JPH0118835Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内燃機関の、特に電子式燃料噴射シス
テムの燃料インジエクタにかかる燃料圧を調整す
る燃料圧力調整弁装置に関する。

上記種類の燃料圧力調整弁装置として、例えば
実開昭51−101429号公報に記載されるものが既に
知られている。このものはスプリングによつて付
勢されるとともに、一側に燃料圧力を受け他側に
インテークマニホールド等の負圧源からの負圧を
受けるダイヤフラムと、該ダイヤフラムの変位に
よつて燃料をリリーフ孔へリリーフする弁体より
なる調整弁を有する。しかしながらこの調整弁
は、それ自体独立して構成されており、電子式燃
料噴射システムの中に配設するためには、該調整
弁取付け用のフランジ、ボス等の配設を必要と
し、また余分の配管が必要であるという不利益が
ある。

そこで本考案は、格別の取付け用フランジ、ボ
ス、余分な配管を不要とすることを目的とするも
ので、そのために本考案は、ボデイ内に配設され
その一側に燃料入口と連通する燃料室を区画しそ
の他側に負圧先源に連通される負圧室を区画する
可動部材と、該可動部材を燃料室内の燃料圧に抗
して付勢するスプリングと、可動部材に連動され
てボデイに形成される燃料入口と燃料リリーフ孔
間の連通を制御する弁体を有する調整弁を、燃料
デリバリパイプの開口端にはめ込むものであるか
ら、調整弁取付け用のフランジ、ボスが不要であ
り、又、余分な配管が不要なものである。

本考案は上記の構成であるから、調整弁を構成
する各部を、調整弁内にいわゆるカプセル状に事
前に配設することが出来、かく配設すれば、調整
弁をデリバリパイプの開口端に単にはめ込むだけ
でよく、従来のダイフフラムの外周をボデイに挟
着する場合に比し、組み付けが容易にできるとい
う効果がある。

以下、本考案の一実施例を添付図面により説明
する。

図面において、燃料デリバリパイプ１０は、そ
の内部に燃料ポンプから電子式燃料噴射システム
の燃料インジエクタに燃料を供給する燃料通路１
１を有しており、この通路１１は、後述の調整
弁、及びシール１２，１３を介してジヨイント１
４、配管１５を保持する部材１６に形成される通
路１７を介して燃料タンクに連結されている。デ
リバリパイプ１０の開口端において、パイプ１０
の内周肩部１８に対してＯリング１９を介して調
整弁２０がはめ込まれる構成である。

この調整弁２０は、燃料通路１１に連結する燃
料入口２１と通路１７に至るリリーフ孔２２を有
するシリンダ状ボデイ２３、該ボデイ２３内に摺
動自在に配設される可動体２４、該可動体２４に
形成される外周溝２５内にはめ込み配設されると
ともにボデイ２３の内周面と当接するリツプ２６
を有し、それによつてボデイ２３内を入口２１と
連結する燃料室２７と車両のインテークマニホー
ルド等の負圧源と連結する負圧室２８を夫々気密
に区画するカツプシール２９、可動体２４を図示
右方へ付勢するスプリング３０、可動体２４の変
動に応じて作動されボデイ２３に形成されるシー
ト３１と当接又は、シート３１から離間して入口
２１とリリーフ孔２２間の連通を制御するポペツ
ト型弁体３２、この弁体３２をシート３１から離
間する方向へ付勢するスプリング３３を有する。
スプリング３０の付勢力はスプリング３３の付勢
力より十分大きく、従つて通常時、可動体２４は
図示位置にあつて、弁体３２がシート３１と当接
する閉位置にある。可動体２４は外周延在３４を
有し、この延在部３４はボデイ２３内の摺動に対
する案内部材として機能するとともにカツプシー
ル２９の傾きをも防止している。

スプリング３０の端部を受けるリテーナ３５
は、ボデイ２３に固定されるネジ部材３６に螺合
される調整ネジ３７の進退によつて、配設位置が
調節され、それによつて結局、スプリング３０の
付勢力が所望に調整される。調整弁２０は、ネジ
部材３６の左方凹所に配設されるばね部材３８に
よつてそのボデイ２３が肩部１８に当接する図示
位置に保持される。このばね部材３８は、デリバ
リパイプ１０の開口端を閉塞するカバー３９がパ
イプ１０にパルス溶接される際の溶接チツプが負
圧室２８に入ることを防止する機能をも有する。
カバー３９には負圧源と連結される配管４０が固
定され、この配管４０は、ばね部材３８に形成さ
れる通路４１、ネジ部材３６に形成される通路４
２を介して前述の負圧室２８に連結されている。

ボデイ２３内に上記した各部を有する調整弁２
０は、いわばカプセル状に形成されデリバリパイ
プ１０の開口端にはめ込まれるだけでよく、従つ
てその取付けのために特別なフランジ、ハブを必
要とせず、また配管も必要としない。又、カツプ
シール２９は可動体２４の外周溝２５内にはめ込
まれるだけでよく、その取り付け用フランジを必
要としないから装置自体が大型化されることはな
い。

上記した燃料圧力調整弁装置において、カツプ
シール２９を有する可動体２４は、スプリング３
０によつて図示右方へ付勢され、車両の運転状態
に応じた負圧が導入される負圧室２８内の負圧
値、及び燃料室２７内の燃料圧力によつて左方へ
付勢される。従つて、負圧室２８内の負圧値が比
較的小さいときは、比較的高い燃料圧力によつて
可動体が図示左方へ移動され、負圧室２８内の負
圧値が比較的高いときは、比較的低い燃料圧力に
よつて可動体が図示左方へ移動され、可動体の該
移動に追従してスプリング３３によつて付勢され
る弁体３２がシート３１から離間し、燃料入口２
１をリリーフ孔２２に開くことによつて燃料圧力
が低下する。燃料圧力が低下すると、スプリング
３０によつて可動体２４が図示右方へ移動し、そ
れに応じて弁体３２がシート３１に当接するよう
に付勢されて入口２１とリリーフ孔２２の連通を
遮断する。以下、斯様な作動がくり返されること
によつて、燃料圧力が負圧室２８内の負圧値に応
じて所望の値に調整される。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の燃料圧力調整装置の一実施例を
示す断面図である。 １０……燃料デリバリパイプ、２０……調整
弁、２１……燃料入口、２２……リリーフ孔、２
３……ボデイ、２４……可動体、２７……燃料
室、２８……負圧室、２９……カツプシール、３
０……スプリング、３２……弁体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料入口と燃料リリーフ孔を有するボデイと、
   該ボデイ内に配設されその一側に前記燃料入口と
   連通する燃料室を区画しその他側に負圧源に連通
   される負圧室を区画する可動部材と、該可動部材
   を前記燃料室内の燃料圧に抗して付勢するスプリ
   ングと、前記可動部材に連動されて前記燃料入口
   と前記燃料リリーフ孔間の連通を制御する弁体を
   有する調整弁を、燃料デリバリパイプの開口端に
   はめ込んでなる燃料圧力調整弁装置。