JPH0110673Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、紙計数機において、テーブル上に載
置した積層紙が、テーブル面より垂れ下がつて、
紙層の位置のきよう正が困難になり、ひいては計
数の正確さを得ることができなくなるのを防止せ
んとするものであつて、そのため積層紙の垂下
を、極めて簡単な装置で防止せんとする紙計数機
における積層紙垂下防止装置に関するものであ
る。

「従来の技術」 紙計数機は、例えば、第３図ないし第５図に示
されているものであり、これをまず説明すると、
計数せんとする紙層Ｐは固定テーブル１とスライ
ドテーブル２間において支持され、紙層Ｐのコー
ナーP′を自由な状態としてテーブル１の角より露
出させ、このコーナーP′を計数装置Ｃで一枚宛そ
の枚数を数える。

すなわち、計数装置Ｃのサクシヨンブレードａ
が、紙層ＰのコーナーP′において、紙層間に割り
込んで入り、その上面側の一枚の紙片をこれに吸
着する。次にワイパーピンｄがサクシヨンブレー
ドａの下方より、矢印ｅのように、上方に回り込
んで同ピンｄはサクシヨンブレードａを１周し
て、その下方に至り、元の位置に復帰するが、そ
の際ワイパーピンｄは紙片を、サクシヨンブレー
ドａの吸着に打ち勝つて、これをサクシヨンブレ
ードａの下面にかき落とす。

この操作を繰り返し、その枚数の計数がなされ
る。そしてこの計数は、紙層Ｐの両コーナーにお
いて、別々に、同時になされ、双方の計数が一致
しない場合には、警報を発したり、あるいはラン
プを点灯するなどして、その正確さを期してい
る。

ところで、この紙計数機において計数されるべ
き紙層Ｐの巾は一定でなく何種類もある（第４図
においてＡないしＦ）。

したがつて、一方のテーブル１は固定である
が、他方のテーブルはスライドテーブル２とし、
紙巾の変動に対処しているが、紙巾が比較的大き
い場合は固定テーブル１とスライドテーブル２間
で支持された紙層Ｐの中央部P″は、そこに何も
なければ下方に湾曲して垂れ下がることになる。
（第３図及び第５図で厚さｆで示される）。

ところでこの装置で計数するには、まず紙層Ｐ
を各テーブル１，２上に正確に載せて、そのコー
ナーP′，P′を正確に揃えてテーブル１，２上に位
置せしめねばならない。

紙巾が大で、またその紙層Ｐが厚く、紙層Ｐの
重量が相当大であるのが普通であるが、この重量
物を揃えて、正確にテーブル１，２上に位置せし
めることは、極めて難事であり、最初に載せた位
置より、これをずらせて、何度か、これを是正す
るのが普通である。

この時、前記のように、紙層中央部P″が、両
テーブル１，２間より下方に湾曲して厚さｆだけ
垂れ下がつていると、紙層の位置の是正のためこ
れをずらさんとしても、この垂れ下がりが大きな
抵抗となり、ただでさえ移動困難な重量物である
紙層Ｐを、この抵抗に打ち勝つて移動させること
が、極めて困難となる。

このような事情が延いては、一分間にほぼ1000
枚位の超高速で、計数をなさんとするこの紙計数
機の正確さを失う原因ともなる。

このような欠点を解消せんとして本出願人はさ
きに特願昭52−59071号（特公昭55−31511号公
報）を出願した。

これは固定テーブル１とスライドテーブル２と
の間に複数個の補助テーブル３を設け、この適宜
数の補助テーブル３を、紙層の巾に応じて、両テ
ーブル１，２間に出没自在に設けて、両テーブル
１，２間における紙層の垂れ下がりをこの補助テ
ーブル３，３…で受けるようにしたものである
が、この補助テーブル３はカム板１３の移動で支
え転子１０を回動させて出没作動させるものであ
りその構成が極めて複雑である。

「考案が解決しようとする問題点」 しかしこのような複雑な構成をもつてしては、
その作動も複雑となり、その製作に当たつても高
価となつて、これはすでに実情に合わないものと
なつている。

本考案はこのような事情にかんがみて開発した
ものであつて、その構成を極めて単純なものとし
て、しかもその作動も簡易であつて、安価にこれ
を製作することができるようにしたものである。

「問題点を解決するための手段」 積層紙を載置するための固定テーブルを設け、
この固定テーブルに対してスライドテーブルを設
ける。

スライドテーブルの固定テーブル側の端縁には
チエーンテーブルの一端を固定する。

そしてこのチエーンテーブルの他端は、固定テ
ーブル面より固定テーブルの下方に設けた誘導樋
で案内されるように、誘導樋の誘導溝内に摺動可
能にこれを挿入したものである。

「作用」 固定テーブルに対してスライドテーブルを積層
紙の巾に合うようにスライドさせる。

スライドテーブルのスライドに伴つて、このス
ライドテーブルに一端を固定したチエーンテーブ
ルが誘導樋より、固定テーブルとスライドテーブ
ル間において、同テーブル面と一致するように、
導出される。

固定テーブルとスライドテーブルにわたつて載
置された積層紙の中間部分はこのチエーンテーブ
ルで支承され、垂れ下がりが生じることはない。

ここで積層紙の位置は容易に是正できることに
なる。

「実施例」 本考案の１実施例を示した図面についてこれを
説明する。

１は固定テーブルであつて、この固定テーブル
１には計数装置Ｃを固定的に設ける。２は固定テ
ーブル１に対してスライド可能なスライドテーブ
ルである。

３はチエーンテーブルであつて板体３′をチエ
ーン状に互いに枢着して形成したものである。

板体３′には脚片５を設ける。

チエーンテーブル３の始端はスライドテーブル
２に枢着する。チエーンテーブル３は、この始端
部およびその付近では、その脚片５が誘導板６上
で誘導され、板体３′の面は固定あるいはスライ
ドテーブル１，２の上面と一致する。

さらにチエーンテーブル３の板体３′の脚片５
は、固定テーブル１の下面において湾曲状に設け
られた誘導樋４の誘導溝４′に挿入され、この誘
導樋４で誘導される。

スライドテーブル２の脚部７には、ねじ棒８が
ねじ込まれ、ねじ棒８はモータＭで回転する。ね
じ棒８の回転でスライドテーブル２は前記せるよ
うにスライドする。

また誘導板６の始端には弾片６′を取り付け、
チエーンテーブル３の板体３′の脚片５は、この
弾片６′上に載せられた上で誘導板６上に載せら
れて安全に誘導される。

その作用を説明する。

固定テーブル１上に載置した積層紙Ｐの巾が小
さい時は、スライドテーブル２を固定テーブル１
側にスライドさせ、全体の巾を積層紙Ｐの巾に適
合せしめる。

スライドテーブル２は、モータＭを駆動し、ね
じ棒８を回転することにより、その脚部７が移動
することによりスライドする。

積層紙Ｐの巾が大きい時は、スライドテーブル
２を反対側にスライドさせる。

スライドテーブル２が移動すると、これに伴つ
て、チエーンテーブル３は誘導樋４の誘導溝４′
の中から（あるいは中へ）導き出され（あるいは
導入され）、これが誘導板６上においては、その
板体３′面は固定テーブル１とスライドテーブル
２との間において両テーブル１，２面と一致して
その間に水平状に位置する。

したがつて、何れにせよ、その間で積層紙Ｐが
垂れ下がることが全くない。

このように、積層紙Ｐの位置の調整をなした
上、各テーブル１，２側に設けられた両計数装置
Ｃ，Ｃで計数し、その両計数が一致した時点で、
その計数が確認される。

「考案の効果」 本考案は、積層紙の両側の隅角部において計数
装置で、それぞれ計数を行う場合、スライドテー
ブルを積層紙の巾に応じてスライドさせるとき
は、スライドテーブルに枢着されたチエーンテー
ブルが、固定テーブルの下面よりこれに伴つて引
き出され、固定テーブルとスライドテーブルとの
間の間〓をこれで埋めるので、積層紙が垂れ下が
ることが確実に防止される。

しかもその装置は、スライドテーブルに、単に
チエーンテーブルを枢着するようにしただけであ
つて、極めて簡単な構造である。したがつてその
作動も簡単確実であり、また製作も極めて容易で
安価である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本装置の平面図、第２図はその側面図
である。第３図は従来装置の正面図、第４図は同
テーブルの斜視図、第５図は積層紙の垂れ下がり
を示す側面図である。 １……固定テーブル、２……スライドテーブ
ル、３……チエーンテーブル、４……誘導樋、
４′……誘導溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 積層紙を載置するための固定テーブルに対しス
   ライドすることのできるスライドテーブルを設
   け、スライドテーブルの固定テーブル側の端縁
   に、チエーンテーブルの一端を枢着し、チエーン
   テーブルの他端は、固定テーブルの面よりその下
   方に設けた誘導樋で案内されるように、誘導樋の
   誘導溝内に摺動可能に挿入した紙計数機における
   積層紙垂下防止装置。