JPH0216713Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） この考案は、手術前に手を洗浄するのに使用さ
れる医科用手洗器に関する。

（背景技術） 外科手術の前には、医師、看護婦等の関係者は
手を洗浄しなければならない。そのために、冷ま
たは温清浄水を流すことのできる手洗器が使用さ
れている。

第１〜２図は、本考案の実施例と共に、このよ
うな手洗器を例示している。図において、１は箱
状の器体で、上面を凹入させて流し２を設け、そ
の上方に奥の壁の上部から突出させてシヤワーノ
ズル３を設けている。図示のものは、シヤワーノ
ズルを２個設けているが、この数は使用者の数に
より増減させることができる。器体１には温水
管、冷水管（共に図示せず）を接続し、水温を調
節するための混合弁４を設け、またこの実施例で
は、温水、冷水は水道水を使用するので、これを
浄化するための粗フイルタ５、密フイルタ６、電
磁弁等の制水装置を納め、密フイルタ６を通過し
た水をシヤワーノズル３に通す。７は膝で押して
電磁弁（図示せず）を開きノズル３から水を噴出
させるための膝スイツチ、８は足で踏んで洗剤を
洗剤ノズル（図示せず）から注出するためのフー
トスイツチである。

シヤワーノズル３は、水流が流し２に当つては
ね返り、この水と共に流しの表面に存在する菌が
手及び手術着等に付着しないように噴流を細分化
したものであるが、はね返りは皆無にできない。
又、腕を伝わつた水が肘から流し２内に落ちるこ
とが多く、この水は大粒の水滴となつて落ちるの
で、はねを上げる危険がある。

（本考案の目的） この考案は、医科用手洗装置において、はねを
防止した医科用手洗器を得ることを目的とした考
案である。

（本考案の構成） この考案は、手洗器の流し内に、落下水滴をは
ね返さない性質を持つと共に滅菌処理に耐える金
網、エキスパンダメタル等の多孔板を置くことに
より、水のはね返りを防止したものである。

（本考案の実施例） 第３図は、本考案により流し２の底に設置する
多孔板９を示す。多孔板９には脚１０を取付け
て、流し２に、底から少し離して置けるようにす
る。この多孔板９は、手洗器の幅が広いときは、
第１図のように３個等の適数に分割するのが取扱
いに都合がよい。

多孔板９は、使用後に洗浄、滅菌するから、こ
れに耐える材質（例えばステンレス板）のものと
する。例えば130℃で滅菌するものでは、合成樹
脂の人工芝のようなものは、はね防止の作用はあ
るが耐熱性がないので適当でない。

第４図は、脚１０のない多孔板９を使用する構
造例を示し、流し２の底の奥部２ａと、流し前縁
部２ｂとの間に傾斜させて多孔板を掛渡したもの
である。

（本考案の効果） (1) 手洗い使用時にはねを防止する性質のある多
孔板９があるため、シヤワーからの水流及び肘
を伝つて流し２の中に落下する水滴のはね返り
のため、洗剤で洗つた手及び手術着等が再び汚
染されることが防止できる。

(2) 従来の医科用手洗器をそのまま使用すること
ができる。

(3) 多孔板９の取付け、取外しが容易であり、多
孔板自体の洗浄、滅菌等の取扱いが容易にでき
る。

(4) 安価に製作できる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の医科用手洗器の実施例を示
し、第１図は正面図、第２図は左側面図。第３図
は多孔板の斜視図、第４図は別例を示す第２図上
部に相当する側面図である。 １：器体、２：流し、２ａ：底の奥部、２ｂ：
前縁部、３：シヤワーノズル、４：混合弁、５：
粗フイルタ、６：密フイルタ、７：ひざスイツ
チ、８：フートスイツチ、９：多孔板、１０：
脚。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 器体１の上部に流し２を設け、その上方にシヤ
   ワーノズル３を設けた医科用手洗器において、落
   下水滴をはね返さず、滅菌処理に耐える性質のあ
   る多孔板９を、流し２の底を覆つて設置したこと
   を特徴とする医科用手洗器。