JPH0219018Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、走行しながら収穫装置で牧草や青刈
飼料作物等を収穫すると同時にワゴン装置に収納
していく収穫作業機に関する。

例えば、メイズ又はフオーレジ等の作物を収穫
する収穫作業機は、トラクタ等の走行車輛に収穫
装置及びワゴン装置を装着又は連結している。

従来の収穫作業機には、収穫装置とワゴン装置
とが、共に走行車輛に装着されているものと共に
牽引連結されているものとがある。

前者においては、ワゴンが走行車輛のボンネツ
トの上に搭載され、作業機全長が短かくなり且つ
牽引するものがないので操作が容易であるが、ワ
ゴンの容量が少なく、収穫物をトラツク等へしば
しば移載する必要がある。

また後者においては、収穫装置及びワゴン装置
が共に走行車輛の後方に牽引されるので、作業機
全長が長くなり且つ方向変換等の作業が困難にな
る。またワゴンの容量を大きくすることができる
が、大きくすればするほど前記問題点が拡大され
る。

本考案は、このような従来作業機の問題点に鑑
み、走行車輛に収穫装置を装着し、操向輪側にワ
ゴン装置を連結し、全長を比較的短かくして作業
性を向上させると共に、走行車輛の上方までワゴ
ンの一端を延設することにより、ワゴン容量の増
大を図ると共に増長を抑えるようにした収穫作業
機を提供することを目的とする。

この目的を達成するための本考案の特徴とする
ところは、走行車輛と、この走行車輛の駆動輪側
に装着された収穫装置と、この収穫装置から放出
される収穫物を収納するワゴン装置とを有する収
穫作業機において、前記ワゴン装置２３は連結具
２６を介して走行車輛１の操向輪９側に連結され
た台車２４と、この台車２４上に搭載され且つそ
の一端が走行車輛の上方まで延設されたワゴンと
を有する点にある。

以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１，２図において、１は走行車輛としてのト
ラクタで、エンジン２、ミツシヨンケース３及び
エンジン２から前方へ突出された前車軸フレーム
４等から車体５が構成され、この車体５の前後方
向略中央に立設された立フレーム６と前記前車軸
フレーム４等によつて、エンジン２及びラジエー
タを包囲するボンネツト７が装着され、立フレー
ム６の後方側が操縦部８となつており、９は操向
輪としての前輪、１０は駆動輪としての後輪を
夫々示す。

前記操縦部８の座席１１及びハンドル１２は前
向き姿勢（第１図仮想線）と後向き姿勢（第１図
実線）とに配置変更自在であり、これによりトラ
クタを前後進切換自在型としている。

トラクタ１の後部には３点リンク機構を介して
メイズハーベスタ等の収穫装置１５が装着されて
いる。この収穫装置１５はデバイダ１６で作物を
幅方向略中央に案内し、その根本側をカツタ１７
で切断すると同時に送りロール１８で細断部１９
へ送給し、細断部１９で細断したものをシユート
２０から放出するように構成されており、前記シ
ユート２０は操縦部８の上方まで延設されてい
る。

２３はトラクタ１の前輪９側に連結されたワゴ
ン装置で、台車２４とワゴン２５とを有してい
る。台車２４は１軸２輪の移動可能なもので、作
業方向Ａ前端に連結具２６を有し、トラクタ１の
前車軸フレーム４に固定のヒツチ部２７にピン２
８を介して左右揺動自在に連結され、トラクタの
後進走行に伴なつて牽引される。

台車２４上には前後支柱２９，３０が立設さ
れ、この前後支柱２９，３０は上端が重合して横
軸３１を介してワゴン２５を上方回動可能に支持
している。３２は台車とワゴンとの間に設けられ
た油圧シリンダで、トラクタ１からの圧油によつ
て作動可能であり、作動することにより、ワゴン
２５を横軸３１を中心に上方回動させ、その内部
に収納した収穫物をトラツク３３又はフアームワ
ゴン車等に移載する。

ワゴン２５は台車２４に搭載された姿勢でクツ
シヨン３６を介して支持され、その前部は上部が
前方へ突出され、連結具２６の上方を越えてボン
ネツト７の上方まで延設されていて、シユート２
０の放出口近傍に達している。これによつてワゴ
ンはシユート２０からの収穫物の投入が確実とな
り、ワゴン外へ飛散するものが少なくなり、収穫
装置１５との間の距離も短かくでき、且つ容量が
大きくなるので、長時間にわたつて収穫作業を続
けることができる。

ワゴン２５の後上部には投入収穫物の後方飛散
を防止するために、アオリ３７が配置されてい
る。このアオリ３７はワゴンの左右上部に枢支さ
れた支持リンク３８の後端に装着されている。支
持リンク３８の前端と前支柱２９とは連結リンク
３９で連結されており、ワゴン２５の上方回動に
伴なつて、アオリ３７はワゴン後上部から離れて
上方移動するように構成され、これにより、ワゴ
ンからの収穫物排出を妨害しないようになつてい
る。

第３，４図において、アオリ３７は支持リンク
３８の枢軸４０を介して揺動自在に支持され、支
持リンク３８の円弧長孔４１に貫通したピン４２
が取付けられている。アオリ３７はピンが長孔上
端にあるとき作業姿勢（第３図実線）となり、長
孔下端にあるとき退避姿勢（第３図仮想線）とな
り、ピン４２に嵌装したコイルバネ４３で支持リ
ンク３８を弾性することにより揺動抵抗が与えら
れており、この抵抗に抗して回動することによ
り、アオリ３７を各姿勢に変更でき、退避姿勢に
することにより、ワゴン装置２３の全高さを低く
し、天井の低い格納庫への格納が可能になる。

４５はワゴン２５の後上部に設けられた収穫物
のこぼれ防止部材で、ゴムシート又はビニールシ
ート等の弾性板の先端にマグネツト４６を取付け
ている。このこぼれ防止部材４５は、収穫物をト
ラツク３３へ移載する際に、ワゴン２５を上動す
る前に、トラツク３３の荷台内側に挿入してマグ
ネツト４６で装着しておく。これによりワゴン２
５を上動して収穫物を排出していくと、収穫物は
こぼれ防止部材上を移動するので、トラツクとワ
ゴンとの間からこぼれ落ちることなくトラツク内
へ確実に移載される。

前記こぼれ防止部材４６はその先端をトラツク
３３内に挿入しておける長さであれば、マグネツ
ト４６を強いて設けなくとも良い。

４７はスタンド輪で、その支柱４８はネジ軸４
９に螺合し、このネジ軸４９は台車２４に固定の
ホルダ５０に回転自在に支持され、上端に設けた
ハンドル５１を回転することにより、スタンド輪
４７を高さ調整自在にしている。

以上詳述した本考案においては、走行車輛１の
駆動輪１０側に収穫装置１５を装着し、操向輪９
側にワゴン装置２３を連結しているので、収穫作
業機の全長を両装置１５，２３を走行車輛１の後
方に連結するものより短かくでき、且つ走行車輛
１を中心に前後振分け配置されるので安定し、ま
た牽引するワゴン装置２３は操向輪９側にあるの
で、走行車輛の操向性も良く、更に、ワゴン２５
は走行車輌１の上方まで延設されているので、ワ
ゴン容量を十分大きくできると共に、収穫装置１
５から放出される収穫物を正確に収納でき、且つ
ワゴン２５を走行車輛１に近ずけ得るので、全長
をより短かくでき且つ操向性を向上することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す全体側面図、第
２図はこぼれ防止部材の断面側面図、第３図はア
オリの取付構造を示す側面図、第４図は第３図の
−線断面図である。 １……トラクタ、９……前輪（操向輪）、１０
……後輪（駆動輪）、１５……収穫装置、２０，
２１……シユート、２３……ワゴン装置、２４…
…台車、２５……ワゴン、２６……連結具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行車輌１と、この走行車輌１の駆動輪１０側
   に装着された収穫装置１５と、この収穫装置１５
   から放出される収穫物を収納するワゴン装置２３
   とを有する収穫作業機において、前記ワゴン装置
   ２３は連結具２６を介して走行車輌１の操向輪９
   側に連結された台車２４と、この台車２４上に搭
   載され且つその一端が走行車輌１の上方まで延設
   されたワゴン２５とを有することを特徴とする収
   穫作業機。