JPH01176862A - 摺動特性にすぐれたバルブ部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はバルブの摺動部材の改良に関する。

〔従来の技術〕

粉粒物（例えば石炭粉、珪砂粒等）を含む流体の流路の
開閉・流量調節弁として使用されるシートバルブは、環
状部材であるボディシートと、該ボディシートの孔径に
ほぼ等しい開孔を有する板状部材であるディスクとの２
つの摺動部材を備えている。そのディスクとボディシー
トは、その摺動面の摩耗抵抗性が高く、かつ摺動特性に
すぐれたものであることが必要である。耐摩耗性に乏し
いと、摺動面の摩損による流体の漏れが発生し易く、ま
た摩擦係数が高いと、バルブ操作に大きな動力を必要と
するだけでなく、摺接面にガーリング（カジリ）現象に
よる損傷が生じることにより、流量調節弁としての機能
が損なわれる等、耐用寿命および機能の維持に問題が多
いからである。流体が腐食性のガス等である場合は耐食
性をも必要とし、また高温流体を扱う場合は、その高温
域における耐摩耗性、摺動特性、耐食性等を有するもの
でなければならない。

このようなバルブの摺動部材の材料としてステライト合
金（２８Ｃ　ｒ　−　Ｉ　Ｃ−４Ｗ−３　Ｆ　ｅ−Ｃ　
ｏ）、あるいは窒化けい素等のセラミック焼成品等が使
用されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかるに、ステライト合金では、高温耐摩耗性に乏しく
、また相手材との摺接面にガーリングが生じ易い。他方
、窒化けい素等のセラミック焼成品は、耐摩耗性にすぐ
れ、またガーリングも生じにくく、良好な摺動特性を有
しているが、使用時の熱衝撃による割れが生じ易く、ま
た焼成品の均質性（特に内部品質の健全性）保持の点か
ら、製作可能な形状・サイズに制限がある。

本発明は上記問題点を解決するための改良されたバルブ
の摺動部材を提供するものである。

〔問題点を解決するための手段および作用〕本発明のバ
ルブ摺動部材は、向かい合う摺動部材の少なくとも一方
の摺動面が、金属マトリックスに分散相粒子として２０
〜８０重量％の炭化物系セラミック粒子が混在する複合
肉盛層で形成されていることを特徴としている。

本発明の摺動部材の摺動面を形成する複合肉盛層中に分
散混在する炭化物系セラミック粒子は、例えば炭化クロ
ム（Ｃｒ　ｘＣｚ、　　Ｃｒ　ｑＣ３等）、炭化タング
ステン（ＷＣ）、炭化ニオブ（Ｎ　ｂ　Ｃ）、炭化珪素
（ＳｉＣ）等である。その粒径は、約５０〜２００μｍ
であればよい。これらの炭化物系セラミック粒子は、Ｃ
ｏ基合金マトリックス中に分散混在して、その複合肉盛
層にすぐれた高温耐摩耗性、高温強度等を与えると共に
、これに摺接する相手部材とのかじりや焼付き等を生じ
ない安定した摺動特性を付与する。この分散相粒子であ
る炭化物系セラミック粒子の複合肉盛層に占める割合を
２０〜８０重量％に限定したのは、２０重量％より少な
いと、上記分散効果が少なく、特に耐摩耗性の改善効果
が不足するからであり、他方８０重量％を上限としたの
は、それをこえると、複合肉盛層を溶接肉盛法等で形成
する場合の施工性が悪くなり、肉盛層の均質性の低下、
靭性不足による割れの発生等をみるからである。

複合肉盛層のマトリックス金属は、各種鉄基合金、Ｃｏ
基合金等であり、鉄基合金の好ましい例として、Ｃｒ　
：　１０〜３５％、　Ｎ　ｉ　：　２〜１０％、残部実
質的にＦｅ、またはＦｅの一部が、２０〜５０％のＣｏ
、　２〜６％のＭｏ、２〜６％のＷ、　２〜１５％のＡ
１２％以下のＣ等の１種もしくは２種以上の元素で置換
された合金鋼が挙げられ、またＣ。

基合金の好ましい例としては、Ｃｒ：１０〜３５％。

Ｆｅ：５％以下、残部実質的にＣｏ、またはＣ。

の一部が、２〜１０％のＷ１２〜１０％のＭｏ、５％以
下のＮｉ、２％以下のＣ等の１種もしくは２種以上の元
素で置換された合金が挙げられる。

上記複合肉盛層の形成は１．マトリックスとなる金属の
粉末と分散相となる炭化物系セラミック粉末との混合物
を原料とし、例えば溶接肉盛法を適用して行うことがで
きる。その層厚は、例えば３〜５１１Ｉ１１であるが、
むろんこれに限定されず、使用条件に応じて厚薄任意の
層厚に形成すればよい。

第１図は、ガス流遮断弁として使用されるシートバルブ
に本発明を適用した例を示している。

（１０，１０）はボディシート、（２０）はディスクで
ある。

ボディシート（１０）は円筒状金属部材であり、ディス
ク（２０）は板面にボディシート（１０）の中空孔（１
１）の孔径とほぼ同じ孔径の流体流通孔（２１）を有す
る金属板材である。そのディスク（２０）の表面には、
流体流通孔（２１）を囲む部分と、それに隣接する流体
遮断面部（２２）を囲む部分に、本発明の複合肉盛層か
らなる摺動面（２３，２３）が形成されている。他方、
ボディシー）（１０，１０）の円環端面はセラミック（
例えば、窒化けい素焼粘体）からなる摺動面（１２）が
形成されている。なお、ボディシート（１０）はその全
体がセラミックからなる焼結晶であってもよい。上記デ
ィスク（２０）は、その流体流通孔（２１）がボディシ
ート（１０）に対面する位置と、流体遮断面部（２２）
がボディシー）　（１０）に対面する位置との間を矢符
ａ方向に往復摺動して流体（Ｆ）の流路を開閉する。上
記の説明では、ディスク（２０）の摺動面を複合肉盛層
で形成し、ボディシート（１０）の摺動面をセラミック
で形成することとしたが、その逆にディスク（２０）の
摺動面にセラミック、ボディシート（１０）の摺動面に
複合肉盛層を適用してシートバルブを構成してもよいこ
とは言うまでもない。また、ボディシート（１０，１０
）の摺動面（１２）およびディスク（２０）の摺動面（
２３，２３）の両者を本発明の複合肉盛層を以て形成す
ることもできる。

〔実施例〕

第２図に示す２つの部材ＡおよびＢの端面に下記材質の
摺動面を形成し、摩擦試験を行う。部材Ａの摺動面（Ａ
１）は円環形状（内径１０ｍｍ、外径２０ｍｍ）であり
、部材Ｂの摺動面（Ｂ１）は正方形状（３０ｍｍＸ３０
ｍｍ）である。

（１）摺動面材質 （１）複合肉盛層１ マトリックス金属：Ｃｒ３０％、Ｎｉ４％。

ｅＢａ１ 分散相粒子：炭化ニオブ（Ｎ　ｂ　Ｃ）、平均粒径１０
０μｍ 分散相粒子混合割合二６０重量％ （２）複合肉盛層２ マトリックス金属：Ｃｒ１５％、Ｆｅ２％。

Ｃｏ　　Ｂａｌ。

分散相粒子：炭化クロム（Ｃｒ　３Ｃ２）ｌ平均粒径１
００μｍ 分散相粒子混合割合：５０重量％ （３）Ｃｏ基合金 Ｃｒ２Ｏ％、Ｗ４％、Ｃ１％、Ｆｅ３％。

Ｃｏ　　Ｂａ１．　　（ステライト＃６合金相当）（４
）セラミック 窒化けい素（ＳｉｓＮｎ）のホットプレス焼結体上記各
摺動面材料の硬度は次のとおりである。

（ｎ）摩擦試験 部材Ａと部材Ｂの摺動面を向い合せ、その摺動面を６０
０℃に加熱保持し、１００ｋｇの押付荷重を加えた状態
で１０回転させ、摩擦係数を測定すると共に、試験後の
摺動面状況を目視観察した。

部材Ａ、Ｂの摺動面の材質の組合せ、および摩擦試験結
果を第１表に示す。表中、Ｎα１〜４は発明例、阻１１
および１２は比較例である。

第１表に示したとおり、Ｃｏ基合金同士の組合せである
Ｎａ１１やＣｏ基合金とセラミックの組合せであるＮα
１２などの従来の摺動面構成に比べて、発明例Ｎα１〜
４は摩擦係数が低く、かつＮα１１．１２と異なって焼
付の発生もなく、良好な摺動特性を有していることがわ
かる。また、前記のように、複合肉盛Ｎ１および２は、
Ｃｏ基合金等に比し、極めて高い硬度を有しており、良
好な摺動性と併せて、高位安定な摩耗抵抗性をも備えて
いる。

〔発明の効果〕

本発明のバルブ部材は、摺動特性、耐摩耗性等にすぐれ
、かつ焼付等が生じにくいので、パルプ機能の安定化、
耐用寿命の向上に大きな効果が得られる。なお、その摺
動面の複合肉盛層は溶接法等により形成することができ
るので、適用されるバルブの形式、や形状・サイズの制
限はない。

【図面の簡単な説明】

第１図（１’）は本発明の実施例を示す断面図、同図（
ＩＩ）および（Ｉ［［）は、同図（Ｉ）に示す各部材の
正面図、第２図（Ｉ）は摩擦試験要領説明図、同図（Ｉ
Ｆ）および（Ｉ［）は摩擦試験材の摺動面の平面図であ
る。 １０：ボディシート、２０：ディスク、１２．２３：摺
動面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）向かい合う摺動部材の少なくとも一方の部材が、
   金属マトリックスと分散相粒子である２０〜８０重量％
   の炭化物系セラミック粒子からなる複合肉盛層からなる
   摺動面を有することを特徴とする摺動特性および耐摩耗
   性にすぐれたバルブ部材。