JPH0216315Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、高温の流体を計測するのに用いて好
適な容積型流量計に関する。

〔従来技術〕

一般に、ルーツ型ロータ、ギヤ型ロータを用い
た容積型流量計は、流入口と流出口との間に計量
室が形成されたケーシングと、該計量室内に設け
られ、被測流体の流量に比例して回転する一対の
回転子と、該各回転子の回転中心に挿着された軸
受と、該軸受を介して前記回転子を回転自在に支
持すべく前記ケーシングに設けられた一対の支持
軸とから大略構成されている。そして、流入口か
ら流出口に向けて被測流体を流すことにより、各
回転子は計量室内に流入した流量に比例して回転
する結果、被測流体の流量は回転子の回転数を積
算することによつて計測することができるように
なつている。

而して、上述した従来技術にあつては、軸受の
材料にカーボンを使用していたため、高温の被測
流体を長時間にわたつて計量した場合には、該被
測流体の高温と摩擦熱によつて軸受と支持軸が焼
付いてしまうという欠点がある。また、被測流体
の高温によつて熱膨張した回転子の軸方向両端が
ケーシング内面に摺接して摩擦抵抗を受ける結
果、該回転子が被測流体の流量に比例して回転す
ることができず、正確な流量を計測することがで
きないという欠点がある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は上述した従来技術の諸欠点に鑑みなさ
れたもので、高温の被測流体を計測する場合に軸
受が焼付いたり、熱膨張した回転子がケーシング
に摺接するのを防止し、被測流体の温度如何に拘
らず正確に計測できる容積型流量計を提供するこ
とを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上述した問題点を解決するために構成された本
考案の手段は、流入口と流出口との間に計量室が
形成されたケーシングと、該計量室内に設けられ
被測流体の流量に比例して回転する一対の回転子
と、該各回転子の回転中心に装着された回転軸
と、該回転軸と前記ケーシングとの間に転動可能
に介装され、前記回転子とケーシングとの間には
間隙を形成した複数のセラミツク製転動体とから
なる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づき詳述す
る。

図において、１は流量計のケーシング、２は該
ケーシング１の本体で、該本体２は両側が開口
し、内側が楕円状空間になつた筒体からなつてい
る。３は該本体２の一側開口を閉塞するように該
本体２の一側面にボルト４，４を介して締着され
た底板、５は前記底板３に対向して本体２の他側
面にボルト６，６を介して締着された蓋板で、該
蓋板５の中央外面側には有底かつ段付きのセンサ
取付穴７が形成されている。かくして、本実施例
におけるケーシング１は本体２と該本体２に締着
された底板３及び蓋板５とから構成されており、
該ケーシング１内には計量室８が形成され、該計
量室８に連通して本体２には被測流体の流入口９
と流出口１０が形成されている。

１１Ａ，１２Ａ及び１１Ｂ，１２Ｂは底板３と
蓋板５の長手方向両側に一して各内面３Ａ，５Ａ
に対向して凹設された有底状の受座嵌合穴で、該
各受座嵌合穴１１Ａ，１２Ａ，１１Ｂ，１２Ｂに
は円板状の受座１３，１３，…が嵌着されてい
る。そして、該各受座１３の外面には断面形状が
半円より浅底の凹湾曲状をした環状溝１４，１４
が凹設されている。

１５，１５は計量室８内に互に噛合するように
設けられた一対の回転子で、該各回転子１５は、
例えば楕円形ギヤに形成され、中央には軸挿通用
穴１５Ａが形成されている。１６，１６は前記軸
挿通穴１５Ａに挿着された中空軸からなる回転軸
で、該各回転軸１６の両側端面１６Ａには前記一
の環状溝１４と同じ断面形状を有し、同径の他の
環状溝１７，１７が凹設されている。

１８，１８，…は球状に成形された複数のセラ
ミツク製転動体で、該各転動体１８は各受座１３
と回転軸１６とに対向して設けられた各一対の環
状溝１４，１７内に転動可能に介装されており、
該各転動体１８によつて各回転軸１６は受座１３
に円滑に支持されると共に、底板３及び蓋板５の
内面３Ａ，５Ａと各回転子１５の軸方向両端１５
Ｂ，１５Ｂとの間には僅かな間隙Ａが形成されて
いる。

１９，１９は蓋板５側に位置して回転子１５の
長軸方向両端近傍に埋設されたマグネツト、２０
は該各マグネツト１９の回転軌跡と対向するよう
にして蓋体５のセンサ取付穴７に取着された磁気
センサで、該磁気センサ２０としては、例えばホ
ール効果素子、磁気抵抗素子等の磁気感応素子が
用いられる。

本実施例は上述の如く構成されており、被測流
体を流入口９から計量室８内に流入させると各回
転子１５は流量に比例して回転する。そして、該
各回転子１５に設けられたマグネツト１９が磁気
センサ２０に近接離反する度に該磁気センサ２０
から流量パルス信号が出力され、この流量パルス
信号を計数回路等に入力して計数し、これを積算
カウンタで積算することによつて、被測流体の流
量を計測することができる。

而して、上述の如く作動する本実施例の流量計
にあつては、各回転子１５を回転可能に支持する
回転軸１６と受座１３との間には耐熱性を有する
セラミツク製転動体１８を介装したから、被測流
体が高温であつても該回転軸１６と受座１３が焼
付きを起すのを防止することができ、回転子１５
を長時間回転させることができる。また、転動体
１８を介装することにより、ケーシング１と回転
子１５との間には僅かな間隙Ａを形成したから、
高温の被測流体によつて回転子１５が膨張しても
該回転子１５がケーシング１内面３Ａ，５Ａに摺
接して摩擦抵抗を受けるのを防止し、回転子１５
の正確な回転を実現することができる。

なお、本実施例では転動体１８は球状に形成す
るものとして述べたが、円錐ころ等他の形状の転
動体を用いてもよいことは勿論である。

〔考案の効果〕

以上詳述した如く、本考案によれば回転子の回
転軸とケーシングの間にはセラミツク製転動体を
介装し、該回転子とケーシングとの間には間隙を
形成したから、高温の被測流体を計量する場合に
回転軸が焼付きを起すのを防止でき、長時間の計
測ができるし、回転体が熱膨張してもケーシング
に摺接して摩擦抵抗を受けることはなく、正確な
計測を行うことができる。

更に、本考案によれば、従来技術における支持
軸と軸受は不要にでき、構造も簡単になるから製
造効率の向上、製造コストの低減を図ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る容積型流量計
の縦断面図、第２図は蓋板を取外した該流量計の
平面図、第３図は該流量計の底板の平面図であ
る。 １……ケーシング、８……計量室、９……流入
口、１０……流出口、１５……回転子、１６……
回転軸、１８……転動体、Ａ……間隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 流入口と流出口との間に計量室が形成されたケ
   ーシングと、該計量室内に設けられ被測流体の流
   量に比例して回転する一対の回転子と、該各回転
   子の回転中心に装着された回転軸と、該回転軸と
   前記ケーシングとの間に転動可能に介装され、前
   記回転子とケーシングとの間には間隙を形成した
   複数のセラミツク製転動体とから構成してなる容
   積型流量計。