JPH0131232Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は呼吸機能回復訓練器、更に詳細に事
故、疾病、手術あるいは高齢化等によつて呼吸機
能の低下した者の呼吸機能を回復するために用い
られる訓練器に関する。

〔従来の技術〕

従来、この種の呼吸機能回復訓練器としては、
呼吸口部、呼気孔部及び吸気孔口を有する筒状容
器体の当該呼気孔部に抵抗弁を取り付けたものが
実用に供せられている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

然しながら、斯かる従来の訓練器はその抵抗弁
が一定の強度を保持するものに限られていたた
め、自ずと呼気に対する抵抗圧は固定的なものと
ならざるを得なかつた。

そのため、呼吸機能が当該抵抗圧よりかなり低
い機能しか保有していない者には相当な無理が生
じ、事実上訓練器としての用はなさないと云う欠
点があつた。

そこで、本考案者は斯かる従来の欠点を解消す
べく種々検討を重ねた結果、呼吸機能の程度に応
じ、適宜抵抗圧を変換し得る本考案呼吸機能回復
訓練器を案出したものである。

〔問題点を解決するための手段〕

すなわち本考案は、筒状容器体の一方の端壁に
呼吸口部を形設すると共に、他方の端壁に二個以
上の呼気孔部及び一個以上の吸気孔部を形設し、
更に当該他方の端壁の内側に開放呼気孔部の択一
選定自在かつ吸気孔部に対するワンウエイバルブ
を装着すると共に、該他方の端壁の外側に前記呼
気孔部よりの呼気に対しそれぞれ異なつた抵抗を
与える複数の抵抗弾片を取り付けたことを特徴と
する呼吸機能回復訓練器である。

〔実施例〕

以下本考案の一実施例を示す図面と共に本考案
を更に説明する。

１は筒状容器体で、ほぼ円錐台形の中空体構造
をなしている。２は漏斗状隔壁で、筒状容器体１
の中空部を２分割して２種の実効容積が得られる
よう挿脱自在に筒状容器体１内に収納取り付けら
れているものである。

３は呼吸口部で、筒状容器体１の一方の端壁４
に形設せられているものである。５はマウスピー
スで、該呼吸口部３に着脱自在に取り付けられて
おり、これにより呼吸口部３に於ける空気導通を
より容易に行なうものである。尚、このマウスピ
ース５の材質としてはその如何を問わないが、例
えば煮沸殺菌処理の可能な熱可塑性ゴム製とする
のが有利である。

６はキヤツプ体で、当該呼吸口部３乃至マウス
ピース５を被冠するよう筒状容器体１の端壁４外
縁部に着脱自在に取り付けられているものであ
る。

尚、上記筒状容器体１、漏斗状隔壁２及びキヤ
ツプ体６の材質はその如何を問わないが、煮沸殺
菌処理の可能なポリプロピレン等の合成樹脂が有
利であり、就中当該キヤツプ体６は透明乃至半透
明合成樹脂製とするのが好ましい。

７は吸引した外気を排出する呼気孔部、また８
は外気を吸入する吸気孔部で何れも筒状容器体１
の他方の端壁９に形設せられているものである。

この呼気孔部７及び吸気孔部８の形設数及び位
置は、本実施例では前者を三個端壁９周辺部に、
同心円上に等間隔を以つて、後者を六個端壁９内
央部に、同心円上に等間隔を以つて形設している
が、呼気孔部７が二個以上、吸気孔部が一個以上
であれば、具体的形設数及び位置はその如何を問
わない。また、呼気孔部７及び吸気孔部８の形状
もその如何を問わないが、例えば吸気孔部８を適
宜図形や数字の如き形状とすれば、外観デザイン
性にも優れた呼吸機能回復訓練器が得られる。更
に、例えば当該数字状吸気孔部８ａをそれぞれ後
述の抵抗弾片１２の強度表示とすると共に、後述
のワンウエイバルブ１０に、該ワンウエイバルブ
１０が閉止することなく開放する呼気孔部７ａ、
換言すれば使用呼気孔部７ａを示す異色部１０ａ
を形成すれば、外部より異色吸気孔部８ｂが観察
され、これにより直ちに現在使用の抵抗弾片１２
ａの強度を識別し得るので、使用上極めて有利で
ある。尚、開口部面積の広狭としては吸気孔部８
に比し、呼気孔部７を狭小とするのが好ましい。
また、当該端壁９は前述の漏斗状隔壁２の挿脱自
在を可能ならしめるため、周壁を有するボトムプ
レート体９ａとして筒状容器体１の端部外縁に螺
合等の手段により着脱自在に取り付けられている
ものである。

１０はワンウエイバルブで、外気を吸入すると
きに吸気孔部８を開き、息を吐くときに吸気孔部
８及び一個の呼気孔部７ａを除く他の全ての呼気
孔部７を閉じるように、換言すれば開放呼気孔部
（使用呼気孔部）の択一選定変更自在に端壁９の
内側に装着せられているものである。

斯かるワンウエイバルブ１０の具体的装着方法
としてはその如何を問わないが、例えばワンウエ
イバルブ１０を、常に吸気孔部８を全て被覆する
と共に、適宜角度の回転により一個を除く他の全
ての呼気孔部７を被覆し得る形状に成形し、かつ
端壁９の内面部中央に付設した主軸１１ａ及び該
内面部の他部に付設した支軸１１ｂに挿通可能な
軸支孔１０ｂを適宜数形設し、当該主軸１１ａ及
び支軸１１ｂにて着脱自在に枢支装着するのが、
開放呼気孔部（使用呼気孔部）の択一選定変更自
在性の点で簡便かつ良い結果を与える。尚、この
ワンウエイバルブ１０の材質もその如何を問わな
いが、例えば低密度ポリエチレンシート等の軟質
合成樹脂シートが温水洗浄可能となり有利であ
る。

１２は抵抗弾片で、各呼気孔部７よりの呼気に
対しそれぞれ異なつた抵抗を与えるもので、端壁
９の外側に基端部が取り付け固定され、先端部が
各呼気孔部７を被覆閉止するものである。

この抵抗弾片１２の数は、呼気孔部７の数に対
応して、換言すれば得ようとする抵抗圧の種類に
応じ適宜選定されるが通常３〜４枚程度を同心円
上にそれぞれ配設するのが簡便である。また、抵
抗弾片１２の形状は長方形状板片であつても良い
が、弧状板片とするのが好ましい。この抵抗弾片
１２の材質は適度な弾性を有するものであればそ
の如何を問わないが、例えばステンレス鋼板が好
適なものとして挙げられ、該弾片１２の巾を適宜
変えることによつてそれぞれ異なつた抵抗圧、従
つてまた呼気圧を得ることができる。

１３はエアーストツパーで、各抵抗弾片１２の
先端部に付設され、呼気孔部７を抵抗弾片１２の
弾性による押圧力によりエアー漏れなく閉止する
ものである。このエアーストツパーの材質として
は、エアー漏れ防止上ゴム質材料が好ましく、例
えば熱可塑性ゴムが良い結果を与える。尚、この
エアーストツパー１３は、抵抗弾片１２の抵抗よ
り大きい呼気圧により吹き上げられた際に、その
上下動が抵抗弾片１２の振動を伴なつて振動音を
発するようにするのが、目安となり好ましい。

１４は鼻をはさむノーズクリツプで、バネ体に
より構成せられ、挾持部に発泡ウレタン等のクツ
シヨン部材１５が装着せられており、このノーズ
クリツプ１４の併用により、本考案呼吸機能回復
訓練器による訓練をより効果的に行なうことがで
きるものである。

〔作用〕

以上の如く、本考案は構成せられているため、
ワンウエイバルブ１０により開放呼気孔部を択一
選定、すなわち患者の呼吸機能の程度にあつた抵
抗弾片１２を選定して呼気孔部７を閉止した状態
で、呼吸口部３より外気を吸引すれば、吸気孔部
８より吸気せられ、次いで、息を吐けば呼気が呼
気孔部７より出ようとするが、抵抗弾片１２の抵
抗を受けるので、それに打ち勝つ呼気圧で息を吐
くことにより、抵抗弾片１２が吹き上げられ、呼
気孔部７が開通し、この反復により呼吸機能の回
復訓練作用が得られる。

〔考案の効果〕

以上従つて、本考案を用いれば、単にワンウエ
イバルブ１０による開放呼気孔部の択一選定によ
り、患者等の呼吸機能の程度に応じた抵抗弾片１
２を選定することができるので、無理のないかつ
効果的な段階的回復訓練を行なうことができる。
しかも、斯かる段階的回復訓練は、順次訓練目標
を設定することができるので、患者等の回復向上
心理をも刺激し、その相乗効果と相俟つて、より
効率的回復訓練が可能となるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
はその斜視説明図、第２図はキヤツプ体を付けた
その断面説明図、第３図はボトムプレート体部の
底面説明図、第４図はボトムプレート体部の平面
説明図、第５図はノーズクリツプの断面説明図で
ある。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒状容器体の一方の端壁に呼吸口部を形設する
   と共に、他方の端壁に二個以上の呼気孔部及び一
   個以上の吸気孔部を形設し、更に当該他方の端壁
   の内側に開放呼気孔部の択一選定自在かつ吸気孔
   部に対するワンウエイバルブを装着すると共に、
   該他方の端壁の外側に前記呼気孔部よりの呼気に
   対しそれぞれ異なつた抵抗を与える複数の抵抗弾
   片を取り付けたことを特徴とする呼吸機能回復訓
   練器。