JPH0219168Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ランニングのスタート時に合図とし
て用いるランニング用スタート器に関する。

［従来技術］ 従来、ランニングに際してスターターが「位置
について、用意・ドン」と述べ「ドン」のときに
ピストルを用いてスタートさせていた。しかしな
がら、競技用のピストルであつても火薬を用いる
ので、事故のおそれがあるので、ピストルに代え
て使用するスタート器を本出願人は提案した。そ
の従来のスタート器を第１図、第２図および第３
図によつて説明する。

第１図ないし第３図に示すスタート器は全体的
に箱状に形成した携帯用箱１２を備え、その箱１
２内に充電器１とマイクロホン２と拡声器３と、
音響のレコーデングと合成とその発信をする機構
５と、繰返し放送の場合にそのインターバルを調
節する調節器６と、放送スピードの調節器７と、
ストツプウオツチ８を始動させる発動手段１０
と、外部からの電気信号を受信してストツプウオ
ツチ８停止させる停止手段１１とが収納されて取
付けられている。

しかしながら、ストツプウオツチ８は携帯用箱
１２内に設ける場合とゴール位置Ｇの近くに設け
る場合とがあり、該ゴール位置にさらに光電管を
設け、停止手段１１は該光電管の発信を有線ある
いは無線による受信によつて前記ストツプウオツ
チ８を停止させる。

ストツプウオツチ８によつてタイムを計る位置
は、第３図に示す如く必ずしも100mの位置Ｇに
設けることが必須条件でなく、10mの位置G1に、
あるいは20mの位置G2などに任意に位置させる
ことができる。

かかるスタート器はそれ自体効果的なものであ
るが、箱状のため持ちにくく、また音声は伝達速
度が遅いので、ゴールとの距離が長いと、ゴール
にいる人がストツプウオツチを押す時間に誤差が
生ずる。

例えば特開昭57−169693号公報にはスピーカか
ら疑似爆発音を発するスターターが開示されてい
る。

しかしながら、かかる公知技術ではゴールの人
に対する誤差が生ずる。

また例えば特開昭57−164799号公報には、やは
り電気的に音を発生する技術が開示されている。
しかしながら、かかる公知技術も前述の欠点を有
している。

［考案の目的］ したがつて本考案の目的は、ゴール近くの時間
測定者に正確にスタート時を知らせることがで
き、かつ操作が容易であるランニング用スタート
器を提供するにある。

［考案の構成］ 本考案のランニング用スタート器は、掌中に収
めることができる筒状の容器本体と、その容器本
体の側面であつて、それを掌中に握つたときに指
で操作できる位置に設けた押ボタンと、筒状の容
器本体の一端側に設けられ、前記押ボタンからの
押圧信号に応答して音を発する音発生手段と、筒
状の容器本体の他端側に設けられ、前記押ボタン
からの押圧信号に応答して光又は電波信号を発す
る発信手段とより成つている。

［考案の作用］ したがつて筒状の容器本体を掌中に握り、指
（人差指）で押ボタンを押すと、音と同時に光又
は電波信号が発する。この音はランナをスタート
させる。そして光又は電波信号によつてゴール近
くの時間測定者がストツプウオツチを押せばよ
い。

それ故にランナーのスタートに問題がなく、ま
た時間測定者に対してもスタート時を正確に伝達
できる。特に本考案によれば１つの押ボタンでラ
ンナーおよび時間測定者に同時に合図をすること
ができるので、操作が簡単で間違いがない。そし
て容器本体が掌中に握れるので、操作が容易であ
り、押ボタンも押しやすいので、この種のスター
ト器として実用上、極めて好適である。

以下第４図ないし第６図を参照して本考案を説
明する。

第４図は、容器本体２１を右手の掌上に乗せた
状態を示し、その容器本体２１は筒状であり、右
手で握つたとき人差指で操作しやすい位置に押ボ
タン２２が設けられている。この容器本体２１の
両側には前記押ボタン２２の操作によつていづれ
も同時に作動するようにして音発生手段２３と光
あるいは電波信号の発信手段２４が設けられてい
る。この容器本体２１の下部には音発生手段であ
るブザー２３が設けられ、この容器本体２１の上
部に光発信手段であるストロボ２４が設けられて
いる。このストロボ２４は遠方すなわちゴール近
くに位置する時間測定者にストツプウオツチ２５
を押させるためのものであり、ストロボ２４の発
光面を着色ガラスや偏光ガラスでカバーしあるい
は遮蔽物２７によつて周囲を囲つたりして太陽光
線の入射を防ぎ、ストロボの発光が時間測定者に
確実に認められるようにする。又測定者の目を守
る働きももつている。またストロボの代りに電気
信号発信手段を設け、無線で自動的にストツプウ
オツチ２５を起動させるようにすることもでき
る。

音発生手段であるブザーまたは拡声器２３から
の音によつてランナはスタートするのであるが、
このブザーまたは拡声器の音はランナによつて、
例えば年少者の場合に比較的高いトーンとし、ま
た年長者の場合には比較的低いトーンによつてス
タートさせるなど音の調節を行うことができる。
またスタータが「位置について、用意。」と口で
言つた後に押ボタン２２を押す場合のほかに、該
スタート器で「位置について、用意、ドン」全部
を言わせ「ドン」と同時に光信号を発信されるよ
うにすることができる。この場合、スタートの掛
声は日本語だけでなく、英・独・仏いづれの国の
掛声もできるようにすることができる。また第５
図に示す如く、容器本体２１から有線で拡声箱２
６へ連結させ、従つてその拡声箱２６によつて充
分な大きさのボリウムにしてスタート掛声をかけ
ることができる。その拡声箱２６は運動場に備え
付けにすることもできる。

また第６図に示すごとくスタータの位置はラン
ナＡに対し、Ｂの位置である場合、Ｃの位置であ
る場合、Ｄの位置である場合などいろいろの場合
があるが、音発生手段であるブザーまたは拡声器
２３および／あるいは光発信手段であるストロボ
２４は容器本体２１に対し向きを代えることがで
きる回動可能の構造にすると好ましい。これによ
つて有効に音および光の伝達を行うことができ
る。

［考案の効果］ 以上の如く、本考案によれば、ランナの合図お
よび時間測定者に対して同時に合図をすることが
でき、操作が簡単で間違いなく両者に正確に合図
することができ、また容器本体が掌中に握ること
ができるので持ちやすく、押ボタンも操作しやす
いので実用上の効果が大である。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図、第３図は従来の走運動訓練用
機器のそれぞれ平断面図と正面図とトラツクとの
関係を示す説明図である。第４図は本考案のトラ
ツク用スタート器の斜視図、第５図、第６図はそ
れぞれトラツクにおける説明図およびスタート位
置における説明図である。 ２１……容器本体、２２……押ボタン、２３…
…音発生手段、２４……光発信手段、２５……ス
トツプウオツチ、２６……拡声箱、２７……遮蔽
物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 掌中に収めることができる筒状の容器本体と、
   その容器本体の側面であつて、それを掌中に握つ
   たときに指で操作できる位置に設けた押ボタン
   と、筒状の容器本体の一端側に設けられ、前記押
   ボタンからの押圧信号に応答して音を発する音発
   生手段と、筒状の容器本体の他端側に設けられ、
   前記押ボタンからの押圧信号に応答して光又は電
   波信号を発する発信手段とより成ることを特徴と
   するランニング用スタート器。