JP7909577B2 - 選択されたニューロン細胞集団における遺伝子発現を選択的に調節するための人工発現コンストラクト - Google Patents
選択されたニューロン細胞集団における遺伝子発現を選択的に調節するための人工発現コンストラクトInfo
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本出願は、2019年2月15日に出願された米国仮特許出願第62/806,660号、2019年2月15日に出願された米国仮特許出願第62/806,686号、及び2019年7月16日に出願された米国仮特許出願第62/874,859号に対する優先権を主張するものであり、それらの各々は、本明細書に完全に記載されているかのようにその全体が参照により組み込まれる。
本出願は、2019年2月15日に出願された米国仮特許出願第62/806,660号、2019年2月15日に出願された米国仮特許出願第62/806,686号、及び2019年7月16日に出願された米国仮特許出願第62/874,859号に対する優先権を主張するものであり、それらの各々は、本明細書に完全に記載されているかのようにその全体が参照により組み込まれる。
連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載
本発明は、国立衛生研究所によって授与されたMH114126及びDA036909の下に政府支援を受けてなされた。政府は、本発明に対して一定の権利を有する。
本発明は、国立衛生研究所によって授与されたMH114126及びDA036909の下に政府支援を受けてなされた。政府は、本発明に対して一定の権利を有する。
本開示は、選択された中枢神経系細胞型における遺伝子発現を選択的に調節するための人工発現コンストラクトを提供する。この人工発現コンストラクトは、γ-アミノ酪酸(GABA)作動性ニューロン一般、並びに/又はリソソーム膜タンパク質5(Lamp5)ニューロン、血管作動性腸管ポリペプチド発現(Vip)ニューロン、ソマトスタチン(Sst)ニューロン、及び/若しくはパルブアルブミン(Pvalb)ニューロンなどのGABA作動性ニューロン細胞サブクラスにおいて、合成遺伝子を選択的に発現させるか、又は遺伝子発現を改変するために使用することができる。特定の人工発現コンストラクトは、さらに、層4及び/若しくは層5の終脳内(IT)ニューロン、又は深部小脳核Pvalb陽性ニューロン若しくは小脳プルキンエ細胞のような非新皮質ニューロンにおける選択的遺伝子発現を駆動する。
脳の生物学を完全に理解するために、種々の細胞型を区別し、定義する必要があり、それらをさらに研究するために、それらを選択的に標識し、乱すことができる人工発現コンストラクトを特定する必要がある。マウスでは、リコンビナーゼ駆動系統(recombinase driver line)が、マーカー遺伝子発現を共有する細胞集団を標識するのに大きな効果をもたらすために使用されてきた。
しかしながら、細胞型を高い特異性で標識するような系統の作製、維持及び使用は、費用がかかる可能性があり、頻繁にトリプルトランスジェニック交配を必要とし、これは低頻度の実験動物を生み出す。さらに、これらのツールは生殖系列トランスジェニック動物を必要とするため、ヒトには適用できない。
本開示は、標的中枢神経系細胞集団における遺伝子発現を選択的に駆動する人工発現コンストラクトを提供する。標的中枢神経系細胞集団には、γ-アミノ酪酸(GABA)作動性ニューロン一般、並びに/又はリソソーム膜タンパク質5(Lamp5)ニューロン、血管作動性腸管ポリペプチド発現(Vip)ニューロン、ソマトスタチン(Sst)ニューロン、及び/若しくはパルブアルブミン(Pvalb)ニューロンなどのGABA作動性ニューロン細胞サブクラスが含まれる。層4及び/若しくは層5の終脳内(IT)ニューロン、又は深部小脳核Pvalb陽性ニューロン若しくは小脳プルキンエ細胞のような非新皮質ニューロンも、選択的遺伝子発現の標的とすることができる。
人工発現コンストラクトの特定の実施形態は、以下のエンハンサーを利用して、以下のように標的中枢神経系細胞集団内のタンパク質発現を選択的に駆動する(エンハンサー/標的細胞集団):Grik1_enhGad2-1/GABA作動性ニューロン一般、Grik1_enhGad2-2/GABA作動性ニューロン一般、mscRE5/GABA作動性ニューロン一般、mscRE8/GABA作動性ニューロン一般、eHGT_019h/Lamp5ニューロン、eHGT_022h/Lamp5及びVipニューロン、eHGT_022m/Lamp5及びVipニューロン、eHGT_017h/Lamp5、Vip及びSstニューロン、eHGT_17m/Lamp5、Vip及びSstニューロン、eHGT_079h/パルブアルブミン(Pvalb)ニューロン細胞型、eHGT_082h/皮質及び深部小脳核ニューロンにおけるPvalbニューロン細胞型、eHGT_086h/Pvalbニューロン細胞型、eHGT_128h/Pvalbニューロン細胞型、eHGT_140h/Pvalbニューロン細胞型、eHGT_064h/Pvalb及びSstニューロン細胞型、eHGT_023h/Pvalb細胞型、L4及びL5 ITニューロン及びプルキンエ細胞、並びにeHGT_359/Pvalb細胞型及び小脳プルキンエ細胞。
特定の実施形態は、ベクター:AiP1146、AiP1113、AiP1147、AiP1147、AiP1013、AiP1012、CN1525、CN1528、CN1532、CN1621、CN1633、CN1259、CN2045、CN1255、CN1408、CN1258、CN1279、CN1253及びCN1274を含む本明細書に記載のベクターの特徴を含む人工発現コンストラクトを提供する。
本明細書が示す図面のいくつかは、色でよりよく理解される。出願人は、図面のカラー版を当初の提出物の一部とみなし、後の手続きにおいて図面のカラー画像を提示する権利を留保する。例えば、以下で説明する図3A、図3B、図5、図6A、図6B、図7A、図7B、図8A、図8B、図9A、図9C、図10A、図11A、図11B、図12A、図13A、図13B、図14A、図14B、図14D、図15A、図15B、図16A、図16B、図17A、図17B、図18A、図18B、図19A、図19B、図19C及び図20は、白黒画像として提示された色標識アッセイを反映している。
脳の生物学を完全に理解するために、種々の細胞型を区別し、定義する必要があり、それらをさらに研究するために、それらを選択的に標識し、乱すことができる人工発現コンストラクトを特定する必要がある。Tasic,Curr.Opin.Neurobiol.50,242-249(2018)、Zeng&Sanes,Nat.Rev.Neurosci.18,530-546(2017)。マウスでは、リコンビナーゼ駆動系統(recombinase driver line)が、マーカー遺伝子発現を共有する細胞集団を標識するのに大きな効果をもたらすために使用されてきた。Daigle et al.,Cell174,465-480.e22(2018)、Taniguchi et al.,Neuron71,995-1013(2011)、Gong et al.,J.Neurosci.27,9817-9823(2007)。しかしながら、細胞型を高い特異性で標識するような系統の作製、維持及び使用は、費用がかかる可能性があり、頻繁にトリプルトランスジェニック交配を必要とし、これは低頻度の実験動物を生み出す。さらに、これらのツールは生殖系列トランスジェニック動物を必要とするため、ヒトには適用できない。
本開示は、標的中枢神経系細胞集団における遺伝子発現を選択的に駆動する人工発現コンストラクトを提供する。標的中枢神経系細胞集団には、γ-アミノ酪酸(GABA)作動性ニューロン一般、及び/又はリソソーム膜タンパク質5(Lamp5)ニューロン、血管作動性腸管ポリペプチド発現(Vip)ニューロン、ソマトスタチン(Sst)ニューロン及びパルブアルブミン(Pvalb)ニューロン細胞型などのGABA作動性ニューロン細胞型が含まれる。層4(L4)及び/若しくは層5(L5)の終脳内(IT)ニューロン、深部小脳核ニューロン、又は小脳プルキンエ細胞も、選択的遺伝子発現の標的とすることができる。
人工発現コンストラクトの特定の実施形態は、以下のエンハンサーを利用して、以下のように標的中枢神経系細胞集団内の遺伝子発現を選択的に駆動する(エンハンサー/標的細胞集団):Grik1_enhGad2-1/GABA作動性ニューロン一般、Grik1_enhGad2-2/GABA作動性ニューロン一般、mscRE5/GABA作動性ニューロン一般、mscRE8/GABA作動性ニューロン一般、eHGT_019h/Lamp5ニューロン、eHGT_022h/Lamp5及びVipニューロン、eHGT_022m/Lamp5及びVipニューロン、eHGT_017h/Lamp5、Vip及びSstニューロン、eHGT_17m/Lamp5、Vip及びSstニューロン、eHGT_079h/パルブアルブミン(Pvalb)ニューロン細胞型、eHGT_082h/Pvalbニューロン細胞型及び深部小脳核細胞、eHGT_086h/Pvalbニューロン細胞型、eHGT_128h/Pvalbニューロン細胞型、eHGT_140h/Pvalbニューロン細胞型、eHGT_064h/Pvalb及びSstニューロン細胞型、eHGT_023h/Pvalb細胞型、L4及びL5 ITニューロン、小脳プルキンエ細胞、並びにeHGT_359/Pvalb細胞型及び小脳プルキンエ細胞。特定の実施形態では、特に明記しない限り、標的細胞型は新皮質細胞型である。
特定の実施形態は、ベクター:AiP1146、AiP1113、AiP1147、AiP1147、AiP1013、AiP1012、CN1525、CN1528、CN1532、CN1621、CN1633、CN1259、CN2045、CN1255、CN1408、CN1258、CN1279、CN1253及びCN1274を含む本明細書に記載のベクターの特徴を含む人工発現コンストラクトを提供する。
ここで、本開示の態様を、以下の追加の選択肢及び詳細である、(i)選択された細胞型における遺伝子の選択的発現のための人工発現コンストラクト及びベクター、(ii)投与用組成物、(iii)人工発現コンストラクトを含む細胞株、(iv)トランスジェニック動物、(v)使用方法、(vi)キット及び市販パッケージ、(vii)例示的実施形態、(viii)実験例並びに(ix)最終段落を用いて説明する。
(i)選択された細胞型における遺伝子の選択的発現のための人工発現コンストラクト及びベクター。本明細書に開示される人工発現コンストラクトは、(i)標的中枢神経系細胞型内のコード配列の選択的発現をもたらすエンハンサー配列と、(ii)発現されるコード配列と、(iii)プロモーターとを含む。人工発現コンストラクトはまた、必要又は有益である場合、他の調節エレメントを含むことができる。
特定の実施形態では、「エンハンサー」又は「エンハンサーエレメント」は、プロモーターに関連する転写レベルを増加させ、プロモーター及び転写されるコード配列に対していずれかの向きで機能することができ、プロモーター又は転写されるコード配列に対して上流又は下流に位置することができるシス作用配列である。エンハンサーエレメント配列の機能を測定するための当該分野で認識されている方法及び技術がある。本明細書に開示される人工発現コンストラクト内で利用されるエンハンサー配列の特定の例としては、Grik1_enhGad2-1、Grik1_enhGad2-2、mscRE5、mscRE8、eHGT_019h、eHGT_022h、eHGT_022m、eHGT_017h、eHGT_17m、eHGT_079h、eHGT_082h、eHGT_086h、eHGT_128h、eHGT_140h、eHGT_064h、eHGT_023h及びeHGT_359が挙げられる。
特定の実施形態では、標的中枢神経系細胞型エンハンサーは、標的中枢神経系細胞型によって固有に又は主に利用されるエンハンサーである。標的中枢神経系細胞型エンハンサーは、標的中枢神経系細胞型における遺伝子の発現を増強するが、他の非標的細胞型における遺伝子の発現を実質的に指示せず、したがって神経特異的転写活性を有する。
コード配列が選択された細胞において選択的に発現され、他の細胞型において実質的に発現されない場合、コード配列の産物は、選択された細胞型において優先的に発現される。特定の実施形態では、優先的発現は、参照細胞型と比較して50%を超える発現、参照細胞型と比較して60%を超える発現、参照細胞型と比較して70%を超える発現、参照細胞型と比較して80%を超える発現、又は参照細胞型と比較して90%を超える発現である。特定の実施形態では、参照細胞型は、非標的細胞を指す。非標的細胞は、標的細胞と同じ解剖学的構造内にあり得、及び/又は共通の解剖学的領域に突出し得る。特定の実施形態では、参照細胞型は、標的細胞型を含む解剖学的構造に隣接する解剖学的構造内にある。特定の実施形態では、参照細胞型は、標的細胞とは異なる遺伝子発現プロファイルを有する非標的GABA作動性細胞である。
特定の実施形態では、コード配列の産物は、選択されていない細胞型において低レベルで、例えば、産物が選択された細胞において発現されるレベルの1%未満又は1%、2%、3%、5%、10%、15%若しくは20%で発現され得る。特定の実施形態では、標的中枢神経系細胞型は、遺伝子発現を駆動するために本明細書に開示されるエンハンサーに結合する転写因子の正しい組み合わせを発現する唯一の細胞型である。したがって、特定の実施形態では、発現は標的細胞型内でのみ起こる。
特定の実施形態では、標的細胞型(例えば、神経、ニューロン及び/又は非ニューロン)は、Tasic et al.,Nature563,72-78(2018)及びHodge et al.,Nature573,61-68(2019)に記載されているような転写プロファイルに基づいて同定することができる。参考のために、神経細胞型及び際立った特徴についての以下の説明も提供される。
新皮質GABA作動性サブクラス:
・すべて:GABA合成遺伝子Gad1/GAD1及びGad2/GAD2を発現する。
・すべて:GABA合成遺伝子Gad1/GAD1及びGad2/GAD2を発現する。
・Lamp5、Sncg、Serpinf1及びVip:発生的に尾側神経節隆起(CGE)又は視索前野(POA)のニューロン前駆細胞に由来する。
・Sst及びPvalb:発生的に内側基底核原基(MGE)のニューロン前駆細胞に由来する。
・Lamp5:多くの新皮質層、特に上部(L1~L2/3)に見られ、主にニューログリアフォーム及びシングルブーケ形態を有する。
・Sncg:多くの新皮質層に見られ、Lamp5及びVip細胞と分子的重複を有するが、Lamp5又はVipの発現は一貫性がなく、Sncgの発現はより一貫性がある。
・Serpinf1:多くの新皮質層に見られ、Sncg及びVip細胞と分子的重複を有するが、Sncg又はVipの発現は一貫性がなく、Serpinf1の発現はより一貫性がある。
・Vip:多くの新皮質層に見られるが、特に上層(L1~L4)に頻繁に見られ、神経伝達物質の血管作動性腸管ペプチド(Vip)を高度に発現する。
・Sst:多くの新皮質層に見られるが、特に下層(L5~L6)で頻繁に見られる。それらは、神経伝達物質ソマトスタチン(Sst)を高度に発現し、シナプス後ニューロンへの樹状突起入力を頻繁にブロックする。このサブクラスには、他のSstニューロンとは非常に異なるが、Sstを含むいくつかの共有マーカー遺伝子を発現する睡眠活性Sst Chodlニューロン(Nos1及びTacr1も発現する)が含まれる。ヒトでは、SST遺伝子発現は、多くの場合、層1のLamp5+細胞で検出される。
・Pvalb:多くの新皮質層に見られるが、特に下層(L5~L6)で頻繁に見られる。それらは、カルシウム結合タンパク質パルブアルブミン(Pvalb)を高度に発現し、神経ペプチドTac1を発現し、シナプス後ニューロンの出力を頻繁に抑制する。ほとんどの高速スパイクGABA作動性細胞はPvalbを強く発現する。このサブクラスには、明確なシャンデリア様形態を有し、マウスにおいてマーカーCpne5及びVipr2を発現し、ヒトにおいてNOG及びUNC5Bを発現するシャンデリア細胞が含まれる。
・Meis2:Meis2遺伝子を発現し、他のすべての新皮質GABA作動性型(例えば、Thy1及びScn2b)によって発現されるいくつかの他の遺伝子を発現しない、新皮質GABA作動性型のみという単一の型によって定義される別個のサブクラス。この型は、L6b及び皮質下白質に見られる。
新皮質グルタミン酸作動性サブクラス:
・すべて:グルタミン酸伝達物質Slc17a6及び/又はSlc17a7を発現する。それらはすべて、Snap25を発現し、Gad1/Gad2の発現を欠き、Slc1A3の発現を欠く。
・すべて:グルタミン酸伝達物質Slc17a6及び/又はSlc17a7を発現する。それらはすべて、Snap25を発現し、Gad1/Gad2の発現を欠き、Slc1A3の発現を欠く。
・L2/3 IT:主に層2/3に存在し、主に終脳内(皮質皮質間)投射を有する。
・L4 IT:主に層4に存在し、主に局所的又は終脳内(皮質皮質間)投射を有する。
・L5 IT:主に層5に存在し、主に終脳内(皮質皮質間)投射を有する。L5aとも呼ばれる。
・L5 PT:主に層5に存在し、主に皮質皮質下(錐体路又は皮質遠心)投射を有する。L5b又はL5 CF(皮質遠心)又はL5 ET(終脳外)とも呼ばれる。このサブクラスには、一次運動野及び隣接領域に位置し、皮質脊髄投射ニューロンである細胞が含まれ、これらはALSなどの運動ニューロン/運動疾患に関連する。このサブクラスには、太い房状の錐体ニューロンが含まれ、これには、特殊化された領域にのみ見られる特有の細胞型、例えば、ベッツ細胞、マイネルト細胞及びフォンエコノモ細胞が含まれる。
・L5 NP:主に層5に存在し、主に近くに投射を有する。
・L6 CT:主に層6に存在し、主に皮質視床投射を有する。
・L6 IT:主に層6に存在し、主に終脳内(皮質皮質間)投射を有する。このサブクラスに含まれるのはL6 IT Car3細胞であり、これらは、前障の皮質内投射細胞と非常に類似している。
・L6b:主に新皮質サブプレート(L6b)に存在し、局所(細胞体の近く)投射及びVISpから前帯状回へのいくつかの皮質皮質間投射、並びに視床への皮質皮質下投射を有する。
・CR:L1の単一の型によって定義される別個のサブクラスであるカハール レチウス細胞は、別個の分子マーカーLhx5及びTrp73を発現する。
小脳プルキンエ細胞:唯一の投射ニューロンであり、小脳からの唯一の出力である大きなGABA作動性ニューロン。それらの細胞体は単層、いわゆる「プルキンエ細胞層」を形成し、それらはパルブアルブミンを発現する。
深部小脳核ニューロン:深部小脳核構造に位置するニューロン。これらには、遺伝子Pvalbを発現する興奮性細胞及びGABA作動性細胞が含まれる。
非ニューロンサブクラス:
・星状膠細胞:マーカーAqp4及び多くの場合GFAPを発現するが、ニューロンマーカーSNAP25を発現しない神経外胚葉由来グリア細胞。それらは、明確な星形の形態を有することができ、脳内の他の細胞の代謝サポートに関与している。複数の星状膠細胞の形態がマウス及びヒトにおいて観察される。
・星状膠細胞:マーカーAqp4及び多くの場合GFAPを発現するが、ニューロンマーカーSNAP25を発現しない神経外胚葉由来グリア細胞。それらは、明確な星形の形態を有することができ、脳内の他の細胞の代謝サポートに関与している。複数の星状膠細胞の形態がマウス及びヒトにおいて観察される。
・乏突起膠細胞:マーカーSox10を発現する神経外胚葉由来グリア細胞。このカテゴリには、乏突起膠細胞前駆細胞(OPC)が含まれる。乏突起膠細胞は、主にニューロンの髄鞘形成に関与するサブクラスである。
・VLMC:血管軟膜細胞(VLMC)は、皮質の外層を取り囲む髄膜の一部であり、マーカー遺伝子Lum及びCol1a1を発現する。
・周皮細胞:マーカー遺伝子Kcnj8及びAbcc9を発現する血管関連細胞。周皮細胞は内皮細胞を包み、毛細血管血流の調節に重要であり、血液脳関門透過性に関与する。
・SMC:マーカー遺伝子Acta2を発現する血管関連細胞である特殊平滑筋細胞。SMCは脳の細動脈を覆い、血液脳関門透過性に関与する。
・内皮細胞:脳の血管を裏打ちする細胞。内皮細胞は、マーカーTek及びPDGF-Bを発現する。
・ミクログリア:脳に常在するマクロファージである造血由来免疫細胞であり、脳組織に一時的に関連するか、又は脳切開法の副産物として含まれ得る血管周囲マクロファージ(PVM)。ミクログリアは、Cx3cr1、Tmem119及びPTPRC(CD45)を発現することが知られている。
特定の実施形態では、コード配列は、エフェクターエレメントをコードする異種コード配列である。エフェクターエレメントは、意図された効果を達成するために発現され、実際に意図された効果を達成する配列である。エフェクターエレメントの例としては、レポーター遺伝子/タンパク質及び機能遺伝子/タンパク質が挙げられる。
例示的なレポーター遺伝子/タンパク質としては、Addgene ID#83894(pAAV-hDlx-Flex-dTomato-Fishell_7)、83895(pAAV-hDlx-Flex-GFP-Fishell_6)、83896(pAAV-hDlx-GiDREADD-dTomato-Fishell-5)、83898(pAAV-mDlx-ChR2-mCherry-Fishell-3)、83899(pAAV-mDlx-GCaMP6f-Fishell-2)、83900(pAAV-mDlx-GFP-Fishell-1)及び89897(pcDNA3-FLAG-mTET2(N500))によって発現されるものが挙げられる。例示的なレポーター遺伝子としては、特に、発現可能な蛍光タンパク質又は発現可能なビオチンをコードする、青色蛍光タンパク質(例えば、eBFP、eBFP2、Azurite、mKalama1、GFPuv、Sapphire、T-sapphire)、シアン蛍光タンパク質(例えば、eCFP、Cerulean、CyPet、AmCyanl、Midoriishi-Cyan、mTurquoise)、緑色蛍光タンパク質(例えば、GFP、GFP-2、tagGFP、turboGFP、EGFP、Emerald、Azami Green、Monomeric Azami Green(mAzamigreen)、CopGFP、AceGFP、avGFP、ZsGreenl、Oregon Green(商標)(Thermo Fisher Scientific社))、ルシフェラーゼ、オレンジ色蛍光タンパク質(mOrange、mKO、Kusabira-Orange、Monomeric Kusabira-Orange、mTangerine、tdTomato、dTomato)、赤色蛍光タンパク質(mKate、mKate2、mPlum、DsRed monomer、mCherry、mRuby、mRFP1、DsRed-Express、DsRed2、DsRed-Monomer、HcRed-Tandem、HcRedl、AsRed2、eqFP611、mRaspberry、mStrawberry、Jred、Texas Red(商標)(Thermo Fisher Scientific社))、遠赤色蛍光タンパク質(例えば、mPlum及びmNeptune)、黄色蛍光タンパク質(例えば、YFP、eYFP、Citrine、SYFP2、Venus、YPet、PhiYFP、ZsYellowl)及びタンデムコンジュゲートを挙げることができる。
GFPは238個のアミノ酸(26.9kDa)から構成され、元々は青色光に曝露されると緑色蛍光を発するクラゲAequorea victoria/Aequorea aequorea/Aequorea forskaleaから単離された。A.victoria由来のGFPは、395nmの波長に主要な励起ピークを有し、475nmにマイナーな励起ピークを有する。その発光ピークは509nmにあり、これは可視スペクトルの低波長側緑色部分にある。ウミシイタケ(Renilla reniformis)由来のGFPは、498nmに単一の主要な励起ピークを有する。広範な使用の可能性及び研究者の進化するニーズのために、GFPの多くの異なる変異体が遺伝子操作されている。最初の主要な改善は、1995年にNatureでRoger Tsienによって報告された単一点突然変異(S65T)であった。この突然変異は、GFPのスペクトル特性を劇的に改善し、蛍光、光安定性の増加及びピーク発光を509nmに維持した状態での主要な励起ピークの488nmへのシフトをもたらした。37℃フォールディング効率(F64L)点変異体を、このスキャフォールドに付加することにより、高感度GFP(EGFP)が産出された。EGFPは、その光学断面積としても知られている9.13X10-21m2/分子の吸光係数(εで示される)を有し、55,000L/(mol・cm)とも引用される。スーパーフォールダーGFP、すなわちGFPが完全にフォールディングしていないペプチドに融合されたとしても、迅速にフォールディング及び成熟することを可能にする一連の変異が、2006年に報告された。
「黄色蛍光タンパク質」(YFP)は、Aequorea victoriaに由来する緑色蛍光タンパク質の遺伝子変異体である。その励起ピークは514nmであり、その発光ピークは527nmである。
例示的な機能性分子としては、機能性イオントランスポーター、細胞輸送タンパク質、酵素、転写因子、神経伝達物質、カルシウムレポーター、チャネルロドプシン、ガイドRNA、ヌクレアーゼ、又はデザイナードラッグによって排他的に活性化されるデザイナー受容体(DREADD)が挙げられる。
イオントランスポーターは、細胞膜を通過するイオンの輸送を媒介する膜貫通タンパク質である。これらの輸送体は、ほとんどの細胞型にわたって広く存在し、細胞の興奮性及び恒常性を調節するために重要である。イオントランスポーターは、活動電位、シナプス伝達、ホルモン分泌及び筋収縮などの多数の細胞過程に関与する。生細胞における多くの重要な生物学的過程は、そのようなイオンチャネルを介したカルシウム(Ca2+)、カリウム(K+)及びナトリウム(Na+)イオンなどのカチオンの移動を伴う。特定の実施形態では、イオントランスポーターは、電位依存性ナトリウムチャネル(例えば、SCN1A)、カリウムチャネル(例えば、KCNQ2)及びカルシウムチャネル(例えば、CACNA1C))を含む。
例示的な酵素、転写因子、受容体、膜タンパク質、細胞輸送タンパク質、シグナル伝達分子及び神経伝達物質としては、ラクターゼ、リパーゼ、ヘリカーゼ、α-グルコシダーゼ、アミラーゼなどの酵素、SP1、AP-1、熱ショック因子タンパク質1、C/EBP(CCAA-T/エンハンサー結合タンパク質)及びOct-1などの転写因子、トランスフォーミング増殖因子受容体β1、血小板由来成長因子受容体、上皮増殖因子受容体、血管内皮増殖因子受容体及びインターロイキン8受容体αなどの受容体、膜タンパク質、クラスリン、ダイナミン、カベオリン、Rab-4A及びRab-11Aなどの細胞輸送タンパク質、神経成長因子(NGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、トランスフォーミング増殖因子β(TGFβ)、上皮増殖因子(EGF)、GTPアーゼ及びHRasなどのシグナル伝達分子、並びにコカイン及びアンフェタミン調節転写物、サブスタンスP、オキシトシン及びソマトスタチンなどの神経伝達物質が挙げられる。
特定の実施形態では、機能性分子は、神経機能及び状態のレポーター、例えばカルシウムレポーターを含む。細胞内カルシウム濃度は、ニューロン活性化、筋細胞収縮及びセカンドメッセンジャーシグナル伝達を含む多数の細胞活性の重要な予測因子である。細胞内カルシウムレベルをモニターするための高感度で簡便な技術は、遺伝的にコードされたカルシウム指示薬(GECI)によるものである。GECIの中でも、GCaMPと呼ばれる緑色蛍光タンパク質(GFP)ベースのカルシウムセンサは、効率的で広く使用されているツールである。GCaMPは、循環置換GFPのN末端及びC末端へのM13及びカルモジュリンタンパク質の融合によって形成される。いくつかのGCaMPは、異なる蛍光発光スペクトルを生じる(Zhao et al.,Science,2011,333(6051):1888-1891)。緑色蛍光を有する例示的なGECIとしては、GCaMP3、GCaMP5G、GCaMP6s、GCaMP6m、GCaMP6f、jGCaMP7s、jGCaMP7c、jGCaMP7b及びjGCaMP7fが挙げられる。さらに、赤色蛍光を有するGECIとしては、jRGECO1a及びjRGECO1bが挙げられる。GECIを含有するAAV製品は市販されている。例えば、Vigene Biosciences社は、AAV8-CAG-GCaMP3(カタログ番号:BS4-CX3AAV8)、AAV8-Syn-FLEX-GCaMP6s-WPRE(カタログ番号:BS1-NXSAAV8)、AAV8-Syn-FLEX-GCaMP6s-WPRE(カタログ番号:BS1-NXSAAV8)、AAV9-CAG-FLEX-GCaMP6m-WPRE(カタログ番号:BS2-CXMAAV9)、AAV9-Syn-FLEX-jGCaMP7s-WPRE(カタログ番号:BS12-NXSAAV9)、AAV9-CAG-FLEX-jGCaMP7f-WPRE(カタログ番号:BS12-CXFAAV9)、AAV9-Syn-FLEX-jGCaMP7b-WPRE(カタログ番号:BS12-NXBAAV9)、AAV9-Syn-FLEX-jGCaMP7c-WPRE(カタログ番号:BS12-NXCAAV9)、AAV9-Syn-FLEX-NES-jRGECO1a-WPRE(カタログ番号:BS8-NXAAAV9)及びAAV8-Syn-FLEX-NES-jRCaMP1b-WPRE(カタログ番号:BS7-NXBAAV8)を含むAAV製品を提供している。
特定の実施形態では、カルシウムレポーターは、遺伝的にコードされたカルシウム指示薬GECI、NTnC;ミオシン軽鎖キナーゼ、GFP、カルモジュリンキメラ;カルシウム指示薬TN-XXL;BRETベースの自動発光性カルシウム指示薬;及び/又はカルシウム指示薬タンパク質OeNL(Ca2+)-18u)を含む。
特定の実施形態では、機能性分子は、チャネルロドプシン(例えば、チャネルロドプシン-1、チャネルロドプシン-2及びそれらの変異体)のようなニューロン活性のモジュレーターを含む。チャネルロドプシンは、光駆動性イオンチャネルとして機能するレチニリデンタンパク質(ロドプシン)のサブファミリーである。チャネルロドプシン1(ChR1)及びチャネルロドプシン2(ChR2)に加えて、チャネルロドプシンのいくつかの変異体が開発されてきた。例えば、Linら(Biophys J,2009,96(5):1803-14)は、部位特異的突然変異誘発と組み合わせてChR1及びChR2の膜貫通ドメインのキメラを作製することを記載している。Zhangら(Nat Neurosci,2008,11(6):631-3)は、赤色シフトしたチャネルロドプシン変異体であるVChR1について記載している。他の既知のチャネルロドプシン変異体には、Nagel,et al.,Proc Natl Acad Sci USA,2003,100(24):13940-5)に記載されているChR2、ChR2/H134R(Nagel,G.,et al.,Curr Biol,2005,15(24):2279-84)、及びChD/ChEF/ChIEF(Lin,J.Y.,et al.,Biophys J,2009,96(5):1803-14)が含まれ、これらは青色光(470nm)によって活性化されるが、オレンジ色/赤色光に対しては感受性を示さない。さらなる変異体は、Lin,Experimental Physiology,2010,96.1:19-25及びKnopfel et al.,The Journal of Neuroscience,2010,30(45):14998-15004に記載されている。
特定の実施形態では、機能性分子は、CRISPR/CASなどのDNA及びRNA編集ツール(例えば、ガイドRNA及びCas、Cas9又はcpf1などのヌクレアーゼ)を含む。機能性分子はまた、US2018/0030425、US2016/0208243、WO/2017/184768及びZetsche et al.(2015)Cell163:759-771に記載されているような遺伝子操作されたCpf1、単一のgRNA(例えば、Jinek et al.(2012)Science337:816-821、Jinek et al.(2013)eLife2:e00471、Segal(2013)eLife2:e00563を参照のこと)又はエディターゼ、ガイドRNA分子又は相同組換えドナーカセットを含むことができる。
さらなるエフェクターエレメントには、Cre、iCre、dgCre、FlpO及びtTA2が含まれる。iCreは、コドンを改良したCreを指す。dgCreは、G67S変異を含み、R12Y/Y100I不安定化ドメイン変異も含むように改変されたEscherichia coli K-12株の染色体ジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子(DHFR又はfolA)の最初の159個のアミノ酸のN末端融合を有する高感度GFP/Creリコンビナーゼ融合遺伝子を指す。FlpOは、マウス細胞におけるタンパク質発現及びFRT組換え効率を大幅に増加させるFLPeのコドン最適化形態を指す。Cre/LoxPシステムと同様に、FLP/FRTシステムは遺伝子発現(及びFLP/FRTシステムによって媒介されるコンディショナルノックアウトマウスの作製)に広く使用されている。tTA2は、テトラサイクリントランス活性化因子を指す。
例示的な発現可能エレメントは、エフェクターエレメント、例えば、非機能性又は欠陥タンパク質を含まない発現産物である。特定の実施形態では、発現可能エレメントは、それらの機能する対応物の効果を研究するための方法を提供することができる。特定の実施形態では、発現可能エレメントは、それらを機能しないように遺伝子操作した突然変異に基づいて、非機能性であるか又は欠陥がある。これらの態様では、非発現可能エレメントは、それらの機能する対応物と可能な限り構造が類似している。
例示的な自己切断性ペプチドには、1つのmRNAから2つのタンパク質の産生をもたらす2Aペプチドが含まれる。2A配列は短く(例えば、20個のアミノ酸)、サイズ制限されたコンストラクトでのより多くの使用が可能となる。特定の例としては、P2A、T2A、E2A及びF2Aが挙げられる。特定の実施形態では、人工発現コンストラクトには、内部リボソーム侵入部位(IRES)配列が含まれる。IRESは、リボソームがmRNA分子の第2の内部部位で翻訳を開始することを可能にし、1つのmRNAから2つのタンパク質の産生をもたらす。
本明細書に記載の分子(例えば、RNA、タンパク質)をコードするコード配列は、公的に利用可能なデータベース及び刊行物から得ることができる。コード配列は、様々な配列多型、突然変異、及び/又は配列変異型をさらに含むことができ、そのような変化は、コードされた分子の機能に影響を及ぼさない。「コードする(encode)」又は「コードする(encoding)」という用語は、タンパク質などの他の分子の合成のための鋳型として機能する、ベクター、プラスミド、遺伝子、cDNA、mRNAなどの核酸の配列の特性を指す。
「遺伝子」という用語は、コード配列だけでなく、プロモーター、エンハンサー、インスレーターなどの調節領域、及び/又は終結領域などの後調節エレメントも含み得る。この用語はさらに、選択的スプライシング部位から生じる変異体とともに、mRNA転写物からスプライシングされたすべてのイントロン及び他のDNA配列を含むことができる。配列はまた、特定の生物又は細胞型においてコドン選択を提供するために導入され得る参照配列又は配列の縮重コドンを含み得る。
プロモーターには、一般的プロモーター、組織特異的プロモーター、細胞特異的プロモーター、及び/又は細胞質に特異的なプロモーターが含まれ得る。プロモーターには、強力なプロモーター、弱いプロモーター、構成的発現プロモーター、及び/又は誘導性プロモーターが含まれ得る。誘導性プロモーターは、特定の条件、シグナル又は細胞事象に応答して発現を誘導する。例えば、プロモーターは、プロモーターからの転写を行うために、特定のリガンド、小分子、転写因子又はホルモンタンパク質を必要とする誘導性プロモーターであり得る。プロモーターの特定の例としては、minBglobin、CMV、minCMV、変異minCMV*(minCMV*はSacI制限部位が除去されたminCMVである)、minRho、minRho*(minRho*はSacI制限部位が除去されたminRhoである)、SV40即時型プロモーター、Hsp68最小プロモーター(proHSP68)及びラウス肉腫ウイルス(RSV)長末端反復(LTR)プロモーターが挙げられる。最小プロモーターは、それ自体で遺伝子発現を駆動する活性を有さないが、近位エンハンサーエレメントに連結されると、遺伝子発現を駆動するように活性化することができる。
特定の実施形態では、発現コンストラクトはベクター内に提供される。ベクターという用語は、発現コンストラクトなどの別の核酸分子を移入又は輸送することができる核酸分子を指す。移入された核酸は、一般に、ベクター核酸分子に連結、例えば、挿入される。ベクターは、細胞内で自律複製を指示する配列を含み得るか、又は宿主細胞DNAへの組み込みを可能にする配列を含み得る。有用なベクターとしては、例えば、プラスミド(例えば、DNAプラスミド又はRNAプラスミド)、トランスポゾン、コスミド、細菌人工染色体及びウイルスベクターが挙げられる。
ウイルスベクターは、細胞内での非天然核酸分子の移入及び発現を促進するウイルス由来成分要素を含む核酸分子を指すために広く使用されている。アデノ随伴ウイルスベクターという用語は、主にAAVに由来する構造的及び機能的遺伝要素又はそれらの一部を含むウイルスベクター又はプラスミドを指す。「レトロウイルスベクター」という用語は、主にレトロウイルスに由来する構造的及び機能的遺伝要素又はそれらの一部を含むウイルスベクター又はプラスミドを指す。「レンチウイルスベクター」という用語は、主にレンチウイルスなどに由来する構造的及び機能的遺伝要素又はそれらの一部を含むウイルスベクター又はプラスミドを指す。「ハイブリッドベクター」という用語は、複数のウイルス型に由来する構造的及び/又は機能的遺伝要素を含むベクターを指す。
アデノウイルスベクターは、(a)発現コンストラクトのパッケージ化をサポートし、(b)センス又はアンチセンス方向でそこにクローニングされたコード配列を発現するのに十分なアデノウイルス配列を含むコンストラクトを指す。組換えアデノウイルスベクターは、遺伝子操作された形態のアデノウイルスを含む。36kbの線状二本鎖DNAウイルスであるアデノウイルスの遺伝子構成に関する知見は、アデノウイルスDNAの大きな断片を最大7kbの外来配列で置換することを可能にする。レトロウイルスとは対照的に、アデノウイルスDNAは、遺伝毒性の可能性を伴うことがないエピソーム様式で複製することができるため、宿主細胞のアデノウイルス感染は染色体への組み込みを生じさせない。また、アデノウイルスは構造的に安定しており、大規模な増幅後にゲノム再配列は検出されていない。
アデノウイルスは、その中サイズのゲノム、操作の容易さ、高力価、標的細胞の範囲の広さ及び高い感染力のために、遺伝子導入ベクターとしての使用に特に適している。ウイルスゲノムの両端には、ウイルスDNAの複製及びパッケージ化に必要なシスエレメントである100~200塩基対の逆方向反復(ITR)が含まれる。ゲノムの初期(E)及び後期(L)領域には、ウイルスDNA複製の開始によって分割される異なる転写単位が含まれる。E1領域(E1A及びE1B)は、ウイルスゲノム及びいくつかの細胞遺伝子の転写の調節に関与するタンパク質をコードする。E2領域(E2A及びE2B)の発現は、ウイルスDNA複製のためのタンパク質の合成をもたらす。これらのタンパク質は、DNA複製、後期遺伝子発現及び宿主細胞のシャットオフに関与する。ウイルスカプシドタンパク質の大部分を含む後期遺伝子の産物は、主要後期プロモーター(MLP)によって生じる単一の一次転写物の重要なプロセシング後にのみ発現される。MLPは感染後期において特に効率的であり、このプロモーターから生じたすべてのmRNAは5’-トリパータイトリーダー(TPL)配列を有し、これにより翻訳に好ましいプロモーターとなる。
アデノウイルスベクターが複製欠損である、又は少なくとも条件付きで欠陥があるという要件を除いて、アデノウイルスベクターの性質は、本明細書に開示される特定の実施形態の成功した実施にとって重要であるとは考えられていない。アデノウイルスは、42の異なる既知の血清型又はサブグループA~Fのいずれかであってもよい。特定の実施形態では、サブグループCのアデノウイルス5型は、特定の実施形態で使用するための条件付き複製欠損アデノウイルスベクターを得るための好ましい出発材料であり、これは、アデノウイルス5型が、多くの生化学的及び遺伝的情報について知られているヒトアデノウイルスであり、アデノウイルスをベクターとして用いるほとんどのコンストラクトに歴史的に使用されてきたためである。
示されるように、典型的なベクターは複製欠損であり、アデノウイルスE1領域を有しない。したがって、E1コード配列が除去された位置に目的の遺伝子をコードするポリヌクレオチドを導入することが最も簡便であろう。しかしながら、アデノウイルス配列内のコンストラクトの挿入位置は重要ではない。目的の遺伝子をコードするポリヌクレオチドはまた、E3置換ベクター中の欠失E3領域の代わりに、又はヘルパー細胞株若しくはヘルパーウイルスがE4欠損を補完するE4領域に挿入され得る。
アデノ随伴ウイルス(AAV)は、アデノウイルスストックの混入物として発見されたパルボウイルスである。これは、いかなる疾患とも関連付けられていない遍在性ウイルスである(米国のヒト集団の85%に抗体が存在する)。これは、その複製がアデノウイルスなどのヘルパーウイルスの存在に依存するため、ディペンドウイルスとしても分類される。様々な血清型が単離されており、そのうちのAAV-2が最もよく特徴付けられている。AAVは、直径20~24nmの正二十面体ビリオンを形成するようにカプシドタンパク質VP1、VP2及びVP3にカプシド化された一本鎖線状DNAを有する。
AAVのDNAは4.7キロベース長である。それは2つのオープン・リーディング・フレームを含み、2つのITRによって隣接される。AAVゲノムには2つの主要な遺伝子であるrep及びcapが存在する。rep遺伝子は、ウイルスの複製に関与するタンパク質をコードするのに対し、capは、カプシドタンパク質VP1~3をコードする。各ITRは、T型のヘアピン構造を形成する。これらの末端反復は、染色体組み込みに必須の唯一のAAVのシス成分である。したがって、AAVは、すべてのウイルスコード配列が除去され、送達用遺伝子のカセットによって置き換えられたベクターとして使用することができる。3つのAAVウイルスプロモーターが同定され、それらのマップ位置に従ってp5、p19及びp40と命名された。p5及びp19からの転写はrepタンパク質の産生をもたらし、p40からの転写はカプシドタンパク質を産生する。
AAVは、それらの優れた安全性プロファイルのため、並びに選択された細胞集団での発現を可能にするようにそれらのカプシド及びゲノムを調整することができるため、本開示内での使用において際立っている。scAAVは自己相補的AAVを指す。pAAVはプラスミドアデノ随伴ウイルスを指す。rAAVは、組換えアデノ随伴ウイルスを指す。
他のウイルスベクターも使用することができる。例えば、ワクシニアウイルス、ポリオウイルス及びヘルペスウイルスなどのウイルスに由来するベクターを使用することができる。それらは、様々な哺乳動物細胞にいくつかの魅力的な特徴を提供する。
レトロウイルスは、遺伝子送達のための一般的なツールである。「レトロウイルス」は、そのゲノムRNAを直鎖状の二本鎖DNAコピーに逆転写し、続いてそのゲノムDNAを共有結合により宿主ゲノムに組み込むRNAウイルスを指す。一旦ウイルスが宿主ゲノムに組み込まれると、それは「プロウイルス」と呼ばれる。プロウイルスは、RNAポリメラーゼIIの鋳型として機能し、新しいウイルス粒子を産生するのに必要な構造タンパク質及び酵素をコードするRNA分子の発現を指示する。
特定の実施形態での使用に適した例示的なレトロウイルスとしては、モロニーマウス白血病ウイルス(M-MuLV)、モロニーマウス肉腫ウイルス(MoMSV)、ハーベイマウス肉腫ウイルス(HaMuSV)、マウス乳癌ウイルス(MuMTV)、テナガザル白血病ウイルス(GaLV)、ネコ白血病ウイルス(FLV)、スプーマウイルス、フレンドマウス白血病ウイルス、マウス幹細胞ウイルス(MSCV)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)及びレンチウイルスが挙げられる。
「レンチウイルス」は、複合レトロウイルスの群(又は属)を指す。例示的なレンチウイルスとしては、HIV(HIV1型及びHIV2型を含むヒト免疫不全ウイルス)、ビスナ・マエディウイルス(VMV)、ヤギ関節炎脳炎ウイルス(CAEV)、ウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)、ウシ免疫不全ウイルス(BIV)及びサル免疫不全ウイルス(SIV)が挙げられる。特定の実施形態では、HIVベースのベクターバックボーン(すなわち、HIVシス作用配列エレメント)を使用することができる。
いくつかのベクターの使用のための安全性の強化は、ウイルス粒子の産生中にウイルスゲノムの転写を駆動するために、5’LTRのU3領域を異種プロモーターで置き換えることによって提供することができる。この目的のために使用され得る異種プロモーターの例としては、例えば、ウイルス性シミアンウイルス40(SV40)(例えば、初期又は後期)、サイトメガロウイルス(CMV)(例えば、即時)、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMLV)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)及び単純ヘルペスウイルス(HSV)(チミジンキナーゼ)プロモーターが挙げられる。典型的なプロモーターは、Tat非依存性様式で高レベルの転写を駆動することができる。この置き換えは、ウイルス産生系に完全なU3配列が存在しないため、組換えによって複製能を有するウイルスを産生する可能性を低下させる。特定の実施形態では、異種プロモーターは、ウイルスゲノムが転写される様式を制御する上でさらなる利点を有する。例えば、異種プロモーターは、誘導因子が存在する場合にのみウイルスゲノムのすべて又は一部の転写が起こるように、誘導性であり得る。誘導因子には、宿主細胞が培養される1つ以上の化合物又は温度若しくはpHなどの生理学的条件が含まれる。
特定の実施形態では、ウイルスベクターはTARエレメントを含む。「TAR」という用語は、レンチウイルスLTRのR領域に位置する「トランス活性化応答」遺伝子エレメントを指す。このエレメントは、レンチウイルストランス活性化因子(tat)遺伝子エレメントと相互作用してウイルス複製を増強する。しかしながら、このエレメントは、5’LTRのU3領域が異種プロモーターによって置き換えられる実施形態では必要とされない。
「R領域」は、キャッピング基の開始点(すなわち、転写の開始点)で始まり、ポリ(A)トラクトの開始点の直前で終わる、レトロウイルスLTR内の領域を指す。R領域はまた、U3及びU5領域によって隣接されているものとして定義される。R領域は、逆転写中に、ゲノムの一方の末端から他方の末端への新生DNAの移入を可能にする役割を果たす。
特定の実施形態では、ウイルスベクターにおける異種配列の発現は、転写後調節エレメント、効率的なポリアデニル化部位、及び任意選択的に、転写終結シグナルをベクターに組み込むことによって増加する。様々な転写後調節エレメントは、異種核酸の発現を増加させることができる。例としては、ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE、Zufferey et al.,1999,J.Virol.,73:2886)、B型肝炎ウイルスに存在する転写後調節エレメント(HPRE)(Smith et al.,Nucleic Acids Res.26(21):4818-4827,1998)、(Liu et al.,1995,Genes Dev.,9:1766)などが挙げられる。特定の実施形態では、ベクターは、WPRE又はHPREなどの転写後調節エレメントを含む。特定の実施形態では、ベクターは、WPRE又はHPREなどの転写後調節エレメントを欠くか又は含まない。
異種核酸転写物の効率的な終結及びポリアデニル化を指示するエレメントは、異種遺伝子発現を増加させることができる。転写終結シグナルは、一般に、ポリアデニル化シグナルの下流に見られる。特定の実施形態では、ベクターは、発現される分子(例えば、タンパク質)をコードするポリヌクレオチドのポリアデニル化シグナル3’を含む。「ポリ(A)部位」又は「ポリ(A)配列」という用語は、RNAポリメラーゼIIによる新生RNA転写物の終結及びポリアデニル化の両方を指示するDNA配列を意味する。ポリアデニル化配列は、コード配列の3’末端にポリ(A)尾部を付加することによってmRNAの安定性を促進することができ、したがって翻訳効率の向上に寄与する。特定の実施形態は、BGHpA又はSV40pAを利用することができる。特定の実施形態では、発現コンストラクトの好ましい実施形態は、ターミネーターエレメントを含む。これらのエレメントは、転写物レベルを高め、コンストラクトから他のプラスミド配列への読み取りを最小限に抑えるのに役立つ。
特定の実施形態では、ウイルスベクターは、1つ以上のインスレーターエレメントをさらに含む。インスレーターエレメントは、ウイルスベクター発現配列、例えば、エフェクターエレメント又は発現可能エレメントを、ゲノムDNAに存在するシス作用エレメントによって媒介され、移入された配列の調節解除された発現をもたらし得る組み込み部位効果から保護することに寄与し得る(すなわち、位置効果、例えば、Burgess-Beusse et al.,PNAS.,USA,99:16433,2002及びZhan et al.,Hum.Genet.,109:471,2001を参照のこと)。特定の実施形態では、ウイルス移入ベクターは、3’LTRに1つ以上のインスレーターエレメントを含み、プロウイルスが宿主ゲノムに組み込まれると、プロウイルスは、3’LTRを複製することにより、5’LTR及び3’LTRの両方に1つ以上のインスレーターを含む。特定の実施形態で使用するのに適したインスレーターとしては、ニワトリβ-グロビンインスレーター(Chung et al.,Cell74:505,1993、Chung et al.,PNAS USA 94:575,1997及びBell et al.,Cell98:387,1999を参照のこと)、SP10インスレーター(Abhyankar et al.,JBC282:36143,2007)、又はエンハンサーをブロックするインスレーターとして機能する他の小さなCTCF認識配列(Liu et al.,Nature Biotechnology,33:198,2015)が挙げられる。
前述の説明を超えて、広範囲の適切な発現ベクタータイプが当業者に知られている。これらには、一般的な組換え手順のために設計された市販の発現ベクター、例えば、1つ以上のレポーター遺伝子及び細胞におけるレポーター遺伝子の発現に必要な調節エレメントを含むプラスミドが含まれ得る。多数のベクターが、例えば、Invitrogen社、Stratagene社、Clontech社などから市販されており、多数の関連するガイドに記載されている。特定の実施形態では、適切な発現ベクターは、哺乳動物細胞におけるコードされた遺伝子の発現をサポートすることができる任意のプラスミド、コスミド又はファージコンストラクト、例えばpUC又はBluescriptプラスミドシリーズを含む。
本明細書に開示されるベクターの特定の実施形態には、以下が含まれる。
より大きなベクター配列内のサブコンポーネント配列は、当業者によって、本開示の内容に基づいて容易に同定することができる(図22を参照のこと)。同定可能なサブコンポーネントと列挙されたサブコンポーネントとの間のヌクレオチドは、コンストラクトのアセンブリ(クローニング)に使用される制限酵素認識部位を反映し、場合によっては、追加のヌクレオチドは同定可能な機能を伝達しない。完全なベクター配列のこれらのセグメントは、異なるクローニング戦略及び/又はベクターの使用に基づいて調整することができる。一般に、短い6ヌクレオチドのパリンドローム配列は、ベクター機能にとって重要ではないベクター構築アーチファクトを反映する。
特定の実施形態では、血液脳関門(BBB)を通過するカプシドを有するベクター(例えば、AAV)が選択される。特定の実施形態では、ベクターは、BBBを通過するカプシドを含むように改変される。血液脳関門を通過するウイルスカプシドを有するAAVの例としては、AAV9(Gombash et al.,Front Mol Neurosci.2014;7:81)、AAVrh.10(Yang,et al.,Mol Ther.2014;22(7):1299-1309)、AAV1R6、AAV1R7(Albright et al.,Mol Ther.2018;26(2):510)、rAAVrh.8(Yang,et al.,supra)、AAV-BR1(Marchio et al.,EMBO Mol Med.2016;8(6):592)、AAV-PHP.S(Chan et al.,Nat Neurosci.2017;20(8):1172)、AAV-PHP.B(Deverman et al.,Nat Biotechnol.2016;34(2):204)、AAV-PPS(Chen et al.,Nat Med.2009;15:1215)及びPHP.eB.が挙げられる。特定の実施形態では、PHP.eBカプシドは、AAV9を参照として使用すると、残基586:S-AQ-A(配列番号116)で始まるアミノ酸がS-DGTLAVPFK-A(配列番号117)に変更されるように、AAV9とは異なる。特定の実施形態では、PHP.ebは配列番号37を指す。
AAV9は天然に存在するAAV血清型であり、他の多くの天然に存在する血清型とは異なり、静脈内注射後にBBBを通過することができる。それは、中枢神経系(CNS)の大部分を形質導入し、したがって、例えば、AveXis社による脊髄性筋萎縮症(SMA)症候群の治療(AVXS-101、NCT03505099)及びCLN3遺伝子関連神経セロイドリポフスチン症の治療(NCT03770572)の臨床治験に関連して記載されるような低侵襲治療(Naso et al.,BioDrugs.2017;31(4):317)を可能にする。
AAVrh.10は、元々アカゲザルから単離され、遺伝子送達用途に使用される他の一般的な血清型と比較した場合、ヒトにおいて低い血清陽性を示し(Selot et al.,Front Pharmacol.2017;8:441)、臨床治験LYS-SAF302、LYSOGENE及びNCT03612869において評価されている。
キメラAAVベクターのライブラリーから単離された2つの変異体であるAAV1R6及びAAV1R7(AAVrh.10にスワッピングしたAAV1カプシドドメイン)は、BBBを通過し、CNSを形質導入する能力を保持する一方で、肝臓及び血管内皮の形質導入の顕著な低下を示す。
rAAVrh.8もまたアカゲザルから単離され、末梢投与後の臨床的に重要な領域におけるグリア細胞型及びニューロン細胞型の全体的な形質導入を示し、他のベクターと比較して末梢組織向性の低下も示す。
AAV-BR1は、ランダムAAVディスプレイペプチドライブラリーのインビボスクリーニング中に単離されたNRGTEWD(配列番号118)エピトープを示すAAV2変異体である。それは、最小のオフターゲットアフィニティで脳における高い導入遺伝子発現を伴う高い特異性を示す(肝臓を含む)(Korbelin et al.,EMBO Mol Med.2016;8(6):609)。
AAV-PHP.S(Addgene、マサチューセッツ州ウォータータウン)はCREATE法で作製されたAAV9の変異体であり、7量体配列QAVRTSL(配列番号119)をコードし、腸神経系のニューロンを形質導入し、脊髄及び脳幹に入る末梢感覚求心性神経を強く形質導入する。
AAV-PHP.B(Addgene、マサチューセッツ州ウォータータウン)はCREATE法で作製されたAAV9の変異体であり、7量体配列TLAVPFK(配列番号120)をコードする。これは、AAV9よりも高い効率でCNS全体に遺伝子を移入し、複数のCNS領域にわたって星状膠細胞及びニューロンの大部分を形質導入する。
AAV2のカプシドへのDSPAHPS(配列番号121)エピトープの挿入によって作製されたAAV2変異体であるAAV-PPSは、AAV2と比較して劇的に改善された脳向性を示す。
血液脳関門を通過するカプシドに関する追加情報については、Chan et al.,Nat.Neurosci.2017 Aug:20(8):1172-1179を参照されたい。
(ii)投与用組成物。本開示の人工発現コンストラクト及びベクター(本明細書では生理活性成分と呼ばれる)は、細胞、組織切片、動物(例えば、マウス、非ヒト霊長類)又はヒトへの投与に適した担体とともに処方することができる。本明細書に記載の組成物中の生理活性成分は、中性型で、遊離塩基として、又は薬理学的に許容される塩として調製することができる。
薬学的に許容される塩には、酸付加塩(タンパク質の遊離アミノ基で形成される)が含まれ、これらは、例えば、塩酸若しくはリン酸などの無機酸、又は酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸などのような有機酸で形成される。遊離カルボキシル基で形成される塩は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、又は水酸化第二鉄などの無機塩基、及びイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカインなどのような有機塩基から誘導することもできる。
生理活性成分の担体には、溶媒、分散媒、ビヒクル、コーティング、希釈剤、等張剤及び吸収遅延剤、緩衝液、溶液、懸濁液、コロイドなどが含まれ得る。生理活性成分のためのそのような担体の使用は、当技術分野で周知である。任意の従来の媒体又は薬剤が生理活性成分と不適合である場合を除いて、本明細書に記載の組成物とともに使用することができる。
「薬学的に許容される担体」という語句は、ヒトに投与した場合、特に実施形態において静脈内(例えば、後眼窩神経叢)に投与した場合に、アレルギー又は類似の有害反応を生じない担体を指す。
特定の実施形態では、組成物は、静脈内、実質内、眼内、硝子体内、非経口、皮下、脳室内、筋肉内、髄腔内、脊髄内、腹腔内、経口又は鼻腔吸入のために、又は1つ以上の細胞、組織又は器官への直接注射又は適用によって処方することができる。
組成物は、リポソーム、脂質、脂質複合体、ミクロスフェア、微粒子、ナノスフェア、及び/又はナノ粒子を含み得る。
リポソームの形成及び使用は、一般に当業者に知られている。血清安定性及び循環半減期が改善されたリポソームが開発されている(例えば、米国特許第5,741,516号明細書を参照のこと)。さらに、潜在的な薬物担体としてのリポソーム及びリポソーム様調製物の様々な方法が記載されている(例えば、米国特許第5,567,434号明細書、5,552,157号明細書、5,565,213号明細書、5,738,868号明細書及び5,795,587号明細書を参照されたい)。
本開示はまた、生理活性成分の薬学的に許容されるナノカプセル製剤を提供する。ナノカプセルは、一般に、安定した再現可能な方法で化合物を捕捉することができる(Quintanar-Guerrero et al.,Drug Dev Ind Pharm24(12):1113-1128,1998、Quintanar-Guerrero et al.,Pharm Res.15(7):1056-1062,1998、Quintanar-Guerrero et al.,J.Microencapsul.15(1):107-119,1998、Douglas et al.,Crit Rev Ther Drug Carrier Syst3(3):233-261,1987)。細胞内ポリマー過負荷による副作用を回避するために、そのような超微粒子は、インビボで分解することができるポリマーを使用して設計することができる。これらの要件を満たす生分解性ポリアルキル-シアノアクリレートナノ粒子は、本開示における使用が企図される。そのような粒子は、Couvreur et al.,J Pharm Sci69(2):199-202,1980、Couvreur et al.,Crit Rev Ther Drug Carrier Syst.5(1)1-20,1988、zur Muhlen et al.,Eur J Pharm Biopharm,45(2):149-155,1998、Zambaux et al.,J Control Release50(1-3):31-40,1998及び米国特許第5,145,684号明細書に記載されているように、容易に作製することができる。
注射用組成物は、滅菌水溶液又は分散体、及び滅菌注射用溶液又は分散体の即時調製のための滅菌粉末を含むことができる(米国特許第5,466,468号明細書)。注射による送達の場合、形態は、無菌であり、シリンジによって送達させることができる程度の流体である。特定の実施形態では、それは、製造及び貯蔵の条件下で安定であり、任意選択的に、細菌及び真菌などの微生物の汚染作用に対する1つ以上の防腐剤化合物を含む。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコールなど)、それらの適切な混合物、及び/又は植物油を含む溶媒又は分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散体の場合には必要な粒径の維持によって、及び/又は界面活性剤の使用によって維持され得る。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤及び/又は抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによってもたらされ得る。各種実施形態では、調製物は、等張剤、例えば、糖又は塩化ナトリウムを含む。注射用組成物の持続的吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを組成物中に含めることによって達成することができる。注射用組成物は、必要に応じて適切に緩衝化することができ、液体希釈剤は、最初に十分な生理食塩水又はグルコースで等張にする。
分散体はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール及びそれらの混合物並びに油中で調製することができる。示されるように、通常の貯蔵及び使用の条件下で、これらの調製物は、微生物の増殖を防ぐために防腐剤を含むことができる。
滅菌組成物は、生理活性成分を適切な量の溶媒に他の任意成分(例えば、上に列挙したように)とともに混合し、続いて濾過滅菌することによって調製することができる。一般に、分散体は、様々な滅菌生理活性成分を、基本的な分散媒及び必要とされる他の成分(例えば、上に列挙したもの)を含む滅菌ビヒクルに混合することによって調製される。滅菌注射用溶液の調製のための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥及び凍結乾燥技術であり得、これは、生理活性成分に加え任意のさらなる所望の成分の粉末を、予め滅菌濾過されたその溶液から生成する。
経口用組成物は、例えば、溶液、シロップ剤又は懸濁液として液状であってもよく、又は使用前に水又は他の適切なビヒクルで再構成するための製剤として提示されてもよい。そのような液体調製物は、懸濁化剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体又は水素化食用脂肪)、乳化剤(例えば、レシチン又はアカシア)、非水性ビヒクル(例えば、アーモンド油、油性エステル、又は分留植物油)及び防腐剤(例えば、メチル又はプロピル-p-ヒドロキシベンゾエート又はソルビン酸)などの薬学的に許容される添加剤を用いて従来の手段によって調製することができる。組成物は、例えば、結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース)、充填剤(例えば、ラクトース、微結晶性セルロース又はリン酸水素カルシウム)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク又はシリカ)、崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプン又はデンプングリコール酸ナトリウム)、又は湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの薬学的に許容される賦形剤を用いて従来の手段によって調製された錠剤又はカプセルの形態をとることができる。錠剤は、当技術分野で周知の方法によってコーティングすることができる。
吸入用組成物は、適切な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の適切なガスを使用して、加圧パック又はネブライザからエアロゾルスプレー提示の形態で送達することができる。加圧エアロゾルの場合、投与単位は、計量された量を送達するための弁を設けることによって決定することができる。吸入器又は吹送器で使用するための、例えば、ゼラチンのカプセル及びカートリッジは、化合物と、ラクトース又はデンプンなどの適切な粉末基剤との粉末混合物を含むように処方することができる。
組成物はまた、マイクロチップデバイス(米国特許第5,797,898号明細書)、眼科用製剤(Bourlais et al.,Prog Retin Eye Res,17(1):33-58,1998)、経皮マトリックス(米国特許第5,770,219号明細書及び米国特許第5,783,208号明細書)及びフィードバック制御送達(米国特許第5,697,899号明細書)を含むことができる。
補助的な活性成分も組成物に組み込むことができる。
典型的には、組成物は、少なくとも0.1%以上の生理活性成分を含むことができるが、もちろん、生理活性成分の割合は変動してもよく、好都合には、全組成物の重量又は体積の1若しくは2%~70%若しくは80%以上又は0.5~99%であってもよい。当然のことながら、各生理学的に有用な組成物中の生理活性成分の量は、化合物の任意の所与の単位用量において適切な投与量が得られるような方法で調製することができる。溶解度、生物学的利用能、生物学的半減期、投与経路、製品貯蔵寿命と同様に他の薬理学的考慮事項などの要因は、そのような医薬製剤を調製する当業者によって企図され、したがって、様々な組成物及び投与量が望ましい場合がある。
特定の実施形態では、ヒトへの投与の場合、組成物は、米国食品医薬品局(FDA)又は他の国の他の該当する監督官庁によって要求される無菌性、発熱性、並びに一般的な安全性及び純度の基準を満たさなければならない。
(iii)人工発現コンストラクトを含む細胞株。本開示は、本明細書に記載の人工発現コンストラクトを含む細胞を含む。人工発現コンストラクトで形質転換された細胞は、神経解剖学的研究、機能性及び/又は非機能性タンパク質の評価、及びエンハンサーの調節特性を評価する薬物スクリーニングを含む多くの目的に使用することができる。
様々な宿主細胞株を使用することができるが、特定の実施形態では、細胞は哺乳動物神経細胞である。特定の実施形態では、人工発現コンストラクトは、Grik1_enhGad2-1、Grik1_enhGad2-2、mscRE5、mscRE8、eHGT_019h、eHGT_022h、eHGT_022m、eHGT_017h、eHGT_17m、eHGT_079h、eHGT_082h、eHGT_086h、eHGT_128h、eHGT_140h、eHGT_064h、eHGT_023h及びeHGT_359のエンハンサー及び/若しくはベクター配列、並びに/又はAiP1146、AiP1113、AiP1147、AiP1147、AiP1013、AiP1012、CN1525、CN1528、CN1532、CN1621、CN1633、CN1259、CN2045、CN1255、CN1408、CN1258、CN1279、CN1253及びCN1274のベクター配列を含み、細胞株はヒト、霊長類又はマウスの神経細胞である。本開示において遺伝子導入に利用することができる細胞株には、ラット又はマウスの脳などの生体組織に由来する初代細胞株、及びラット又はマウスなどの動物由来の脳切片を含む器官型細胞培養物も含まれる。PC12細胞株(American Type Culture Collection、ATCC、バージニア州マナッサスから入手可能)は、神経成長因子(NGF)に応答して多数のニューロンマーカータンパク質を発現することが示されている。PC12細胞株は、ニューロン細胞株であると考えられ、本開示での使用に適用可能である。JAR細胞(ATCCから入手可能)は、セロトニントランスポーター遺伝子などのいくつかのニューロン遺伝子を発現する血小板由来細胞株であり、本明細書に記載の実施形態で使用することができる。
WO91/13150には、ニューロン細胞株を含む様々な細胞株、及びそれらを作製する方法が記載されている。同様に、WO97/39117には、ニューロン細胞株及びそのような細胞株を作製する方法が記載されている。これらの特許出願に開示されているニューロン細胞株は、本開示における使用に適用可能である。
特定の実施形態では、「神経細胞」は、中枢神経系内に位置する1つ以上の細胞を指し、ニューロン及びグリア、並びにニューロン又はグリアに由来する新生物細胞及び腫瘍細胞を含む、ニューロン及びグリアに由来する細胞を含む。「神経細胞に由来する細胞」は、神経細胞に由来するか、又は神経細胞から生じたか、又は神経細胞から分化した細胞を指す。
特定の実施形態では、「ニューロンの(neuronal)」は、ニューロン細胞のもの、ニューロン細胞に関連するもの、又はニューロン細胞を含むものを説明する。ニューロン細胞は、軸索及び樹状突起の存在によって定義される。「ニューロン特異的」という用語は、ニューロン細胞又はニューロン細胞に由来する細胞に見られるか又は生じる活性であるが、非ニューロン細胞又はニューロン細胞に由来しない細胞、例えば、星状膠細胞又は乏突起膠細胞などのグリア細胞において見られないか若しくは生じない、又は実質的に見られないか若しくは実質的に生じないものを指す。
特定の実施形態では、マウス胚性幹細胞を含む非ニューロン細胞株を使用することができる。培養マウス胚性幹細胞は、プラスミドコンストラクトによる一過性トランスフェクションを使用して遺伝子コンストラクトの発現を分析するために使用することができる。マウス胚性幹細胞は多能性であり、未分化である。これらの細胞は、白血病抑制因子(LIF)によってこの未分化状態に維持することができる。LIFの除去は胚性幹細胞の分化を誘導する。培養において、幹細胞は様々な分化細胞型を形成する。分化は、組織特異的転写因子の発現によって引き起こされ、エンハンサー配列の機能を評価することを可能にする。(例えば、Fiskerstrand et al.,FEBS Lett458:171-174,1999を参照されたい。)
幹細胞をニューロン細胞に分化させる方法には、幹細胞培養培地を、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)ヘパリン、N2サプリメント(例えば、トランスフェリン、インスリン、プロゲステロン、プトレシン及びセレナイト)、ラミニン及びポリオルニチンを含む培地に置き換えることが含まれる。幹細胞からミエリン形成乏突起膠細胞を作製するための工程は、Hu,et al.,2009,Nat.Protoc.4:1614-22に記載されている。Bibel,et al.,2007,Nat.Protoc.2:1034-43には、幹細胞からグルタミン酸作動性ニューロンを作製するためのプロトコールが記載され、一方、Chatzi,et al.,2009,Exp.Neurol.217:407-16には、GABA作動性ニューロンを作製するための手順が記載されている。この手順には、幹細胞を全トランス型レチノイン酸(all-trans-RA)に3日間曝露することが含まれる。その後、B27、bFGF及びEGFを添加したNeurobasal培地を含む無血清ニューロン誘導培地で培養すると、95%のGABAニューロンが発生する。
米国特許出願公開第2012/0329714号明細書には、神経幹細胞数を増加させるためのプロラクチンの使用が記載され、一方、米国特許出願公開第2012/0308530号明細書には、ニューロン、星状膠細胞及び乏突起膠細胞へのニューロン分化を促進するアミノ基を有する培養表面が記載されている。したがって、神経幹細胞の運命は、様々な細胞外因子によって制御することができる。一般に使用される因子としては、脳由来成長因子(BDNF;Shetty and Turner,1998,J Neurobiol.35:395-425)、線維芽細胞増殖因子(bFGF;米国特許第5,766,948号明細書;FGF-1、FGF-2)、ニューロトロフィン-3(NT-3)及びニューロトロフィン-4(NT-4);Caldwell,et al.,2001,Nat.Biotechnol.1;19:475-9)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、BMP-2(米国特許第5,948,428号明細書及び米国特許第6,001,654号明細書)、イソブチル3-メチルキサンチン、白血病抑制成長因子(LIF;米国特許第6,103,530号明細書)、ソマトスタチン、アンフィレグリン、ニューロトロフィン(例えば、環状アデノシンモノリン酸、上皮増殖因子(EGF)、デキサメタゾン(糖質コルチコイドホルモン)、フォルスコリン、GDNFファミリー受容体リガンド、カリウム、レチノイン酸(米国特許第6,395,546号明細書)、破傷風毒素、並びにトランスフォーミング増殖因子-α及びTGF-β(米国特許第5,851,832号明細書及び米国特許第5,753,506号明細書)が挙げられる。
特定の実施形態では、酵母ワンハイブリッドシステムを使用して、特定のタンパク質/DNA相互作用を阻害する化合物、例えばGrik1_enhGad2-1、Grik1_enhGad2-2、mscRE5、mscRE8、eHGT_019h、eHGT_022h、eHGT_022m、eHGT_017h、eHGT_17m、eHGT_079h、eHGT_082h、eHGT_086h、eHGT_128h、eHGT_140h、eHGT_064h、eHGT_023h又はeHGT_359の転写因子を同定することもできる。
トランスジェニック動物について以下に記載する。細胞株はまた、そのようなトランスジェニック動物に由来してもよい。例えば、トランスジェニックマウス由来の初代組織培養物(例えば、以下にも記載される)は、ゲノムに既に組み込まれた人工発現コンストラクトを有する細胞株を提供することができる。(例については、MacKenzie&Quinn,Proc Natl Acad Sci USA96:15251-15255,1999を参照されたい)。
(iv)トランスジェニック動物。本開示の別の態様は、トランスジェニック動物を含み、そのゲノムは、異種コード配列に作動可能に連結されたGrik1_enhGad2-1;Grik1_enhGad2-1、Grik1_enhGad2-2、mscRE5、mscRE8、eHGT_019h、eHGT_022h、eHGT_022m、eHGT_017h、eHGT_17m、eHGT_079h、eHGT_082h、eHGT_086h、eHGT_128h、eHGT_140h、eHGT_064h、eHGT_023h及び/又はeHGT_359を含む人工発現コンストラクトを含む。特定の実施形態では、トランスジェニック動物のゲノムは、AiP1146、AiP1113、AiP1147、AiP1147、AiP1013、AiP1012、CN1525、CN1528、CN1532、CN1621、CN1633、CN1259、CN2045、CN1255、CN1408、CN1258、CN1279、CN1253及び/又はCN1274を含む。特定の実施形態では、非組み込みベクターが利用される場合、トランスジェニック動物は、その細胞のうち1つ以上の中にGrik1_enhGad2-1、Grik1_enhGad2-2、mscRE5、mscRE8、eHGT_019h、eHGT_022h、eHGT_022m、eHGT_017h、eHGT_17m、eHGT_079h、eHGT_082h、eHGT_086h、eHGT_128h、eHGT_140h、eHGT_064h、eHGT_023h、eHGT_359、AiP1146、AiP1113、AiP1147、AiP1147、AiP1013、AiP1012、CN1525、CN1528、CN1532、CN1621、CN1633、CN1259、CN2045、CN1255、CN1408、CN1258、CN1279、CN1253及び/又はCN1274を含む人工発現コンストラクトを含む。
トランスジェニック動物を作製するための詳細な方法は、米国特許第4,736,866号明細書に記載されている。トランスジェニック動物は、任意の非ヒト種であり得るが、好ましくは、非ヒト霊長類(NHP)、ヒツジ、ウマ、ウシ、ブタ、ヤギ、イヌ、ネコ、ウサギ、ニワトリ、並びにモルモット、ハムスター、アレチネズミ、ラット、マウス及びフェレットなどのげっ歯類を含む。
特定の実施形態では、トランスジェニック動物の構築は、同じゲノム組み込み部位のすべての細胞中に存在する操作されたコンストラクトを有する生物をもたらす。したがって、そのようなトランスジェニック動物に由来する細胞株は、操作されたコンストラクトがすべての細胞において同じゲノム組み込み部位にあり、したがって、同じ位置効果による多様化を被る程度に一致する。それに対し、遺伝子を細胞株又は初代細胞培養物に導入すると、コンストラクトの異種発現が生じ得る。このアプローチの欠点は、導入されたDNAの発現が宿主動物の特定の遺伝的背景によって影響を受ける可能性があることである。
細胞株に関して上記で示されるように、本開示の人工発現コンストラクトは、当技術分野で周知の技術を使用してマウス胚性幹細胞を遺伝子改変するために使用することができる。典型的には、人工発現コンストラクトは、培養マウス胚性幹細胞に導入される。次に、形質転換されたES細胞を宿主母の胚盤胞に注入し、宿主胚を宿主母に再移植する。これにより、培養細胞株に存在する胚性幹細胞と、宿主胚に存在する胚性幹細胞との両方に由来する細胞から組織が構成されるキメラマウスが得られる。通常、遺伝子組換えに使用される培養ES細胞の由来となるマウスは、形質転換細胞が注入される胚を有する宿主マウスとは異なる毛色を有するように選択される。そして、キメラマウスは、まだらな毛色を有する。生殖細胞系組織が、少なくとも部分的に遺伝子改変された細胞に由来する限り、キメラマウスを適切な系統と交配して、導入遺伝子を有する子孫を産生する。
上記の送達方法に加えて、以下の技術もまた、人工発現コンストラクトを動物の標的細胞又は選択された組織及び器官、特に脊椎動物哺乳類の細胞、器官又は組織に送達する代替方法として企図される。超音波導入(例えば、米国特許第5,656,016号明細書に記載されているような超音波)、骨内注射(米国特許第5,779,708号明細書)、マイクロチップデバイス(米国特許第5,797,898号明細書)、眼科用製剤(Bourlais et al.,Prog Retin Eye Res,17(1):33-58,1998)、経皮マトリックス(米国特許第5,770,219号明細書及び米国特許第5,783,208号明細書)、フィードバック制御送達(米国特許第5,697,899号明細書)、並びに本開示の他の箇所で利用可能及び/又は記載されている他の任意の送達方法。
(v)使用方法。特定の実施形態では、本明細書に記載の生理活性成分を含む組成物は、生理学的効果をもたらすために対象に投与される。
特定の実施形態では、本開示は、操作された配列においてそのエンハンサーの下流の位置に部分的又は全体的にコードされている異種遺伝子の発現を調節するための本明細書に記載の人工発現コンストラクトの使用を含む。したがって、本明細書では、疾患、機能不全、又は障害の症状を予防、治療又は改善するための医薬品の調査、研究及び潜在的開発における開示された人工発現コンストラクトの使用方法が提供される。
特定の実施形態は、選択された細胞型における遺伝子の選択的発現を駆動するために、本明細書に記載のGrik1_enhGad2-1、Grik1_enhGad2-2、mscRE5、mscRE8、eHGT_019h、eHGT_022h、eHGT_022m、eHGT_017h、eHGT_17m、eHGT_079h、eHGT_082h、eHGT_086h、eHGT_128h、eHGT_140h、eHGT_064h、eHGT_023h、eHGT_359、AiP1146、AiP1113、AiP1147、AiP1147、AiP1013、AiP1012、CN1525、CN1528、CN1532、CN1621、CN1633、CN1259、CN2045、CN1255、CN1408、CN1258、CN1279、CN1253及び/又はCN1274を含む人工発現コンストラクトを対象に投与する方法を含む。対象は、単離された細胞、細胞のネットワーク、組織切片、実験動物、獣医動物、又はヒトであり得る。
医学分野で周知のように、任意の一対象への投与量は、対象のサイズ、表面積、年齢、投与される特定の化合物、性別、投与時間及び投与経路、全体的な健康状態、並びに同時に投与される他の薬物を含む多くの因子に依存する。本開示の化合物の投与量は変動するが、特定の実施形態では、投与量は、本開示の人工発現コンストラクトの105~10100コピーであり得る。特定の実施形態では、静脈内、実質内、脊髄内、後眼窩、又は髄腔内投与を受けている患者に、人工発現コンストラクトの106~1022コピーを注入することができる。
「有効量」は、対象において所望の生理学的変化をもたらすのに必要な組成物の量である。有効量は、多くの場合、研究目的で投与される。本明細書に開示される有効量は、動物モデル又はインビトロアッセイにおいて統計的に有意な効果を引き起こすことがある。
発現コンストラクトの量及びそのような組成物の投与時間は、本教示の利益を有する当業者の管理権限内である。しかしながら、開示された組成物の有効量の投与は、例えば、対象における効果を提供するのに十分な数の感染性粒子の単回注射などの単回投与によって達成され得る可能性がある。又は、状況によっては、人工発現コンストラクト組成物又は他の遺伝子コンストラクトの複数回又は連続的な投与を、そのような組成物の投与を個々の監督者によって決定され得るように、比較的短期間か、又は比較的長期間にわたって提供することが望ましい場合がある。例えば、哺乳類に投与される感染性粒子の数は、単回投与量として与えられるか、又は意図された効果を得るために必要となる場合があるように2回以上の投与に分割されるかのいずれかとして、107、108、109、1010、1011、1012、1013、又はさらにそれ以上の感染性粒子/mlであり得る。実際、特定の実施形態では、所望の効果を得るために、2つ以上の異なる発現コンストラクトを組み合わせて投与することが望ましい場合がある。
特定の状況では、本明細書に開示される適切に処方された組成物中の人工発現コンストラクトを、ピペットによって、後眼窩注射、皮下、眼内、硝子体内、非経口、皮下、静脈内、実質内、脳室内、筋肉内、髄腔内、脊髄内、腹腔内に、経口若しくは鼻腔吸入によって、又は1つ以上の細胞、組織若しくは器官への直接適用若しくは注射のいずれかによって、送達することが望ましいであろう。投与方法はまた、米国特許第5,543,158号明細書、米国特許第5,641,515号明細書及び米国特許第5,399,363号明細書に記載されているようなモダリティを含み得る。
(vi)キット及び市販パッケージ。キット及び市販パッケージは、本明細書に記載の人工発現コンストラクトを含む。人工発現コンストラクトを単離することができる。特定の実施形態では、発現産物の成分を互いに単離することができる。特定の実施形態では、発現産物は、ベクター内、ウイルスベクター内、細胞内、組織切片若しくは試料内、及び/又はトランスジェニック動物内にあり得る。そのようなキットは、1つ以上の試薬、制限酵素、ペプチド、治療薬、医薬化合物、又はシリンジ、注射剤などの組成物の送達手段をさらに含み得る。
キット又は市販パッケージの実施形態はまた、例えば、基礎研究、電気生理学的研究、神経解剖学的研究、並びに/又は障害、疾患若しくは状態の研究及び/若しくは治療における、含まれる成分の使用に関する指示を含む。
以下の例示的実施形態及び実験例は、本開示の特定の実施形態を実証するために含まれる。当業者は、本開示に照らして、本明細書に開示される特定の実施形態に多くの変更を加えることができ、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく同様又は類似の結果を依然として得ることができることを認識すべきである。
(vii)例示的実施形態。
1.(i)Grik1_enhGad2-1、Grik1_enhGad2-1、Grik1_enhGad2-2、mscRE5、mscRE8、eHGT_019h、eHGT_022h、eHGT_022m、eHGT_017h、eHGT_17m、eHGT_079h、eHGT_082h、eHGT_086h、eHGT_128h、eHGT_140h、eHGT_064h、eHGT_023h及びeHGT_359から選択されるエンハンサーと、(ii)プロモーターと、(iii)異種コード配列とを含む、人工発現コンストラクト。
2.異種コード配列は、エフェクターエレメント又は発現可能エレメントをコードする、実施形態1の人工発現コンストラクト。
3.エフェクターエレメントは、レポータータンパク質又は機能性分子を含む、実施形態1又は2の人工発現コンストラクト。
4.レポータータンパク質は、蛍光タンパク質を含む、実施形態3の人工発現コンストラクト。
5.機能性分子は、機能性イオントランスポーター、酵素、転写因子、受容体、膜タンパク質、細胞輸送タンパク質、シグナル伝達分子、神経伝達物質、カルシウムレポーター、チャネルロドプシン、CRISPR/CAS分子、エディターゼ、ガイドRNA分子、相同組換えドナーカセット、又はデザイナードラッグによって排他的に活性化されるデザイナー受容体(DREADD)を含む、実施形態1又は3の人工発現コンストラクト。
6.発現可能エレメントは、非機能性分子を含む、実施形態1~5のいずれかの人工発現コンストラクト。
7.非機能性分子は、非機能性イオントランスポーター、酵素、転写因子、受容体、膜タンパク質、細胞輸送タンパク質、シグナル伝達分子、神経伝達物質、カルシウムレポーター、チャネルロドプシン、CRISPR/CAS分子、エディターゼ、ガイドRNA分子、相同組換えドナーカセット、又はDREADDを含む、実施形態6の人工発現コンストラクト。
8.人工発現コンストラクトは、血液脳関門を通過するカプシドと結合している、実施形態1~7のいずれかの人工発現コンストラクト。
9.カプシドは、PHP.eB、AAV-BR1、AAV-PHP.S、AAV-PHP.B、又はAAV-PPSを含む、実施形態8の人工発現コンストラクト。
10.人工発現コンストラクトは、スキッピングエレメントを含むか又はコードする、実施形態1~9のいずれかの人工発現コンストラクト。
11.スキッピングエレメントは、2Aペプチド及び/又は内部リボソーム侵入部位(IRES)を含む、実施形態10の人工発現コンストラクト。
12.2Aペプチドは、T2A、P2A、E2A又はF2Aを含む、実施形態11の人工発現コンストラクト。
13.人工発現コンストラクトは、Grik1_enhGad2-1、Grik1_enhGad2-2、mscRE5、mscRE8、eHGT_019h、eHGT_022h、eHGT_022m、eHGT_017h、eHGT_17m、eHGT_079h、eHGT_082h、eHGT_086h、eHGT_128h、eHGT_140h、eHGT_064h、eHGT_023h及びeHGT_359、AAV、scAAV、rAAV、minBglobin、CMV、minCMV、minRho、minRho*、蛍光タンパク質(例えば、EGFP、SYFP、GFP)、Cre、iCre、dgCre、FlpO、tTA2、SP10、WPRE、並びに/又はBGHpAから選択される特徴の組を含むか又はコードする、実施形態1~12のいずれかの人工発現コンストラクト。
14.人工発現コンストラクトは、
Grik1_enhGad2-1-Hsp68-EGFP-WPRE3-BGHpA、
Grik1_enhGad2-1-pBGmin-EGFP-WPRE3-BGHpA、
Grik1_enhGad2-2-Hsp68-EGFP-WPRE3-BGHpA、
mscRE5-pBGmin-EGFP-WPRE3-BGHpA、
mscRE5-pBGmin-FlpO-WPRE3-BGHpA、
mscRE8-pBGmin-EGFP-WPRE3-BGHpA、
mscRE8-pBGmin-FlpO-WPRE3-BGHpA、
scAAV-eHGT_019h-minBGlobin-SYFP2-WPRE3-BGHpA、
scAAV-eHGT_022h-minBGlobin-SYFP2-WPRE3-BGHpA、
scAAV-eHGT_022m-minBGlobin-SYFP2-WPRE3-BGHpA、
scAAV-eHGT_017h-minBGlobin-SYFP2-WPRE3-BGHpA、
hsA2-eHGT_079h-minRho-SYFP2-WPRE3-BGHpA、
hsA2-eHGT_082h-minRho-SYFP2-WPRE3-BGHpA、
hsA2-eHGT_086h-minRho-SYFP2-WPRE3-BGHpA、
hsA2-eHGT_128h-minRho-SYFP2-WPRE3-BGHpA、
hsA2-eHGT_140h-minRho-SYFP2-WPRE3-BGHpA、
eHGT_064h-minBglobin-SYFP2-WPRE3-BGHpA、又は
scAAV-eHGT_023h-minBGlobin-SYFP2-WPRE3-BGHpA
から選択される特徴の組を含むか又はコードする、実施形態1~13のいずれかの人工発現コンストラクト。
Grik1_enhGad2-1-Hsp68-EGFP-WPRE3-BGHpA、
Grik1_enhGad2-1-pBGmin-EGFP-WPRE3-BGHpA、
Grik1_enhGad2-2-Hsp68-EGFP-WPRE3-BGHpA、
mscRE5-pBGmin-EGFP-WPRE3-BGHpA、
mscRE5-pBGmin-FlpO-WPRE3-BGHpA、
mscRE8-pBGmin-EGFP-WPRE3-BGHpA、
mscRE8-pBGmin-FlpO-WPRE3-BGHpA、
scAAV-eHGT_019h-minBGlobin-SYFP2-WPRE3-BGHpA、
scAAV-eHGT_022h-minBGlobin-SYFP2-WPRE3-BGHpA、
scAAV-eHGT_022m-minBGlobin-SYFP2-WPRE3-BGHpA、
scAAV-eHGT_017h-minBGlobin-SYFP2-WPRE3-BGHpA、
hsA2-eHGT_079h-minRho-SYFP2-WPRE3-BGHpA、
hsA2-eHGT_082h-minRho-SYFP2-WPRE3-BGHpA、
hsA2-eHGT_086h-minRho-SYFP2-WPRE3-BGHpA、
hsA2-eHGT_128h-minRho-SYFP2-WPRE3-BGHpA、
hsA2-eHGT_140h-minRho-SYFP2-WPRE3-BGHpA、
eHGT_064h-minBglobin-SYFP2-WPRE3-BGHpA、又は
scAAV-eHGT_023h-minBGlobin-SYFP2-WPRE3-BGHpA
から選択される特徴の組を含むか又はコードする、実施形態1~13のいずれかの人工発現コンストラクト。
15.実施形態1~14のいずれかの人工発現コンストラクトを含む、ベクター。
16.ベクターは、ウイルスベクターを含む、実施形態15のベクター。
17.ウイルスベクターは、組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む、実施形態15又は16のベクター。
18.少なくとも1つの異種コード配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであって、この異種コード配列は、プロモーターと、Grik1_enhGad2-1、Grik1_enhGad2-2、mscRE5、mscRE8、eHGT_019h、eHGT_022h、eHGT_022m、eHGT_017h、eHGT_17m、eHGT_079h、eHGT_082h、eHGT_086h、eHGT_128h、eHGT_140h、eHGT_064h、eHGT_023h及びeHGT_359から選択されるエンハンサーとの転写制御下にある、アデノ随伴ウイルスベクター。
19.AAVベクターは、複製能を有する、実施形態18のAAVベクター。
20.実施形態1~19のいずれかの発現コンストラクト又はベクターを含む、トランスジェニック細胞。
21.トランスジェニック細胞は、GABA作動性ニューロンである、実施形態20のトランスジェニック細胞。
22.トランスジェニック細胞は、リソソーム膜タンパク質5(Lamp5)ニューロン(例えば、新皮質)、血管作動性腸管ポリペプチド発現(Viip)ニューロン(例えば、新皮質)、ソマトスタチン(Sst)ニューロン(例えば、新皮質)、パルブアルブミン(Pvalb)ニューロン(例えば、新皮質)、層4(L4)終脳内(IT)ニューロン、層5(L5)ITニューロン、深部小脳核ニューロン又は小脳プルキンエ細胞である、実施形態20のトランスジェニック細胞。
23.実施形態1~22のいずれかの発現コンストラクト、ベクター、又はトランスジェニック細胞を含む、非ヒトトランスジェニック動物。
24.非ヒトトランスジェニック動物は、マウス又は非ヒト霊長類である、実施形態24の非ヒトトランスジェニック動物。
25.実施形態1~24のいずれかの発現コンストラクト、ベクター、又はトランスジェニック細胞を含む、投与可能な組成物。
26.実施形態1~25のいずれかの発現コンストラクト、ベクター、トランスジェニック細胞、トランスジェニック動物、及び/又は投与可能な組成物を含む、キット。
27.インビボ又はインビトロで神経細胞集団内の異種遺伝子を選択的に発現させるための方法であって、実施形態25の投与可能な組成物を、当該神経細胞集団を含む試料又は対象に十分な投与量及び十分な時間で提供することによって、当該神経細胞集団内の当該遺伝子を選択的に発現させることを含む、方法。
28.異種遺伝子は、エフェクターエレメント又は発現可能エレメントをコードする、実施形態27の方法。
29.エフェクターエレメントは、レポータータンパク質又は機能性分子を含む、実施形態28の方法。
30.レポータータンパク質は、蛍光タンパク質を含む、実施形態29の方法。
31.機能性分子は、機能性イオントランスポーター、酵素、転写因子、受容体、膜タンパク質、細胞輸送タンパク質、シグナル伝達分子、神経伝達物質、カルシウムレポーター、チャネルロドプシン、CRISPR/CAS分子、エディターゼ、ガイドRNA分子、相同組換えドナーカセット、又はDREADDを含む、実施形態29又は30の方法。
32.発現可能エレメントは、非機能性分子を含む、実施形態28の方法。
33.非機能性分子は、非機能性イオントランスポーター、酵素、転写因子、受容体、膜タンパク質、細胞輸送タンパク質、シグナル伝達分子、神経伝達物質、カルシウムレポーター、チャネルロドプシン、CRISPR/CAS分子、エディターゼ、ガイドRNA分子、相同組換えドナーカセット、又はDREADDを含む、実施形態32の方法。
34.提供することは、ピペット操作を含む、実施形態27~33のいずれかの方法。
35.ピペット操作は、脳切片に対するものである、実施形態34の方法。
36.脳切片は、GABA作動性ニューロンを含む、実施形態35の方法。
37.脳切片は、Lamp5ニューロン、Vipニューロン、Sstニューロン、Pvalbニューロン、L4 ITニューロン、L5 ITニューロン、深部小脳核細胞及び/又は小脳プルキンエ細胞を含む、実施形態35の方法。
38.脳切片は、マウス、ヒト、又は非ヒト霊長類のものである、実施形態35~37のいずれかの方法。
39.提供することは、生きている対象に投与することを含む、実施形態27~33のいずれかの方法。
40.生きている対象は、ヒト、非ヒト霊長類、又はマウスである、実施形態39の方法。
41.生きている対象に投与することは、注射によるものである、実施形態39又は40の方法。
42.注射は、静脈内注射、脳組織への実質内注射、脳室内(ICV)注射、大槽内(ICM)注射、又は髄腔内注射を含む、実施形態41の方法。
43.AiP1146、AiP1113、AiP1147、AiP1147、AiP1013、AiP1012、CN1525、CN1528、CN1532、CN1621、CN1633、CN1259、CN2045、CN1255、CN1408、CN1258、CN1279、CN1253、又はCN1274を含む、人工発現コンストラクト。
(viii)実験例。エンハンサーMGT_E31(eAi12.0)、MGT_E65(eAi13.0)、MGT_E5(eAi4.0)及びMGT_E8(eAi5.0)の実験方法。ウイルスゲノムのクローニング。エンハンサー特異的プライマー及びPhusion高忠実度ポリメラーゼ(M0530S;NEB)を使用して、C57Bl/6JゲノムDNAからエンハンサーをクローニングした。次いで、個々のエンハンサーを、標準的な分子クローニングアプローチを使用して、最小β-グロビンプロモーター又は最小Hsp68プロモーター、遺伝子、ウッドチャック転写後調節エレメント(WPRE)及びウシ成長ホルモンpolyAを含むrAAVバックボーンに挿入した。プラスミドの完全性をサンガー配列決定によって検証し、制限消化を実施して、インタクトな末端逆位配列(ITR)部位を確認した。
ウイルスのパッケージ化及び力価測定。トランスフェクションの前に、105μgのAAVウイルスゲノムプラスミド、190μgのpHelper、及び105μgのAAV-PHP.eBを、5mLのOpti-MEM I培地(低血清、GlutaMAX;ThermoFisher Scientific社)及び1.1mLの1mg/mLの25kDa線状ポリエチレンイミン(Polysciences社)のPBS溶液とpH4~5で混合した。このコトランスフェクション混合物を室温で10分間インキュベートした。0.61mLのこのコトランスフェクション混合物を、10枚の15cmディッシュのHEK293T細胞(ATCC)の各々に70~80%コンフルエンスで添加することによって、PHP.eB血清型の組換えAAVを作製した。トランスフェクションの24時間後、細胞培地を、4%FBS(Hyclone社)及び1%抗生物質抗真菌溶液を含むDMEM(高グルコース、L-グルタミン及びピルビン酸ナトリウムを含む;ThermoFisher Scientific社)に交換した。トランスフェクションの72時間後に、細胞を5mLの培地中で掻き取ることによって回収し、1500rpmで4Cで15分間ペレット化した。ペレットを、150mM NaCl、10mM Tris及び10mM MgCl2、pH7.6を含む緩衝液に懸濁し、ドライアイス中で凍結させた。細胞ペレットを37℃の水浴中で素早く融解させ、次いで、細胞含有培地を21~23G針を備えたシリンジに5回通し、続いてさらに3回凍結/融解し、37℃で50U/ml Benzonase(Sigma-Aldrich社)を用いて30分間インキュベートした。次いで、懸濁液を3,000×gで遠心分離して細胞破片をペレット化し、上清を、層状イオジキサノール段階勾配(15%、25%、40%及び60%)を使用して、Beckman 70Tiローターで18℃で90分間、58,000rpmで遠心分離することによってさらに精製した。ウイルス含有画分を、40~60%勾配層界面の下の全体積の抽出によって精製した。ウイルスを、Amicon Ultra-15 centrifugal filter unitを使用して、3,000rpmで4℃で遠心分離することによって濃縮し、5%グリセロール及び35mM NaClを含むPBS中で再構成した後、-80℃で保存した。
ウイルス力価を、AAV2 ITRにおける117bpの領域を認識するプライマー対(Forward:GGAACCCCTAGTGATGGAGTT(配列番号122)、Reverse:CGGCCTCAGTGAGCGA(配列番号123)を用いた定量PCR(qPCR)を使用して測定した。qPCR反応を、QuantiTect SYBR Green PCR Master Mix(Qiagen社)及び500nM プライマーを使用して実施した。ウイルス力価を決定するために、既知の力価を有するポジティブコントロールAAV及び未知の力価を有する新たに作製されたウイルスをDNAse Iで処理した。ポジティブコントロール及び新たに作製したウイルスの両方の段階希釈(1/10、1/100、1/500、1/2500、1/12500及び1/62500)を同じqPCRプレートに充填した。ポジティブコントロールウイルスに基づいてウイルス粒子濃度対Cq値の検量線を作成し、検量線に基づいて新しいウイルスの力価を計算した。
後眼窩注射。AAVウイルスを脳に導入するために、21日齢以上のC57Bl/6J、Ai14、又はAi65Fマウスをイソフルランで短時間麻酔し、1x1010-1x1011ウイルスゲノムコピー(gc)を最大容量50μL以下で後眼窩洞に送達した。Madisen et al.,Neuron85,942-958(2015)。このアプローチは、血液脳関門を通過してマウス脳に高効率でAAVウイルスを送達するために以前に利用されてきた。Chan et al.,Nat.Neurosci.20 1172-1179(2017).doi:10.1038/nn.4593。複数のAAVの送達のために、ウイルスを事前に混合し、次いで、後眼窩洞に同時に送達した。脳内にウイルス導入された導入遺伝子を分析するために、動物を回復させ、次いで、感染後1~3週間で屠殺した。
定位注射。ウイルスDNAをPHP.eB血清型にパッケージ化して、上記のように組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)を作製した。1.0X1013gc/mlの力価を有する各精製ウイルスを、圧力注入システム(Nanoject II、Drummond Scientific Company製、カタログ番号3-000-204)を使用して、C57BL/6Jマウス又はヘテロ接合Ai65F若しくは両方の対立遺伝子でヘテロ接合のGad2-IRES-Cre;Ai14マウスの一次視覚野(VISp;座標:A/P:-3.8、ML:-2.5、DV:0.6)に250及び50nL又は50及び25nLで両側に送達した。すべてのウイルスの発現を注射後14日で分析した。組織処理のために、マウスを4%パラホルムアルデヒド(PFA)で経心的に灌流し、1~2日間30%スクロースで後固定した。凍結ミクロトームを使用して50μmの切片を調製し、Nikon Eclipse TI落射蛍光顕微鏡又はFV3000共焦点顕微鏡を使用して、マウントした切片から注入物の蛍光画像をキャプチャした。
エンハンサーeHGT_019h、eHGT_017h、eHGT_017m、eHGT_022h、eHGT_022m、eHGT_023h、eHGT_64h、eHGT_079h、eHGT_082h、eHGT_086h、eHGT_128h、eHGT_140h、eHGT_359hの実験方法。エンハンサーのクローニング。AAV ITRを含むベクターバックボーンの供給源として、pscAAV-MCS(Cell Biolabs社カタログ番号VPK-430)又はpAAV-hSyn1-GCaMP6s-P2A-nls-dTomato(Addgeneプラスミド番号51084;https://www.addgene.org/51084/)のいずれかの誘導体であるAAV発現ベクターにエンハンサーをクローニングした。エンハンサーを、Pfusionポリメラーゼを使用して雄性のヒトゲノムDNA又はマウスC57BL/6JゲノムDNAから増幅し、標準的なギブソン・アセンブリアプローチによって、最小β-グロビンプロモーター及びニューロンにおいて良好な耐容性を示したより明るいEGFPの代替物であるSYFP2(Kremers,et al.,Biochemistry.45,6570-6580,2006)の上流に挿入した。NEB細胞(New England Biolabs社番号C3040I)を形質転換に使用した。scAAVプラスミドを、左ITRの時折の(10%)組換えについて制限分析及びサンガー配列決定によってモニターした。
ウイルス産生。エンハンサーAAVプラスミドをマキシプレップし、1プレートのAAV-293細胞(Cell Biolabs社カタログ番号AAV-100)に、ヘルパープラスミド及びPHP.eB rep/capパッケージ化ベクターとともにポリエチルイミンmaxでトランスフェクトした。翌日、培地を1%FBSに交換し、次いで、5日後に細胞及び上清を回収し、AAV粒子を3回の凍結融解サイクルによって放出させた。凍結融解後に溶解物をベンゾナーゼで処理して遊離DNAを分解し(2μLベンゾナーゼ、37℃で30分、MilliporeSigma社カタログ番号E8263-25KU)、次いで細胞破片を低速スピン(1500g10分)で事前に除去し、最後に粗ウイルスを100kDa分子量カットオフCentriconカラム(MilliporeSigma社カタログ番号Z648043)で濃縮して最終容量を150μLにした。この粗ウイルス調製物は、マウス及びヒトの両方のウイルス試験に有用であった。
マウスのウイルス試験。マウスに、100μLのPBSで希釈した10μL(1E11ゲノムコピー)の粗ウイルス調製物をP42~P49で後眼窩注射し、次いで、感染後18~28日で屠殺した。ライブ落射蛍光については、マウスをACSF.7で灌流し、生きた350μmの生理学的切片を一方の脳半球からコンプレストームで切り出してレポーター発現を分析した。抗体染色については、他方の脳半球をPBS中の4%PFAで4℃で4~6時間滴下固定し、次いでPBS中の30%スクロースで48~72時間かけて凍結保護し、次いで室温で3時間OCTに包埋し、次いでドライアイス上で凍結し、標準的方法を使用して抗体染色する前に10μmの厚さで切片化した。単一細胞RNA-seqを、Tasic et al.,Nat Neurosci.19,335-346,2016及びTasic et al.,Nature.563,72,2018のように行った。
ハイブリダイゼーション連鎖反応(HCR)ベースの多重蛍光in situハイブリダイゼーション法(mFISH)による細胞型特異性の試験。この技術を、1xPBS中の4%PFAに0~4℃で4~6時間浸漬することによって固定したマウスの脳半球に対して実施した。固定後、脳半球をPBSですすぎ、1xPBS中に4℃で1~28日間保存した。切片化のために、脳半球を1xPBS中の1%低融点アガロースに包埋し、冷1xPBS緩衝液中のLeica VT1000Sビブラトームで50~100μmの矢状切片を切り出した。切片化後、矢状切片を2時間にわたって1xPBS中の4%PFAで後固定し、室温にて1xPBS中ですすいだ。染色前に、切片を70%エタノール水溶液で4℃で1~28日間脱水した。染色当日、切片を1xPBS中の8%SDSで室温にて2時間透徹し、次いで2xSSC中でそれぞれ1時間3回洗浄した。その後、切片を、*Hybridization Buffer(*はMolecular Instruments社の製品を表す)を含む異なるウェルに移した後、*HCR Probeを含むHybridization Bufferに置き換え、37℃で一晩ハイブリダイズさせた。翌日、ハイブリダイゼーション混合物を取り出し、*30%Probe Wash Bufferで37℃で1時間洗浄し、次いで2xSSCですすいだ。プローブ洗浄中、蛍光標識した*HCR Hairpinを95℃で90秒間変性させ、次いで室温のアルミニウムブロックチューブホルダで30分間急冷した。次いで、この変性したヘアピンを*Amplification Bufferに添加した後、暗所で室温にて2時間組織切片に添加した。増幅混合物をPBS/0.1%TritonX-100で15分間洗浄した後、切片を1xPBS/0.1%TritonX-100中の5%正常ヤギ血清で1時間プレブロックした。次いで、切片を1:1000ウサギ抗GFP抗体(Abcam社番号ab290)で一晩染色し、1xPBS/0.1%TritonX-100で2回洗浄し、1:500 488-ヤギ抗ウサギIgG(Thermo Fisher Scientific社番号A11034)で2時間検出し、次いで1xPBS/0.1%TritonX-100で2回洗浄し、次いで10μg/mL DAPI/2xSSCで室温にて1時間染色した。すべての抗体染色及び洗浄工程は、穏やかに揺動攪拌しながら室温で実施した。切片をProlong Glass Mounting medium(Thermo Fisher Scientific社番号P36980)を用いてSuperfrost Plusスライドにマウントし、メーカーのソフトウェアを使用してOlympus FV3000共焦点顕微鏡でHCR/抗体染色を画像化した。Molecular Instruments社が設計したプローブには以下の寄託番号が付与されている:Rorb NM_001043354.2、Lamp5 NM_029530.2、Vip NM_011702.3、Pvalb NM_001330686.1、Sst NM_009215.1、Slc17a7 NM_182993.2、Gad1 NM_008077.5。
ヒトのウイルス試験。側頭皮質神経外科試料を冷ACSF.7中でバブリングし、処理全体を通して滅菌状態を維持した。組織のブロックを厚さ350μmでスライスし、次いで、白質及び軟膜を切除した。典型的には、すべての層は皮質切片で表される。次いで、切片を復温(ACSF.7を30℃で15分間バブリングした)し、続いてナトリウムを再導入した(表2の配合でACSF.8を室温で30分間バブリングした。Ting et al.,Scientific Reports.8,8407,2018)。次いで、切片を6ウェルディッシュ中のMillicell PTFE細胞培養インサート(MilliporeSigma社番号PICM03050)上のガス界面にて、1mLの切片培地(表2の配合)にプレーティングした。30分後、高力価AAV2/PHP.eBウイルス調製物を切片の表面に1μL/切片で直接適用することによって、切片を感染させた。切片培地を2日ごとに補充し、レポーター発現をモニターした。
(ix)最終段落。本明細書に開示及び参照される配列の変異体も含まれる。生物活性を損なうことなくどのアミノ酸残基を置換、挿入、又は欠損させることができるかを決定するための指針は、DNASTAR(商標)(ウィスコンシン州マディソン)ソフトウェアなどの当技術分野で周知のコンピュータプログラムを使用して見出すことができる。好ましくは、本明細書に開示されるタンパク質変異体におけるアミノ酸変化は、保存的アミノ酸変化、すなわち、同様に荷電又は非荷電アミノ酸の置換である。保存的アミノ酸変化は、それらの側鎖において関連する一群のアミノ酸のうちの1つの置換を含む。
ペプチド又はタンパク質では、アミノ酸の適切な保存的置換は当業者に知られており、一般に、得られる分子の生物活性を変化させることなく行うことができる。当業者は、一般に、ポリペプチドの非必須領域における単一のアミノ酸置換が生物活性を実質的に変化させないことを認識している(例えば、Watson et al.Molecular Biology of the Gene,4th Edition,1987,The Benjamin/Cummings Pub.Co.,p.224を参照されたい)。天然に存在するアミノ酸は、一般的に次のように保存的置換ファミリーに分けられる。グループ1:アラニン(Ala)、グリシン(Gly)、セリン(Ser)及びスレオニン(Thr)、グループ2:(酸性):アスパラギン酸(Asp)及びグルタミン酸(Glu)、グループ3:(酸性;極性の負に帯電した残基及びそれらのアミドとしても分類される):アスパラギン(Asn)、グルタミン(Gln)、Asp及びGlu、グループ4:Gln及びAsn、グループ5:(塩基性;極性の正に帯電した残基としても分類される):アルギニン(Arg)、リジン(Lys)及びヒスチジン(His)、グループ6(大きな脂肪族、非極性残基):イソロイシン(Ile)、ロイシン(Leu)、メチオニン(Met)、バリン(Val)及びシステイン(Cys)、グループ7(非荷電極性):チロシン(Tyr)、Gly、Asn、Gln、Cys、Ser及びThr、グループ8(大きな芳香族残基):フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)及びTyr、グループ9(非極性):プロリン(Pro)、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met及びTrp、グループ11(脂肪族):Gly、Ala、Val、Leu及びIle、グループ10(小さな脂肪族、非極性、又はわずかに極性の残基):Ala、Ser、Thr、Pro及びGly、並びにグループ12(硫黄含有):Met及びCys。さらなる情報は、Creighton(1984)Proteins,W.H.Freeman and Companyに見出すことができる。
そのような変更を行う際に、アミノ酸のハイドロパシー指標が考慮され得る。タンパク質に相互作用的な生物学的機能を付与する際のハイドロパシーアミノ酸指標の重要性は、当技術分野で一般的に理解されている(Kyte and Doolittle,1982,J.Mol.Biol.157(1),105-32)。各アミノ酸には、その疎水性及び荷電特徴に基づいてハイドロパシー指標が割り当てられている(Kyte and Doolittle,1982)。これらの値は次の通りである。Ile(+4.5)、Val(+4.2)、Leu(+3.8)、Phe(+2.8)、Cys(+2.5)、Met(+1.9)、Ala(+1.8)、Gly(-0.4)、Thr(-0.7)、Ser(-0.8)、Trp(-0.9)、Tyr(-1.3)、Pro(-1.6)、His(-3.2)、グルタメート(-3.5)、Gln(-3.5)、アスパルテート(-3.5)、Asn(-3.5)、Lys(-3.9)及びArg(-4.5)。
特定のアミノ酸は、類似のハイドロパシー指標又はスコアを有する他のアミノ酸で置換されても類似の生物活性を有するタンパク質をもたらす、すなわち、生物学的に機能的に同等のタンパク質を依然として得ることができることが当技術分野で知られている。そのような変更を行う際に、ハイドロパシー指標が、±2以内であるアミノ酸の置換が好ましく、±1以内のアミノ酸の置換が特に好ましく、±0.5以内のアミノ酸の置換がさらにより特に好ましい。同様のアミノ酸の置換は、親水性に基づいて効果的に行うことができることも当技術分野で理解されている。
米国特許第4,554,101号明細書に詳述されているように、以下の親水性値がアミノ酸残基に割り当てられている。Arg(+3.0)、Lys(+3.0)、アスパルテート(+3.0±1)、グルタメート(+3.0±1)、Ser(+0.3)、Asn(+0.2)、Gln(+0.2)、Gly(0)、Thr(-0.4)、Pro(-0.5±1)、Ala(-0.5)、His(-0.5)、Cys(-1.0)、Met(-1.3)、Val(-1.5)、Leu(-1.8)、Ile(-1.8)、Tyr(-2.3)、Phe(-2.5)、Trp(-3.4)。アミノ酸は、類似の親水性値を有する別のアミノ酸で置換されても生物学的に同等の、特に免疫学的に同等のタンパク質を得ることができることが理解されている。そのような変化において、親水性値が、±2以内であるアミノ酸の置換が好ましく、±1以内のアミノ酸の置換が特に好ましく、±0.5以内のアミノ酸の置換がさらにより特に好ましい。
上記で概説したように、アミノ酸置換は、アミノ酸側鎖置換基の相対的類似性、例えば、それらの疎水性、親水性、電荷、サイズなどに基づいてもよい。
他の箇所に示されるように、遺伝子配列の変異体は、コードされた産物の機能に統計的に有意な程度に影響を及ぼさないコドン最適化変異体、配列多型、スプライス変異体、及び/又は突然変異を含み得る。
本明細書に開示されるタンパク質、核酸及び遺伝子配列の変異体はまた、本明細書に開示されるタンパク質、核酸、又は遺伝子配列と少なくとも70%の配列同一性、80%の配列同一性、85%の配列同一性、90%の配列同一性、95%の配列同一性、96%の配列同一性、97%の配列同一性、98%の配列同一性、又は99%の配列同一性を有する配列を含む。
「配列同一性%」は、配列を比較することによって決定される、2つ以上の配列間の関係を指す。当技術分野では、「同一性」はまた、タンパク質、核酸、又は遺伝子配列間の配列関連性の程度を意味し、そのような配列のストリング間の一致によって決定される。「同一性」(多くの場合「類似性」と呼ばれる)は、以下に記載されているものを含む既知の方法によって容易に計算することができる。Computational Molecular Biology(Lesk,A.M.,ed.)Oxford University Press,N(1988)、Biocomputing:Informatics and Genome Projects(Smith,D.W.,ed.)Academic Press,NY(1994)、Computer Analysis of Sequence Data,Part I(Griffin,A.M.,and Griffin,H.G.,eds.)Humana Press,NJ(1994)、Sequence Analysis in Molecular Biology(Von Heijne,G.,ed.)Academic Press(1987)及びSequence Analysis Primer(Gribskov,M.and Devereux,J.,eds.)Oxford University Press,NY(1992)。同一性を決定するための好ましい方法は、試験される配列間の最良の一致を与えるように設計される。同一性及び類似性を決定するための方法は、公的に利用可能なコンピュータプログラムに体系化されている。配列アラインメント及び同一性パーセントの計算は、LASERGENEバイオインフォマティクス・コンピューティング・スイート(DNASTAR,Inc.、ウィスコンシン州マディソン)のMegalignプログラムを使用して実行することができる。配列の多重アラインメントは、アラインメントClustal法(Higgins and Sharp CABIOS,5,151-153(1989)を使用し、デフォルトパラメータ(GAP PENALTY=10、GAP LENGTH PENALTY=10)で実行することもできる。関連プログラムには、GCGのプログラム一式(Wisconsin Package Version9.0、Genetics Computer Group(GCG)、ウィスコンシン州マディソン)、BLASTP、BLASTN、BLASTX(Altschul,et al.,J.Mol.Biol.215:403-410(1990)、DNASTAR(DNASTAR,Inc.、ウィスコンシン州マディソン)、及びSmith-Watermanアルゴリズムを組み込んだFASTAプログラム(Pearson,Comput.Methods Genome Res.,[Proc.Int.Symp.](1994),Meeting Date 1992,111-20.Editor(s):Suhai,Sandor.Publisher:Plenum,New York,N.Y.も含まれる。本開示の文脈内で、配列分析ソフトウェアが分析に使用される場合、分析の結果は参照されるプログラムの「デフォルト値」に基づくことが理解されるであろう。本明細書で使用する場合、「デフォルト値」は、最初に初期化されたときにソフトウェアに元々ロードされる値又はパラメータの任意のセットを意味する。
変異体はまた、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で本明細書に開示される配列にハイブリダイズし、参照配列と同じ機能を提供する核酸分子を含む。例示的なストリンジェントなハイブリダイゼーション条件としては、50%ホルムアミド、5XSSC(750mM NaCl、75mMクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5Xデンハルト溶液、10%硫酸デキストラン、及び20μg/mlの変性剪断サケ精子DNAを含む溶液中、42℃で一晩インキュベートし、続いてフィルターを50℃で0.1XSSC中で洗浄することが挙げられる。ハイブリダイゼーション及びシグナル検出のストリンジェンシーの変化は、主にホルムアミド濃度(ホルムアミドの割合が低いほどストリンジェンシーが低下する)、塩の状態、又は温度の操作によって達成される。例えば、中程度に高いストリンジェンシー条件としては、6XSSPE(20XSSPE=3M NaCl;0.2M NaH2PO4;0.02M EDTA、pH7.4)、0.5%SDS、30%ホルムアミド、100μg/mlサケ精子ブロッキングDNAを含む溶液中、37℃で一晩インキュベートし、続いて50℃で1XSSPE、0.1%SDSで洗浄することが挙げられる。また、さらにより低いストリンジェンシーを達成するために、ストリンジェントなハイブリダイゼーションに続いて行われる洗浄は、より高い塩濃度(例えば、5XSSC)で行うことができる。上記条件における変動は、ハイブリダイゼーション実験においてバックグラウンドを抑制するために使用される代替のブロッキング試薬の含有及び/又は置換によって達成され得る。典型的なブロッキング試薬としては、デンハルト試薬、BLOTTO、ヘパリン、変性サケ精子DNA及び市販の専用製剤が挙げられる。特定のブロッキング試薬の含有は、適合性の問題のために、上記のハイブリダイゼーション条件の変更を必要とする場合がある。
当業者によって理解されるように、本明細書に開示される各実施形態は、その特定の記載された要素、工程、成分又は構成要素を含むか、それから本質的になるか、又はそれらからなることができる。したがって、「含む(include)」又は「含む(including)」という用語は、「含む、からなる、又はから本質的になる」と列挙するように解釈されるべきである。「含む(comprise)」又は「含む(comprises)」という移行用語は、不特定の要素、工程、成分、又は構成要素を、たとえ大量であっても、含むが、これらに限定されず、これらを含めることを可能にすることを意味する。「からなる」という移行句は、指定されていないあらゆる要素、工程、成分又は構成要素を除外する。「から本質的になる」という移行句は、実施形態の範囲を、指定された要素、工程、成分又は構成要素、及び実施形態に実質的に影響を及ぼさないものに限定する。物質的な影響は、scRNA-seq及び以下のエンハンサー/標的細胞集団の組み合わせ(Grik1_enhGad2-1/GABA作動性ニューロン一般、Grik1_enhGad2-2/GABA作動性ニューロン一般、mscRE5/GABA作動性ニューロン一般、mscRE8/GABA作動性ニューロン一般、eHGT_019h/リソソーム膜タンパク質5(Lamp5)ニューロン、eHGT_022h(本明細書ではeHGT_022mとも呼ばれる)/Lamp5及びVipニューロン、eHGT_017h/Lamp5、Vip及びソマトスタチン(Sst)ニューロン、eHGT_17m/Lamp5、Vip及びSstニューロン、eHGT_079h/パルブアルブミン(Pvalb)ニューロン細胞型、eHGT_082h/Pvalbニューロン細胞型及び深部小脳核ニューロン、eHGT_086h/Pvalbニューロン細胞型、eHGT_128h/Pvalbニューロン細胞型、eHGT_140h/Pvalbニューロン細胞型、eHGT_064h/Pvalb及びSstニューロン細胞型、eHGT_023h/Pvalb細胞型及び小脳プルキンエ細胞、並びにeHGT_359/Pvalb細胞型及び小脳プルキンエ細胞)によって決定されるように、標的細胞集団における選択的発現の統計的に有意な減少を引き起こす。
特定の実施形態では、人工とは、天然に存在しないことを意味する。
特に指示がない限り、本明細書及び本特許請求の範囲で使用される成分の量、分子量などの特性、反応条件などを表すすべての数字は、すべての場合において「約」という用語によって修飾されるものとして理解されるべきである。したがって、特に異議を唱えない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明によって得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、各数値パラメータは、特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限する試みとしてではなく、少なくとも報告された有効桁数に照らし、通常の丸め手法を適用することによって解釈されるべきである。さらに明確にする必要がある場合、「約」という用語は、記載された数値又は範囲とともに使用される場合、当業者によって合理的だとされる意味を有し、すなわち、記載された値又は範囲よりもいくらか大きい又はいくらか小さいことを示し、記載された値の±20%、記載された値の±19%、記載された値の±18%、記載された値の±17%、記載された値の±16%、記載された値の±15%、記載された値の±14%、記載された値の±13%、記載された値の±12%、記載された値の±11%、記載された値の±10%、記載された値の±9%、記載された値の±8%、記載された値の±7%、記載された値の±6%、記載された値の±5%、記載された値の±4%、記載された値の±3%、記載された値の±2%、又は記載された値の±1%の範囲内である。
本発明の広い範囲を示す数値範囲及びパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の実施例に示される数値は可能な限り正確に報告される。しかしながら、任意の数値は本質的に、それぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を含む。
本発明を説明する文脈で(特に以下の特許請求の範囲の文脈で)使用される用語「a」、「an」、「the」及び同様の指示対象は、本明細書で特に指示されない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含すると解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、単に、その範囲内に含まれる各別個の値を個別に参照する簡略方法として機能することを意図している。本明細書に特に指示がない限り、各個々の値は、本明細書に個別に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載のすべての方法は、本明細書に特に指示がない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書で提供されるありとあらゆる例、又は例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、単に本発明をよりよく明らかにすることを意図しており、他の方法で特許請求される本発明の範囲を限定するものではない。本明細書のいかなる文言も、本発明の実施に不可欠な特許請求されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
本明細書に開示される本発明の代替的な要素又は実施形態のグループ化は、限定として解釈されるべきではない。各グループメンバーは、個別に、又はグループの他のメンバー若しくは本明細書に見られる他の要素との任意の組み合わせで参照及び特許請求することができる。グループの1つ以上のメンバーは、利便性及び/又は特許性の理由により、グループに含まれ得るか、又はグループから削除され得ることが予想される。そのような包含又は削除が生じる場合、本明細書は、修正されたグループを含み、したがって、添付の特許請求の範囲で使用されるすべてのマーカッシュグループの明細書記載を満たすとみなされる。
本発明を実施するための本願発明者らに知られている最良の様式を含む、本発明の特定の実施形態を本明細書に記載する。当然ながら、前述の説明を読めば、これらの記載された実施形態の変形は当業者には明らかになるであろう。本願発明者は、当業者が適宜そのような変形を用いることを期待しており、本願発明者らは、本発明が本明細書に具体的に記載されている以外の方法で実施されることを意図している。したがって、本発明は、適用法によって許容されるように、本明細書に添付の特許請求の範囲に列挙された主題のすべての修正及び等価物を含む。さらに、本明細書に特に指示がない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、そのすべての可能な変形における上述の要素の任意の組み合わせが本発明に包含される。
さらに、本明細書全体を通して、特許、印刷出版物、学術論文及び他の文書(本明細書の参照資料)が多数参照されている。参照資料の各々は、参照される教示のためにそれら全体が参照により本明細書に個別に組み込まれる。
最後に、本明細書に開示される本発明の実施形態は、本発明の原理を例示するものであることを理解されたい。使用することができる他の修正は、本発明の範囲内である。したがって、限定ではないが例として、本明細書の教示に従って本発明の代替構成を利用することができる。したがって、本発明は、正確に示され、説明されたものに限定されない。
本明細書に示される詳細は、例としてのものであり、本発明の好ましい実施形態の例示的な説明のためのものにすぎず、本発明の各種実施形態の原理及び概念的態様の最も有用で容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示される。これに関連して、本発明の基本的な理解のために必要なものよりも詳細に本発明の構造的詳細を示す試みはなされておらず、図面及び/又は実施例を用いた説明は、本発明のいくつかの形態が実際にどのように具現化され得るかを当業者に明らかにする。
本開示で使用される定義及び説明は、以下の実施例において明確及び明白に修正されない限り、又は意味の適用によりいかなる構成も無意味又は本質的に無意味となる場合を除いて、将来のあらゆる構成を制御することを意味及び意図している。用語の構成によってそれが無意味又は本質的に無意味となる場合、この定義は、Webster’s Dictionary,3rd Edition又はOxford Dictionary of Biochemistry and Molecular Biology(Ed.Anthony Smith,Oxford University Press,Oxford,2004)などの当業者に知られている辞書から解釈されるべきである。
Claims (10)
- (i)配列番号7に示される配列又は配列番号7に示される配列と少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するエンハンサーと、(ii)プロモーターと、(iii)コード配列とを含む、標的中枢神経系細胞集団における遺伝子発現を選択的に駆動する人工発現コンストラクト。
- コード配列が、蛍光タンパク質をコードする、請求項1に記載の人工発現コンストラクト。
- 人工発現コンストラクトが、血液脳関門を通過するカプシド内にカプシド化される、請求項1に記載の人工発現コンストラクト。
- カプシドが、PHP.eB、AAV9、AAVrh.10、AAV-BR1、AAV-PHP.S、AAV-PHP.B又はAAV-PPSを含む、請求項3に記載の人工発現コンストラクト。
- 人工発現コンストラクトが、スキッピングエレメントを含むか又はコードする、請求項1に記載の人工発現コンストラクト。
- スキッピングエレメントが、T2Aペプチド、P2Aペプチド、E2Aペプチド、F2Aペプチド又は内部リボソーム侵入部位(IRES)を含む、請求項5に記載の人工発現コンストラクト。
- 人工発現コンストラクトが、ウイルスベクター内にある、請求項1に記載の人工発現コンストラクト。
- インビボ又はインビトロで神経細胞集団内の遺伝子を選択的に発現させるための方法における使用のための投与可能な組成物であって、当該方法は、人工発現コンストラクトを含む当該投与可能な組成物を、当該神経細胞集団を含む試料又は対象に十分な投与量及び十分な時間で提供することによって、当該神経細胞集団内の当該遺伝子を選択的に発現させることを含み、当該人工発現コンストラクトは:
配列番号7に示される配列又は配列番号7に示される配列と少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するエンハンサー、
プロモーター、及び
コード配列を含む投与可能な組成物。 - 神経細胞集団が、GABA作動性ニューロンを含む、請求項8に記載の投与可能な組成物。
- 神経細胞集団が、Pvalbニューロンを含む、請求項8に記載の投与可能な組成物。
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