JPH0212980Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案は衛生スキンに係り、特に陰茎の勃起力
が不充分な場合に、その勃起の助勢機能を有する
衛生スキンに関するものである。

（背景技術とその問題点） 近年、近代社会における過緊張（ストレス）、
過労乃至は不安感などの精神的因子によつて引き
起こされる、一種の性交不能症（インポテンツ）
患者の増加が問題となつてきている。そして、そ
の症状は、一般に、性的欲求は有するものの、陰
茎の勃起不充分のために性的交渉が不可能となる
ものであり、またこのような性交不能症は、一過
性のものが多いが、その原因たる精神的因子に性
交不能症であることの不安感、焦燥感などの精神
的因子が重なり、精神健康を阻害し、精神的神経
症や性的ノイローゼ等の原因となる恐れがある。

一方、上述の如き精神的原因による性交不能症
の他、近年の高齢化社会においては、老齢化とい
つた異質的原因による性交不能症の増加も、問題
となつてきている。即ち、かかる場合には、老齢
化による陰茎の勃起不充分が原因となるものであ
り、前述の精神的原因による性交不能症と同様、
性的欲求は有するが、一過性のものではない点で
異なるものである。

そこで、このような問題を解決するに際して
は、前者にあつては、その原因の除去が最も効果
的ではあるものの、極めて困難であり、また後者
にあつては、手軽で且つ有効な解決手段は開示さ
れていないのが現状である。

（解決手段） ここにおいて、本考案は上述の如き事情を背景
として為されたものであつて、その特徴とすると
ころは、長手の袋状形態に形成されてなる、折り
畳み可能な若しくは巻き込み可能なゴム製のスキ
ン本体と、該スキン本体の袋壁部内に埋設され若
しくは該袋壁部面に固定された、温度変化に従つ
て形状変化する形状記憶合金部材とを含み、使用
時の体温による形状変化に従つて該形状記憶合金
部材を伸長せしめて、前記スキン本体をその長手
の袋状形態に保持させるようにしたことにある。

（考案の効果） 従つて、本考案に従う構造とされた衛生スキン
にあつては、その内部に埋設され若しくはその壁
部に固定された形状記憶合金によつて、性的交渉
時における陰茎の勃起力を助勢することが可能と
なるのである。そして、それによつて前述の如
き、精神的原因或いは異質的原因によつて勃起不
充分な場合にも性的交渉を持つことが可能とな
り、以て精神健康状態の向上が効果的に図られ得
ることとなるのである。

また、かかる衛生スキンにあつては、通常のも
のと同様、折り畳み状態若しくは巻き込み状態に
おいて保存され得ることから、その保存、収納が
容易であると共に、使用時の体温にて伸長せしめ
られるものであることから、優れた使用性および
装着性を有しているのである。

（実施例） 以下、本考案を更に具体的に明らかにするため
に、本考案の一実施例について、図面を参照しつ
つ、詳細に説明することとする。

先ず、第１図には、本考案に従う構造とされた
衛生スキンの一実施例が、伸長せしめた状態にお
いて示されている。この図において、１０は、避
妊のために用いられる通常のスキンと同様、長手
の袋状形態をもつて形成された、薄肉ゴム製のス
キン本体であり、その先端部に精液溜り部１２を
有している。

そして、このスキン本体１０の筒状の袋壁部１
１の内部には、所定の形状が記憶させられた形状
記憶合金１４が埋設されている。かかる形状記憶
合金１４は、Cu−Zn−Al系或いはTi−Ni系など
の形状記憶効果を有する合金にて形成されたもの
であつて、この図に示されているように、スキン
本体１０の長手方向に延びる直線状部１６と、該
直線状部１６の長手方向に所定距離を隔てた位置
において、スキン本体１０の円周方向に延びる半
円形状の円弧状部１８とを有する形状が記憶させ
られており、陰茎における外表面部の体温程度の
温度に加熱された際に、かかる形状に戻り、スキ
ン本体１０を袋状形態に保持し得るように設定さ
れている。なお、この形状記憶合金１４の埋設部
位としては、特に神経の敏感な陰茎の亀頭部分に
接触するスキン本体１０の先端部を避けること
が、女性の腟壁内面を保護する点からも望ましい
ものである。

また、第２図には、このような構造とされた衛
生スキンの一収納形態が示されている。即ち、か
かる衛生スキンにあつては、その内部に埋設され
た形状記憶合金１４における設定温度以下の温度
下において、任意の形状に成形することが可能と
されているのであり、本実施例においては、その
形状記憶合金１４を折り畳み、スキン本体１０の
袋壁部１１を蛇腹状に折り縮めた収納形態が示さ
れている。

従つて、上述の如き構造とされた衛生スキンに
あつては、その使用時において、陰茎に外挿せし
めることによつて、該陰茎の外表面温度にて、形
状記憶合金１４の形状が前述の如き所定の形状に
復元されることとなるのであり、それによつて陰
茎が所定の形状に保持され得、性的交渉時におけ
る陰茎の勃起力が助勢され得ることとなるのであ
る。そして、それ故精神的原因或いは異質的原因
によつて勃起不充分な場合にも性的交渉を持つこ
とが可能となり、以て精神健康状態の向上が効果
的に図られ得ることとなるのである。

また、かかる衛生スキンにあつては、陰茎の保
持部材として、形状記憶合金１４を用いているこ
とから、第２図に示されている如き、折り畳み状
態において保存することができ、その保存、収納
が容易とされているのである。尤も、本実施例に
おける衛生スキンにあつては、その形状記憶合金
１４における設定温度が、陰茎の外表面温度とさ
れ、比較的低く設定されていることから、冷所に
保存することが望ましい。

さらに、本実施例における衛生スキンにあつて
は、通常のスキンと同様の手順にて装着され得る
ものであり、形状記憶合金１４の作用にて、極め
て良好な装着性が達成され得るのである。

以上、本考案に従う構造とされた衛生スキンの
一実施例について詳述してきたが、これは文字通
りの例示であつて、本考案は、かかる具体例にの
み限定して解釈されるべきものでないことは、言
うまでもないところである。

例えば、前記実施例における衛生スキンにあつ
ては、形状記憶合金１４が、スキン本体１０の袋
状部１１の内部に埋設せしめられることによつ
て、一体的に設けられていたが、その他、該袋壁
部１１の内面或いは外面に接着材等にて固着せし
めることによつてそれらを一体化するようにする
ことも可能である。

また、その形状記憶合金１４の形状としても、
前記実施例の如き形状に限定されるものではな
く、直線状部１６が複数本設けられたものや、円
弧状部１８がリング状とされたもの、更にはコイ
ル形状をもつて形成されたものなど、スキン本体
１０を袋状形態に保持し得る、種々なる形状をも
つて成形することが可能である。

さらに、このような衛生スキンの収容形態とし
ても、前述の如き折り畳んだ状態の他、通常のス
キンと同様、巻き込んだ状態にて収容するように
することも可能である。

また、その使用に際しても、女性の腟内に挿入
せしめることにより、該腟内体温にて形状記憶合
金１４を元の形状に復元せしめるようにすること
も可能であり、このような使用法に限定する場合
には、かかる形状記憶合金の設定温度を上げるこ
とが可能である。

その他、一々列挙はしないが、本考案は、種々
なる変更、修正、改良等を加えた態様において実
施され得るものであり、そのような実施態様が本
考案の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも本
考案の範囲内に含まれるものであることは、言う
までもないところである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に従う構造とされた衛生スキン
の伸長状態を示す斜視説明図であり、第２図はか
かる衛生スキンの収納状態を示す側面説明図であ
る。 １０：スキン本体、１１：袋壁部、１４：形状
記憶合金。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長手の袋状形態に形成されてなる、折り畳み可
   能な若しくは巻き込み可能なゴム製のスキン本体
   と、該スキン本体の袋壁部内に埋設され若しくは
   該袋壁部面に固定された、温度変化に従つて形状
   変化する形状記憶合金部材とを含み、使用時の体
   温による形状変化に従つて該形状記憶合金部材を
   伸長せしめて、前記スキン本体をその長手の袋状
   形態に保持させるようにしたことを特徴とする衛
   生スキン。