚れた溶融物に対して特に有用である。 本発明によれば、上述したセラミツク発泡体製
ろ過器は溶融金属、特に溶融アルミニウムをろ過
するのに特に有用であることが判明している。本
発明のセラミツク発泡体製ろ過器は、使い捨てが
でき、便利に使用できる安い材料である。 前述した如く、本発明のセラミツク発泡体材料
は、そのセラミツク材料のウエブによつて囲まれ
た相互に連通した多数の空隙を有する開口細胞構
造を有することを特徴としている。本発明のろ過
器の特性は、少い費用で溶融金属、特にアルミニ
ウムをろ過するのに驚くほど効果的で、然もこれ
まで得られなかつた融通性をもつて、驚くべきろ
過効率を達成することができるろ過器を与えるこ
とが判明している。 本発明のろ過器の諸性質の組合せは本発明の望
ましい結果を得るのに限界的な条件である。上述
した如く、本発明のセラミツク発泡体製ろ過器
は、400〜8000×10-7cm2正常な好ましい場合には
400〜2500×10-7cm2の範囲の空気透過率を有して
いる。この空気透過率は、測定された流速で空気
をセラミツク発泡体に押通すことによつて決定さ
れる。この方法によれば、発泡体に入る空気と、
同発泡体を去る空気との間の圧力差を、発泡体の
定められた面積及び厚さに対して測定することに
よつて圧力降下を決定する。空気透過率は次いで
次式に従つて決定される。 K=μQL/A△P 式中K=空気透過率、μ=空気の動的粘度、Q
=通過する空気の流速、L=長さ、即ちセラミツ
ク製ろ過器材料の厚さ、A=面積即ち発泡体の定
められた面積、そして△P=圧力降下である。本
発明によれば0.857m3/分の流速及び73cm2の面積
が利用された。透過率の前記決定方法はピツトマ
ン(Pitman)によつて1948年に刊行されたジエ
ー・エム・ダラバレ(J.M.Daravalle)氏の著書
マイクロメレテイクス(micromeretics)の第
263頁に記載されている。従つて、空気透過率は、
多くの変数例えば、嵩密度、孔の大きさ、表面積
及び流れ通路の曲りくねり度の関数であることが
分かるであろう。本発明によれば、2500×10-7cm2
よりも大きい透過率は、溶融金属が特に汚れてい
ない限り不適切なろ過を与えるが、そのように汚
れている場合には8000×10-7cm2までの透過率を使
用することができる。また400×10-7cm2よりも小
さい透過率は実用的でない大きなヘツドの蓄積を
生ずることが判明している。透過率の特に好適な
範囲は1000〜1500×10-7cm2であることが判明して
おり、この範囲内では最適のろ過が得られ、生ず
るヘツドの蓄積は小さい。 以上のほかに、本発明のセラミツク製ろ過器は
0.80から0.95までの気孔率即ち空隙分率を有すべ
きである。この変数はセラミツク物体内の無孔率
即ち空隙の量を定め、次式に従つて決定すること
ができる。 fp=dt−db/dt=1−db/dt 式中fp=全気孔率即ち空隙分率、dt=セラミツ
ク物体の真の密度、そしてdb=セラミツク発泡体
製物体の嵩密度である。この式はジヨン・ウイレ
イ(John Wiley)によつて1960年に刊行された
ダブリユー・デー・キンジエリ(W.D.Kingery)
氏の蓄書“セラミツク入門(Introduction to
Ceramics)”の第416頁に見出すことができる。
最適の結果は0.85から0.90までの気孔率値によつ
て得られることが判明している。勿論、dtに対す
る特定の値なは特定のセラミツク物体に依存する
ことになる。例えば、アルミナ−クロミアに基づ
くセラミツクに対して、前記気孔率値は0.65〜
0.25gcm3の嵩密度に対応し、かつ最適値は0.35〜
0.45g/cm3に対応する。上述の如く、比較的目の
粗い予備的ろ過器は0.90〜0.95の気孔率を有すべ
きである。 前述のほかに本発明のセラミツクろ過器は、直
線1cm当り孔の数でわされた有効孔径範囲即ち気
孔密度が直線1cm当り2〜20個、正常な好ましい
場合には直線1cm当り8〜18個の孔、また最適に
は直線1cm当り10〜14個の孔を有すべきである。 前記3変数、即ち透過率、気孔率及び孔の大き
さは、本発明の著しく改良された特性を得るのに
限定的な必須条件である。即ち、これらの変数は
本発明のろ過器の驚くべき効率を達成する際に相
互に影響する。これらの変数は、実際には如何に
多くの孔がろ過器に存在するか、如何にそれらの
孔が相互に連通しているか、又それらが如何なる
大きさをもつかを定めるものであり、またセラミ
ツクウエブの表面積とそれらの変数により驚くほ
ど高い効率のセラミツク発泡体製ろ過器を定める
ことができる。 更にまた、本発明のセラミツク発泡体製ろ過器
は10〜100mmの範囲の有効ろ過器厚さ即ち金属が
流れる方向の厚さを有すべきである。ろ過器の最
適の厚さは35〜65mmである。10mmよりも薄い厚さ
のろ過器は溶融金属から非金属の大部分を除去す
るのに有効ではなく、100mmよりも厚くなると、
ろ過器の最も有効な範囲はとにかく25〜35mmの厚
さであるから、ろ過速度を低下させて不利である
ことが判明している。 本発明の有効なろ過器の更に別の重要な特性
は、同ろ過器が実質的に構造的に均一性を有する
ことである。溶融金属に対して有効なろ過器を提
供するために、セラミツク発泡体は構造が高度に
均一でなければならない。従つて、ある割合の塞
がれた孔は流れ通路の曲りくねり度を増すので有
用でありかつ望ましいけれども、これらの閉塞個
所は一緒にかたまつているのではなく、セラミツ
ク物体全体に均一に分布しているのがよい。閉塞
個所がかたまつていると、偏流現象及びろ過効率
低下の原因にしかならない。 本発明の発泡セラミツク発泡体製ろ過器を製作
する為には、様々な材料が使用される。本発明の
ろ過器は安く容易に製造されるので、使い捨てが
できる便利なろ過器になる点が本発明の利点であ
る。 本発明のセラミツク発泡体材料の主要な成分は
40%から95%まで、好ましくは45%から55%まで
の量のAl2O3である。Al2O3は例えば溶融アルミ
ニウムまたは溶融銅によつて侵されないので、セ
ラミツク製ろ過器として使用するのに特に望まし
いが、シリカはそれらの溶融金属によつて侵され
る。更にまた、アルミナは化学的侵食に耐えるの
に適切な強さと、特に高い温度条件に耐える構造
的強度及び(または)機械的強度とを有してい
る。上述されたほかに、本発明のセラミツク材料
は1%から25%までのCr2O3、好ましくは10〜17
%のCr2O3を含有しても構わない。この成分は、
非常に良好な高温抵抗、即ち高い温度での溶融金
属による侵食に対する抵抗を付与することが判明
しているので、特に重要である。更にまたセラミ
ツク発泡体材料は0.1〜12%のカオリン及び(ま
たは)ベントナイトと、溶融金属と実質的に反応
しない2.5〜25%の気硬性化剤、好ましくはりん
酸アルミニウム、との熱分解生成物をも含有して
いる。 本発明によれば、前述された諸目的及び利点
は、予め決められた透過率及び弾力性を有する開
口細胞状発泡有機重合体材料を準備し、チキソト
ロピイ性セラミツク組成物の水性スラリをせん断
力にかけながら、同スラリの含浸を最大限にする
のに十分な量を上記重合体材料に含浸させ、そし
て予め調整されたローラへ前記材料を少くとも2
回通して1回目には前記材料の厚さの約50〜90%
の範囲内にかつ2回目には前記厚さの70〜90%の
範囲内に一時的に圧縮することによつて前記材料
から過剰なスラリを除去することからなる方法に
よつて、制御された透過率及び構造均一性を有す
るセラミツク発泡体を製造する方法によつて容易
に達成される。含浸及び過剰スラリの除去が完了
した後、得られた発泡体材料を加熱して有機発泡
体成分を除去する。得られた物品はそのまま使用
してもよいが、もし望むなら更に加熱してセラミ
ツク材料を焼結してもよい。 本発明によれば、得られれるセラミツク物体の
空気透過率は、その製造に用いられた発泡体有機
重合体の透過率に左右されることが判明してい
る。例えば、約800〜約2200×10-7cm2の範囲内の
透過率を有するセラミツク発泡体は、4500〜5400
×10-7cm2の空気透過率を有する発泡ポリウレタン
材料から製造されている。更にまた、原料発泡材
料の透過率が±2%の範囲内に選択されれば、±
5%の範囲内に予め決められた透過率を有するセ
ラミツク発泡体の製造が容易になる。 透過率の制御のほかに、本発明のセラミツク発
泡体は、構造均一性及び特定範囲の空隙細胞の大
きさを有していなければならない。構造均一性は
発泡有機重合体材料の弾性力と関係のあることが
判明している。特に、弾力性は、圧縮残留ひずみ
及びボールのはね返りによつて測定される弾力性
の性質に就いてASTM−D−1567−71に記載の
標準に準拠して決定することができる。圧縮荷重
撓み試験によつて決定された圧縮残留ひずみは、
発泡体を例えば50%の如き定められた圧縮迄圧縮
した後、最初の大きさ又は厚さへ戻る程度を示
す。本発明によつて適当であることが判明してい
る発泡体は、50%圧縮されて30%未満の圧宿残留
ひずみを示し、従つて圧力解除後に最初の厚さの
少くとも70%迄復帰する。ボールのはね返り試験
によつて決定された弾力性は、材料が圧縮に対し
て示す抵抗を、発泡体試料の上に決められた距離
から落された鋼球がはね返る高さによつて測定し
たものである。最初の高さに対する球の戻る百分
率に注目すると、本発明に適当な発泡体は25%よ
りも大きいボールのはね返りを与える材料である
ことが判明している。 上記諸性質は乾燥状態下に進められる試験によ
つて測定されるけれども、このような性質は、例
えば、本発明の水性セラミツクスラリによる含侵
中の如き水性環境に於いても実質的に維持されな
ければならない。従つて、親水性発泡体だと水性
環験でかなり弾力性を失うので、それよりも疎水
性発泡材料が良好に働き、好ましいことが判明し
ている。弾力性のこの損失は既述の中心部の閉塞
欠陥が生ずることに現われてくる。 上述された諸基準にかんがみて、本発明の発泡
体の製造に採用することのできる発泡有機重合体
材料としては、それぞれの組成に重合イソシアネ
ートを用いた“高弾力”または“低温硬化”ウレ
タン材料の如きポリエステル及びポリエーテルポ
リウレタン;ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル及
び種々の共重合体の発泡ポリビニルの如き発泡ポ
リビニル;ポリエチレンまたはポリシロキサン重
合体及び共重合体で被覆されたポリウレタン;及
びセルローズ誘導体の如き適当な天然樹脂から作
られた発泡材料の如き種々の高弾性網状組織の疎
水性材料がある。発泡材料は同材料に含浸させる
セラミツク材料の焼成温度よりも低い温度で燃え
切るか又は揮発しなければならない。既述の如
く、発泡材料の寸法は所望されるセラミツク物体
の寸法に大よそ対応すべきである。従つて、例え
ば約10〜100mmの範囲内の厚さを有する発泡材料
は、得られるセラミツク発泡体が溶融金属ろ過器
としての機能を持つべき時に用いられる。 上に挙げられた重合体材料は透過率及び均一性
の両性質のほかに、溶融金属ろ過器の製造に有効
であるためには、規定された限度内の孔の大きさ
を有していなければならない。孔即ち空隙細胞の
大きさはセラミツク発泡体の構造を均一にするの
に重要であり、かつ直線1cm当り2〜20個範囲内
で変化すべきであることが判明している。 上掲諸変数の制御は、仕上りろ過器の構造均一
性及び透過率に寄与し、かつ金属の流速と曲りく
ねつた流れ通路を通る有効性とに直接に影響す
る。これらの因子は重要であるが、以下には最終
セラミツク発泡体製品を更に制御する為に一緒に
考えるべき付帯因子について論ずる。 上記説明に関して選択された有機発泡材料に
は、次いでチキソトロピイ性セラミツク材料のス
ラリを含浸させる。チキソトロピイ性はセラミツ
ク発泡体最終製品の構造均一性及び強度に影響す
るので本発明に重要である。チキソトロピイ性材
料は、低率のせん断状態の下では流れに対し大き
な抵抗を、またそれに対応して比較的高率のせん
断状態の下では流れに対し小さな抵抗を示す材料
である。これは本発明の方法に関係があり、セラ
ミツクスラリは、有機発泡材料の空隙に迅速に進
入して同空隙に充満し、それによつて取り巻く重
合体ウエブを被覆するのに十分な流動性をもつと
同時に、含浸が一度び完了したら発泡材料から流
出したり或はしたたり落ちるのに抵抗する十分な
粘度をもつていなければならない。本発明によつ
て判明していることは、特定の気硬性化剤及び一
時的結合剤を組合せて製造されたある種のセラミ
ツク材料が、希望されるチキソトロピイ性を示
し、成功裡に含浸を進めることができるというこ
とである。 この場合に採用されるセラミツクスラリは発泡
体の最終用途に応じて変つても構わないから、様
様な耐火度の広範な種類のセラミツク材料を使用
することができる。特に、アルミナ、クロミア、
ジルコニア、マグネシア、チタニア、シリカ及び
それらの混合物の如き材料が存在しても構わな
い。このような材料は比較的高い耐火度即ち高温
状態で使用できるので注目される。然し、ムライ
ト、か焼粘土及び高軟化温度の様々なガラスの如
き低耐火度のその他の材料も、発泡体製品を製造
するのに、単独または組み合せて、耐火性の材料
と共に例えば15%までの量で用いることができ
る。得られる製品が溶融金属ろ過器として使用さ
れる場合には、特定のセラミツク材料の選択に必
要な唯一の条件は、選択された材料が、ろ過の際
に溶融金属に曝される全時間に亘つて同溶融金属
の化学的侵食に対する十分な抵抗性をもつ物品を
えるということである。この場合に採用されて成
功している特定の組成はアルミナとクロミアとの
混合物からなる。 上記組成物は、特に、発泡体が熱応力を受ける
焼成及び任意の焼結処理中に、スラリに生の強度
を付与する室温結合剤または気硬性化剤をも含ん
でいる。 本発明の発泡体を製造するには、溶融金属と実
質的に反応しない気硬性化剤を2.5%から25%使
用する。気硬性化剤または結合剤は、加熱を必要
とせずに、好ましくは乾燥により、通常化学的反
応によつてセラミツクスラリを硬化させるが、穏
やかな温度に加熱して硬化させてもよい。好適な
気硬性化剤は好ましくは50%水溶液の形をした正
燐酸アルミニウムである。用いることのできるそ
の他の気硬性化剤としては、例えば正硼酸マグネ
シウム、アルミニウムヒドロキシクロライド等が
ある。珪酸ナトリウムの如きアルカリ金属珪酸塩
が少くとも一部分に採用されても構わないが、約
815.56℃(1500〓)の温度で溶融しその結果とし
て硬化をわるくするので、これらはあまり望まし
くない。更にまた、それらに含まれる珪素、及び
多分ナトリウムも、溶融金属に溶解されることに
なる。同様に、珪酸エチル及びその他のりん酸塩
を用いてもよいが、あまり望ましくはない。正燐
酸アルミニウムは不反応性、広い温度範囲に亘る
安定性及び良好の硬化性が非常に好ましく組合わ
されているため特に好ましい。 前述したように、気硬性化剤は好ましくは、水
性懸濁液として添加され、同液は特に正燐酸アル
ミニウムの場合には、等しい割合の結合剤と水を
含有している。その結合剤はセラミツク結合を形
成する前に、即ち可撓性発泡材料のウエブの燃え
切り或は揮発後の生の強度を付与する。結合剤材
料は、最終製品を形成させるため、混合物を保持
するのに十分な強さを付与する。事実、好適な気
硬性化剤によつて付与される化学的結合の安定性
及び強度は、多くの用途に対してこの時点で製品
を、高温焼結をせずに取扱うことができるように
するのに十分である。この強度は実質的に大き
く、広い温度範囲に亘つて存在する。好ましい具
体例では12%から17%までの正燐酸アルミニウム
を用いている。 上で説明した結合剤のほかに、本明細書では流
性化剤(rheological agent)と称されるある物
質が用いられ、それはスラリの所望のチキソトロ
ピイ性を増すのに役立つ。流性化剤として役立つ
ことのできるいくつかの材料が知られており、そ
の中にはカルボキシメチルセルローズ及びヒドロ
キシエチルセルローズの如きある有機材料、及び
ベントナイト及びカオリンの如きある無機材料が
ある。之に関し利用可能な材料のうちでベントナ
イトは特に好ましいことが判明している。ベント
ナイトは主としてアルミニウムと種々の珪酸塩か
ら成り、、普通はマグネシウム及び鉄を含有する
天然産の粘土である。ベントナイトは、スラリの
チキソトロピイ性を増すほかに、物品が焼成され
た時、あるガラス状相を生じ、それが最終発泡体
構造の強度を増加するので、多少の硬化または結
合機能をも果す。ベントナイトのほかに少量のカ
オリンも用いることができ、このカオリンは最終
スラリの結合性及び流動性を、ベントナイトと同
様な仕方で向上させる。カオリンは主としてアル
ミナ及びシリカから成る粘土である。勿論、それ
ぞれの組成を近似させるため、前記材料の化学的
等量が用いられる。流性化剤の大体の一般的添加
範囲は、スラリの重量で約0.1%〜約12%の範囲
である。好ましい具体例では、流性化剤は重量で
約0.5〜5%の範囲内の量で添加される。 上述したように、チキソトロピイ性セラミツク
材料は様々な組成で調製することができるが、約
40〜80%、好ましくは45〜50%の範囲内の量のア
ルミナ、約20%まで、好ましくは約10〜15%の範
囲内の量のクロミア、約10%まで、好ましくは約
2〜5%の範囲内の量のカオリン、約0.1〜10%、
好ましくは約0.5〜2%の範囲内の量のベントナ
イト、及び約5〜50%、好ましくは約25〜35%の
範囲内の量のコロイド状正燐酸アルミニウム(50
%溶液)から成る特定組成が非常によく適してい
ることが決定されている。この組成には以下に詳
しく説明するように、粘度を調節する目的で約20
%まで、好ましくは約5〜10%の範囲内の量の水
を添加することができる。一般にスラリには10〜
40%の水が存在する。前記組成は好ましい範囲内
で示されているが、本発明はそれに限定されるも
のではなく、その他の組成を既述の成分から調製
しても構わない。 前記セラミツクスラリは、そのチキソトロピイ
性のほかに、慎重に制御された粘性を含浸時及び
含浸中にもつていなければならない。粘性の特徴
は、再現性よく均一なセラミツク製品を得る実質
的な効果を与えることが判明している。粘度の望
ましい範囲は1×103〜80×103センチポアズ、好
ましくは10×103〜40×103センチポアズ(Cps)
であることが判明している。粘度はスラリの形成
中に調製され、同スラリが発泡有機重合体に含浸
される時には前記範囲内になければならない。上
述の如く、粘度を調整しかつ制御する便利な方法
は、過剰水分含量を上で特定化した範囲内で変え
る方法である。粘度は、スラリを76リツトル(80
クオート)ホバート(Hobert)混合器内で毎分
60回転で30分間既に混合した後、ブルツクフイー
ルド(Brookfield)RVT粘度計の6番スピンド
ルで毎分20回転で20分回転後に25℃で測定され
た。 セラミツクスラリが一度び前記限界内の粘度に
調製されたら、有機発泡材の含浸を行うことがで
きる。即ち、直線1cm当り孔2〜20個になる孔の
大きさを有する網状組織の発泡ポリウレタンの板
にスラリを含浸させ、遂には同発泡体の空隙が同
スラリで完全に飽和されるようにする。含浸は多
くの方法の中の一つで行うことができる。例え
ば、発泡体板はスラリ中で完全に浸漬し、同様に
その中に浸漬された一対のロールに通して同板の
気孔から圧搾により空気を駆逐し、それによつて
ロールから出て再膨張する発泡体がスラリを吸込
み、それによつてスラリで満される。採用するこ
とのできる他の方法は、密閉された容器の中のス
ラリ浴を覆つて発泡体を置き、同容器から空気を
抜いて減圧にし、発泡体をスラリ浴中へ浸漬し、
次いで容器内の真空を解放する諸工程を含む方法
である。真空含浸法を改変したものであるこの方
法も、発泡体をスラリで完全に飽和する結果を与
える。勿論、単に発泡体の一方の面に真空力を加
え、その間に反対側面を通してスラリを吸込ませ
る標準的真空含浸法を含めて、その他の透浸方法
をここで用いることができる。 採用されている好ましい透浸方法は、発泡体を
スラリ浴中に完全に浸漬し、多孔鋼板から作られ
た機械的プランジヤ装置によつて発泡体を繰返し
て圧縮し膨張させる工程を含む。この工程は30秒
〜1分間、または勿論、発泡体の空隙が完全に飽
和されるまで行う。スラリの既述したチキソトロ
ピイ性にかんがみて、特に有利でありかつ重要な
のは、スラリが発泡体へ流入する所望の流速を維
持するように含浸中連続してせん断力を加えるこ
とである。このせん断はスラリの連続高速撹拌の
如き種々の方法で達成することができる。本発明
に採用されている方法は、スラリを含浸中絶えず
振動させる工程を含んでいる。この点で、既助の
含浸方法は全て高度に流動的な状態に、振動など
の如きせん断作用を与える或る方法によつて、ス
ラリを維持することを必要としていることに注意
すべきである。発泡体の含浸が完了したら、せん
断作用を与えるのを止める。発泡体内にあるスラ
リは流れにくくなり、内部に実質的に完全に保持
されて、その後発泡体が含浸個所から移送される
間にしたたり落ちることによる損失はほとんど無
い。 スラリによる発泡体の含浸が完了したら、その
含浸発泡体材料を次いで同材料から過剰のスラリ
を除去するように処理する。過剰なスラリのこの
除去即ち駆逐は、均一なセラミツク製品を得るた
めに、発泡体本体全体に亘つて精密に制御されか
つ均一に行わなければならない。既述の如く、含
浸させた有機発泡体からスラリを除去するための
種々の方法が従来知られているが、絞り出し圧搾
空気による吹き出し、遠心分離及びロール間通過
等を含めたこのような方法は、この点で満足でき
る結果を与えない。概して、ロール間通過を用い
た場合には、得られる製品がその中心部に過剰の
スラリが残存しかつ凝集しているため、中心線部
分の閉塞か、または駆逐後に残存するセラミツク
材料が不十分なため製品が機械的に弱く、外表面
が弱いか何れかの欠陥を有している。 予め調整されたローラ間へ含浸させた発泡体材
料を少くとも2回通し、最初は前記材料をその厚
さの約50〜90%の範囲内に圧搾し、次の通過では
70〜90%の範囲内に圧搾する工程からなる方法に
よつて駆逐が有利に実施され、その結果として一
貫して均一な発泡セラミツク製品が得られること
が判明している。このように、同じ圧減かまた圧
減を増大させながら行う複数回のロール掛け処理
により、増大した強度を有し、かつ中心線部の閉
塞の無いセラミツク製品を作ることができる。更
にまた複数回のロール掛け処理を採用すれば、最
終セラミツク製品が溶融金属ろ過器として使用す
るために作られた時に特に限定的な条件である最
終製品の透過率を精密に制御することができる。 駆逐方法に係る重要な付帯的特徴は、ロール掛
け処理の際にスラリのチキソトロピイ性を利用す
ることである。即ち、スラリは高いせん断力下で
は自由に流れるがせん断力を与えなくすれば事実
上静止し続けるので、スラリ除去に対する精密な
制御が、ロール間隙(圧減率)、ロール速度及び
(または)ロール直径の調節によつて得られる。
特にロール間隙及びロール速度に対する調節によ
り、スラリの受けるせん断率、従つてスラリの除
去程度及びロール掛けされた発泡体のウエブに再
分布されるスラリの形状を決定することができ
る。 好ましいロール掛け方法は、2回通し工程を利
用しているが、発泡体が5cmよりも厚いような場
合には多数回通し工程の望ましいことがある。既
述の如く、2回通し工程によつて決定されている
それぞれの圧減率は最初の回には50〜90%であ
り、次の回には70〜90%である。前記範囲内の好
ましい圧減率は第1回に対して70〜80%であり、
第2回に対して70〜90%である。 駆逐は二本の共働ロールを有する在来のロール
スタンド装置を使用して実施することができる。
これにより、発泡体材料を先ずロールスタンドに
通し、その後第2回の通過のために再循環させ
る。第2回目の通過が異なる圧減率で実施される
場合には、1対のロールスタンドが、それぞれの
圧減率で順次発泡体材料が通過できるように、間
隔をあけて設置されるのが適切である。ロール間
隙を順次設定するのに本発明の範囲内で考えられ
る他の改変は、それぞれ連続したロール間隙を設
定する3本のロールを有するロール成形機へ1回
だけ通す方法である。この方法はたつた1台のロ
ールスタンドしか使用せずに、一回の操作で2回
通し工程を行う利点を与える。 上記ロールスタンドのほかに、同スタンドに使
用されるロールは発泡体材料とロールとの摩擦を
増すし、それによつてロール掛けの際の滑りを防
ぐかまたは最小にする為に、格子(grit)等の如
き材料で被覆するのが有利である。スラリの駆逐
に用いられる装置の他の特徴は、新たにロール掛
けされた発泡体をロールスタンドから出次第支え
かつ移送する為に、同ロールスタンドの出口に置
かれた可動送り出しテーブルを有することであ
る。要するに、被覆されたロール及び可動送り出
しテーブルが用いられれば、それらにより望まし
くない変形作用が少なくなり、然もスラリ分布を
乱すことのある発泡体物品の不必要な取扱いを最
も少なくすることができるので、ロール掛け製品
の一体性、構造の均一性及び形状の向上に役立つ
ことになる。 既述の如く、多数回のロール掛け処理は、同処
理の利点として最終セラミツク発泡体製品の透過
率を意外に増大させる。即ち、同じ圧減率でロー
ルへ2回通した場合、最終製品の透過率は30〜50
%だけ増大する。この増大はロール通し工程が、
対応する1回ロール通し圧減によつて得られる場
合よりもスラリ分布を一層均一にしかつ最終的に
製品を一層強く一層均一にする原因になつている
ことが考えられるので重要である。更にまた、第
2又は後続のロール掛け処理が最初のロール掛け
処理よりも高い圧減率で行なわれたロール通し工
程は、透過率を1回ロール通し圧減方法よりも
100%以上増大させる結果を与えている。 過剰なスラリの駆逐が完了した後に、得られた
発泡体材料を溶融セラミツク発泡体製品にするた
めに乾燥し、もしも望まれるならば焼成すること
ができる。この乾燥工程は主として製品から発泡
有機重合体を除去する目的で用いられる。一般
に、この点では在来の乾燥方法を用いることがで
きるが、その発泡体を除去するのに達した加熱速
度は、発泡体そのものの酸化によつて与えられる
熱を考慮に入れなければならないことを念頭に入
れるべきである。この現象の効果は、加熱室のか
なりの容積が製品によつて占められる場合に、大
きな体積の発泡体を加熱する際に特に顕著であ
る。このような場合には、セラミツクフイラメン
トを熱的応力で破断することがある、化学反応で
生じた過度の熱を避ける為に、材料を200〜370℃
の範囲の温度に維持することが必要である。正確
な温度は使用される特定の発泡有機物によつて決
まるものであり、従つてここでこれ以上説明する
必要はないであろう。 上述の如く、セラミツク発泡体は、もし望むな
ら、セラミツク粒子を高度に耐火性の構造体に溶
融する為に、更に熱処理或は焼成してもよい。既
述の如く、この工程は任意工程である。なぜなら
例えば本発明の発泡体製品を溶融アルミニウムの
ためのろ過器として用いる場合は、有機成分を除
去する為に発泡体材料を540℃から600℃までの温
度で熱処理しさえすればよいことが判明している
からである。得られた物品は従つて760℃の高い
温度で溶融するアルミニウム合金に対して用いる
のに適当である。このような場合に、気硬性化剤
または結合剤は必要な強度を製品に付与すること
になり、従つて完全焼結処理は必要でなくなる。 上述された方法を利用すれば、厚さが6〜100
mmの範囲内にあり、かつ約1m2まで或はそれ以上
の範囲の面積を有するセラミツク発泡体を製造す
ることができる。その発泡体は用いられた発泡体
材料に基いて、直線1cm当り約2から20個までの
気孔数及び約100×10-7cm2から10000×10-7cm2まで
の範囲内の透過率及び0.2g/cm3から1g/cm3
での嵩密度を有するであろう。 本発明の発泡体製品を溶融金属に対するろ過器
として用いる場合に、空気透過率は約400×10-7
cm2から8000×10-7cm2までの範囲内に、気孔数は直
線1cm当り孔2〜18個の範囲内にある。勿論、透
過率及び孔の大きさは双方とも、既述の如く、製
品の最終用途の特定の状態に適合するように変え
ることができる。従つて、例えば、400〜2500×
10-7cm2までの透過率及び直線1cm当り8から18個
までの気孔数を有する比較的目の細かいろ過器を
作ることができる。このような製品は5000台のア
ルミニウム合金をろ過するのに有用であろう。然
し、溶融金属をろ過する場合に、もしも投入金属
が特に汚れているならば、直線1cm当り2〜8個
の孔の大きさ、及び2500〜8000×10-7cm2の範囲内
の透過率を有する比較的目の粗いセラミツク発泡
体製ろ過器を通して溶融金属を予めろ過すべきで
ある。この予備的ろ過は、次第に諸性質が変化す
るようにした単一のろ過器を用いるかまたは異な
る気孔率の一連のろ過器を使用することによつて
達成されても構わない。 得られたセラミツク発泡体製品の透過率の正確
な制御が可能である。更にまた、本発明のセラミ
ツク発泡体は中心線部の閉塞も、弱い外表面も無
く、構造の均一性を示す。本発明の製品を溶融金
属のろ過に使用する時には、同製品は金属流に長
い間曝される苛酷な状態に、閉塞または破断なし
に首尾よく耐えることができ、かつ得られるろ過
された金属は予基しなかつたほど改善された純度
を有することが判明している。 得られる製品は、セラミツクのウエブによつて
包囲された相互に連通した多数の空隙によつて特
徴づけられる開口細胞構造を有する結合されたセ
ラミツク発泡体であつて、このセラミツク発泡体
は上で規定した特性を有している。厚さ全体に亘
つて粗から密へ漸変する性質を有する単一のセラ
ミツク発泡体製ろ過器をもしも望むならば、適当
に異なる大きさの気孔を有する発泡ポリウレタン
の板を2枚以上組合わせて用いてもよい。勿論、
セラミツク発泡体は特定の溶融金属ろ過処理に必
要な形態に基いて所望される如何なる形態を有し
てもよく。勿論、これらの形態は様々に変えるこ
とができるが、溶融アルミニウムをろ過する際に
は、炉と鋳型との間の移送とい内でろ過するため
の特定の形態が好まれることがある。ここで利用
される製造方法によつて与えられる融通性によ
り、容易にかつ都合よく種々の適切な形のものを
作ることができる。本発明のセラミツク発泡体の
特定の利点は、そのセラミツク発泡体が溶融金属
による侵食に耐える十分な強度を有し、また有利
なことに、ろ過処理を開始するための溶融金属ヘ
ツドを過大にする必要がないことである。 上で説明したように、本発明は使い捨て可能な
セラミツクろ過器を通して溶融金属をろ過する方
法をも提供し、同方法は前述の如く、アルミニウ
ムに対してろ過面積1dm2当り1.25〜12.5dm3/分
好ましくは、ろ過面積1dm2当り2.5〜7.5dm3/分
の速度セラミツク発泡体へ前記溶融金属を注ぎ通
すことを特徴としている。通常のアルミニウム鋳
造処理の際の金属流量は、毎分約90Kgの最小量か
ら毎分900Kgを超える最大量まで変動するが、典
型的な金属流速は毎分約225キログラムである。
本発明によれば、本発明のセラミツク材料は上述
の如き大きな金属流速を用いて成功裡に操作する
のによく適している。普通は、アルミニウムに対
して、ろ過器内の金属の特定の比流速はろ過器断
面1dm3当り35Kg/分を越えるべきではなく、好
ましくは1dm3当り21Kg/分よりも少ないのが好
ましい。ろ過器を通る上記よりも大きい流速は、
高級シート製品の生産に望ましくない余りにも多
い非金属を通過させるろ過器を与えることにな
る。下限は実用的大きさを考慮して決められる
が、450Kg/分を越える大きな金属流速を取扱う
には、実用的でないほど大きいろ過器を必要とす
るであろう。即ち114cm2、即ち130dm3よりも大き
いセラミツクろ過器を必要とするであろう。従つ
て、本発明の典型的なろ過器は、1dm2当り14
Kg/分の比流速225Kg/分の金属を通すように設
計された40cm2即ち16dm2の大きさのものとして定
めることができる。 以上のほかに、投入金属の品質が重要な変数で
ある。もしも投入金属が特に汚れているならば、
そしてもしも好ましい比較的細かいセラミツク発
泡体を使用するならば、同金属は本発明のセラミ
ツクろ過器の目をすぐに塞ぐことになるであろ
う。生産品質即ちろ過されて得られる金属の品質
は投入される品質の関数である。それ故に、良好
な生産品質を確保するために最低投入品質が定め
られるべきである。良好な生産品質を保証するた
めに、本発明によれば溶融金属を比較的目の粗い
セラミツク発泡体製ろ過器を通して、予備的にろ
過し、そして次第に気孔率を小さくした一連のセ
ラミツク発泡体製ろ過器を使用するのが最もよ
い。従つて既に説明したように、本発明によれば
典型的な予備ろ過工程には、直線1cm当り孔2〜
8個の孔の大きさ、2500〜8000×10-7cm2の空気透
過率、0.90〜0.95の気孔率即ち空隙分率、0.20〜
0.35の嵩密度及び10〜100mmの厚さを有する比較
的目の粗いセラミツク発泡体製ろ過器を使用する
ことになる。次第に透過率を小さくした一連のこ
のようなろ過器は特に適切である。あるいはま
た、厚さ全体に亘つて粗(高透過率)から密(低
透気率)へ漸変する性質を有する単一の予備ろ過
器または本発明の単一ろ過器を用いることもでき
る。 本発明の特徴は以下に例示する実施例を参照し
て一層容易に理解されるであろう。 参考例 1 5センチメートルの厚さを有する発泡ポリウレ
タンを用意する。47%のAl2O3、13%のCr2O3
3.5%のカオリン、1%のベントナイト、及び水
性溶液として等量の水と共に加えられた14.5%の
コロイド状正燐酸アルミニウムの組成を有する水
性セラミツクスラリを調製した。同スラリは82%
の固体と18%の水を含有していた。発泡体材料を
スラリ中に浸漬し、空気を除去する為にこね、空
隙をスラリで実質的に満し、更に発泡材料の繊維
状ウエブをスラリで被覆した。得られた含浸済み
発泡体材料をスラリから取出し、予め調整された
ローラに含浸させた発泡体材料を通して圧搾する
ことによつて同材料から約80%のスラリを搾り出
した。発泡体材料はローラを通過した後同材料の
最初の寸法へはね返り、かつ同材料はセラミツク
スラリの実質的に均一な残分で被覆された繊維状
ポリウレタンフイラメントをもつていた。同材料
を125℃で1時間乾燥し、次いで水を除去し、か
つセラミツクの圧潰及びセラミツクのフイラメン
ト形態の破壊を起すことなく、ポリウレタン繊維
を輝発及び(または)焼失させるために0.5℃/
分の加熱速度で500℃迄徐々に加熱した。発泡体
材料を500℃で1時間保持し、次いでセラミツク
が相互に焼結しそれによつて最初の発泡ポリウレ
タン材料の形を有する開口細胞状セラミツク発泡
体材料を生ずるように、1350℃へ1℃/分の速度
で加熱し、1350℃で5時間保持した。その結果得
られた発泡体の特性は次の通りであつた。 透過率 1425×10-7cm2 気孔率 0.87 孔の大きさ 直線1cm当り孔12個 厚さ 5cm 構造均一性 優れている 実施例 1 2.3%のマグネシウム、0.04%の珪素、0.05%の
鉄及び0.06%の銅を含有するアルミニウム合金
5252の装入量22500Kgをガス焚き平炉内で溶融し、
従来の方法に従つて塩素ガスを融剤として加え
た。まだろ過されていないこの金属を次に鋳造
し、各々重量4500Kg、断面50×135cmの3個の圧
延インゴツトにした。 2回目として同じ組成の合金を同じ方法に従つ
て溶融し、鋳造のための準備をしたが、金属を圧
延インゴツトに鋳造する前に注入といに設置した
実施例1でつくつたセラミツク発泡体製ろ過器へ
14Kg/dm2/分の速度で通した点が違つていた。
ろ過器に金属を通すのにわずか15cmの金属ヘツド
しかいらなかつた。又鋳造中13500Kgの金属が同
ろ過器を通してろ過された後、ランニングヘツド
(running head)損失は0.3〜2.5cmに蓄積した。 ろ過された金属の鋳造中にろ過器の上流側及び
下流側から採取された金属、及びろ過されていな
い金属の鋳造中に注入といから採取された金属に
対して加圧ろ過試験を行なつた。本発明の発泡体
からなるセラミツク発泡体製ろ過器のろ過状態は
優秀であることが実証された。ろ過されていない
金属から作られた加圧ろ過円板の断面をろ過した
金属から作られた加圧ろ過円板の断面と比較し
た。これらの断面は、本発明のセラミツク発泡体
製ろ過器によつてろ過された金属には残滓がほと
んどまたは全然存在しなかつたのに対し、ろ過さ
れていない金属から作られた加圧ろ過円板の断面
にはかなりの量の残滓が存在していることを明瞭
に示していた。同様に、加圧ろ過円板をセラミツ
ク発泡体製ろ過器の上流側からの試料についてつ
くり、その結果かなりの残滓の存在することが明
らかにされた。これは本発明のセラミツク発泡体
製ろ過器の有効性を明らかに示している。 上述した加圧ろ過試験は、溶融アルミニウムの
9〜11.3Kgの試料に非金属粒子を多量に入れ調べ
る方法である。この試験の際に溶融アルミニウム
は、予熱された11.3Kgの粘土黒鉛るつぼ中へ慎重
に汲み取る。同るつぼの底には直径30mm、厚さ3
mmの多孔質シリカ円板プラグを置いておく。金属
の90%を空気圧をかけることによつて円板に押し
通し、残りの金属はそのまま凝固させる。次に円
板及び隣接金属を、ろ過された非金属の量を明ら
かにする為に、切断し、研磨し、普通の金相学的
方法によつて調べる。 参考例 2 実施例1でつくつたインゴツトを、全部0.75mm
の厚さに圧延し、インゴツトのヘツド及びバツト
両部分に該当するコイル位置からとつたその薄板
の試料を試験し、薄板の単位面積当りの直線欠陥
(linear defects)の数を明らかにした。ろ過され
た金属から製造された薄板は、ろ過されていない
金属から製造された薄板が有するよりも約十分の
一の少ない直線欠陥をもつことが分つた。それら
の結果を次の第表に示す。これは本発明のセラ
ミツク発泡体製ろ過器の有効性の有力な証拠であ
る。 以上のほかに、実施例1で用いた使用済みセラ
ミツク発泡体ろ過器を金相学的に調べた。かなり
の酸化物すじ状組織及び非金属細粒が、ろ過器の
ウエブにとじ込められていることが分かり、本発
明のろ過器のろ過力の一層の証拠になつた。 そのほかに、本発明に従つてろ過された金属の
機械的性質及び組成も試験された。良好な機械的
性質が得られ、得られた製品には本発明のセラミ
ツクろ過器の使用に起因する金属汚染は存在しな
いことが分つた。 実施例 2 更に、アルミニウム合金5252の22500Kg溶融物
を実施例2の場合と同様にして、つくつた。この
場合に、金属は鋳造されて圧延インゴツトにされ
るのに先立つて、比較する目的で従来方法に従つ
て、平板状アルミナ床へ通してろ過した。このよ
うにして鋳造したインゴツトは0.75mmの厚さの薄
板に圧延し、得られたコイルのインゴツトバツ
ト、インゴツトバツトから50cmの位置及びインゴ
ツトヘツドに該当する位置から試料を取つた。こ
れらの試料を次いで直線欠陥の数を明かにするた
め調べた。この検査の結果は、実施例2のろ過し
てない金属及びセラミツク発泡体製ろ過器でろ過
した金属に対して行つた同様なデータと共に下の
第表に示す。この表に纒められた結果は、ろ過
してない金属を比較のための基準として用い、百
分率で示されている。
【表】 ろ過器でろ過した金

これらの結果は、市販の床形ろ過器によるろ過
によつて製造されたインゴツトのバツト部分の品
質の低さを、本発明のろ過器によつて製造された
のと比較して明瞭に示している。 実施例 3 更に、22500Kgの装入アルミニウム合金5252を、
実施例1の場合と同様にして準備した。この金属
を、実施例1に記載したのと同様に注入といに設
置した参考例1でつくつたセラミツク発泡体製ろ
過器に通した。この使用されたろ過器は、ろ過器
の有効面積が3分の2だけ削減されていて、その
結果としてろ過器内の金属の比流速が本発明の規
定最大流速よりも大きい42Kg/dm2/分であつた
点を除けば参考例1のろ過器と同じであつた。 得られたインゴツトは全部厚さ0.75mmに圧延
し、試料を取つて実施例2のようにして直線欠陥
の発生を明らかにする為に試験した。この試験の
結果を下の第表に示してあり、ろ過してない金
属及び実施例1に於ける如く14Kg/dm2/分の流
速でセラミツク発泡体を通してろ過した金属に対
して実施した同等な検査と比較してある。これら
の結果は、ろ過してない金属を比較のための基準
として使用して百分率で示されている。
【表】 この表は本発明の規定流量を越えた時に得られ
る製品の品質低下を明瞭に示している。 実施例 4 更に、22500Kgの装入アルミニウム合金5252を、
実施例1と同様にして調製された。この金属は実
施例1で説明したのと同様に、注入といに設置し
た参考例1に従つてつくつたセラミツク発泡体製
ろ過器に通した。このろ過器は組成、厚さ及び構
造均一性が参考例1のろ過器と同様であつたが次
の点で違つていた。 透過率 2140×10-7cm2 気孔率 0.92 孔の大きさ 直線1cm当り孔8個 そのほかに、このろ過器の金属の比流速は約28
Kg/dm2/分であつた。従つてこのろ過器の物理
的性質及び金属流速は本発明の範囲内にあるが、
ろ過器の透過率、気孔率、孔の大きさ及び金属比
流速に就いては好適範囲外にある。 このようにしてつくられたインゴツトは全部
0.75mm厚さに圧延し、インゴツトのヘツド及びバ
ツトに該当する位置のコイルから試料を取つて、
実施例2で説明されたのと同様にして直線欠陥の
発生を明らかにする為に試験した。この試験の結
果は、下の第表に示してあるが、ろ過してない
金属、及び参考例1の好ましいセラミツク発泡体
を通してろ過した金属に対して行なわれた同等な
試験の結果と比較されている。これらの結果は、
ろ過してない金属を比較のための基準として使用
して百分率で示されている。
【表】 従つて以上の実施例は、本発明の広い特定範囲
内のろ過器を使用すれば、直線欠陥の発生が、本
発明の好ましい条件に従つて処理すれば90%増す
のに反して、約50%減る結果になることは明らか
に示している。 参考例 3 5cmの厚さ、直線1cm当り12個の孔及び4600×
10-7cm2の空気透過率を有する発泡ポリエステルポ
リウレタン材料を用意した。47%のアルミナ、13
%のクロミア、3.5%のカオリン、1%のベント
ナイト、及び29%の正燐酸アルミニウム50%水溶
液(=14.5%の正燐酸アルミニウム)を含有する
水性セラミツクスラリを、76ホバートミキサ内
で60rpmで1時間に亘つて混合した。半時間に亘
つて混合した後で、試料が粘度試験用に採取され
た。この試料は、ブルツクフイールドRVT粘度
計で6番スピンドルを使用し、20rpmで20分間試
験後に測定して25℃で25.5×103センチポアズの
粘度をスラリが有することを示した。発泡体材料
の試料をスラリ中に浸漬し、同試料をプランジヤ
装置で約30秒に亘つて繰返し圧縮・膨張させ、そ
の間スラリの浴を空隙にスラリを充てんするため
に50サイクル毎秒で振動させた。このようにして
含浸さた発泡体材料の試料を、過剰のスラリを除
去する為に、厚さを70%圧減するように予め調整
された格子被覆ロールへ通した。これらのロール
は76mmの直径を有し、かつ12.5rpmの速度で駆動
した。この試料は、ロール通し完了後に形が実質
的に完全に元に戻つた。 試料を次いで、炉内で65℃で1時間、更に95℃
で2時間乾燥した。乾燥した試料を次に95℃から
260℃まで56℃/時で、次い315℃まで11℃/時
で、更に345℃まで56℃/時で加熱し、それから
セラミツクウエブを崩すことなくポリウレタン繊
維を除去するために、この温度に4時間保持し
た。260℃から315℃まで緩やかな加熱は、ポリウ
レタンの酸化の結果生ずる突然の温度変動を防ぐ
のに必要であつた。 得られた試料を炉内で56℃/時の加熱速度を使
用して540℃に、次いで224℃/時の加熱速度を使
用して1315℃まで焼成し、次いで炉と共に自然に
冷却した。 焼成した試料は丈夫で、表面は剥離し難いこと
が分つた。同試料の透過率は400×10-7cm2で、嵩
密度は0.74g/cm3であることが測定により分つ
た。同試料の本体は良好な物理的強度を有し、そ
の破壊係数は17.6g/mm2であることが見出され
た。然し本体を切断した結果、溶融金属のろ過の
如き多くの用途に使用できなくする中心線部の閉
塞の欠点をもち、不均一な構造を有することが判
明した。 参考例 4 他の試料が参考例3で用いた方法に従つて調製
されたが、ロール掛けの際の圧減率を変えた点が
違つていた。この実施例ではロール間隙が参考例
3の場合よりも遥かに大きく86%圧減させるよう
に調整された。 焼成された試料は丈夫であるように見えたが、
あらく取扱うと剥離し勝ちなむしろ弱い表面及び
縁をもつていた。同試料の透過率は1600×10-7cm2
で、嵩密度は0.39g/cmであることが測定され
た。本体部は適当な物理的強度を有し、その破壊
係数は12.7g/mm2であることが見出された。本体
部を切断したら、それは全く均一であつたが外側
の繊維は内部の繊維よりもやや細く、弱い表面を
特徴とすることが明らかにされた。この妥当に均
一な本体部は、表面強さが全体の均一性に較べて
さして重要でなく欠点とならない用途には適して
いるであろう。然し本体部がもろいため、特に溶
融アルミニウムのろ過器として使用するのには不
適当である。 参考例 5 参考例3で説明した方法に従つて調製した試料
を、75%(第1回通過)及び86%(第2回通過)
の両圧減率をそれぞれ用いて2回ロールに通し
た。 焼成した試料は丈夫で、強い表面及び縁をもつ
ことが実証された。測定により同試料の透過率は
1700×10-7cm2で、嵩密度は0.41g/cm3であること
が分つた。本体部は優れた強度を有し、その破壊
係数は19g/mm2であることが見出された。本体部
を切断してみると、それはその大部分に亘つて均
一に分布された適度な数の塞がれた孔を有し、異
常に均一であることが明らかにされた。この均一
な強い試料は、溶融金属のろ過の如き限定的な用
途に適する。 参考例 6 5cmの厚さ、直線1cm当り12個の孔を有し、か
つ6000×10-7cm2の空気透過率を有する発泡ポリエ
ステルポリウレタンの試料を用意した。用いたセ
ラミツクスラリは、参考例3に於けると同じ組成
をもつていたが、ある程度水を加えたために31×
103cpsの粘度をもつていた。 この発泡体材料の試料を参考例3で説明したよ
うにして含浸させた。スラリの排除は第1回の通
過が62%の圧減、第2回の通過が86%の圧減に調
整した2回ロール掛け処理によつて実施された。 その結果得られた試料を乾燥し、焼成してから
試験し、1700×10-7cm2の空気透過率をもつことが
観察された。同試料は表面もろさ及び中心線部の
閉塞のない、従つて溶融金属ろ過器として使用す
るのに適した均一な構造をもつていた。 参考例 7 参考例3の手順に従つて処理された。前の参考
例とは4700×10-7cm2の空気透過度をもつ点で異な
る発泡ポリエステルポリウレタンを用いた。同様
に、セラミツクスラリは粘度が25×103cpsである
ことを除けば同じであつた。 処理は参考例3と同一であつたが、2回ロール
を通すことによつて過剰のスラリを除いた点が異
なつていた。即ち第1回の通過で84%の圧減を行
い、第2回の通過で86%の圧減を行つた。 乾燥し、焼成した試料は、同様に丈夫で均一で
あり、表面弱さも中心線部の閉塞も無かつた。こ
の試料は2650×10-7cm2の透過率をもち、溶融金属
のろ過器として使用するのに適していると考えら
れた。 別に指定しない限り、本明細書に記載された百
分率は総べて重量百分率である。 上で示したように、本発明は溶融金属特にアル
ミニウムのろ過にかなりの利点を与える。従つ
て、例えば、本発明はろ過装置に容易にかつ迅速
に挿入することができ、かつ同装置から容易に便
利に取外すことができる便利な取外し可能なろ過
器板を使用して溶融金属をろ過することができる
ようにしている。本発明の好ましい具体例によれ
ば、セラミツク発泡体製ろ過器板を利用した時に
は、極めて高いろ過効率が得られ、このような効
率は、セラミツク発泡体製ろ過器の種々の応用及
び同ろ過器の形態を例示する添付図面から明らか
になるように、容易にかつ便利にろ過器装置を挿
入されたり同装置から取外したりすることのでき
る使い捨て可能なろ過器板を利用して得られる。 ろ過器室が、溶融金属移動装置、注入なべ、注
入とい、移送とい、金属処理だまり、等々内にあ
るとして第1及び2図に示されている。もし望む
ならば、ろ過器装置2はその周囲のフランジの如
き何か適当な装置(図示してない)によつて相互
にボルト止めすることのできる2部分2a及び2
bから構成してもよい。第1及び2図に示されて
いる特定のろ過器装置は、出口5を経由してそこ
から出て行く金属を入口4によつて送り込む中央
ろ過器室3を有する移送といである。溶融金属は
注入スパウト(spout)6の如き何か適当な装置
によつて入口4へ入ることができる。ろ過器室3
はボール形の室であり、同室の底は、同室へ進入
する溶融金属が同室内の適所にある本発明のろ過
器板を通つて下方へ進むことができるように、入
口4の高さよりも下方へくぼまされている。従つ
てろ過器室3は、同室の上部を完全に取囲むこと
のできる周囲リム7を有することを特徴としてい
る。第1図に示したように、ろ過器室リム7は入
口4に隣接する側を除いて、ろ過器室の総べての
側を囲んでいる。ろ過器室リム7は側壁8に連続
し、同側壁はろ過器室床9まで下方へ延びてお
り、同床はろ過器板の傾斜壁面と整合するように
同床の周囲に延びている傾斜周囲面部分即ち開口
10(第2図)を有している。ろ過器板11はろ
過器室の傾斜周囲面部分10と整合するようにな
つている対応傾斜周囲面12を有している。ろ過
器板11の傾斜周囲面12には溶融金属に耐える
弾力性密封装置13が設けられており、かつろ過
器板11及び密封装置13はろ過器室3へ挿入さ
れて、ろ過器板・密封装置組立体がろ過器板の傾
斜壁面と係合するようになつている。 従つて、第1図及び第2図に示す如く、ろ過器
板11はといの中に実質的に水平に配置されてい
る。図示の如くこのろ過器板は正方形であるが、
丸、六角などの如き如何なる都合のよい形でも、
ろ過器板に容易に採用することができる。ろ過器
板11はろ過器室即ちろ過器ボール3の床9にあ
る如き凹んだ部分に置く。溶融金属はろ過器3へ
の入口4を経由してろ過器板11へ送られる。溶
融金属は下方へろ過器板11を通過して、ろ過器
板11の下のくぼみ14へ進入する。ろ過器板1
1は鉛直下向きの圧力によつて容易に挿入し、鉛
直上向きの圧力によつて容易に取外すことができ
るように弾力性密封装置13によつて適所に封着
されている。あるいはまた、ろ過器室は既述の如
き二分されていて、同室内にガスケツトを設けた
即ち密封したろ過器板の位置を定めるため、横へ
ずらすことができるようになつていて、ろ過器板
を同室内に万力式作用によつて保持するようにし
てもよい。好ましくは、ろ過器室の傾斜周囲面部
分10は、2゜から20゜までの角度で斜面させ、か
つこれに対応してろ過器板には好ましくは2゜から
20゜までの角度の周囲面12を設ける。ろ過器板
11は、同板の下側に空気がとり込まるのを防ぐ
ために、出口5へ向けて上方へ1゜から5゜までの角
度で傾け、好ましくは実質的に水平に配置する。
尚、ろ過器板11の下にあるくぼみ14の床15
は、操作中及び注入または移送操作の完了時に、
金属の排出を容易にするために、出口5へ向けて
下方へ1゜から5゜までの角度に好ましくは傾斜して
いる。 あるいはまた、もし望むならば、ろ過器室は特
にくぼみ14の掃除が容易にできるように、床9
の下の水平平面に沿うかまたは床9の下に或る角
度をもつて水平に分割されていてもよい。傾斜周
囲面部分の傾斜方向を逆にして、くぼみ14の壁
部分によつて密封を確実にするのが望ましいこと
がある。 第3A図に示したように、本発明のろ過器板1
1は、ろ過器室の傾斜周囲面部分10と整合する
ようになつている傾斜周囲面12を有している。
第3B図に示した如き設計変更は、勿論本発明の
範囲内で考えられ、同図ではろ過器板11の全周
囲に傾斜周囲面12に隣接して、対応する平面1
6が設けられている。第3A及び3B図は、全周
囲に傾斜周囲面が拡がつているろ過器板を示して
いるが、もつと便宜なのは、第6図に於ける如
く、傾斜面が周囲には及んでおらず、傾斜面が板
の2面の周りにしか無い場合である。 従つて、本発明のろ過器板が、注入なべ、注入
とい、移送とい、注入スパウト及び金属処理だま
りを含めて、様々な位置に便利に用いることがで
きることは分るであろう。そのろ過器板は溶融金
属の乱流のすぐ近く、特に、このような乱流が酸
化物を生成して同伴する所に置かれるべきではな
い。このことは、ろ過器板の上流及び下流両側の
乱流の場合に当嵌まる。ろ過器板の上流側で酸化
物を同伴することになる乱流は、ろ過器板に於け
る偏流現象、効率の悪いろ過、及びひどい場合に
はろ過器板を早く閉塞する原因になり勝ちであ
る。ろ過器板の下流側の乱流は、同ろ過器板によ
つて与えられた効果を無効にし、溶融金属に、同
金属の表面に存在するかまたは生成された酸化物
またはその他の非金属が再び入る傾向を与える。
しばしば見られる乱流の原因は、流れ断面を急変
させ従つて速度勾配を大きくする炉の湯出し口、
注入とい及びその他の装置にある。勿論、特定の
ろ過器の取付は、それが他の乱流原因とならない
ように注意して選択されなければならない。乱流
に就いて考えられる前記事項は、勿論、空気と接
触したら容易に酸化するアルミニウム、マグネシ
ウム及びそれらの合金の如き化学的に反応し易い
金属と特に関係があるが、このような考察は、銅
及びその合金の如きさして反応性でない金属に対
しても重要である。例えば適当な置かれた羽根の
如く乱流を静める装置が本技術分野で勿論利用す
ることができる。 以上の説明から分るように、本発明のろ過器板
は、便利に実質的に水平に配置することができ
る。その上、もし望むならば、ろ過器板は溶融金
属の流れに対して実質的に垂直または中間的角度
に配置しても構わない。本発明のろ過器板の垂直
配置は以下の特定の実施例で説明する。然し、水
平に配置したろ過器板には、垂直に配置したろ過
器板に勝る二つの主な利点がある。第1に、注入
といの大きい長さまたは注入なべの長さ及び幅を
利用することによつて、広いろ過器面積が容易に
かつ便利に利用できることである。他方で、垂直
取付けで広いろ過器面積を適合させるためには、
深いみぞ、なべまたはタンデイシユ(tundish)
が一般に頼りにされなければならない。このよう
な形状寸法の制約は実用上しばしば、特に現存す
る鋳造施設の適用が意図される場合に非常に重要
になる。水平ろ過器板の第2の利点は、実質的に
同じ溶融金属の静的ヘツドでろ過器板の全部分に
金属を通すことができるのに対し、垂直なろ過器
板は上から下まで漸変するヘツド下で自然に金属
を通すことになる事実にある。この理由で垂直な
ろ過器板は勿論金属を不均等に通す。垂直なろ過
器板の上部は、同ろ過器板の下部が通すのと同量
の金属を通すことにはならず、しかも実際には全
然通さないこともある。更にまた、ろ過器板の上
流側のヘツドの変動は、水平なろ過器板よりも垂
直なろ過器板に大きい影響を及ぼし、かつ後者の
ろ過器板の上部を通る金属を一時的にまたは顕著
に減らすことになり、また皆無にさえすることが
ある。操作中の金属を通す面積の低下を最小にす
る為に、ろ過器板は溶融金属の最小ヘツドの下に
埋められたままにされるべきである。これは水平
なろ過器板によつて、垂直なろ過器板によるより
も容易に達成される。また、垂直なろ過器板の金
属を通さない部分が金属面よりも上に露出してい
ると、このような状態の下で生ずる急な温度勾配
に由来する熱応力のため、ろ過器板にひび割れを
生ずることがある。以上の理由で本発明では水平
または実質的に水平に配置されたろ過器板が好ま
しい。 然し、水平に配置されたろ過器板の欠点は、空
気が同ろ過器板の下にとり込まれることがあるこ
とである。この事態は次いで、ろ過器板の下流側
に於ける酸化生成物、ろ過器板を通る流れの偏流
現象及び従つて最適よりも少いろ過の原因になる
ことがある。このような空気のとり込みは、ろ過
器板を垂直に配置することによつて無くなる。 本発明によれば、水平に配置されたろ過器板の
前述欠点は、ろ過器板を水平に対して1゜から5゜ま
での小さい角度に傾けることによつて、水平配置
ろ過器板の本質的に総べての利点を保ちつつ、最
も小さくすることができることを判明している。
ろ過器板をこのように配置すると、ろ過器板に最
初に金属を通す間に、水平配置で行われるろ過器
板の均一なまたは実質的に均一な深さの浸漬をや
めなくても、空気を逸出させることができる。好
ましくは、第2図に示したように、水平に配置し
たろ過器板の表面上の高い点は、空気の逸出が金
属流の掃き出し作用によつて促進されるように、
ろ過器板の最下流端にあるべきである。実質的に
水平に配置され、上方へ傾けられたろ過器板の特
徴は非常に有利であり、従つてこの特徴を使用す
れば、例えば分割型ろ過器室を使用しかつ同室内
にろ過器板を万力式作用によつて保持するなどし
て、傾斜周囲面を使用せずに、優れた結果を得る
ことができることは分るであろう。勿論、適当な
密封装置も使用されるべきであり、ろ過器板11
の下のくぼみ14の床15も既述したように傾け
るのが好ましい。 第4図及び第5図は、本発明に従つて移送とい
内に設置された鉛直配置ろ過器板を示している。
第4図及び第5図の具体例では、ろ過器板20は
耐火性ダム21によつて適所に保持し、ろ過器室
23内のスロツト22の中に配置する。溶融金属
は入口とい24を経由してろ過器室23へ送ら
れ、ろ過器室のため25へ水平に入り、そこから
ろ過器板20を通つて出口とい26へ出る。ろ過
器板20は同板を完全に取巻くセラミツク繊維ガ
スケツト27によつてスロツト22に封着されて
いる。前もつてガスケツトを巻かれたろ過器板2
0、及びダム21はスロツト22の中に置き、く
さび28によつて適所に密封する。排出孔29
を、注入または移送の終りにため25から金属を
排出するために設ける。操作の際には、排出孔2
9は図示してないロツド形せんまたはその他の便
利な密封装置によつて閉じておくことができる。 本発明のろ過器板20の如きろ過器板は、台形
即ち傾斜両側面を有する立体図形の断片であり、
従つて同板の周囲面は傾斜した形を有している。
ろ過器室のため25は、ろ過器板の傾斜周囲面3
1(第6図)と合うように対応する傾斜壁面30
(第4図)を有している。厚さ数ミリメートルが、
面積が数平方メートルまでのろ過器板を、前述の
ようにしてといの中に便利に置くことができる。
ダム21及びろ過器室23は、普通の構造材料で
作つてもよい。ろ過器室のため25及び対応する
といのライニングは、便宜には鋳造可能耐火材ま
たはセラミツクタイルで作ることができる。ダム
21及びくさび28は、もしもろ過されるべき金
属がアルミニウムまたはある低融点合金であるな
らば、マリナイト(Marinite)の如き耐火性板
で作つてもよい。勿論、密封装置27は好ましく
は、ろ過器板の傾斜周囲面31に隣接している
が、第4図乃至第6図に示されている如く、ろ過
器板が同板のただ2つの周囲面しか傾斜されてい
ない場合に、密封装置27は好ましくはろ過器板
の斜面にされていない周囲面を含めた全ての周囲
面に隣接している。 第7図は単一送込みスパウトへ供給するように
設計された水平に配置された截頭円錐形ろ過器板
の取付けを示している。この装置では、ろ過器板
40は注入なべまたはタンデイシユ43の耐火底
42にあるくぼみ41に配置されている。鋳造中
に金属は、なべ43から垂直にろ過器板40を通
つて、ろ過器板40の下のみぞ44へ流れ、そこ
から送込みスパウト45へ流れ込んで、その下に
あるインゴツトまたは鋳物へ供給される。このろ
過器板にはくぼみ41にある相当する傾斜面47
と合うように傾斜周囲面46が設けられている。
弾力性密封装置48を対応する両傾斜面間に設
け、予め密封されたろ過器板40を既述の具体例
と同様の仕方で上から圧力を加えることによつて
適所に配置しかつ密封するようにする。好ましく
は、ろ過器板の底から気泡を抜く為に何らかの装
置が設けられるべきである。 本発明は本発明の精神即ち本質的特徴から逸脱
することなく、前記以外の形で具体化し、または
前記以外の方法で実施することもできる。 従つて上記具体例はあらゆる点で本発明を制限
するのではなく単に例示するものと考えられるべ
きであり、本発明の範囲は前記特許請求の範囲に
示されており、また同等な意味及び範囲内にはい
る変化は総べて本発明に包含されるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はろ過器板を実質的に水平に内部の適所
配置したろ過器室の上部平面図、第2図は第1図
の線−に沿つた断面図、第3A図は第1図及
び第2図に示されている如きろ過器板の透視図、
第3B図は第3A図に示されているろ過器板と同
様な改変されたろ過器板の透視図、第4図は実質
的に垂直に配置されたろ過器板を内部に有する別
の具体例のろ過器室の上部平面図、第5図は第4
図の線−に沿つた断面図、第6図は第4図及
び第5図に示されている如きろ過器板の透視図、
そして第7図はろ過器板が個々の注入スパウトの
上方に配置されている他の具体例の断面図であ
る。 11,20,40……セラミツクフオーム製ろ
過器。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 溶融金属のろ過に使用される開口細胞型構造
    を有するセラミツク発泡体製ろ過器にして、その
    構造はセラミツクのウエブによつて囲まれた相互
    に連通した多数の空隙を特徴とし、上記ろ過器は
    400〜8000×10-7cm2の空気透過率、0.80〜0.95の気
    孔率、直線1cm当り孔2〜20個の孔の大きさ、及
    び10〜100mmの厚さを有し、しかも発泡体全体に
    亘つて多数の均質に分布された孔閉塞を有する実
    質的に均一な構造を有することを特徴とする、セ
    ラミツク発泡体製ろ過器。 2 400〜2500×10-7cm2、好ましくは1000〜1500
    ×10-7cm2の範囲内の空気透過率、0.80〜0.95、好
    ましくは0.85〜0.90の気孔率、直線1cm当り孔8
    〜18個、好ましくは10〜14個の孔の大きさ、及び
    10〜100mm、好ましくは35〜65mmの厚さを有する
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の
    セラミツク発泡体製ろ過器。 3 ろ過器の厚さ全体に亘つて粗から密へ漸次変
    化する性質を有することを特徴とする特許請求の
    範囲第1項に記載のセラミツク発泡体製ろ過器。 4 ろ過器の厚さ全体に亘つて漸時変化する性質
    を有し、同ろ過器の片面が2500〜8000×10-7cm2
    範囲内の空気透過率、0.90〜0.95の気孔率及び直
    線1cm当たり孔2〜8個の孔の大きさを有し、か
    つ同ろ過器の反対面が400〜2500×10-7cm2の透過
    率、0.80〜0.95の気孔率及び直線1cm当り孔8〜
    18個の孔の大きさを有していることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項に記載のセラミツク発泡体
    製ろ過器。 5 セラミツクのウエブによつて囲まれた相互に
    連通した多数の空隙によつて特徴づけられた開口
    細胞型構造を有し、溶融金属のろ過に使用される
    耐高温性のセラミツク発泡体製ろ過器で、同じ大
    きさのセラミツク材料に対する理論的密度の30%
    よりも小さい密度を有し、40〜95%のAl2O3、25
    %までのCr2O3、ベントナイト及び(または)カ
    オリンのか焼生成物0.1〜12%、及び溶融金属と
    実質的に反応しない気硬性化剤、好ましくは正燐
    酸アルミニウムのか焼生成物2.5〜25%の組成を
    有することを特徴とする特許請求の範囲第1項に
    記載のセラミツク発泡体製ろ過器。 6 45〜55%のAl2O3を含有することを特徴とす
    る特許請求の範囲第5項に記載のセラミツク発泡
    体製ろ過器。 7 10〜17%のCr2O3を含有することを特徴とす
    る特許請求の範囲第5項に記載のセラミツク発泡
    体製ろ過器。 8 ベントナイト及び(または)カオリンのか焼
    生成物0.5〜5%を含有することを特徴とする特
    許請求の範囲第5項に記載のセラミツク発泡体製
    ろ過器。 9 12〜17%の正燐酸アルミニウムを含有するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第5項に記載のセ
    ラミツク発泡体製ろ過器。 10 ろ過器室の周囲の壁表面と取外し可能に合
    うようになつている対応する傾斜周囲面を有する
    板の形を有し、然もろ過器の周囲斜面が2〜20゜
    の角度に傾斜していることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項に記載のセラミツク発泡体製板状ろ
    過器。 11 周囲斜面に接着させられた弾力性密封装置
    を有することを特徴とする特許請求の範囲第10
    項に記載のセラミツク発泡体製板状ろ過器。 12 ろ過器の周囲斜面が同ろ過器の全周を囲ん
    でいることを特徴とする特許請求の範囲第10項
    に記載のセラミツク発泡体製板状ろ過器。 13 ろ過器の周囲斜面が同ろ過器の2面になつ
    ていることを特徴とする特許請求の範囲第10項
    に記載のセラミツク発泡体製板状ろ過器。 14 周囲斜面に隣接してろ過器の全周囲めぐる
    平面を有することを特徴とする特許請求の範囲第
    10項に記載のセラミツク発泡体製板状ろ過器。 15 セラミツクのウエブによつて囲まれた相互
    に連通した多数の空隙によつて特徴づけられる開
    口細胞型構造を有する溶融金属のろ過に使用され
    るセラミツク発泡体製ろ過器にして、400〜8000
    ×10-7cm2の空気透過率、0.80〜0.95の気孔率、直
    線1cm当り孔2〜20個の孔の大きさ、及び10〜
    100mmの厚さを有するセラミツク発泡体製ろ過器
    によつて溶融金属をろ過する方法において、前記
    溶融金属をろ過器面積の1dm2当り1.25〜12.5d
    m3/分の速度で前記ろ過器材料を通して注ぎ、そ
    れによつて前記溶融金属から同伴されていた固形
    物を除去することを特徴とする溶融金属ろ過方
    法。 16 2500〜8000×10-7cm2の透過率、0.90〜0.95
    までの気孔率及び直線1cm当り孔2〜8個の孔の
    大きさを有する比較的粗いセラミツク発泡体製ろ
    過器を通して溶融金属を予めろ過する工程を含む
    ことを特徴とする特許請求の範囲第15項に記載
    の方法。 17 予備ろ過には次第に減少する気孔率をもつ
    一連のセラミツク発泡体製ろ過器を利用すること
    を特徴とする特許請求の範囲第16項に記載の方
    法。 18 予備ろ過には厚さ全体に亘つて粗から密へ
    漸次変化する性質を有する単一のセラミツク発泡
    体製ろ過器を利用されることを特徴とする特許請
    求の範囲第16項に記載の方法。 19 溶融金属はアルミニウムであることを特徴
    とする特許請求の範囲第15項に記載の方法。 20 溶融金属を、セラミツクのウエブによつて
    囲まれた相互に連通した多数の空隙によつて特徴
    づけられる開口細胞型構造を有する溶融金属のろ
    過に使用されるセラミツク発泡体製ろ過器にし
    て、400〜8000×10-7cm2の空気透過率、0.80〜0.95
    の気孔率、直線1cm当り孔2〜20個の孔の大き
    さ、及び10〜100mmの厚さを有するセラミツク発
    泡体製ろ過器によりろ過する方法において、 A 床、金属の入口および金属の入口を有し、ろ
    過器板により分けるのに適した壁表面を有する
    ろ過器室を提供し、 B 上記ろ過器板の周囲面をろ過器室の壁表面と
    合致するのに適するようにし、ろ過器板の周囲
    面上に前記溶融金属に耐える弾力性のある密封
    装置を設け、 C 上記ろ過器板と密封装置とをろ過器室に挿入
    してろ過器室の壁表面に嵌合させて、ろ過器板
    が実質的に水平に、前記金属の出口に向つて1
    〜5゜の上向きに傾斜した角度で配置するように
    し、 D 次いで前記溶融金属を、前記出口を通して排
    出するために前記ろ過器板に通し、そこでろ過
    器板の表面を溶融金属のレベル以下に保持する
    ことを特徴とする、溶融金属をろ過する方法。 21 ろ過器板の上にあるろ過器室の床が金属の
    出口に向つて下方に傾斜している、特許請求の範
    囲第20項に記載の方法。
JP59082122A 1975-03-28 1984-04-25 セラミツク発泡体製ろ過器及び溶融金属ろ過方法 Granted JPS605828A (ja)

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