JPH0218466Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【考案の属する技術分野】

この考案は主としてレストラン、ホテル等で用
いられる清涼飲料添加用のチツプ氷と冷却用のフ
レーク氷の二種類の氷を１台の製氷機で製氷する
オーガ式製氷装置に関する。

【従来技術とその問題点】

まず、第１図に従来における頭記オーガ式製氷
装置の概要を示す。図において１はオーガ式製氷
機、２は冷凍機のコンデンシングユニツト、３は
貯氷庫、４は貯氷庫の氷取出扉である。このうち
オーガ式製氷機１は第２図に示すように、その内
周壁面を製氷面とする製氷筒５、製氷筒５の出口
端に組込まれた氷押出ヘツド６、製氷筒内に配置
されたオーガ７、氷押出ヘツド６の出口側に設け
た折氷片８、氷搬出ガイド９、およびオーガ駆動
モータ１０等を備えて構成されている。ここで氷
押出ヘツド６は第３図、第４図に示すようにボス
部６１から放射方向に張り出す歯６２を有し、歯
と歯の間に軸方向の隘路となる氷圧縮通路６３が
形成されている。かかるヘツド６は固定ねじ６４
を介して製氷筒５の上端部に固定されている。 上記の構成で、製氷筒５の中へ下方から水を供
給して冷凍機を運転すれば、水は製氷筒５の内周
壁面に結氷して氷層を生成する。ここでオーガ７
を回転駆動すれば、オーガ７が氷を細かく削りと
つてフレーク状の氷に変えて上方の氷押出ヘツド
６へ向けてらせん送りする。一方、氷押出ヘツド
６に送り込まれたフレーク状の氷は下方から先記
した歯６２に沿つて狭小な氷圧縮通路６３へ押込
まれ、この通路内で圧縮されて第３図のように固
い氷柱１１となつて押出される。この氷柱１１は
ヘツド６を出たところで折氷片８の錐面に当接
し、下方からの押出力により折断されてチツプ氷
１２となり、氷搬出ガイド９を経て第１図の貯氷
庫３の中へ搬出される。この場合に、氷押出ヘツ
ド６における氷圧縮通路６３の開口率、つまり製
氷筒内の氷通路断面積に対する氷圧縮通路６３の
断面積の比を調整することにより、氷の圧縮程度
が変わり、これによつて得られる氷の硬さが様々
に変えられることがテスト結果からも確認されて
いる。 ところで、従来の製氷機では、１台について１
種類の氷しか得られず、頭記したようにレストラ
ン等で清涼飲料水に添加するチツプ氷、および各
種飲料冷却用として比較的柔らかく容易に溶ける
フレーク氷を必要とする場合には、それぞれ氷押
出ヘツドをチツプ氷用、フレーク氷用に構成した
２台の製氷機を用意し、各製氷機で別々にチツプ
氷とフレーク氷を製氷するようにしていたが、同
じ使用場所に２台の製氷機を設置することは付属
の冷凍機も含めて設置スペースが大となり、かつ
設備費もかさむことになる。

【考案の目的】

この考案は上記の点にかんがみなされたもので
あり、その目的は１台の製氷機でチツプ氷とフレ
ーク氷の２種類の氷を製氷し該氷を種類別に別々
に供給し得るようにしたオーガ式製氷装置を提供
することにある。

【考案の要点】

上記目的を達成するために、この考案は氷押出
ヘツドを二つの領域に区分し、その一方の領域に
は開口率の小さなチツプ氷圧縮通路を、他方の領
域には開口率の大きなフレーク氷圧縮通路を形成
し、該氷押出ヘツドを経て各領域から得られるチ
ツプ氷およびフレーク氷をそれぞれ出口側の氷搬
出ガイドを通じて個別にチツプ氷貯氷庫およびフ
レーク氷貯氷庫へ向けて分配するようにしたもの
である。

【考案の実施例】

第５図ないし第７図はこの考案の実施例を示す
ものであり、１台の製氷機１にチツプ氷貯氷庫３
と、フレーク氷貯氷庫３が対応して設置さ
れ、かつ各貯氷庫３，３と製氷機１との間を
結んで製氷機にはチツプ氷用およびフレーク氷用
の氷搬出ガイド９，９が設けてある。一方、
製氷機本体に組込された氷押出ヘツド６は、第６
図のように周方向でチツプ氷領域とフレーク氷
領域の二つの領域に区分されており、かつ領域
には開口率の小さなチツプ氷圧縮通路６３
が、もう一方の領域には開口率の大きなフレー
ク氷圧縮通路６３が形成されている。上記のう
ちチツプ氷圧縮通路６３は通路断面積が狭小で
あり、従つてオーガによつて送り込まれたフレー
ク状の氷は十分に圧縮され、硬い氷柱になつて押
出される。これに対してフレーク氷圧縮通路６３
では通路断面積が広く、ここに押込まれたフレ
ーク状の氷は殆ど圧縮されずにフレーク状のまま
押出される。この結果、第７図のように氷押出ヘ
ツド６の一方の領域を経てチツプ氷１２が、他
方の領域からはフレーク氷１３が製氷される。一
方、氷搬出ガイドには前記領域６３と６３の
境界に対応した仕切ガイド９１が設けてあり、従
つてチツプ氷１２およびフレーク氷１３はそれぞ
れ仕切ガイド９１を境にして左右に搬出の向きを
変え、チツプ氷用およびフレーク氷用の氷搬出ガ
イド９，９を通じて第５図に示した貯氷庫３
，３へ個別に分配されてここに貯氷される。
そしてチツプ氷１２およびフレーク氷１３はその
それぞれの使用目的に応じて各貯氷庫３，３
から選択して取り出し使用される。

【考案の効果】

以上述べたように、この考案によれば機内に組
込まれた氷押出ヘツドを二つの領域に区分して、
その一方の領域には開口率の小さなチツプ氷圧縮
通路を、他方の領域には開口率の大きなフレーク
氷圧縮通路を形成し、かつ氷押出ヘツドを経て得
られたチツプ氷およびフレーク氷を氷搬出ガイド
によりそれぞれ別々に分けてチツプ氷貯氷庫およ
びフレーク氷貯氷庫へ向けて分配するように構成
したことにより、１台の製氷機で同時に２種類の
チツプ氷とフレーク氷を製氷して種類別に別々な
貯氷庫へ分配供給し得る例えばレストラン、ホテ
ル用として好適な実用的価値の大なるオーガ式製
氷装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来における製氷装置全体の概要構成
図、第２図は第１図におけるオーガ式製氷機の略
示構成断面図、第３図は第２図における従来の氷
押出ヘツドの斜視図、第４図は製氷筒と組合わせ
た第３図の横断面図、第５図ないし第７図はこの
考案の実施例を示すものであり、第５図は製氷装
置全体の構成図、第６図はオーガ式製氷機に組込
まれた氷押出ヘツドの横断面図、第７図は第６図
の氷押出ヘツドを含む製氷機の要部構造の縦断面
図である。 １……オーガ式製氷機、３……チツプ氷貯氷
庫、３……フレーク氷貯氷庫、５……製氷筒、
６……氷押出ヘツド、６３……チツプ氷圧縮通
路、６３……フレーク氷圧縮通路、７……オー
ガ、８……折氷片、９……氷搬出ガイド、，
……氷押出ヘツドの区分領域。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 製氷筒と、製氷筒の氷出口端に組込まれた氷押
   出ヘツドと、製氷筒の内壁面上に結氷した氷層を
   こまかく削りとつて前記氷押出ヘツドへ送り込む
   オーガと、氷押出ヘツドの出口側に設けた折氷
   部、および貯氷庫との間を結ぶ氷搬出ガイドを具
   備し、かつ前記氷押出ヘツドを二つの領域に区分
   してその一方の領域には開口率の小さなチツプ氷
   圧縮通路を、他方の領域には開口率の大きなフレ
   ーク氷圧縮通路を形成し、該氷押出ヘツドを経て
   各領域から得られたチツプ氷およびフレーク氷を
   それぞれ前記の氷搬出ガイドを通じて個別にチツ
   プ氷貯氷庫およびフレーク氷貯氷庫へ向けて分配
   するように構成したことを特徴とするオーガ式製
   氷装置。