JPH0131270Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、人形用着物の型取用型紙に関するも
のである。

従来は、人形の大きさや形の相違に合わせて布
地を裁断し、着物を縫つていたのであるが、初心
者にとつては大変に困難な技術であり、熟練者に
とつても裁断、型取作業は時間的に非常な労力を
要するものである。

特に人形用の着物においては、人間と違つて製
品によつて形や大きさが統一されているという利
点がある反面、量産する場合には、布地からの裁
断も合理的な型取りによつて材料の無駄を省くと
共に、高い作業能率が要求される。

そこで、本考案は無駄のない材料の型取りと作
業能率の高い人形用着物の型紙を提供することを
目的とするものである。

以下、図面と共に本考案を詳細に説明する。

第１図及び第２図において、１は紙、プラスチ
ツク、その他の適当な強度と厚みを有する本考案
の型紙全体を示すもので、第１図は断面図、第２
図は平面図である。２は袖丸み曲線部を示し着物
の袖の丸み付用の曲線、３は裾出〓曲線部で、着
物の裾の合せ部分の丸みをつけるための曲線であ
る。４は衽衿附曲線部で、着物の衿の曲線をつけ
るためのものである。５は衿肩明用切込線６を一
辺とする半月状のくりこし孔で、人形の首の出る
処に相当する。７は前身線で、後述するように着
物の前身頃の裁断用分割線に合わせるものであ
る。８は後身中心線で、着物の後身頃の中心線に
合わせて使用する。

裾出〓曲線部３と袖丸み曲線部２との接続直線
部８は、前身線と後身中心線に平行に形成されて
おり、衿肩明用切込線６と前身線とは直交する関
係に置かれている。

そして、それぞれの曲線部及び直線部には、そ
れに対応する着物の型取用名称を表記することに
より使用の便に供している。

次に本考案の型紙の使用例を説明する。

着物の表布を裁断する場合には、布地１０を第
３図に示すように裁断する。１１は後身頃、１２
は前身頃、１３は袖布部、１４は衽布部、１５は
衿布部、１６は衿肩明用切込線、１７は前身線で
ある。

裁断された袖布部に袖丸みをつける場合は、第
４図に示すように布の縁に縫代ａ，ｂを残して型
紙の袖丸み曲線部２を用いて型取りを行う。

衽布部に衽衿附線を型取りする場合は、第５図
に示すように布の長手方向一辺に、前身線７及び
後身中心線８を基準にして縫代ｃを残し、型紙の 衿附曲線部４を用いて型取りを行う。

くりこし孔を明ける場合は、第６図に示すよう
に、前身頃１２の前身線１７と衿肩明用切込線１
６とに型紙の前身線７及び衿肩明用切込線１７を
合わせ型取りを行う。

また、裏布の裾廻し布１８における裾出〓の型
取りを行うには、第７図に示すように縫代ｄ，ｅ
を残し、型紙の裾出〓曲線部３を用いて型取りを
行えばよい。

以上説明したように、本考案の型紙は、着物縫
製上の主要寸法曲線型がわずか一枚の型紙に合理
的に組込まれており、初心者においても容易に型
取り、裁断作業が行え、高い作業能率を得ること
ができる効果を有するものである。

なお、本考案の型紙は特に透明なプラスチツク
で構成すれば、前身線やくりこし孔の位置合せが
一層容易になるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は、本考案型紙の断面図及び
全体平面図。第３図は着物表布裁断図、第４図〜
第７図は型紙の使い方説明図。 １……型紙、２……袖丸み曲線部、３……裾出
〓曲線部、４……衽衿附曲線部、５……くりこし
孔、６……衿肩明用切込孔、７……前身線、８…
…後身中心線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外周に袖丸み曲線部と裾出〓曲線部及び衽衿附
   曲線部を有し、裾出〓曲線部と衽衿附曲線部との
   交点から裾出〓曲線部と袖丸み曲線部との接続直
   線部に平行に前身線を引き、これと垂直な衿肩明
   用切込み線を一辺とする半月状のくりこし孔を設
   け、このくりこし孔から前記前身線の延長上に後
   身中心線を引き、それぞれの曲線部及び直線部に
   は、対応する着物裁断用名称を附してなる人形用
   着物の型紙。