JPH0120010Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、金属帯板等のフープを巻いたコイ
ルからフープを繰り出すのに使用する横型フープ
材繰出装置に関するものである。

従来、フープ材を巻いたフープコイルからフー
プ材をプレス機械等に繰出供給する場合に使用す
るフープ材繰出装置としては、フープコイルを嵌
合支持するリールを、スタンドの上方側部に横軸
により回転自在に取付けた構造のものが知られて
いる。

しかるに、この構造のフープ材繰出装置の場合
は、リールに対しフープコイルを着脱するとき、
大重量のフープコイルを横方向から嵌挿または抜
き出す作業を行なわねばならないので、着脱作業
を行ないにくく、かつリールがスタンドの上方側
部に片持梁式に支持されているので、フープ材を
多量に巻いた大重量のフープコイルを支持する場
合は、フープ材繰出装置に強度上の問題が生じ
る。またフープ材に引出力を加えると、フープコ
イルを支持しているリールが自動的に回転する
が、フープ材から引出力を除いたのちも、リール
およびフープコイルがそれらの慣性により繰出方
向に回転するので、回転が不安定であり、かつフ
ープ材の繰出量が過大になつてフープ材が大きく
撓み床に接触する恐れがあり、これを防止するた
めには床にピツトを設けねばならない。

またリールを一定速度で回転させるためのリー
ル駆動装置を設けたフープ材繰出装置も知られて
いるが、この場合は、高価な電動式リール駆動装
置を必要とするという問題がある。

この考案は前述の問題を有利に解決した横型フ
ープ材繰出装置を提供することを目的とするもの
である。

次にこの考案を図示の例によつて詳細に説明す
る。

図面はこの考案の一実施例を示すものであつ
て、水平な上面を有する円形支持台１の下部の前
後および左右両側に、伸縮式支脚１２の上端部が
固定され、その伸縮式支脚１２は、上下方向に間
隔をおいて設けられた複数のピン孔１３を有する
下部支脚１４と、上下方向に間隔をおいて設けら
れた複数のピン孔１５を有しかつ前記下部支脚１
４に摺動自在に嵌挿された上部支脚１６と、各支
脚１４，１６を連結するピン１７とにより構成さ
れている。

前記支持台１の中央部に垂直な支軸２の下部が
固定され、その支軸２の中間部には、水平なフー
プコイル支承面を有する円形のフープコイル支承
盤３の中央部が、軸受１８を介して回転自在に嵌
設され、かつフープコイル支承盤３の下部の中心
側部分は支持台１により中心側軸受４を介して支
承され、さらにコイル支承盤３の下部の外周側部
分は、前記支持台１の上面の環状溝に嵌合された
球体からなる多数の転子５により支承されてい
る。

フープコイル支承盤３の中央部上面に環状板体
からなる制動部６がビスにより固定され、前記支
軸２に摺動自在にかつ回動不能に嵌合された環状
のブレーキ盤７は環状本体１９とその下面に固着
された環状摩擦板２０とにより構成され、その摩
擦板２０は前記制動部６に載置され、かつ支軸２
の上部には制動力調節用ナツト８および固定用ナ
ツト２１が螺合され、さらに制動力調節用ナツト
８と前記ブレーキ盤７との間には、つる巻きばね
からなる制動ばね９が圧縮状態で介在されてい
る。

前記フープコイル支承盤３に、フープコイル２
２の内周面を嵌合するための４本のコイル位置決
め支承部材１０が支軸２を中心とする円上におい
て等間隔で設けられ、かつ前記支持台１の周囲の
上部には、フープコイル支承盤３の周縁に近接す
る位置において複数の垂直なローラ支軸２３の下
部が固定され、そのローラ支軸２３にはフープ材
繰出ガイド用サイドローラ１１が回転自在に嵌設
され、さらにフープコイル支承盤３の下面には、
前記転子５よりも外側において環状溝が設けら
れ、その環状溝にはゴム製シールリング２４が嵌
合されて接着剤等により固着され、また前記シー
ルリング２４の下部は支持台１の上面に設けられ
た環状溝に回動自在に挿入されている。

なおフープコイル支承盤３にセツトされたフー
プコイル２２から繰り出されたフープ材２４は水
平なガイドローラ（図示を省略した）により支承
されながらプレス機械等に供給される。

前記実施例の場合は、フープコイル支承盤３の
中心側上面にこれと別体の環状板体からなる制動
部６を固定しているが、このように構成しない
で、フープコイル支承盤３の中心側上面を制動部
としてもよい。

この考案によれば、単にフープコイル２２を横
向きにしてコイル位置決め支承部材１０に嵌合し
ながらフープコイル支承盤３に吊り下ろすことに
より、フープコイル２２をフープコイル支承盤３
の所定位置に容易にセツトすることができ、かつ
単にフープコイル２２を吊り上げることにより、
フープコイル２２をフープコイル支承盤３から取
外すことができ、そのためフープ材繰出装置に対
するフープコイルの取付けや取替え等の作業を容
易にかつ迅速に行なうことができ、さらにフープ
コイル支承盤３は、支持台１により中心側軸受４
および外周側転子５を介して支承されているの
で、フープコイル支承盤３に多量のフープコイル
２２を載置しても、フープコイル支承盤の撓みが
殆んど無くフープコイル支承盤を安定状態で回転
させることができ、しかもフープコイル支承盤３
の中心側にある制動部６に、支軸２に摺動自在に
かつ回動不能に嵌合されているブレーキ盤７が当
接されると共に、そのブレーキ盤７と支軸２に螺
合された制動力調節用ナツト８との間に、制動用
ばね９が介在されているので、フープコイル支承
盤３にセツトされているフープコイル２２からフ
ープ材２４を引出すと、フープコイル支承盤３が
適度の制動力を受けながら回転し、そのためフー
プコイル支承盤３およびフープコイル２２がそれ
らの慣性により回転するのを防止して、フープコ
イル支承盤およびフープコイルを安定状態で回転
させると共に、フープ材が過度に繰り出されて大
きく撓む恐れを排除することができ、しかも多量
に巻いたフープコイルからフープ材を安定した速
度で繰り出していくことができるので、生産性お
よび歩留まりを向上させることができる。またフ
ープコイル支承盤を一定速度で回転させるための
高価な電動式駆動装置を必要としないので、安定
した速度でフープ材を繰り出すことができるフー
プ材繰出装置を低コストで製造することができ、
しかも制動力調節用ナツト８を回動することによ
り制動力を容易に調節することができ、さらに制
動機構はフープコイル支承盤３の中心側に設けら
れているので、制動機構を簡単にかつ小型に製作
できる等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すものであつ
て、第１図は横型フープ材繰出装置の正面図、第
２図はその平面図、第３図は一部を示す拡大縦断
正面図、第４図はフープコイルの繰り出しに使用
している状態を示す一部縦断正面図である。 図において、１は支持台、２は支軸、３はフー
プコイル支承盤、４は中心側軸受、５は外周側転
子、６は制動部、７はブレーキ盤、８は制動力調
節用ナツト、９は制動用ばね、１０は支承部材、
１１はフープ材繰出ガイド用サイドローラ、１２
は伸縮式支脚、１８は軸受、２０は環状摩擦板、
２２はフープコイル、２４はゴム製シールリング
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平な支持台１の中央部に支軸２の下部が固定
   され、その支軸２に中央部が回転自在に嵌設され
   たフープコイル支承盤３は、前記支持台１により
   中心側軸受４および外周側転子５を介して支承さ
   れ、フープコイル支承盤３の中心側上部に設けら
   れた制動部６には、前記支軸２に摺動自在にかつ
   回動不能に嵌設されているブレーキ盤７が当接さ
   れ、かつ支軸２の上部に螺合された制動力調節用
   ナツト８とブレーキ盤７との間には制動用ばね９
   が介在され、さらにフープコイル支承盤３には、
   フープコイルの内周面を嵌合するコイル位置決め
   支承部材１０が固定され、前記支持台１の周囲に
   はフープ材繰出ガイド用サイドローラ１１が取付
   けられていることを特徴とする横型フープ材繰出
   装置。