JPH0121940Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スキー、スケート及びスノーモービ
ル等のウインタースポーツ用ならびにオートバイ
用手袋に関する。

この種の手袋においては手の甲部を保護するこ
とが要求される。従来においては、甲部の保護す
べき箇所に対応する手袋の各部位に突出保護パツ
ドを設けているが、その保護パツドは、牛皮等を
表面材としかつ発泡体等を内側パツドとして用い
て作られており、各保護パツドを別個独立に甲側
表面に縫合により設けて甲側表面部材としてい
た。また、ストツクの手皮の手首側方向への移動
防止のため、手の甲と手首との間の手首に近い部
分に相当する部位に設けられた突出部も同じよう
に作られていた。

かかる従来技術の手袋、例えば競技用スキー手
袋等の例が、実開昭57−87011号、同57−87012号
及び同57−147222号に記載されている。

上記構造を有する従来技術の手袋を製造するに
は、甲部保護部材等の製造を含めて多数の縫合工
程を要し、非常に手間のかかるものであつた。

また、従来の甲側表面部材は、平面素材、主に
皮革又は合成皮革等を平面裁断して用いられてい
るので、この部材は一次曲面しか構成せず、かく
して手の甲の湾曲部との適合性に乏しかつた。

本考案の目的は、手の甲の湾曲部に適合する二
次曲面の構成された甲側表面部材を有するウイン
タースポーツ又はオートバイ用手袋を提供するこ
とにある。

本考案の別の目的は、甲側表面部材として一体
成型部材を使用することにより、縫合工程が少な
くてすむウインタースポーツ又はオートバイ用手
袋を提供することにある。

従つて、本考案の手袋は、その甲側表面部材と
して、皮革又は合成皮革からなる甲側素材と合成
樹脂又は合成ゴムからなる甲側表面素材とを一体
成型して得られる、表面に突出保護パツド及び突
出部等の設けてなる甲側表面一体成型部材を使用
することを特徴とする。

また、本考案の手袋においては、甲側表面一体
成型部材とその内張り部材との同時成型、裏部材
（例えば、ナイロン、ベンベルグ布等）との同時
成型をすることができ、それにより製造工程が簡
略化され得る。また、同時成型により、手袋の掌
部との縫合が容易化されかつ縫合部の強度が改良
され得る。

本考案の手袋について、以下添付図面に基いて
説明する。

第１〜３図に示されているように、本考案の手
袋１には、突出保護パツド５，５′及び突出部６
等を設けてなる一体成型された甲側表面部材２が
用いられている。この甲側表面一体成型部材２
は、皮革又は合成皮革からなる甲側素材３と、突
出保護パツド等の設けてある甲側表面素材４との
一体成形体である。素材４は合成樹脂（例えばポ
リウレタン、ポリエチレン等）又は合成ゴムから
なり、初期の目的に合せて例示以外の他の樹脂も
使用できる。素材４としては、例えば、表面が堅
牢で内部は弾性度及び伸縮度が大である、適宜の
肉厚を有する軟質発泡成型品が好ましい。成型品
は、独立気泡構造又は連続気泡構造を有するもの
であり、また弾性度、伸縮度に加えて、高い耐衝
撃性、保温性を有するものが好ましい。

甲側表面一体成型部材は、手の甲の湾曲部に適
合するように構成された二次曲面を有しており、
これにより格別の着用感が得られる。

突出保護パツド５及び５′は、手指の関節部付
近に相当する部分ないし指の付根の関節部付近に
相当する部分に設けられており、図示（第３図）
したように均一の肉厚を有するものでも、また第
１〜２図のように一部不均一なものであつてもよ
い。いずれにしても、甲部の保護機能を示すもの
であれば、その大きさ、形状については制限がな
い。また、図示したように、手の甲と手首との間
の手首に近い部分に相当する部分等の肉厚を大に
して、突出部６を設け、ストツクの手皮の移動を
防止するという所定の機能を果たすようにするこ
とができる。

甲側表面一体成型部材の関節部付近に相当する
部分等の折曲部は、折曲性が大であつて、手袋と
しての機能を十分に発揮できる構造を有するもの
でなければならない。例えば、突出保護パツド
５，５′等の部分にスリツトのような切り込み等
を設けることにより折曲げを容易にすることがで
きる。また、折曲部分を他の部分より軟質でかつ
伸縮度が大なる素材で構成せしめたり、また第３
図に示したように、折曲部分の一部分の肉厚を残
りの部分よりも薄くすること等によつて折曲げを
容易にすることができる。

本考案の手袋は、甲側表面一体成型部材と掌側
部材とを通常の方法に従つて縫合することにより
作られるが、一体成型品を使用するので、従来の
場合よりも縫合工程が少なくてすみ、作業性が向
上する。

なお、この両部材の縫合は皮革同士の縫合であ
るので、容易に縫合されかつその縫合部の強度は
満足すべきものである。

本考案の手袋は、天然皮革、合成皮革等のいか
なる材料で作られたものでもよく、また前記した
本考案の特徴部分以外はいかなる大きさ、形状、
構造を有していてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のウインタースポーツ用手袋の
１例を示す透視図であり、第２図は第１図の手袋
の構成のうち甲側表面一体成型部材の透視図であ
り、第３図は別の甲側表面部材の透視図である。 図面内の符号：１……手袋、２……甲側表面一
体成型部材、３……甲側素材、４……甲側表面素
材、５……突出保護パツド、６……突出部、７…
…スリツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 手の甲側表面に突出保護パツド及び突出部を設
   けてなるウインタースポーツおよびオートバイ用
   手袋において、 手の甲側表面部材として、皮革又は合成皮革か
   らなる甲側素材３と合成樹脂又は合成ゴムからな
   り突出保護パツド５，５′と突出部６を有する甲
   側表面素材４とを一体成型して得られた、手指の
   関節部付近に相当する部分と指の付根の関節部付
   近に相当する部分にそれぞれ突出保護パツド５，
   ５′及び手の甲と手首との間の手首に近い部分に
   相当する部分に突出部６を設けてなる甲側表面一
   体成型部材２を使用することを特徴とする該手
   袋。