JPH021063Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は例えばカメラ用器材の収納に好適なザ
ツクに関する。

（従来の技術） 従来の放行用あるいは登山用のザツクは、一般
に上方または側方に開口部を有する袋状をしてい
て、その内部に各種の持物を一緒に収納するよう
にしていた。したがつて、そのパツキング時には
持物の大小あるいは重量の軽量に応じて、持物類
を適宜配置しなければならず、これを要領良く行
なわないとザツクの体裁が悪くなり、一方ザツク
内では持物類の直接間接に擦過し合つて損傷する
惧れがあり、特にその傾向はザツクの底部に収容
した持物類に顕著であつた。

このため、近時では内部に複数の区画室を形成
し、各室を緩衝板で仕切ることによつて持物類を
容易かつ安全に収納でき、しかもパツキング時に
おけるザツクの体裁を整えられるようにしたもの
が出現している。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、このような複数の区画室を設けたザツ
クでは、概して小物の収納に便利な反面大物の収
納には不向きな傾向があり、また区画室によつて
却つてザツクの自由な利用が阻害されるという問
題があつた。

本考案はこのような点に鑑み、上記区画室の新
設と変更および撤去を自由に行えるとともに、区
画室の使用状況に応じて区画室と同室のインナー
ポケツトの利用を促し、使用上の利便性を向上す
るようにしたザツクを提供することを目的とす
る。

（問題点を解決するための手段） このため、本考案のザツクは、背当片と相対す
る背部に設けたカバーを介してザツク本体の収納
室を開閉可能としたザツクにおいて、上記収納室
の上部に柔軟部材からなる袋状のインナーポケツ
トを揺動可能に吊下げて、該ポケツトの適宜利用
可能にするとともに、該ポケツトの上端部を除く
周面を前記収納室およびカバーの内周面から離間
して配置し、かつ該ポケツト内の収容面積を下方
へ向かつて増大させるとともに、上記ポケツトの
下端面全域に押圧フアスナー取付布を装着し、上
記収納室の底部全域に押圧フアスナー取付布を装
着し、これらインナーポケツトの下端面と収納室
の底部に、湾曲可能な柔軟性とインナーポケツト
を支持可能な剛性を備えた仕切片の上下端部を着
脱可能に装着し、かつ該仕切片をインナーポケツ
トの揺動に連動させて揺動させることで、収容室
内の空気の流通を促し、収容室内の高湿化と温暖
化を防止し、被収納物の良好な収容環境を整えら
れるようにしたことを特徴としている。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面により説明する
と、第１図乃至第４図において１は中空有底の縦
長のザツク本体で、背負パンド２，２の上下端部
を取付けた背当片３の背部に、中空有底の上側収
納室４と下側収納室５を配設している。このう
ち、上側収納室４は略逆Ｕ字形状の側帯片６の前
縁を上記背当片３の上周縁に縫着し、該側帯片６
の両端に第４図示のような略かまぼこ形の隔片７
を縫着するとともに、隔片７の後部周縁に矩形の
カバー８の下端縁を縫着し、かつこのカバー８を
その周縁および側帯片６の後部周縁に設けたスラ
イドフアスナー９，９を介して、開閉可能に取付
けている。

上記側帯片６はウレタンフオーム等の緩衝材を
一帯に内蔵し、かつその起立側の両側片には堅牢
な補強板（図示略）が内蔵されていて、当該部の
形崩れを防止しており、また隔片７内にはシート
状のポリウレタンからなる補強板が内蔵され、更
にカバー８内には上述のような緩衝材が取り込ま
れている。上記側帯片６の上部内周面には、ナイ
ロンのような柔軟な資材からなる第３図示の横長
袋状のインナーポケツト１０が縫着されて吊下げ
られ、その前面および両側面は背当片３の背部と
側帯片６の両側内周面から取り離されまた該ポケ
ツト１０内の収容面積は下方へ向かつて増大して
いて、図示のように両側面が斜面状を呈してい
る。

上記インナーポケツト１０の底部１０ａ内には
シート状のポリウレタンからなる補強板１１が収
容され、かつその背面部１０ｂにはスライドフア
スナー１２が略円弧状に取付けられていて、上記
ポケツト１０を開閉可能にしている。前記底部１
０ａの下端面と隔片７の周面全域には押圧フアス
ナー取付布１３が縫着され、これらに仕切片１
４，１４が着脱可能に取付けられている。仕切片
１４は、湾曲可能な柔軟性とインナーポケツト１
０を支持可能な適当な剛性を有する。例えばシー
ト状のポリウレタンからなる補強板（図示略）を
内蔵した縦長の板体からなり、その上下端部に前
記取付布１３に取付け可能なフアスナー片１５を
突設していて、これらを取付布１３の適宜位置に
取付けることで、上側収納室４を複数室に区画可
能にしている。

図中、１６，１６は側帯片６の両側に設けたサ
イドポケツト、１７，１７は側帯片６の上部に取
付けた一対の緊縛具、１８はカバー８の外側に設
けたカバーポケツトアウター、１９はカバー８の
内側に設けたカバーポケツトインナー、２０は隔
片７の下面に設けた隠しポケツト、２１は隔片７
の周縁に上縁を縫着した張出帯で、その裏面の両
端および中央には前述と同質のフアスナー片２２
が取付けられている。

一方、前記隔片７の下部周縁と下側収納室５の
開口周縁部にはスライドフアスナー２３が取付け
られ、該フアスナー２３を介して下側収納室５を
開閉可能にしている。下側収納室５は隔片７と同
形の中空断面に形成され、これは隔片７と同形の
底片（図示略）を背当片３の下端部に取付けると
ともに、胴体２４の両端を背当片３の両側縁に取
付け、かつ胴体２４の下端部周縁を底片の周縁に
縫着して構成されている。

上記底片と胴体２４にはシート状のポリウレタ
ンからなる補強板（図示略）が内蔵され、またそ
れらの下面および背部には皮材からなる矩形の当
接片２５が取付けられている。下側収納室３の周
壁を画する背当片３の背面と胴帯２４の内周面に
は、前記フアスナー片２２と同質の帯状のフアス
ナーバンド２６，２６が上下に各一対をなして取
付けられ、これらの間に仕切片２７が着脱可能に
取付けられている。

上記仕切片２７はシート状のポリウレタン等の
補強板を内蔵した板体からなり、その上下両端部
に各一対のフアスナー片２８，２８を突設し、こ
れらをフアスナーバンド２６，２６の適宜位置に
取付けることで、下側収納室５を複数室に区画可
能にしている。胴帯２４の上部内周面にはスライ
ドフアスナー２９が取付けられ、該フアスナー２
９を介して胴帯ポケツトインナー３０を開閉可能
にしている。

この他、図中３１は前記フアスナー片２２と対
応する胴帯２４の上端位置に取付けられたフアス
ナー片、３２は胴帯２４の両側に設けられたサイ
ドポケツトである。

（作用） このように構成したザツクは常時スライドフア
スナー９，２３が閉鎖されて、カバー８と上側収
納室４および下側収納室５が閉塞され、これらの
収納室４，５は隔片７で仕切られ、その各室４，
５内に仕切片１４，２７が適宜収納されている。

次にザツク内の上側収納室４に被収納物を収納
する場合は、例えばザツク本体１を床面上に倒し
て背当片３を床面で支持させ、上部に位置するス
ライドフアスナー９を開放してカバー８を外側へ
折り曲げ、第２図示のように上側収納室４を開放
させたところで、該室４内に収容した仕切片１４
を介し、上記室４を被収納物の大きさに応じて適
当な大きさに区画形成する。

仕切片１４の取付けは、その上下端部に設けた
各一対のフアスナー片１５，１５を、隔片７およ
びインナーポケツト１０に取付けた押圧フアスナ
ー取付布１３に押し付けることで行なわれ、それ
らの取付位置を適宜調節することによつて区画ス
ペースが加減される。したがつて、このように区
画された各スペースに所定の被収納物を収容すれ
ば、種別あるいは用途別に被収納物を仕分けでき
ることになる。

この場合、上側収納室４の上部に設けたインナ
ーポケツト１０は、ナイロン生地等の柔軟な材料
で構成されているため、区画スペー内の被収納物
が大嵩であつたり収納量が多量な場合には、これ
らによつて上方へ押し縮められ、インナーポケツ
ト１０の使用が規制される代わりに、上側収納室
４内での区画スペースの使用が増進される。

一方、区画スペース内の被収納物の収容量が規
定量以下であつたり、被収納物が小物であつたり
したときはインナーポケツト１０の使用が可能に
なり、スライドフアスナー１２を開放することで
内部に被収納物を収容し得る。こうしてインナー
ポケツト１０内に被収納物を収容しても、それら
の重量は第３図示のように補強板１１を介し仕切
片１４で支持されているから、それらを安定して
収容し得、これが区画スペース内の被収納物と干
渉したりすることはない。

そして、上側収納室４およびインナーポケツト
１０内に被収納物を収容し終えたところで、スラ
イドフアスナー９を閉鎖しカバー８を閉塞すると
ともに、上記収納室４を閉塞する。したがつて、
上記被収納物はカバー８に内蔵した緩衝材と側帯
片６に内蔵した緩衝材と補強板、それに補強板１
１と仕切片１４とで保護される。

次に下側収納室５に被収納物を収容する場合
は、例えばザツク本体１を立体姿勢のままで床面
上に置き、スライドフアスナー２３を開放して上
側収納室４を前方へ倒し、第４図示のように下側
収納室５を開放したところで、該室５内に収容し
た仕切片２７を介し、上記室５を被収納物の大き
さに応じて適当な大きさに区画する。

仕切片２７の取付けは、その上下端部に設けた
各一対のフアスナー片２８を、背当片３の背面お
よび胴帯２４の内周面に取付けた上下一対のフア
スナーバンド２６，２６に押し付けることで行な
われ、それらの取付け位置を調節することによつ
て区画スペースが加減される。したがつて、この
ように区画された各スペースに所定の被収納物を
収容すれば、種別あるいは用途別に被収納物を仕
分けできることとなる。

そして、下側収納室５内に被収納物を収容し終
えたところで、スライドフアスナー２３を閉鎖し
上側収納室４を起立させるとともに、上記収納室
５を閉塞する。したがつて、上記室５内の被収納
物は背当片３と底片および胴帯２４のそれぞれに
内蔵した補強板と仕切片２７とで保護される。

なお、これらの各収納室４，５への被収納物の
収容と前後して、各ポケツト１６，１８，１９，
２０，３０，３２内に被収納物を収容する。この
ように本考案のザツクはザツク本体１を上下側収
納室４，５に区画し、かつこれらを仕切片１４，
２７で所望のスペースに区画して当該スペースに
被収納物を収容しているから、被収納物を容易か
つ速やかにパツキングでき、その際の体裁を整え
られる一方、上記仕切片１４，２７を被収納物の
最適位置に取付けることで、ザツク携帯時におけ
る振動や衝撃の影響を緩和し得ることになる。

また、被収納物を上下側収納室４，５にパツキ
ングする場合、あるいはこれを取り出す場合で
も、何れか一方の収納室４，５を使用しこれを開
放することで所期の目的を達成できるから、従来
の単一袋状のザツクに比べてパツキングやその取
出しの手間が半減されることになる。

更に被収納物のパツキング後は、フアスナー片
２２，３１を介して張出帯２１を胴帯２４の上部
周面に密着させ、スライドフアスナー２３周辺を
密閉することで、該フアスナー２３から雨水の侵
入を防止し得ることとなる。

この場合、インナーポケツト１０の上端部を除
く周面は、上側収納室４およびカバー８の内周面
から離間して配置されているから、上記ポケツト
１０の揺動が妨げられずに済み、また該ポケツト
１０内の収容面積が下方へ向かつて増大している
から、インナーポケツト１０内に収容物を収容し
た場合、収容面積が上下に亙り一様なものに比べ
て、インナーポケツト１０の重心が下方へ移動
し、その分上記ポケツト１０の揺動が助長され
て、仕切片１４，１４による空気の流通作用が増
進される。

また、上記仕切片１４は、湾曲可能な柔軟性と
インナーポケツト１０を支持可能な剛性を備えて
いるから、インナーポケツト１０の揺動に連動し
て、その長さ方向の全域で揺動し、該仕切片１
４，１４とそれらの間に収容した被収容物との間
の隙間の形成を助長して、空気の流通作用を増進
する。

（考案の効果） 本考案のザツクは以上のように、ザツク本体を
隔片を介して上下側収納室に区画し、これら収納
室を着脱自在な仕切片を介して複数室に区画する
とともに、前記上側収納室をその背部に設けた該
収納室と略同大のカバーで開閉可能とし、かつ該
室の上部に前記仕切片で支持可能なインナーポケ
ツトを設け、上下側収納室に各別に被収納物を収
容し、そのパツキングと取出しの手間を解消する
とともに、これら各収納室を被収納物に応じて適
宜スペースに区画することで、その最適な利用を
図ることができる。

また、本考案では上側収納室の上部に設けたイ
ンナーポケツトを仕切片で支持させることによ
り、インナーポケツト内の被収納物を安定して収
容できる実用的な効果がある。

しかも、インナーポケツトの上端部を除く周面
は、収納室およびカバーの内周面から離間して配
置されているから、上記ポケツトの揺動が妨げら
れずに済み、また該ポケツト内の収容面積が下方
へ向かつて増大しているから、インナーポケツト
内に収容物を収容した場合、収容面積が上下に亙
り一様なものに比べて、インナーポケツトの重心
が下方へ移動し、その分インナーポケツトの揺動
が助長されて、仕切片による空気の流通作用を増
進できる効果がある。

また、これらインナーポケツトの下端面と収納
室の底部に、湾曲可能な柔軟性とインナーポケツ
トを支持可能な剛性を備えた仕切片の上下端部を
着脱可能に装着したから、インナーポケツトの揺
動に連動させて、仕切片をその長さ方向の全域で
揺動させることができ、仕切片による空気の流通
作用を増進できる実用的な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２
図はカバーを開放し上側収納室を開口した状況を
示す斜視図、第３図は本考案の要部を拡大して示
す正面図、第４図は下側収納室の開放状況を示す
斜視図である。 １……ザツク本体、４……上側収納室、５……
下側収納室、７……隔片、８……カバー、１０…
…インナーポケツト、１４，２７……仕切片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 背当片と相対する背部に設けたカバーを介して
   ザツク本体の収納室を開閉可能としたザツクにお
   いて、上記収納室の上部に柔軟部材からなる袋状
   のインナーポケツトを揺動可能に吊下げ、該ポケ
   ツトの上端部を除く周面を前記収納室およびカバ
   ーの内周面から離間して配置し、かつ該ポケツト
   内の収容面積を下方へ向かつて増大させるととも
   に、上記ポケツトの下端面全域に押圧フアスナー
   取付布を装着し、上記収納室の底部全域に押圧フ
   アスナー取付布を装着し、これらインナーポケツ
   トの下端面と収納室の底部に、湾曲可能な柔軟性
   とインナーポケツトを支持可能な剛性を備えた仕
   切片の上下端部を着脱可能に装着し、かつ該仕切
   片をインナーポケツトの揺動に連動させて揺動さ
   せるようにしたことを特徴とするザツク。