JPH0217331Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は酸素濃度センサーに関し、特に自動車
に搭載されてエンジンからの排気ガス中の酸素濃
度の測定に用いられる種類のセンサーに関する。

この種の酸素濃度センサーは一般に、一端が閉
塞し他端が開放した形状であつて、内面及び外面
に多孔性の白金膜が設けられた酸化ジルコニウム
を主成分とするジルコニア管を有する。このジル
コニア管は通常外面が排気管内で排気ガスに曝さ
れるように配置されて、排気ガス及び外気中の酸
素分圧の差に応じた電圧を該外面及び内面電極層
間に生ぜしめるものである。良く知られているよ
うにこの電圧は適当な手段により検出され、空燃
比をフイードバツク制御するためのパラメータと
して処理される。

かかる酸素濃度センサーの従来例を第１図及び
第２図を参照して説明する。

第１図及び第２図において酸素濃度センサー１
は金属製略円筒状ホルダー２によつて排気管３の
側面に固着されている。この酸素濃度センサーの
主要部であるジルコニア等からなるセラミツク管
４はホルダー２内部に嵌合している。ホルダー２
の外表面にはホルダー２と同軸に伸長した円筒状
の金属筒５が一端で冠着しており、金属筒５の内
部には略円筒状の絶縁がい子６が配置されてい
る。ホルダー２の一部に冠着する金属筒５の冠着
部には長手溝が形成されている。また、ホルダー
２の外表面には凹部２ａが形成されている。ホル
ダー２の内部に嵌合しているセラミツク管４の開
放端はプレート７を介して金属筒５内部に収納さ
れている絶縁がい子６の一端によつてホルダー２
に押圧されている。排気管３内にあるジルコニア
管４の先端部には孔８を有するルーバ９が係合し
ており、排気ガスはルーバ９の孔８を介してセラ
ミツク管４外表面に接触するようになつている。
一方、絶縁がい子６の他端は金属筒５の他端に設
けられた気密ゴム１０と皿バネ１１とによりセラ
ミツク管４の方向に付勢されている。また、絶縁
がい子６の内部には貫通孔６ａが形成され、ステ
ンレス等の軟性金属からなる端子１２が形成さ
れ、更にリード線１３が接続されている。

上述したように本考案の酸素濃度センサー１は
次のように動作する。ジルコニア管４内の空気は
気密ゴム１０とリード線１３との間に設けられた
空洞（図示せず）より絶縁がい子６の内部の長孔
６ａ及びプレート７を介して外気と連通している
ためセラミツク管４内の空気の酸素分圧は常に外
気と等しく保たれる。一方、セラミツク管４の排
気ガスと接触する外面と、外気に接する内面とに
は各々多孔性白金膜（図示せず）が設けられてお
り、排気ガス及び外気中の酸素分圧の差に応じた
電位差が該内外面電極層間に生じる。セラミツク
管４外面の多孔性白金膜の電位はこれに電気的に
結合された導電性のホルダー２を介して検出さ
れ、セラミツク管４内面の多孔性白金膜の電位は
これに接続ないし接触した導電性のプレート７及
び出力取出し端子１２を介して検出される。

上述の酸素濃度センサーの組立工程において第
２図に示したようにホルダー２に金属筒５を冠着
せしめる際、ホルダー２の外表面に形成された凹
部２ａに金属筒５の側面に形成された長手溝が対
応するようにする。一方、金属筒５内部に形成さ
れた絶縁がい子６は金属筒５と共に外部よりセラ
ミツク管４に向つて押圧され、この押圧状態にお
いて金属筒５の長手溝とホルダー２の凹部２ａと
を加締めるのである。

しかし乍ら、従来のホルダー２と金属筒５とを
凹部２ａで加締めると第２図に示したように、金
属筒５の開放端部は反りを生じる恐れがある。こ
のため従来の酸素濃度センサーを自動車等に搭載
した場合振動及び絶縁がい子６を囲繞する金属筒
５の自重により気密性が不良になり酸素濃度セン
サー内部へ水蒸気ガス等の侵入により絶縁がい子
６が熱衝撃により破損するためプレート７とセラ
ミツク管４内面電極との接触不良が発生する。

そこで本考案の目的は上述した従来の欠点を解
決した酸素濃度センサーを提供することである。

本考案による酸素濃度センサーにおいては、雰
囲気の酸素濃度変化に感応し得る一端が閉塞し他
端が開放した形状のセラミツク管と、該セラミツ
ク管開放端の外面を被い該セラミツク管と同軸に
結合した筒状ホルダーと、該ホルダーの一部に冠
着した金属筒と、該金属筒の内部に配設されて上
記セラミツク管の開放端部に係合した環状絶縁が
い子と、該環状絶縁がい子内部に配置された出力
取出し端子とを含み、上記ホルダーの外表面に凹
部が形成され、上記金属筒に該凹部に圧着する長
手溝が設けられた酸素濃度センサーであつて、上
記金属筒の端部に当接する上記ホルダー外壁面に
凸部を設け該金属筒端部が該凸部に密着するよう
になされたことを特徴としている。

以下、本考案の酸素濃度センサーの実施例を第
３図及び第４図を参照して詳細に説明する。

第３図に示された本考案による酸素濃度センサ
ーにおいて、ホルダー２のフランジ部２ｃの近傍
には凸部すなわち拡径部２ｂが設けられている。
また、金属筒５の端部には、ホルダー２に形成さ
れた拡径部２ｂに対応するための段差を設け、ホ
ルダー２と金属筒５の密着性を向上させるのであ
る。これら以外は第１図に示した従来例と全く同
様な構成である。

上述したように本考案の酸素濃度センサー１に
おいて、第４図に示したようにホルダー２の外表
面に形成された拡径部２ｂすなわち凸部に金属筒
５が冠着することにより、金属筒５の開放端部の
反りを防止することが出来る。このためホルダー
２と金属筒５との密着性も向上し、自動車搭載時
に振動等による気密性の問題及び酸素濃度センサ
ー内部への水蒸気等の侵入の問題も解決出来るの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は酸素濃度センサーの軸方向断面図、第
２図は従来の酸素濃度センサーにおけるホルダー
と金属筒との接合部の拡大断面図、第３図は本考
案の実施例を示す酸素濃度センサーにおけるホル
ダーの斜視図、第４図は本考案の実施例を示す酸
素濃度センサーにおけるホルダーと金属筒との接
合部の拡大断面図である。 主要部分の符号の説明、２……ホルダー、２ａ
……ホルダー凹部、２ｂ……ホルダー拡径部、２
ｃ……ホルダーフランジ部、４……セラミツク
管、５……金属筒、６……絶縁がい子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 雰囲気の酸素濃度変化に感応し得る一端が閉塞
   し他端が開放した形状のセラミツク管と、前記セ
   ラミツク管開放端の外面を被い該セラミツク管と
   同軸に結合した筒状ホルダーと、前記ホルダーの
   一部に冠着した金属筒と、前記金属筒の内部に配
   設されて前記セラミツク管の開放端部に係合した
   環状絶縁がい子と、前記環状絶縁がい子内部に配
   置された出力取出し端子とを含み、前記ホルダー
   の外表面に凹部が形成され、前記金属筒に前記凹
   部に圧着する長手溝が設けられた酸素濃度センサ
   ーであつて、前記金属筒の端部に当接する前記ホ
   ルダー外壁面に凸部を設け該金属筒端部が該凸部
   に密着するようになされたことを特徴とする酸素
   濃度センサー。