JPH0111255Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、輸液容器または輸血容器などの薬液
容器に使用する空気針である、フイルター付針に
関するものである。

フイルター付針は、医療用の点滴治療に使用さ
れ、薬液容器にフイルター付針を差し込み、フイ
ルターの撥水性により薬液または血液の流出を防
ぎながら空気を通過させ薬液または血液の点滴治
療を可能にするものである。

そして、従来の空気針には、第２図に示すよう
に、針１の後端に取り付けられた注射器差込口２
に、薬液または血液の流出を防ぐ為に合成繊維綿
が詰め込まれており、この綿の撥水性と通気性と
によつて点滴を可能にしていた。４は薬液容器で
ある。

しかし、このような空気針においては、注射器
差込口への合成繊維綿の充填が面倒であり、また
合成繊維の屑が薬液容器内に入つていく危険性が
あり、また注射器差込口と合成繊維綿の隙間から
空気中の塵埃が入り込む危険性があつた。

本考案は、これらの欠点を解消した空気針であ
るフイルター付針を提供することにある。上記目
的を達成するものは、薬液容器を穿刺可能な針先
を有する針と、該針の後端に取付けられた熱可塑
性樹脂の粉末の焼結体により形成された薬液の流
出を防止しかつ空気を通過させるフイルターとか
らなるフイルター付針である。

本考案のフイルター付針を図面を用いて説明す
る。

本考案のフイルター付針は、第３図に示すよう
に針１と、針１の後端に取付けられたフイルター
２とからなつており、従来の第２図の空気針にお
ける合成樹脂製注射器差込口２と、合成繊維綿３
とに代わつてフイルター２が針１に直接溶着また
は接着されている。また、フイルター２は、薬液
または血液を透過せずかつ通気性を有しており、
針１の先端は、薬液容器を穿刺可能な針先となつ
ている。

そして、フイルター２は、熱可塑性樹脂の粉末
の焼結体により形成されている。フイルターを上
記のような焼結体により形成しかつ直接針をフイ
ルターに取り付たため、薬液容器中に合成繊維の
屑が入つていく危険性、また空気中の塵埃が入り
込む危険性が防止できる。

そして、フイルター材料について具体的に述べ
ると、オレフイン系またはシリコン等の熱可塑性
樹脂の粉末の80メツシユ〜500メツシユのものを
炉温度180℃〜800℃で１分〜１時間の焼結を行い
成形する。焼結は型により容易にできる。

フイルターを通しての清潔度は、実験の結果90
メツシユ〜300メツシユ（中位径120メツシユ）の
樹脂粉末の焼結の場合は、1μ程度の不純物は99.5
％、5μ程度の不純物は100％除去できた。

次に、本考案のフイルター付針の作用について
説明する。

第１図は、本考案のフイルター付針の一使用例
で、点滴治療に使用する場合を示している。第１
図中の３がフイルター付針である。まず、薬液容
器４にフイルター付針３を差し込むことにより、
フイルター付針３より空気が薬液容器４内に流入
し、その流入量に従つた量の薬液がゴム管２を通
つて流出し、点滴が行なわれる。この時、薬液ま
たは血液がフイルター付針３から流出しないの
は、フイルターの撥水性のためである。

次に、本考案の効果について説明する。本考案
のフイルター付針は、薬液容器を穿刺可能な針先
を有する針と、該針の後端に取付けられた熱可塑
性樹脂の粉末の焼結体により形成された薬液の流
出を防止しかつ空気を通過させるフイルターとか
らなるものであり、まず従来のような、合成繊維
綿を使用しないため、注射器差込口への合成繊維
綿の充填の必要がなく、また合成繊維の屑が薬液
容器内に入つていく危険性もない。さらに、針に
フイルターを直接取り付けたため、従来のような
注射器差込口と合成繊維綿の隙間がなくなり、よ
つてその隙間から空気中の塵埃が入り込む危険性
がない。よつて、薬液または血液を流出させるこ
となく薬液容器内に清潔な空気を流入させること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のフイルター付針の一使用例
を示す図であり、第２図は従来の空気針およびそ
の使用状態を示す図であり、第３図は、本考案の
フイルター付針およびその使用状態を示す図であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 薬液容器を穿刺可能な針先を有する針と、該針
   の後端に取付けられた熱可塑性樹脂の粉末の焼結
   体により形成された薬液の流出を防止しかつ空気
   を通過させるフイルターとからなることを特徴と
   するフイルター付針。