JPH01111031A

JPH01111031A - 羊毛又は羊毛製品の捲縮法

Info

Publication number: JPH01111031A
Application number: JP26830087A
Authority: JP
Inventors: Katsumi Umeyama; 梅山　克己; Atsuko Higo; 肥後　温子
Original assignee: Toyo Bussan Co Ltd
Current assignee: Toyo Bussan Co Ltd
Priority date: 1987-10-26
Filing date: 1987-10-26
Publication date: 1989-04-27

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、羊毛又は羊毛製品の捲縮法に関する。

（従来の技術）従来の羊毛の捲縮法は、いずれも、羊毛に水蒸気を当て
加熱加湿処理するものである。

（発明が解決しようとする問題点）従来の加湿処理法は、大規模な加熱水蒸気発生装置を要
するばかりでなく、その加湿捲縮処理後の濡れた捲縮し
た羊毛を乾燥する乾燥工程と乾燥装置を不可欠とし、運
転費用、製造コストの増大をもたらした。更には、その
スチーム工程では、不均染の原因となる加湿むらや結露
対策が必要となり、又スチーム温度やドライ工程までの
放置時間の変化により、捲縮の固定状態が不充分となっ
て、安定した均一な捲縮羊毛が製造できない嫌いがあっ
た。

（問題点を解決するための手段）本発明は、かかる従来のスチームによる羊毛の捲縮加工
法を廃し、従来法に比し簡単迅速に且つ安価に良好安定
な捲縮羊毛又は羊毛製品を製造し得る方法を提供するも
ので、羊毛又は羊毛製品にマイクロ波を照射することを
特徴、とする。

（作　用）マイクロ波により羊毛繊維が捲縮する原理は、不明であ
るが、羊毛自体に含まれている水分が、マイクロ波（２
４５０ＭＨｚ　、　９１５ＭＨｚなど）照射によって、
恰も一時的に蒸気をあてられたように加熱水蒸気となっ
て繊維の捲縮に利用されるものと考えられる。照射後は
、含水率の低下した捲縮羊毛繊維は急速に固定され、照
射後数時間経過すると、大気中の湿気を吸い、該捲縮羊
毛の含水率は、もとの水分レベルに自然に回復すること
が認められた。更に詳細には、原料羊毛繊維にマイクロ
波を照射すると、被照射体内に含まれる水分子が、マイ
クロ波の交番電場に配向しようとして振動回転し、熱エ
ネルギーを与えられる。これによって、羊毛繊維の捲縮
が、従来の外部から水蒸気加熱することにより捲縮され
ると同様に、羊毛繊維の捲縮作用をもたらすものと推察
される。

又マイクロ波電場での急速な脱水が羊毛繊維の物性変化
、捲縮をもたらすと推察される。

マイクロ波照射後の捲縮羊毛は、湿気を吸いもとの水分
含有量にもどるが、その捲縮状態はそのまま維持される
ので、良好な保温性と嵩高性の向上した製品として得ら
れる。尚、マイクロ波による羊毛の捲縮作用効果を有効
に利用するためには、被照射羊毛量の体積や密度を調整
し、７４２口波の照射量をコントロールするなどによっ
て目的とする品質の良い捲縮羊毛製品が得られる。

（実施例）本発明の実施例を添付図面に示す本法を実施するための
マイクロ波照射装置例によって説明する。

図面で（１）はマグネトロン発振器を示し、該発振器（
１）より発生するマイクロ波（２４５０ＭＨｚ　。

９１５ＭＨｚ）を導波管（２）を介してオーブン室（３
）内に導入するようにする。該オーブン室（３）には、
その両端に入口（４）と出口（５）を設ける。該オーブ
ン室（３）には、その上下に間隔を存して該オーブン室
（３）をその人口（４）と出口（５）を貫通してその対
向面側で矢示方向に進行する多孔性の無端ベルトコンベ
ア（６）　（７）を配設し、かくして、該上下１対のベ
ルトコンベア（６）　（７）の進゛行を介してその間に
、捲縮加工すべき羊毛ａをそのオーブン室（３）の入口
（４）からオーブン室（３）内に導入し、所定の厚さ（
密度）で挾持してオーブン室（３）内を通過させ、出口
（５）より導出させるようにし、この搬送過程において
、上記のマイクロ波をその帯状の被処理物、羊毛ａに照
射され、出口（６）からは捲縮羊毛製品ａ′として導出
されるようにする。１対のコンベアベルト（６）（７）
の導入側は、被処理物ａの適量が送り込み易いようにそ
のコンベアベルト（６）　（７）の対向面が一定の角度
θをもつように形成されることが好ましい。コンベアベ
ルト（６）　（７）は、何れも、マイクロ波的に加熱さ
れにくい誘電損失の少ない材質で構成されることが好ま
しく、又被処理物ａがオーブン室（３）内に送り込みを
容易にし而も加熱され易くなる様なネット状に構成する
ことが好ましく一般である。

該被処理物ａがオーブン室（３）内を通過する間に、マ
イクロ波照射を受けるときは、自己発熱から捲縮へと物
性変化を起し、加熱発熱から水蒸気の発生と共に含水率
の低下をきたして、収縮、硬化現象を与えられ、出口（
６）から搬出されるので、簡単、迅速に、捲縮羊毛製品
が得られる。尚、該羊毛原料に、パーマネントウェブ加
工液を予め、均一に散布しておくことにより、爾後のマ
イクロ波照射により更に詳しく大きい捲縮羊毛が得られ
る。

上記の実施例は、本−法による連続捲縮加工を行なうも
のであるが、勿論バッチ式で捲縮加工法を行なうように
してもよい。

本法のマイクロ波照射による捲縮加工は、原毛ばかりで
なく、毛糸、編物、織物、衣服、ふとん綿、寝具、など
の羊毛製品にも適用できる。

捲縮に伴う物性変化として、含水率や弾性率の増加、保
温性や嵩高性の向上、防しわ性やセット性の発現、へた
り度の減少などが観測された。

マイクロ波の照射方法次第で新製品の開発も可能である
。

次に、清浄量毛（スカートウール）にマイクロ波を照射
した後、カード工程を経たふとん綿を被険体として、本
°法処理を施す前及び施した後の含気率、弾性率、かさ
高性、吸振水性を測定した。

（１）　　含気率マイクロ波照射前後の被険体約０．８ｇによる水中での
含気率採取成績を含気量として計測すると、表１に示す
測定結果を得た。

表１＊繊維１ｇ当り、被険体各６検体下記表１より明らかなように、ふとん綿の含気率は、マ
イクロ波照射により約１．５倍に向上することが認めら
れた。

（２）弾性率サン科学製レオメータ−に、直径８．４　ｃＩａの円筒
型感圧軸を取り付け、最大荷重２００ｇ。

圧縮速度８ｅ＋／ｌｌ１ｉｎで圧縮時の弾性応力（１０
％歪ませるための荷重）を測定した。その結果を下記表
２に示す。

表２＊羊毛綿の厚さ約６ｃｍ、被険体各１０検体０１００％
ＲＨ中で一昼夜吸湿させたもの上記の結果は、マイクロ
波照射後の羊毛綿が圧縮に対しての抵抗が、照射前のも
のに比して著しく増大し、腰のつよい製品であることを
示す。綿の容積が大きいにも拘らず、圧縮抵抗を示すマ
イクロ波処理綿は、照射前と同じ重量の羊毛を使ったと
は思えないほどのボリューム感を持つので、ふとん綿と
して最適である。吸温後も、弾性応力の向上が保持され
ることも実証された。

（３）　　かさ高８Ｘ１０（至）角に切断した羊毛綿３０ｇを層状に重ね
、無荷重状態での高さ（１３４，のガラス板を１時間の
せ、次でこれを取り去った状態を均一化した後の高さ）
、１ｋｇ荷重をのせた状態の高さ、１ｋｇ荷重を６ｏ分
載せた後とり去った時の高さを比較した。その結果を下
記表３に示す。

表３かさ高上記の結果は、マイクロ波処理綿は、処理前の綿に比し
かさ高の向上をもたらし、特に圧縮後のボリュームは大
きく維持されることを示す。因みに、１　ｋｇ荷重を加
えた場合の比容積は、マイクロ波処理綿は１Ｂ、０ｃｆ
ｆｌ／ｇであったに対し、処理前線は１２．５ｏ＋ｆ／
ｓｒであった。

（４）吸振水性吸振水性を、吸湿曲線、放湿曲線より調べた結果、マイ
クロ波処理による影響は全く認められなかった。

（５）捲縮状態マイクロ波処理前と処理後の羊毛繊維の捲縮状態を接写
写真により検べたが、マイクロ波による捲縮効果は顕著
に認められた。特に細い繊維はどよく捲縮していた。

（発明の効果）このように本発明によるときは、羊毛繊維をマイクロ波
照射することにより、捲縮せしめることが出来、従来の
スチーム・ドライ法に比し、その捲縮加工時間は著しく
短縮でき、加工のためのエネルギーコストの減少、乾燥
工程並びに装置を不要とし、極めて迅速容易に且つ安価
に捲縮羊毛並びに羊毛製品を製造し得る等の効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は、本発明方法を実施する１例の装置の裁断側面線
図を示す。（１）・・・マグネトロン発振器　（２）・・・導波管
（３）・・・オーブン室　　　　　（４）・・・入　口
（５）・・・出　口　　　　　　（６）　（７）・・・
ベルトコンベアａ・・・被処理物、羊毛

Claims

【特許請求の範囲】

羊毛又は羊毛製品にマイクロ波を照射することを特徴と
する羊毛又は羊毛製品の捲縮法。