JPH0127827B2 - - Google Patents

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JPH0127827B2
JPH0127827B2 JP11891081A JP11891081A JPH0127827B2 JP H0127827 B2 JPH0127827 B2 JP H0127827B2 JP 11891081 A JP11891081 A JP 11891081A JP 11891081 A JP11891081 A JP 11891081A JP H0127827 B2 JPH0127827 B2 JP H0127827B2
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Japan
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current
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pulse
signal
circuit
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Hideyuki Yamamoto
Moritoshi Nagasaka
Akiji Gohara
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Daihen Corp
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Daihen Corp
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Publication date
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Publication of JPH0127827B2 publication Critical patent/JPH0127827B2/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K9/00Arc welding or cutting
    • B23K9/09Arrangements or circuits for arc welding with pulsed current or voltage
    • B23K9/091Arrangements or circuits for arc welding with pulsed current or voltage characterised by the circuits

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Arc Welding Control (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は消耗性電極を送給しながら溶接するパ
ルスアーク溶接方法およびその装置に関するもの
である。消耗性電極(以下、ワイヤという。)を
溶接部に送給して溶接するパルスアーク溶接方法
は、一般に、溶融したワイヤ先端の溶滴を細粒に
して円滑に移行(以下、スプレー移行という。)
させ、かつ、アーク長を一定に維持することによ
つて、安定したアークを発生させて均一な溶接結
果を得るとともにスパツタの発生の少ない溶接物
を得ようとするものである。このワイヤには、ス
プレー移行が行なわれない程度の低電流すなわち
臨界電流値以下のベース電流と周期的に臨界電流
値以上の高電流となるパルス電流とが供給されて
スプレー移行が行われる。 このようなパルスアーク溶接におけるパルス電
流が溶接結果に及ぼす影響について検討する。パ
ルスアーク溶接において、円滑なスプレー移行を
維持させるためのパルス電流の要素としては、一
般にパルス電流のピーク値Ipとパルス継続時間
(以下、パルス幅という。)tpとがある。このうち
パルス電流ピーク値Ipは、溶融したワイヤ先端か
ら電磁ピンチ力によつて溶滴を離脱させる効果を
有する最も重要な要素であり、パルス電流値Ipが
臨界電流より大になれば細粒の溶滴が規則正しく
移行し、逆にパルス電流値Ipが臨界電流より小に
なれば大粒の溶滴が不規則に移行するようにな
る。したがつて、パルス電流値Ipを一定値以上に
保持しなければ円滑なスプレー移行を行うことが
できない。さらに、溶融したワイヤ先端から溶滴
を離脱させる条件として、所定のパルス幅tpも必
要であるが、溶滴の離脱がピンチ力によるもので
あるから、パルス幅tpは、上述したパルス電流値
Ipとの関連において溶滴の離脱を左右する重要な
要件である。そしてこれらの適値に選定すること
によつてパルス電流の周期と溶滴移行の周期とを
一致させることができ、円滑なスプレー移行が実
現される。 このようにパルス電流を用いるアーク溶接にお
いては、パルス電流のピーク値Ipとその継続時間
であるパルス幅tpとは重要な要件である。このう
ちパルスピーク値Ipを所定の値以上に定めること
は、パルス電流用電源に略定電流特性のものを使
用したり、定電圧特性の直流電源からパルス電流
を取出すときにフイードバツク制御によりパルス
ピーク値を一定電流に維持するなどの方法により
比較的容易に実現できる。しかしパルス幅tpは通
常その立上りから立下りまでの時間を制御するこ
とにより決定されている。しかるに実際のパルス
電流の波形は、電源電圧、溶接機の出力回路のケ
ーブル等によるインピーダンス、アーク長、ワイ
ヤ突き出し長さなどの影響を強く受けるため、溶
滴のスプレー移行に有効となるパルス電流の実効
的な幅が変化し、パルス電流と溶滴移行とが周期
した安定なスプレー移行が望めなくなる。 この原因を図によつて説明する。第1図はこの
種のパルスアーク溶接用電源の制御装置の従来例
を示す接続図である。同図において、1は直流電
源、2は直流電源1の出力をパルス状に制御する
ための電流制御素子例えばトランジスタであり、
3は直流リアクトル、4は溶接電流にアークを維
持する程度のベース電流分を供給するための別の
直流電源である。5は電流制御素子2の導通量お
よび導通期間を決定するための信号を出力するパ
ルス周波数制御回路であり通常一定の振幅と周波
数のパルスを発生するパルス発振回路が用いられ
る。6はパルス波形制御回路5の出力を電流制御
素子2の制御に適した信号に変換するための駆動
回路である。また31,32は出力端子、10は
フライホイールダイオードである。 第1図の装置において電流制御素子2は、パル
ス波形制御回路5からの出力信号に応じて導通す
る。この結果出力端子31,32間に出力ケーブ
ルにて接続されたワイヤ7および被溶接物8にベ
ース電流用直流電源4の出力電流にパルス波形制
御回路5からの出力信号に対応したパルス電流が
重畳された電流が出力されてパルス溶接アーク9
を生ずる。このように従来の装置においては、パ
ルス波形制御回路5によつて定まるパルス幅にな
るように電流制御素子の導通量が制御されるもの
であるが、このときの様子を第2図の説明図によ
つて詳細に検討する。第2図aは第1図の装置の
出力端子31,32から右側の負荷側の等価回路
を示し、rlおびLlは出力端子から溶接負荷である
アーク発生点までの出力回路の抵抗分およびイン
ダクタンス分を示し、Eaおよびraはアーク負荷
の溶接電圧および消耗性電極ワイヤの給電部以降
の突き出し長さ部分における抵抗である。またパ
ルス電流回路に直列に接続されているリアクトル
3のインダクタンスをL0とする。 このような回路構成のときに、パルス波形制御
回路5から第2図cに示すような幅tpの矩形波状
の駆動信号が電流制御素子2に供給されたときを
考える。このときパルス用直流電源1の出力電圧
をE1、上記出力回路の抵抗およびインダクタン
スを、R=rl+ra、L=Ll+L0とするとパルス出
力電流Ipは、第2図bにAで示すように、立上り
時定数L/Rで定常電流(E1−Ea)/Rに向つ
て E1−Ea/R(1−ε−R/L) なる曲線に沿つて上昇する。この電流はパルス波
形制御回路5の出力信号の波高値によつて定まる
ピーク電流Ipに達した時刻t1においてその上昇を
停止し、以後ほぼ一定値に保持される。パルス波
形制御回路5の出力が時間tpの後に時刻t3におい
て零となると電流制御素子2は遮断され、このパ
ルス期間tpの間にリアクトル3に蓄えられた電磁
エネルギーはフライホイールダイオード10を通
して放出される。ここで電源電圧が変動して直流
電源1の出力電圧がE1からE2に低下した場合を
考える。このときパルス電流は第2図bに符号B
にて示すように、先の値より低い定常電流(E2
−Ea)/Rに向つて同じ時定数L/Rで上昇す
るため、その立上り速度は遅くなり、設定電流Ip
に達する時刻t2は電源電圧が高かつたAの場合の
t1より遅くなる。一方、電流制御素子2に対する
パルス波形制御回路5の出力は、電源電圧の変動
にかかわらず時刻t3で零となりかつ、電流の下降
速度はリアクトル3に蓄えられた電磁エネルギー
が先の場合と同じ値であるから変化することはな
い。この結果、設定電流のIpの値に保持されてい
る時間は指令信号が同一であるにもかかわらず短
くなり、スプレー移行させるために有効となる真
のパルス時間幅が狭くなり不足することになる。
パルス電流の上昇速度は前述の式から判るよう
に、電源電圧の他に、ケーブル長に関係するrl
Ll、アーク長によつて決定される溶接電圧Ea、ワ
イヤ突き出し長さに関係するraの各成分によつて
も同様に影響を受ける。このためパルス電流波形
は時々刻々その姿を変え、パルス波形制御回路5
からの指令信号の波形を如何に正確に一定値とし
ても、それは単に出力パルス電流波形のうちの底
部、即ちパルス電流の立上り時から立下りの瞬間
までを制御しているだけであるため、スプレー移
行に有効となる臨界電流以上のパルス電流の幅は
規制できず、消耗性電極の溶滴がパルス電流の周
期に同期して円滑にスプレー移行する溶接は実施
し得ない。 そこで本発明者等は略矩形波に近い波形のパル
ス電流を用いて実験を行つた結果、溶滴をスプレ
ー移行させるためには、パルス周波数は無関係で
かつ、パルス電流値とパルス時間との間に特有の
関係が成立することが条件となることを見出し
た。 第3図は軟鋼、アルミニユームおよびステンレ
ス鋼の溶接において、スプレー化に及ぼすパルス
の周波数、時間および電流の関係を示したもので
あり、縦軸にはパルス電流Ip(A)を、横軸にはパル
ス時間tp(ms)をそれぞれ対数目盛で(縦軸は
横軸の倍寸目盛)示し、材質、ワイヤの直径およ
びパルス周波数をパラメータとしてスプレー化の
可能な限界値を求めた。図中の符号は下表の通り
である。
【表】 同図の直線より上方がスプレー移行となる領域
を示し、下方がドロツプ移行となる領域を示す。
また、Ic1ないしIc5は(1)ないし(5)のそれぞれの条
件において溶滴がスプレー化される臨界電流であ
る。同図から判るようにスプレー移行となるため
の限界条件は、材質およびワイヤの直径が与えら
れると予め設定したパルス周波数にはほとんど無
関係でありかつパルスピーク値Ipがそれぞれの条
件での臨界電流値Ic以上であること、およびこの
Ip≧Icを満足する範囲ではパルス時間tpとパルス
電流Ipとが対数グラフ上で直線関係にあることに
なる。即ち材質およびワイヤ直径が定まれば、 ipn・Tp=A ……(1) (ただしnおよびAは材質およびワイヤ直径によ
つて定まる定数) なる関係が成立することになる。 さらに第3図を詳細にみると、スプレー化の限
界を示す各直線はそれぞれの条件によつて定まる
臨界電流を示す直線上の点から始まつている。こ
のことは、溶滴の完全なスプレー化は溶接電流が
臨界電流に達したときに急に始まり、それ以下で
は発生しないことを示している。したがつてパル
ス電流によつて溶滴に作用する力は臨界電流に達
しない間はスプレー化に全く寄与せず、臨界電流
を超えたときから急に有効となる。つまり溶滴に
作用する力は臨界電流を境にして急激な変化があ
るものと推定できる。しかも前述のようにスプレ
ー化の限界が(1)式で示される関係となるから、溶
滴のスプレー化には全溶接電流Ipが有効でありか
つその有効となる期間は臨界電流Icを超える期間
であることが結論づけられる。 以上の結果から安定なスプレー移行を得るため
には従来のようにパルスピーク値とパルス時間幅
とをともに所定値に保つよう制御するかわりに
Ipn・tpを所定値以上となるように制御すればよ
いことが考えられる。 ところでパルス電流波形を上記実験におけるよ
うに完全な矩形波状とすることは困難であり通常
は第2図にて説明したようにある時定数で増加す
る梯形波状となる。 このような場合についても本発明者は、さらに
種々のパルス波形を使用して実験を進めた結果、
矩形波状のパルス電流波形を使用した実験で得ら
れた上述の結果は、任意の波形パルス電流を使用
する場合にもその値が臨界電流値を超える範囲を
有する限り成立することを確認した。この場合、
Ipn・Tpはパルス電流の瞬間値をiとしたときin
のi≧Icの期間における時間積分に置きかえるこ
とができる。したがつて、 ∫indt≧A ……(2) が溶滴をスプレー化するための条件となる。そし
て上記(2)式に関して臨界電流Icは、主として使用
するワイヤの直径によつて定まる値であるが、こ
のIcのかわりにパルス電流のピーク値Ipより小さ
くかつ、パルス時以外にアークを維持するために
流すベース電流とは明確に区別し得る値Ixを定め
て、これを用いても大略目的が達せられると考え
られる。 本発明は上記実験結果および考察からなされた
もので、所定の周波数でパルス電流の流通を開始
させ、出力電流が基準電流Ixを超える期間の時間
積分値∫indtが基準値kを超えたときにパルス電
流の流通を停止させることによつて溶滴の確実な
スプレー移行を可能となしたものである。 第4図は、本発明を実施する装置の例を示す接
続図である。図において第1図の装置と同様の機
能を有するものには同符号を付してある。11は
出力電流iを検出する電流検出器、12は基準電
流設定器、13は電流検出器11の出力iと基準
電流設定器12の出力Ixとを比較しi≧Ixの期間
のみ論理信号、例えば1を出力する比較器131
および比較器131の出力により入力信号iの積
分を開始し∫indtの演算を行う積分器132から
なる積分回路である。ここでnは正数であり前述
のように溶接に使用するワイヤの材質によつて2
ないし4の範囲の値に選定する。14はパルス電
流の周波数を決定するための発振器からなるパル
ス周波数制御回路、16は積分回路13の積分値
の基準値kを設定するための基準値設定器、17
は積分回路13の出力Sと基準値設定器16の出
力kとを比較し、s≧kとなつたとき出力を発生
する比較器である。18はパルス周波数制御回路
14の出力信号を受信したときから比較器17が
出力を発生するまでの間、継続した信号を出力す
るパルス信号発生回路であり、例えばパルス周波
数制御回路14の出力信号の立上りによりセツト
され比較器17の出力信号によりリセツトされる
フリツプフロツプ回路が用いられる。またパルス
用直流電源1′はパルスピーク電流設定器19に
よつてその出力電流の波高値が常に所定のパルス
ピーク値に設定される電源であり、電流制御素子
2′にはパルス用直流電源1′の出力を開閉するス
イツチング素子を用いる。第4図の装置の動作を
第5図の説明図により説明する。パルス周波数制
御回路14の出力が第5図のbに示すように所定
の周期で信号Pを出力すると、パルス信号発生回
路18はこの出力信号Pの立上り時0から出力tp
を生ずる。この出力tpによつて駆動回路6はスイ
ツチング素子2を導通させ溶接部にはパルス用直
流電源1′の出力が供給される。出力電流は電流
検出器11によつて検出されて基準電流設定器1
2の設定値Ixと比較される。時刻0から立上つた
パルス電流がその出力回路の時定数に従つて増加
し、i≧Ixとなると比較器131が理論出力1を
発し、積分器132の積分動作を開始させる。積
分器132の積分値sが基準値設定器16の設定
値k以上となると、比較器17は信号を発し、パ
ルス信号発生回路18はこの比較器17の出力に
よりその出力を停止する。また比較器17の出力
により積分器132はリセツトされる。スイツチ
ング素子2′は遮断され、次にパルス周波数制御
回路14からの出力が供給されるまでの間遮断状
態をつづける。 第4図の装置において電源電圧の変動やケーブ
ル長、溶接電圧、ワイヤ突き出し長さなどが変化
して出力回路のインピーダンスの変動が発生し
て、パルス電流の立上り速度が第5図のaに実線
で示す速度から破線で示す速度に低下したときを
考える。まず実線のように時刻0から立上つたパ
ルス電流の立上り速度が速い場合は、その電流i
は比較的早い時刻t1に基準電流設定器12の設定
値Ixに達する。積分器132はこの時刻t1から∫in
dtの積分を開始し、比較器17は第5図cに示す
ようにこの積分値sが設定された基準値に達した
時刻t3に出力を発生するからパルス信号発生回路
18の出力は第5図dに示すように時刻0からt3
に到るまでのtp1の間継続する。時刻t3において
パルス信号発生回路18の出力信号がなくなると
スイツチング素子2′が遮断状態となるので出力
電流iは先にリアクトル3に蓄えられた電磁エネ
ルギーをフライホイールダイオード10を通して
放出して一定の時定数を減少する。これに対して
破線のように立上り速度が遅い場合には、その電
流iは実線の場合よりも遅れた時刻t2において設
定値Ixに達するが、積分回路13はこの時刻t2
ら積分を開始し積分値sが基準値kに達した時刻
t4において比較器17が出力を発生する。この結
果、スイツチング素子2′は時刻0からt4に至る
間、導通をつづけることになる。したがつて基準
電流Ixを溶滴のスプレー移行に有効となる値以上
の値に設定しておけば、パルス電流は常に安定な
スプレー移行に必要な時間積のものが得られるこ
とになる。この基準電流Ixは溶滴がスプレー移行
となる臨界電流以上で出力電流のピーク値を超え
ない範囲に決定するのが望ましいが臨界電流より
小さな値であつてもベース電流との間に明確な差
違がある場合には相当の効果が期待できる。 このように、ピーク電流Ipおよび基準値を超え
る出力電流の時間積分を一定に制御することによ
つて安定した溶接が可能となる。しかし、アーク
溶接においては被溶接物の凹凸や溶接トーチの位
置の変動あるいはワイヤ送給速度とワイヤ溶融量
とのかずかの不一致などによりアーク長が変化す
ることがある。これに対して、ピーク電流Ipおよ
び時間積分値を一定に制御すると、ワイヤを加熱
溶融するために使われる電流の平均値もこれらア
ーク長の変化に対して一定に保たれるために電源
特性によるアーク長の自己制御作用がない。この
結果、上述のような何らかの原因により一旦アー
ク長が変化してしまうとこれを回復することがで
きない。したがつて、例えばワイヤの溶融速度に
対してワイヤの送給速度にわずかの遅速が発生し
た場合には、これが直ちに成長してワイヤのバー
ンバツクや突立ちにつながる。このような現象を
防止するためには、第4図に一点鎖線で示したよ
うに溶接電圧Eaを検出し、これをパルス周波数
制御回路14に供給し、その発生する指令パルス
の周波数をEaに対応して制御すればよい。即ち、
パルス電流の時間積分を一定のままパルスの周波
数を増加させると溶接電流の平均値は増加するか
ら、ワイヤ溶融量もこれにつれて増加する。した
がつてアーク長が短かくなつて溶接電圧が低くな
るとこれに逆比例してパルス周波数を増加させれ
ばパルス電流の平均値を増加し、これによつてワ
イヤの溶融量が増加してアーク長をもとに回復す
る。逆にアーク長が長くなつて溶接電圧が高くな
ると、これに逆比例させて周波数を減少させれ
ば、ワイヤ溶融量が減少してアーク長がもとにも
どる。また溶接電流の平均値は、第4図に波線に
て示すように溶接電圧を検出して比較器17の基
準値設定器16の指令信号として用いて、パルス
周波数は一定のまま溶接電圧に対応して出力電流
の積分値の基準値を変化させても調整することが
できるのでこの方法によつてもアーク長の自動制
御が可能となる。 またワイヤの送給速度は一般にワイヤの直径お
よび使用する溶接電流値に応じて決定される。し
たがつてワイヤの送給速度とパルス電流の平均値
とは連動して調整する必要がある。これに対して
もワイヤ送給速度に略比例してパルス電流の時間
積分あるいはパルス周波数をかえることにより溶
接条件の一元調整が可能となる。このときもアー
ク長の変化に対しては電源特性によるアーク長の
自己制御は期待できないので、溶接電圧を検出
し、これに略逆比例してパルス周波数あるいはパ
ルス電流の時間積分を制御することによつてアー
ク長の自動制御を実施することが可能となる。 第4図においてはパルス供給用直流電源として
波高値が一定の値に制御された電源を用いて、こ
の直流電源の出力を出力回路に直列接続されたス
イツチング素子により開閉する方式の例を説明し
たが、パルス供給用直流電源としてはこれに限ら
ず略定電圧特性の直流電源を用いてもよく、この
場合は電流制御素子によりパルス期間とピーク値
との両方を制御すればよい。第6図はパルス期間
とピーク値をともに電流制御素子によりアナログ
制御する方式の実施例を示す接続図である。同図
において第1図および第4図と同様の機能を有す
るものには同符号を付してある。20は電流検出
器11′の出力iとピーク電流設定器19の出力
Ipとを比較する第1の比較器であり、例えば両信
号号値の差(Ip−i)を得る減算器が用いられ
る。21は積分回路13の出力Sと基準値設定器
16の出力kとを比較し、S≧kとなつたときに
出力を発生する第2の比較器である。22は第1
および第2の比較器20および21の出力とパル
ス周波数制御回路14の出力とを入力とする信号
合成回路であり、いま第1の比較器20として、
差信号(Ip−i)を得る減算器を用いると、この
差信号により波高値が定まり、パルス周波数制御
回路14の出力信号の立上り時点から始まり第2
の比較器21の出力信号が発生したときに終了す
るパルス指令信号を出力して駆動回路6に供給
し、電流制御素子2を導通制御するものである。
この信号合成回路は前記のような機能を有するも
のであれば何でもよく、その一例を第7図に示
す。第7図は第6図の装置の信号合成回路22の
部分を取り出してその入出力部とともに示した接
続図である。同図において23はパルス周波数制
御回路14の出力の立上りによりセツトされて第
2の比較器21の出力によりリセツトされるフリ
ツプフロツプ回路であり、24は第1の比較器の
信号(Ip−i)をフリツプフロツプ回路23の出
力が高レベルの間中、通過させて駆動回路6に伝
達するアナログスイツチ回路である。 また第8図はスイツチング方式により制御を行
うように構成した信号合成回路の実施例を示す接
続図であり、第1の比較器20′としてピーク電
流設定器Ipと電流検出値iとを比較しi<Ipのと
きのみ電流制御素子を導通させる信号を発生する
回路を用いるときの例を示す。同図において25
は第1の比較器20′およびフリツプフロツプ回
路23の出力を受けるAND回路であり、フリツ
プフロツプ回路23が出力を発生している間で出
力電流iが基準電流Ipより小の間のみスイツチン
グ素子2を導通させる信号を出力する。第8図の
実施例の動作を説明する。一般に比較器には必ら
ず有限の不感帯が存在する。このため第1の比較
器20′は出力電流iが基準値Ipより低い値から
増加するときには基準値Ipより若干高い値のIp1
となつたときに出力を発し、逆に基準値より高い
値から減少するときには基準値Ipより若干低い値
のIp2になるまでi>Ipの出力を発生する。そし
てこれらの動作電流Ip1とIp2との間の差ΔIp=Ip1
−Ip2は必らず有限の値となる。この結果、電流
制御素子2は出力電流iが小さな値からi=Ip1
に達するまで導通する。電流制御素子2がi=
ip1で遮断すると、それまでリアクトル3に蓄え
られていた電磁エネルギーが放出されて出力電流
がIp1の値から減少する。出力電流が減少してIp2
に達すると再び電流制御素子2が導通し、i=
Ip1に至るまで増加する。このように出力電流i
はIp1とIp2との間を往復するように増減をくりか
えし、平均値として基準値Ipに保たれる。 信号合成回路として第8図に示した回路を用い
るときは、電流制御素子2をアナログ素子として
ではなく、スイツチング素子として使用するの
で、より安定な制御が可能となるのみでなく、ス
イツチング時の損失のみを負担すればよいから素
子の容量を小さいものとすることができる。 また第8図の信号合成回路においては、パルス
周波数制御回路14の周波数よりも十分に高い周
波数の矩形波状の信号を発生する発振器を別途に
設けて、この信号をAND回路25に他の2つの
信号とともに入力して出力信号をチヨツパ制御す
るようにしてもよい。 第6図の実施例においても第4図と同様にパル
ス電流の立上り速度には無関係に基準電流Ixを超
えた期間の出力電流が積分されるので種々の外部
条件の変動にもかかわらず、スプレー移行のため
に有効となつた後のパルス電流の総量が常に一定
となるので、常に安定した溶接が実施できる。も
ちろん第6図の実施例においても、溶接電圧に対
応した信号を得てこれをパルス周波数制御回路1
4の周波数指令とするか、あるいはこれを基準値
設定回路16に供給して第2の比較器21の基準
値とすることによつてアーク長の変動による溶接
電圧の変動に対してこれを自動的に回復させるよ
うにすることができる。またワイヤの送給速度に
対応してパルス周波数あるいは出力電流の時間積
分値である基準値kを定めればワイヤ送給量とパ
ルス電流の平均値とを一元的に調整することが可
能となる。この場合、アーク長の変化に対してこ
れを自動制御するには、溶接電圧を検出して、こ
れに略逆比例して基準値kあるいは周波数を制御
すればよい。 さらに各実施例において、駆動回路6は前段の
パルス信号発生回路や信号合成回路の出力が十分
であれば特に設ける必要はない。さらに駆動回路
6にベース電流を流すための小電流信号をパルス
信号発生回路および信号合成回路の出力信号に重
畳するときはベース電流供給用の直流電源4は省
略することができる。この場合は第6図において
ベース電流時にもフイードバツク制御によりベー
ス電流を一定値に制御することができる。 以上のように本発明によるときは、パルスアー
ク溶接において最も重要な要件であるパルス電流
の積分値を、現実に溶滴がスプレー移行するため
に有効となる値における積算値として制御するの
で、電源電圧の変動や接続する出力ケーブルの取
替による出力回路のインピーダンス変化あるいは
アーク電圧の変化などによつても、常に必要な値
に確保出来ることになり、パルス電流を正確に同
期して溶滴をスプレー移行させることができ極め
て安定した溶接を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来のパルスアーク溶接における制御
方法を示す接続図、第2図a〜cは第1図の装置
の動作を説明するための説明図、第3図は溶滴の
スプレー化に影響するパルス電流値とパルス時間
幅との関係を調べた実験結果を示す線図、第4図
は本発明の実施例を示す接続図、第5図a〜fは
第4図の実施例の動作を説明するための説明図、
第6図は本発明の別の実施例を示す接続図、第7
図および第8図はそれぞれ第6図の実施例におけ
る信号合成回路の内部構造の例を示す接続図であ
る。 1……直流電源、2……電流制御素子、2′…
…スイツチング素子、11……電流検出器、14
……パルス周波数制御回路、12……積分回路、
16……基準値設定器、17……比較器、18…
…パルス信号発生回路、19……ピーク電流設定
器、20,20′……第1の比較器、21……第
2の比較器、22……信号合成回路、23……フ
リツプフロツプ回路、24……アナログスイツチ
回路、25……AND回路。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 消耗性電極を所定の速度で溶接部に送給しな
    がら行うパルスアーク溶接において、所定のピー
    ク値の直流電流を出力する直流電源と、前記直流
    電源の出力を開閉してパルス状とするスイツチン
    グ素子と、この出力電流のピーク値を超えない値
    Ixに設定された基準電流設定器と、出力電流iを
    検出する電流検出器と、パルス電流の通電を所定
    の周期でくりかえすためのパルス周波数制御回路
    と、前記基準電流設定器の出力信号Ixと前記電流
    検出器の出力信号iとを入力としi≧Ixとなつた
    ときに前記電流検出器の出力を積分し∫indt(nは
    任意の正数)を得る積分回路と、前記積分回路の
    出力に対してあらかじめ所定の基準値kを設定す
    る基準値設定器と、前記積分回路の出力と前記基
    準値設定器の出力とを比較し∫indt≧kとなつた
    ときに出力を発する比較器と、前記パルス周波数
    制御回路の出力信号を受信した時から前記比較器
    が出力を発生するまで継続した信号を出力するパ
    ルス信号発生回路と、前記パルス信号発生回路の
    出力信号に応じて前記スイツチング素子を導通さ
    せるための駆動回路とを具備したパルスアーク溶
    接装置。 2 前記パルス周波数制御回路が、溶接電圧に対
    応した周波数のパルスを発生する回路である特許
    請求の範囲第1項に記載の装置。 3 前記パルス周波数制御回路が、消耗性電極の
    送給速度に対応した周波数のパルスを発生する回
    路である特許請求の範囲第1項に記載の装置。 4 前記基準値設定器が、溶接電圧に対応した値
    の信号を出力する設定器である特許請求の範囲第
    1項ないし第3項のいずれかに記載の装置。 5 前記基準値設定器が、消耗性電極の送給速度
    に対応した値の信号を出力する設定器である特許
    請求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに記載
    の装置。 6 消耗性電極を溶接部に所定の速度で送給しな
    がら行うパルスアーク溶接において、直流電源
    と、前記直流電源の出力をパルス状に制御する電
    流制御素子と、出力電流のピーク値Ipを設定する
    ためのピーク電流設定器と、前記ピーク電流設定
    器によつて設定されるピーク値を超えない値Ixに
    定められた基準電流設定器と、出力電流iを検出
    する電流検出器と、パルス電流の流通を所定の周
    期でくりかえすためのパルス周波数制御回路と、
    前記ピーク電流設定器の出力信号Ipと前記電流検
    出器の出力信号iとを比較する第1の比較器と、
    前記基準電流設定器の出力信号Ixと前記パルス電
    流検出器の出力信号iとを入力としi≧lxとなつ
    たときに前記電流検出器の出力を積分し∫indt(n
    は任意の正数)を得る積分回路と、あらかじめ所
    定の基準値を設定する基準値設定器と、前記積分
    回路の出力と前記基準値設定器の出力とを比較
    し、∫indt≧kとなつたときに出力を発する第2
    の比較器と、前記第1および第2の比較器の出力
    と前記パルス周波数制御回路の出力とを入力とし
    パルス電流値とパルス幅とを決定する信号を出力
    する信号合成回路と、前記信号合成回路の出力信
    号に応じて前記電流制御素子を導通させるための
    駆動回路とを具備してなるパルスアーク溶接装
    置。 7 前記第1の比較器が、前記ピーク電流設定器
    の出力信号Ipと前記電流検出器の出力信号iとの
    差信号(Ip−i)を得る減算器であり、前記信号
    合成回路が、前記パルス周波数制御回路の出力信
    号を受信した時から前記第2の比較器の出力信号
    を受信するまでの間継続した信号を出力するパル
    ス時間制御回路と、前記パルス時間制御回路が出
    力を発生している期間中に前記第1の比較器の出
    力を前記駆動回路に伝達するアナログスイツチ回
    路とからなる特許請求の範囲第6項に記載の装
    置。 8 前記第1の比較器が、前記ピーク電流設定器
    の出力Ipと前記電流検出器の出力信号iとを比較
    しi<Ipのときのみ前記電流制御素子を導通させ
    る信号を発生する比較器であり、前記信号合成回
    路が、前記パルス周波数制御回路の出力信号を受
    信した時から前記第2の比較器の出力信号を受信
    するまでの間継続した信号を出力するパルス時間
    制御回路と、前記パルス時間制御回路の出力と前
    記第1の比較器の出力とを入力とするAND回路
    とからなる特許請求の範囲第6項に記載の装置。 9 前記パルス周波数制御回路が、溶接電圧に対
    応した周波数のパルスを発生する回路である特許
    請求の範囲第6項ないし第8項のいずれかに記載
    の装置。 10 前記パルス周波数制御回路が、消耗性電極
    の送給速度に対応した周波数のパルスを発生する
    回路である特許請求の範囲第6項ないし第8項の
    いずれかに記載の装置。 11 前記基準値設定器が、溶接電圧に対応した
    値の信号を出力する設定器である特許請求の範囲
    第6項ないし第10項のいずれかに記載の装置。 12 前記基準値設定器が、消耗性電極の送給速
    度に対応した信号を出力する設定器である特許請
    求の範囲第6項ないし第10項のいずれかに記載
    の装置。
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