JP7877902B2 - アンヒドロ糖アルコールの製造方法 - Google Patents

アンヒドロ糖アルコールの製造方法

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Description

本発明は、アンヒドロ糖アルコールの製造方法に関し、特に効率的にアンヒドロ糖アル
コールを製造する方法に関する。
本発明において、「アンヒドロ糖アルコール」とは「モノアンヒドロ糖アルコール」と
「ジアンヒドロ糖アルコール」の総称である。
従来、マンニトール、イディトール、ソルビトール、キシリトール及びエリスリトール
等の糖アルコールを脱水環化することにより、アンヒドロ糖アルコールが得られることが
知られている。得られるアンヒドロ糖アルコールは、化学品合成の原料や中間体として使
用することができる。特に、ソルビトールから2分子の水を脱水、環化して得られるイソ
ソルビドや、エリスリトール(エリトリトール)から1分子の水を脱水、環化して得られ
るエリスリタンは工業的に有用であり、医薬品・農薬品の原料、合成中間体、電池・コン
デンサー用電解液、インキ・接着剤用の溶剤、界面活性剤、プラスチック及びポリマー等
の製造原料として用いることができる。例えば、イソソルビドは、ポリウレタン、ポリカ
ーボネート、ポリカーボネートジオール及びポリエステル等の製造に用いられる原料モノ
マーとして有用である。また、イソソルビドの原料であるソルビトールやエリスリタンの
原料であるエリスリトールは、様々な天然資源から誘導することができる。このため、イ
ソソルビドやエリスリタンは、ポリマー製造における再生可能な原料と考えることができ
る。
糖アルコールの脱水によりアンヒドロ糖アルコールを得る反応は、一般には液相で実行
される。また、一般的には酸触媒が必要であり、分離や再使用が容易である固体酸触媒を
脱水反応に用いる例が報告されている。また、触媒を分離した後の液や溶液からアンヒド
ロ糖アルコールを濃縮し、精製する方法も開示されている。例えば、特許文献1には、触
媒を中和分離した液を、活性炭やイオン交換樹脂に通じることにより目的のアンヒドロ糖
アルコールを濃縮し、精製する方法が開示されている。
アンヒドロ糖アルコールは、分子構造として水酸基を多く有するため、水への溶解度が
高く、水との分離、水溶液からの濃縮が難しくなる場合が多い。アンヒドロ糖アルコール
の沸点が水よりも高い場合には、水溶液を加熱して水を留去することによって濃縮するこ
とは可能だが、多大なエネルギーが必要となる。また、多くの副生成物や原料由来の不純
物が水とともにアンヒドロ糖アルコールに混入してくるため、留去によって水を分離する
場合には、それらの不純物がアンヒドロ糖アルコールに残ってしまう。水溶液からアンヒ
ドロ糖アルコールを固体として析出させる方法もできなくはないが、溶解度が高ければ、
高濃度になるまで濃縮する必要があり、上記のとおりエネルギーを要することは避けられ
ない。
特表2003-535866号公報 特開2017-141171号公報
一方で、有機溶媒を用いて糖アルコールの脱水反応を行う方法が知られている(特許文
献2)。この方法は、触媒や原料である糖アルコールが有機溶媒に溶けないこと、すなわ
ち有機溶媒との相分離することを利用して、有機溶媒に溶解する形でアンヒドロ糖アルコ
ールを触媒や原料と分離することを可能とした。しかし、アンヒドロ糖アルコールを該有
機溶媒から分離して得るという観点からみると、溶解度が不足するあるいは逆に相溶混和
することが多く、効率的とはいえなかった。アンヒドロ糖アルコールを適度に溶解する性
質を有し、かつアンヒドロ糖アルコールとの分離が容易な有機溶媒は知られていなかった
。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、アンヒドロ糖アルコ
ール製造の効率を高めるための技術、及び連続的な製造(反応、精製)の遂行形態、ひい
ては効率的なアンヒドロ糖アルコールの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、触媒の存在下で糖アルコールを分子内脱水させてアンヒドロ糖アルコー
ルを製造する方法のうち、有機溶媒を用いる反応方法について鋭意検討を重ねた結果、有
機溶媒として特定のエーテルを用いた場合に、アンヒドロ糖アルコールを溶解して、酸触
媒や水、原料糖アルコールとの分離が容易になるだけではなく、得られたアンヒドロ糖ア
ルコール溶液の温度を調節すること等によって均一溶液から相分離状態へと移行させるこ
とができることを見出した。この本質を利用することによって、アンヒドロ糖アルコール
と有機溶媒とを効率的に分離せしめ、アンヒドロ糖アルコールを濃縮、精製することが可
能になり、高効率で高品質のアンヒドロ糖アルコールを製造することができる。
即ち、本発明は以下の[1]~[8]を要旨とする。
[1]モノアンヒドロ糖アルコール及び/又はジアンヒドロ糖アルコール(以下、これら
を「アンヒドロ糖アルコール」という。)の製造方法であって、
アンヒドロ糖アルコールを均一に溶解した有機溶媒からアンヒドロ糖アルコールを固体
として析出する、又は、アンヒドロ糖アルコールを均一に溶解した有機溶媒をアンヒドロ
糖アルコール液体相と有機溶媒相との2相に分離することにより、該有機溶媒と該アンヒ
ドロ糖アルコールとを分離して該アンヒドロ糖アルコールを得る工程(以下、「相分離工
程」という)を有し、
該有機溶媒として、炭素数が5以上8以下のエーテルを用いることを特徴とする、アン
ヒドロ糖アルコールの製造方法。
[2]前記相分離工程が、温度差を利用するものである、[1]に記載のアンヒドロ糖ア
ルコールの製造方法。
[3]前記相分離工程の前工程として、前記脱水反応により糖アルコールからアンヒドロ
糖アルコールを得る工程(以下、「脱水反応工程」という)、及び/又は、該脱水反応で
用いる触媒、及び/又は、糖アルコールを含む混合物からアンヒドロ糖アルコールを抽出
する工程(以下、「抽出工程」という)をさらに有する、[1]又は[2]に記載のアン
ヒドロ糖アルコールの製造方法。
[4]前記相分離工程において分離した有機溶媒を、前記脱水反応工程における反応溶媒
、又は、前記抽出工程における抽出溶媒として利用する工程を含む、[1]~[3]のい
ずれかに記載のアンヒドロ糖アルコールの製造方法。
[5]前記脱水反応工程、及び/又は、前記抽出工程において、前記相分離工程と同一の
有機溶媒を用いる、[4]に記載のアンヒドロ糖アルコールの製造方法。
[6]前記相分離工程において分離したアンヒドロ糖アルコールの固体、及び/又は、ア
ンヒドロ糖アルコール液体相を精製する工程(以下、「精製工程」という)をさらに有す
る、[1]~[5]のいずれかに記載のアンヒドロ糖アルコールの製造方法。
[7]前記炭素数が5以上8以下のエーテルが、不飽和結合を有さないものである、[1
]~[6]のいずれかに記載のアンヒドロ糖アルコールの製造方法。
[8]前記炭素数が5以上8以下のエーテルが、5員環、6員環、又は、7員環の環状エ
ーテルである、[1]~[7]のいずれかに記載のアンヒドロ糖アルコールの製造方法。
[9]前記環状エーテルが、テトラヒドロピラン、又は、メチルテトラヒドロピランであ
る、[1]~[8]のいずれかに記載のアンヒドロ糖アルコールの製造方法。
本発明によれば、アンヒドロ糖アルコールを効率的に製造するための技術を提供できる
。即ち、本発明で用いる有機溶媒は、アンヒドロ糖アルコールに関して適度な溶解性を有
しているため、均一相状態と相分離状態との間の変化を利用することにより、有機溶媒を
加熱留去することなくアンヒドロ糖アルコールの濃縮や分離精製が可能となり、消費エネ
ルギーを削減し、高効率で高品質のアンヒドロ糖アルコールを製造することができる。
以下、本発明につき詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実
施態様の一例(代表例)であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではなく、その
要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明は、モノアンヒドロ糖アルコール及び/又はジアンヒドロ糖アルコール(以下、
これらを「アンヒドロ糖アルコール」という。)の製造方法であって、アンヒドロ糖アル
コールを均一に溶解した有機溶媒からアンヒドロ糖アルコールを固体として析出する、又
は、アンヒドロ糖アルコールを均一に溶解した有機溶媒をアンヒドロ糖アルコール液体相
と有機溶媒相との2相に分離することにより、該有機溶媒と該アンヒドロ糖アルコールと
を分離して該アンヒドロ糖アルコールを得る工程(以下、「相分離工程」という)を有し
、該有機溶媒として、炭素数が5以上8以下のエーテルを用いることを特徴とするもので
ある。
以下、本実施形態に係るアンヒドロ糖アルコールの製造方法(以下、適宜「本実施形態
に係る製造方法」と称す場合がある。)の対象となるアンヒドロ糖アルコール、有機溶媒
、およびそのアンヒドロ糖アルコールを得る反応に用いる触媒、反応条件等について説明
する。
(アンヒドロ糖アルコール)
本実施形態に係る製造方法の対象となるアンヒドロ糖アルコールは、ヘキシトール、ペ
ンチトール及びテトリトール等の糖アルコールから1分子又は2分子の水を脱水した化合
物であり、モノアンヒドロ糖アルコール、ジアンヒドロ糖アルコールである。特に限定さ
れないが、具体例を挙げればソルビトール(グルシトール)から1分子の水をとったソル
ビタン、2分子の水をとったイソソルビド、マンニトールから1分子の水をとったマンニ
タン、2分子の水をとったイソマンニドである。また、エリスリトールから1分子脱水し
たエリスリタン、キシリトールから1分子脱水したキシリタンが対象になる。また、稀な
ケースとしては糖を脱水して得られるアンヒドロ糖アルコールであるレボグルコサンも対
象となる。
これらの化合物は、各種の化学品や医薬品の原料として有用であるが、近年はポリウレ
タン、ポリカーボネート及びポリエステル等のポリマー製造の原料モノマーとしても用い
られるようになり需要が高まっている。これらの化合物は再生可能なバイオマスから誘導
されるので、サステナブルな化学品原料といえる。
(相分離工程)
<有機溶媒>
本実施形態に係る製造方法においては、糖アルコールの脱水反応で生成するアンヒドロ
糖アルコールを有機溶媒に均一に溶解した後、アンヒドロ糖アルコールを固体として析出
する、又は、アンヒドロ糖アルコールを均一に溶解した有機溶媒をアンヒドロ糖アルコー
ル液体相と有機溶媒相との2相に分離することにより、該有機溶媒と該アンヒドロ糖アル
コールとを分離して該アンヒドロ糖アルコールを得る(相分離工程)ことによって、アン
ヒドロ糖アルコールの濃縮や精製を可能にする。従来、アンヒドロ糖アルコールを適度に
溶解する性質を持ち、かつ、実用的な温度で相溶混和しない相分離状態に移行できる有機
溶媒は知られていなかった。本実施形態に係る製造方法においては、このような有機溶媒
として炭素数が5以上8以下であるエーテルを用いる。炭素数が少ないとアンヒドロ糖ア
ルコールと相溶混和してしまい相分離状態が得られない。炭素数が多すぎるとアンヒドロ
糖アルコールの溶解度が低くなり、また、有機溶媒の沸点や融点が高くなって効率が悪く
なる。
炭素数が5以上8以下であるエーテルは特に限定されず、鎖状でも環状でもよいが、不
飽和結合を有さないものが、アンヒドロ糖アルコールと当該エーテルとの反応や脱水反応
の触媒が残存している場合に起こり得る当該エーテルどうしの反応の進行を避けられる等
の理由で好ましい。さらに、環状エーテル(エーテルの官能基である酸素原子が環の一部
となっているもの)であることが好ましい。その理由は、その構造が熱力学平衡的にも安
定である(ジオールとエーテル+H2Oの反応の平衡がエーテル+H2O側に偏る)こと
から、脱水反応の触媒が残存している場合に起こり得るエーテルの分解や開環反応が起こ
らないためである。構造的に安定な環状エーテルとしては、5員環、6員環又は7員環の
環状エーテルが好ましく、5員環又は6員環の環状エーテルがより好ましく、中でも1つ
以上のアルキル基等の置換基を環上に有することによって、炭素数が5以上8以下となっ
ているものが特に好ましい。有機溶媒の構造をC、H、Oで表せば、少なくとも一つのO
(酸素)を含み、好ましくはH/Cが1.5以上、3以下、より好ましくは1.6以上、
2.5以下、さらに好ましくは1.7以上2.3以下であり、特に好ましくは1.8以上
、2.1以下である。用いる有機溶媒は、炭素、水素、酸素以外の元素を含んでいてもか
まわないが、炭素、水素、酸素のみから成ることが好ましい。
また、アンヒドロ糖アルコールの有機溶媒への溶解度は特に限定されないが、通常、有
機溶媒としては温度に対する溶解度変化が大きいものが好ましい。アンヒドロ糖アルコー
ルとしてイソソルビドを例にすれば、25℃における溶解度として1.0g/100mL
以上100g/100mL以下、好ましくは1.5g/100mL以上80g/100m
L以下、より好ましくは2.0g/100mL以上60g/100mL以下、さらに好ま
しくは2.5g/100mL以上50g/100mL以下、特に好ましくは3.0g/1
00mL以上40g/100mL以下である。また、75℃における溶解度としては通常
、25g/100mL以上、好ましくは30g/100mL以上、より好ましくは50g
/100ml以上、さらに好ましくは80g/100ml以上、特に好ましくは相溶にな
る有機溶媒である。これらの溶媒は1種、又は2種以上を併用してもかまわないし、水と
混和相溶しない別の有機溶媒を併用してもかまわない。また、有機溶媒相は、通常有機溶
媒のみから形成されるが、本発明の効果を阻害しない程度で有機溶媒以外の成分を含有す
ることは排除されない。
上記の有機溶媒に対する原料や生成物の溶解度は、水と有機溶媒二相系における分配係
数として規定することも可能である。本発明で用いる有機溶媒に関しては、10mL水/
10mL有機溶媒における分配係数(以下、単に「分配係数」と称す。)でいえば、原料
の糖アルコールとしてソルビトール1.0gを例にすれば、25℃における分配係数とし
て通常6/1以上、好ましくは7/1以上、より好ましくは8/1以上、さらに好ましく
は9/1以上、特に好ましくは10/1以上であり、生成物のアンヒドロ糖アルコールと
してイソソルビド1.0gを例にすれば、25℃における分配係数として、通常10/1
以下、好ましくは9/1以下、より好ましくは8/1以下、さらに好ましくは7/1以下
、特に好ましくは6/1以下である。このような、有機溶媒を選ぶことによって、脱水反
応において生成したアンヒドロ糖アルコールをスムーズに有機溶媒に抽出して触媒との接
触を避け、望ましくない副反応を回避することが可能となると同時に、原料と触媒との接
触効率を上げ、十分な反応速度を得ることが可能になり、結果として飛躍的な収率と生産
性の向上を図ることができる。
用いる有機溶媒の沸点に特に制限はないが、好ましくは70℃以上180℃以下、より
好ましくは80℃以上160℃以下、さらに好ましくは90℃以上150℃以下、特に好
ましくは100℃以上140℃以下である。
用いる有機溶媒の水に対する溶解度(25℃)に特に制限はないが、好ましくは0.0
1g/L以上、5g/L以下、より好ましくは0.02g/L以上、4g/L以下、さら
に好ましくは0.03g/L以上、3g/L以下、特に好ましくは0.04g/L以上、
2g/L以下である。用いる有機溶媒の水に対する溶解度が小さければ、有機溶媒が溶解
した水を廃棄するにあたり、水に溶解した有機溶媒を回収する操作が軽減される。
炭素数が5以上8以下であるエーテルとしては、エチル-n-プロピルエーテル、ジ-
n-プロピルエーテル、メチル-n-ブチルエーテル、ジ-i-プロピルエーテル、ジエ
チレングリコールエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルなどが挙げられる。ま
た、環状エーテルとしては、テトラヒドロピラン、メチルテトラヒドロピラン、ジメチル
テトラヒドロピラン、エチルテトラヒドロピラン、メチルテトラヒドロフラン、エチルテ
トラヒドロフラン、ジメチルテトラヒドロフラン、ヘキサメチレンオキシド、メチルヘキ
サメチレンオキシドが挙げられる。より具体的には、ジメチルテトラヒドロピランとして
は、2,6-ジメチルテトラヒドロピラン、2,5-ジメチルテトラヒドロピラン、2,
4-ジメチルテトラヒドロピラン、2,3-ジメチルテトラヒドロピランが挙げられる。
エチルテトラヒドロピランとしては、2-エチルテトラヒドロピラン、3-エチルテト
ラヒドロピラン、4-エチルテトラヒドロピランが挙げられる。メチルテトラヒドロピラ
ンとしては、2-メチルテトラヒドロピラン、3-メチルテトラヒドロピラン、4-メチ
ルテトラヒドロピランが挙げられる。
メチルテトラヒドロフランとしては、2-メチルテトラヒドロフラン、3-メチルテト
ラヒドロフランが挙げられる。ジメチルテトラヒドロフランとしては、2,5―ジメチル
テトラヒドロフラン、2,3-ジメチルテトラヒドロフランが挙げられる。
また、環状エーテルとして、ジオキソラン構造、ジオキサン構造、又はジオキサビシク
ロ構造を有する化合物も有効であり、ジオキサビシクロ構造を有する化合物としてはジオ
キサビシクロオクタンやジオキサビシクロデカンが挙げられる。
炭素数が5以上8以下である環状エーテルの中でも、特に、アンヒドロ糖アルコールの
溶解性、水との二相系の安定性、水との相溶性、化学的安定性等の観点から、テトラヒド
ロピラン、メチルテトラヒドロピランが好ましい。また、メチルテトラヒドロピランの中
でも特に4-メチルテトラヒドロピランが好ましい。
これらの環状エーテルは1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの環状エーテル、例えばメチルテトラヒドロピランの由来は特に限定されず、ど
のようなものを用いてもよい。例えば、イソブテンから一酸化炭素を増炭剤として用いて
合成された化石資源由来の3-メチル-1,5-ペンタンジオールを脱水環化して製造し
たものでもよく、バイオマス由来のフルフラール類から誘導されたものでもよい。
なお、上記のエーテルには、それらを製造する際の反応で副生する不純物が含まれてい
る場合がある。また、エーテルとしては、市販品を用いることもできるが、市販のエーテ
ルには、重合禁止剤(例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT))等の添加剤が含
有されている場合がある。エーテルに含まれる不純物はアンヒドロ糖アルコールの純度を
下げる要因となり、また、重合禁止剤は酸触媒や目的のアンヒドロ糖アルコールを変質さ
せる恐れがあり好ましくない。従って、有機溶媒として用いるエーテルは使用前に蒸留等
により精製し、これらの不純物や添加剤を予め除去して、純度を98%以上、特に99%
以上に高めた上で用いることが好ましい。
(相分離状態工程)
本発明のアンヒドロ糖アルコールの製造方法は、アンヒドロ糖アルコールを均一に溶解
した有機溶媒からアンヒドロ糖アルコールを固体として析出する、又は、アンヒドロ糖ア
ルコールを均一に溶解した有機溶媒をアンヒドロ糖アルコール液体相と有機溶媒相との2
相に分離することにより、該有機溶媒と該アンヒドロ糖アルコールとを分離して該アンヒ
ドロ糖アルコールを得る工程を有することにあり、該有機溶媒として上述の炭素数が5以
上8以下のエーテルを用いることを特徴とするものである。
前記の相分離工程の実施の手段は特にこだわらないが、通常は温度差を利用することが
好ましい。例えば、均一溶液が得られる温度から、温度を下げることによって、アンヒド
ロ糖アルコール液体相と有機溶媒相との2相の相分離状態となれば一方を取り出すことが
可能である。あるいは、析出するアンヒドロ糖アルコールの結晶を得ることが可能である
。この温度差については、通常0℃以上、好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃
以上であり、通常100℃以下、好ましくは80℃以下、より好ましくは60℃以下であ
る。アンヒドロ糖アルコールの有機溶媒への溶解性について、温度が高いほど溶解度が高
い場合には、温度差を大きくとることによって効率的に分離することが可能であるが、温
度差を大きくすると消費するエネルギーは大きくなる。
均一溶液を得る温度は環状エーテルの沸点以下であることが好ましいが、場合によって
は加圧状態で均一溶液を得ることも可能である。また、後述する糖アルコールの脱水反応
工程や触媒や糖アルコール原料との混合物からアンヒドロ糖アルコールを抽出する工程に
おいて、同時にアンヒドロ糖アルコールの均一溶液を製造することも好適に用いられる。
また、相分離工程は連続的に行うことも可能である。例えば、ある温度に保たれてアン
ヒドロ糖アルコールが均一に溶解した液を、異なる温度に保たれた容器に連続的に導入す
ると、その容器の下部には徐々に重いアンヒドロ糖アルコール液が溜まって、上層に軽い
有機溶媒液が2相に分離された状態で溜まってくる。下部に別の排出口を設けて連続的に
下層液(濃縮されたアンヒドロ糖アルコール液)を抜き出して得ることが可能であり、上
部からはアンヒドロ糖アルコール濃度が薄まった有機溶媒を回収することができる。
温度差を生じさせるとアンヒドロ糖アルコールの固体が析出する場合には、異なる温度
に保たれたドラム式のフィルターなどを利用して、均一溶液を吹き付けることによって、
フィルター上に析出した固体を連続的に回収するとともに、フィルターを通り抜けたアン
ヒドロ糖アルコール濃度が薄まった有機溶媒を回収することができる。
(脱水反応工程および抽出工程)
本実施の形態の製造方法では、前記相分離工程の前工程として、前記脱水反応により糖
アルコールからアンヒドロ糖アルコールを得る工程(以下、「脱水反応工程」という)、
及び/又は、該脱水反応で用いる触媒、及び/又は、糖アルコールを含む混合物からアン
ヒドロ糖アルコールを抽出する工程(以下、「抽出工程」という)を設けることができる
。
前者の脱水反応工程では、通常、酸触媒が用いられる。使用される酸触媒は、糖アルコ
ールを脱水可能であれば特段限定されないが、通常無機のプロトン酸であり、有機溶媒に
溶解しないで二相(層)を形成し、かつ強い酸性質を有するものが好ましい。その種類は
特に問わないが、好ましくは塩酸、硫酸、スルホン酸、リン酸、フルオロ硫酸、イソポリ
酸、ヘテロポリ酸、酸性イオン交換樹脂、及び多価カチオンイオン交換モンモリロナイト
粘土触媒から選択される1種以上を含み、より好ましくは、硫酸、スルホン酸、酸性イオ
ン交換樹脂、イソポリ酸、及びヘテロポリ酸から選択される1種以上を含み、特に好まし
くは硫酸、スルホン酸、イソポリ酸、ヘテロポリ酸を含む。
ヘテロポリ酸の型としては、ドーソン型、ケギン型が好ましく、特に好ましくはケギン
型である。ケギン型構造のヘテロポリ酸のうちではケイタングステン酸、リンタングステ
ン酸、リンモリブデン酸が好ましく、これらは一部を欠損型や置換型にしてもかまわない
。
イソポリ酸の例としては、ニオブ酸やタンタル酸が好ましい。これらのイソポリ酸は固
体酸触媒として作用するので、反応後の触媒分離や劣化した触媒の空気焼成処理等による
再生が可能となる特徴を有する。
スルホン酸の例としては、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメ
タンスルホン酸が好ましい。
また、これらの酸触媒は一部を塩として用いることもできる。一部を塩として用いるこ
とで、触媒の酸性質を調節できることに加え、生成物であるアンヒドロ糖アルコールの有
機溶媒への溶解、分配、移行が促進され、有機溶媒中のアンヒドロ糖アルコールの濃度を
高めることができる。一部を塩とする例としては、塩酸/NaClや塩酸/CrCl3、
硫酸/Na2SO4、硫酸・K2SO4、トリフルオロメタンスルホン酸(アルカリ塩)
、ヘテロポリ酸(アルカリ塩)などが有効である。
脱水反応を進行させるためには、原料である糖アルコールやその中間体が、脱水触媒の
活性点にアクセスできなければならない。よって、より有効な触媒形態としては、原料と
なる糖アルコールに溶解し、分子的に作用可能な非固体酸触媒が好ましい。これらの酸触
媒は脱水反応使用前に、前処理として予め不活性ガス気流下で加熱脱水するなどの処理を
施すことが好ましい。
また、有効な酸触媒としてプロトン密度(常圧、室温での固体又は液体の単位体積あた
りのプロトンモル数)が高いほうが好ましい。酸触媒が触媒相として有機溶媒と二相を形
成する場合、触媒相がコンパクトなほうが、原料の糖アルコールとの接触と生成物の有機
溶媒への移行が効率的に進行し、結果として反応が効率的に行える。好ましいプロトン密
度(常圧、室温)は、通常1mmol/cm3以上、好ましくは5mmol/cm3以上
、より好ましくは10mol/cm3以上、特に好ましくは20mmol/cm3以上で
ある。
脱水反応工程で用いる酸触媒は、脱水反応工程、及び/又は抽出工程で有機溶媒を用い
る場合、有機溶媒に溶解する割合は低いので、ほとんどが非抽出相に残存する。非抽出相
を回収して、酸触媒として再利用することができる。
一方で、酸触媒の一部が有機溶媒に混入する可能性がある場合は、脱水反応工程の終了
段階、又は抽出工程において中和処理をほどこすのが好ましい。中和剤としては、アルカ
リ化合物、アルカリ土類化合物、アンモニア、アンモニウム塩、アミン類の他、チタン化
合物等も好適に用いられる。中和処理は相分離工程の直前に行っても構わない。
脱水反応工程に供する原料となる糖アルコールについては、それぞれ目的のアンヒドロ
糖アルコールに即した糖アルコールが用いられる。また、モノアンヒドロ糖アルコールが
脱水反応の主な糖アルコール原料となる場合も含む。
脱水反応工程に供する原料として用いられる糖アルコールは特に限定されないが、ヘキ
シトール、ペンチトール及びテトリトールが好適な例として挙げられる。より好ましい糖
アルコールとしては、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、イディトール、キ
シリトール、アラビニトール、リビトール、エリトリトール、及びトレイトールが挙げら
れる。さらに好ましい糖アルコールとしては、ソルビトール、キシリトール、及びエリト
リトールが挙げられ、特に好ましくはソルビトールである。
また、脱水反応工程に供する原料として用いられるモノアンヒドロ糖アルコールの例と
しては、ソルビタンが挙げられ、好ましくは1,4-ソルビタンである。ソルビタンを原
料とする場合、生成物であるアンヒドロ糖アルコールは、ジアンヒドロ糖アルコールであ
るイソソルビドである。脱水反応工程に用いる原料は、糖アルコール、モノアンヒドロ糖
アルコール、及びこれらの混合物のいずれであってもよい。
脱水反応工程に供する原料となる糖アルコールやモノアンヒドロ糖アルコールとして、
セルロースやグルコース等の天然資源から化学合成法や糖化発酵法等で誘導されたものを
用いることができる。この場合も、化学合成法等で誘導された糖アルコールやモノアンヒ
ドロ糖アルコールを、単離精製せずに混合物の状態のまま原料として使用してもよく、ま
た単離精製したものを使用してもよい。
脱水反応工程に供する原料の純度(例えば、糖アルコール及び/又はモノアンヒドロ糖
アルコールの含有量、両方含む場合には合計含有量)は、特に限定されないが、好ましく
は水を除いた純度が90%以上(90質量%以上)、より好ましくは95%以上(95質
量%以上)、さらに好ましくは98%以上(98質量%以上)である。出発物質の純度を
高めることで、不純物に起因する副生物が、脱水反応で無視できないほど増大することを
抑制することができる。これにより、副生物の分離工程や生成物の精製工程における効率
を向上させることができる。
また、相分離工程に先立つ脱水反応工程や抽出工程において有機溶媒を用いる場合、そ
の有機溶媒としては特に制限はなく、具体的には酢酸メチル等のエステル、γブチロラク
トン等のラクトン、エーテルが好ましく、好ましくはエーテルを用いることができ、特に
脂肪族エーテルであることが好ましい。脂肪族エーテルとしては鎖状エーテル(1,2-
ジメトキシエタン等のジアルコキシ(脂肪族鎖式アルキルオキシ及び脂環式アルキルオキ
シを含む)アルカン;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ETBE(エチルターシャ
リーブチルエーテル)、シクロペンチルメチルエーテル等のジアルキル(脂肪族鎖式アル
キル及び脂環式アルキルを含む)エーテル(好ましくは、炭素数が1~5のアルキル(脂
肪族鎖式アルキル及び脂環式アルキルを含む)基を2つ有する対称又は非対称のジアルキ
ルエーテル)等、環状エーテル(エーテルの官能基である酸素原子が環の一部となってい
るもの)(テトラヒドロフラン(THF)、2-メチルテトラヒドロフラン、3-メチル
テトラヒドロフラン、2,5-ジメチルテトラヒドロフラン等の置換(好ましくはアルキ
ル基置換)又は無置換のテトラヒドロフラン;テトラヒドロピラン(THP)等の置換(
好ましくはアルキル基置換)又は無置換のテトラヒドロピラン等)等が例示される。
本実施の形態の製造方法において、アンヒドロ糖アルコールと有機溶媒の相分離工程の
前に設ける脱水反応工程や抽出工程で使用される有機溶媒は、触媒や原料である糖アルコ
ールとも二相系を形成し得る有機溶媒であることが好ましい。すなわち触媒を溶解せず、
目的生成物であるアンヒドロ糖アルコールを溶解し、かつ原料である糖アルコールを溶解
しないものが好ましい。また、酸性条件下での安定性を有し、分解等の反応を引き起こさ
ないものが好ましい。更に、水と二相に層分離する性質を有し、水との相溶性が低いもの
が特に好ましい。また、有機溶媒は水と共沸する性質を有するものがより好ましい。
相分離工程に先立つ脱水反応工程や抽出工程において、有機溶媒と水の共沸を利用して
水分を系外に除去することも可能である。その場合、共沸脱水した後、アンヒドロ糖アル
コール/有機溶媒の均一溶液から相分離工程を経てアンヒドロ糖アルコールを得ることで
アンヒドロ糖アルコールが含有する水分濃度を低くすることができる。アンヒドロ糖アル
コールが含む水分は通常、0.01質量%以上好ましくは0.02質量%以上、より好ま
しくは0.03質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上であり、通常2質量%
以下、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0
.2質量%以下である。
有機溶媒を用いた脱水反応工程後の抽出工程においても、有機溶媒を用いずに行った脱
水反応工程後の抽出工程においても、用いる有機溶媒としては特に制限はなく、前述の脱
水反応工程で用いる有機溶媒として例示したものが挙げられる。脱水反応工程で用いる有
機溶媒、および抽出工程で用いる有機溶媒と相分離工程で用いる有機溶媒は同一である必
要はなく、異なるものであってもよい。しかしながら、溶媒の準備や管理、取り扱い等の
面で、前記相分離工程と同一の有機溶媒を用いることがより好ましい。同一の有機溶媒を
用いることによって、相分離工程で分離された有機溶媒を脱水反応工程や抽出工程に用い
ることで効率的なアンヒドロ糖アルコールの製造が可能となる。
(相分離工程で有機溶媒と分離されたアンヒドロ糖アルコールを精製する工程及び用途)
本実施形態に係る製造方法では、目的化合物であるアンヒドロ糖アルコール(モノアン
ヒドロ糖アルコール及び/又はジアンヒドロ糖アルコール)は、相分離工程を経た後に、
通常10質量%以下の有機溶媒を含む高濃度液又は固体として得られる。その際の高濃度
液中又は固体中でのアンヒドロ糖アルコールの割合は、通常70質量%以上、好ましくは
80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、特
に好ましくは97質量%以上である。本実施形態では、比較的高純度のアンヒドロ糖アル
コールが得られるため、このまま所望の用途に使用することもできるが、必要に応じてさ
らにアンヒドロ糖アルコールを精製してもかまわない。精製方法は特に限定されないが、
再度水に溶解させた後、活性炭処理やイオン交換樹脂処理、晶析や蒸留等が好適に用いら
れる。これらのうち、複数の精製方法を組み合わせて行ってもよい。
また、減圧下でアンヒドロ糖アルコールを蒸留により精製することも好ましい。イソソ
ルビドを例に減圧下での蒸留操作を例示すれば、相分離工程を得た後のイソソルビド高濃
度液から残存する有機溶媒をエバポレータ等で除去した後、クライゼンヘッドを備えた蒸
留装置を用いて2~4torrの減圧下149~156℃で蒸留することが可能で、得ら
れたイソソルビドはガスクロマトグラフィの面積比として通常純度98%以上で、色調は
白色である。なお、1,4-ソルビタンの量は通常2質量%以下である。
得られたアンヒドロ糖アルコールは、それ自体が各種の化学品、医薬品及び界面活性剤
の原料又は添加物として用いることができる。また、ポリカーボネート等の各種のポリマ
ーの原料としても用いることができる。
また、本実施形態に係る製造方法では、高純度のアンヒドロ糖アルコールが得られ、析
出や蒸留等により得られたアンヒドロ糖アルコールの固形分は白色固体となり、色差計で
測定した際のYI値が好ましくは3.0以下であり、より好ましくは2.0以下であり、
特に好ましくは1.0以下である。さらに、アンヒドロ糖アルコールの固形分は、同様に
色差計で測定した際のAPHA値が好ましくは50以下であり、より好ましくは30以下
であり、特に好ましくは20以下である。
(相分離工程で分離された有機溶媒の再使用)
本実施形態に係る製造方法では、アンヒドロ糖アルコールを均一に溶解した有機溶媒は
相分離工程で分離された後に、通常10質量%以下のアンヒドロ糖アルコールを含む液と
なる。その際の液中での当該有機溶媒の割合は、通常70質量%以上、好ましくは80質
量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。本
実施形態では、相分離工程において、アンヒドロ糖アルコール以外の化合物を含まない高
純度の有機溶媒が得られるため、当該有機溶媒をそのまま脱水反応工程の反応器や抽出工
程の抽出器に戻して使用することもできるが、必要に応じてさらに当該有機溶媒を精製し
てもかまわない。精製方法は特に限定されないが、当該有機溶媒が水と混和しない性質を
有する場合は、水を加えて水相側に不純物等を排出する方法や、活性炭処理やイオン交換
樹脂処理、晶析や蒸留等が好適に用いられる。これらのうち、複数の精製方法を組み合わ
せて行ってもよい。
また、相分離工程を経た後に蒸留により精製することも好ましい。有機溶媒としてテト
ラヒドロピラン(THP)、アンヒドロ糖アルコールとしてイソソルビドを例に減圧下で
の蒸留操作を例示すれば、相分離工程を得た後の約10質量%のイソソルビドを含む有機
溶媒を用いて蒸留操作を行うことによって、高純度の有機溶媒とすることができる。クラ
イゼンヘッドを備えた蒸留装置を用いて100torrの減圧下45℃で蒸留することが
可能で、得られたテトラヒドロピランはガスクロマトグラフィの面積比として通常純度9
8%以上である。
以上説明した本実施形態に係る製造方法では、特定の有機溶媒に溶解させたアンヒドロ
糖アルコールを相分離状態へと移行させることによって、きわめて簡便に高濃度、高純度
のアンヒドロ糖アルコールを得ることができる。大量の有機溶媒を留去する必要がないこ
とは、エネルギー消費を少なくすることにつながり、精製の負荷を低減することが可能で
ある。精製後のアンヒドロ糖アルコールの純度も高く、各種化学品やポリマーの原料とし
て優れる。さらに、分離した有機溶媒を再使用することも可能で、連続的な原料の供給や
生成物の分離により長時間に及ぶ連続的な反応を実施することができる。
したがって、本実施形態に係る製造方法は、アンヒドロ糖アルコールの製造規模の増大
にも対応可能であり、目的とするアンヒドロ糖アルコールを効率よく製造することができ
る。よって、本実施形態に係る製造方法は、工業的に有利な方法である。
以下に、ソルビトールの脱水反応によりイソソルビドを得るケース、ソルビトールの脱
水反応により1,4-ソルビタンを得るケースを実施例に挙げて、本発明をより具体的に
説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
有機溶媒として4-メチルテトラヒドロピラン(4m-THP、炭素数:6、沸点:1
05℃)を用い、脱水触媒としてケイタングステン酸26水和物(プロトン密度:約2.
5mmol/cm3)を用いて、ソルビトール(糖アルコール)の脱水反応を以下のよう
に行った。なお、4-メチルテトラヒドロピランは、4-メチルテトラヒドロピラン(東
京化成工業株式会社製 試薬)を予め蒸留精製して重合禁止剤であるBHTを除去したも
のを使用した。
還流冷却管、ディーンスターク型水分定量受器、テフロン(登録商標)被覆熱電対を付
属したジャケット式の300mL四つ口フラスコに、D-ソルビトール(キシダ化学株式
会社製 試薬特級)120mmol、ケイタングステン酸26水和物(キシダ化学株式会
社製 試薬特級)12mmol、150mLの4-メチルテトラヒドロピランを装填した
。
当該反応器を循環恒温槽から循環するシリコンオイルを用いて加熱し、テフロン(登録
商標)の撹拌翼をスリーワンモーターで回転させる方法で内容物を撹拌しながら、常圧、
窒素雰囲気下で脱水反応を行った。反応器内の温度が上昇し、有機溶媒が蒸発して還流し
始めた時を反応開始時刻とした。脱水反応中に有機溶媒とともに蒸発した水(原料の脱水
反応で生成)は水分定量受器に捕集した。上記操作において、反応開始時の反応器内の温
度(反応温度)は102℃であったが、脱水反応が進むにつれて反応器内の温度(反応温
度)は徐々に上昇した。なお、開始時点では4-メチルテトラヒドロピランと、触媒とソ
ルビトールとの混合層の2相に分離していること、反応中や反応停止時点においては、反
応器内は有機溶媒相と触媒相の2相系が成り立っていることを確認した。
反応開始から1時間が経過した時点で反応を停止し、ただちに反応器を冷却し、70-
80℃の段階で有機溶媒相を採取した。エバポレータを用いて得られた有機溶媒相の均一
溶液を維持しながら濃縮し(75℃)、その後、静置してゆっくり放冷した。温度40-
50℃付近にまで冷えたときに、容器の下層に相分離した液が生成することを確認した。
下層液をピペットで採取し、THF(テトラヒドロフラン)で薄めて溶液とした後、内部
標準物質としてフェニルエーテル(東京化成株式会社製試薬99%)を加え、ピリジン存
在下、N-トリメチルシリルイミダゾール(東京化成株式会社製 試薬)を加えて70℃
で20分間以上加熱することにより分析試料を調製した。キャピラリーカラム DB-1
(アジレントテクノロジー 0.25μm、0.250mmΦ×60m)を装着したガス
クロマトグラフで分析したところ、下層液の主成分はイソソルビド(ジアンヒドロ糖アル
コール)であり、その含有量は95%以上であった。
さらに、上記の均一溶液を濃縮して相分離した後の上層液を採取し、釜温度42℃、1
00torrの条件で留去させた。留出液を同じガスクロマトグラフで分析したところ、
4m-THPであり、純度は98%以上、カールフィッシャー法によって含有水分を測定
したところ、1000ppm以下であった。
(実施例2)
有機溶媒としてテトラヒドロピラン(THP、炭素数:5、沸点:87℃、東京化成株
式会社製 試薬)を用い、脱水触媒としてケイタングステン酸26水和物(プロトン密度
:約2.5mmol/cm3)を用いて、実施例1と同様にソルビトール(糖アルコール
)の脱水反応を行った。脱水反応中に有機溶媒とともに蒸発した水(原料の脱水反応で生
成)は水分定量受器に捕集した。上記操作において、反応開始時の反応器内の温度(反応
温度)は84℃であったが、脱水反応が進むにつれて反応器内の温度(反応温度)は徐々
に上昇した。なお、開始時点ではテトラヒドロピランと、触媒とソルビトールとの混合層
の2相に分離していること、反応中や反応停止時点においても、反応器内は有機溶媒相と
触媒相の2相系が成り立っていることを確認した。
反応開始から6時間が経過した時点で反応を停止し、ただちに反応器を冷却して50-
60℃の段階で有機溶媒相を採取した。得られた有機溶媒相を素早くガラス製容器に移し
て栓をして、再度50-60℃に温めた後に室温で放置した。温度20-30℃付近にま
で冷えたときに、容器の壁面や下部に結晶性の固体が析出した。固体を採取して真空乾燥
機を用いて乾燥し、実施例1と同様の方法で分析したところ、固体の主成分は1,4-ソ
ルビタン(モノアンヒドロ糖アルコール)であり、その含有量は95%以上であった。
さらに、上記の固体が析出した後の上済み液を採取し、釜温度40℃、100torr
の条件で留去させた。流出液を同じガスクロマトグラフで分析したところ、THPであり
、純度は98%以上であった。
実施例1、2から、本発明の方法により、炭素数が5以上のエーテルを有機溶媒として
用いてアンヒドロ糖アルコールの均一溶液から相分離状態へ移行させることによって、ア
ンヒドロ糖アルコールの濃縮や分離、精製が容易となり、効率よくアンヒドロ糖アルコー
ルを製造できることがわかる。
また、相分離工程の前に脱水反応工程、および抽出工程を設けるとともに、それらの工
程に相分離工程とで用いるのと同じ有機溶媒を使用可能であることがわかる。
一方で、実施例1と2の比較から、炭素数が5~8のエーテルの種類や糖アルコール脱
水反応条件を調節することにより、種類のことなるアンヒドロ糖アルコール(モノアンヒ
ドロ糖アルコール、ジアンヒドロ糖アルコール)を得ることが可能であることがわかる。
さらには、相分離工程を経た後の上層液から、相分離工程に用いる有機溶媒を回収する
ことが可能であることがわかる。
(実施例3)
試薬のイソソルビド(東京化成株式会社製 試薬:固体)と4m-THP(炭素数:6
、沸点:105℃)とをモル比2:8の比で密閉容器に挿入し、75℃に温めて全体が均
一な透明溶液とした。その後、加熱機器のヒーターをOFFにし、静置してそのまま放冷
した。温度が50℃付近になったとき、容器の下部に相分離した液が生成することを確認
した。実施例1と同様の方法で分析したところ、下層液の主成分はイソソルビドであり、
その含有量は95%以上であった。
(実施例4)
試薬のイソソルビド(東京化成株式会社製 試薬:固体)と4m-THP(炭素数:6
、沸点:105℃)とをモル比3:7の比で密閉容器に挿入し、75℃に温めて全体が均
一な透明溶液とした。その後加熱機器のヒーターをOFFにし、静置してそのまま放冷し
た。温度が40℃付近になったとき、容器の下部に結晶性の固体が析出することを確認し
た。実施例1と同様の方法で分析したところ、固体の主成分はイソソルビドであり、その
含有量は95%以上であった。
(比較例1)
試薬のイソソルビド(東京化成株式会社製 試薬:固体)とTHF(炭素数:4、和光
純薬株式会社 試薬、安定剤無し)とをモル比2:8の比で密閉容器に挿入し、65℃に
温めて、全体が均一な透明溶液とした。その後加熱機器のヒーターをOFFし、そのまま
放冷した。温度が室温付近になっても、均一溶液のままであり、約10℃の冷蔵庫で冷や
しても均一溶液のままであった。
(比較例2)
試薬のイソソルビド(東京化成株式会社製 試薬:固体)とトルエン(炭素数:7、和
光純薬株式会社 試薬)とをモル比2:8の比で密閉容器に挿入し、75℃に温めたが、
全体が均一な透明溶液にはならずに2相のままであった。上層のトルエン相を採取し、実
施例1と同様の方法で分析したところ、トルエンへのイソソルビドの溶解度は2質量%以
下であった。
実施例3、4と比較例1、2との比較から、本発明の方法により、炭素数が5以上のエ
ーテルを有機溶媒として用いてアンヒドロ糖アルコールの均一溶液から相分離状態へ移行
させることによって、アンヒドロ糖アルコールの濃縮や分離、精製が容易となり、効率よ
くアンヒドロ糖アルコールを製造できることがわかる。また、実施例3と4から、糖アル
コールの脱水反応後の糖アルコールとアンヒドロ糖アルコールの混合物等から、炭素数が
5以上のエーテルを有機溶媒として用いてアンヒドロ糖アルコールを抽出して得た均一溶
液を冷却することによって、濃縮分離されたアンヒドロ糖アルコールが得られることがわ
かる。
(実施例6)
試薬のイソソルビド(東京化成株式会社製 試薬:固体)と4m-THP(炭素数:6
、沸点:105℃)とをモル比4:6の比で密閉容器に挿入し、撹拌しながら95℃に温
めて全体が均一な透明溶液とした。温度を75℃まで下げて静置したところ、2層(上層
Aと下層Aとする。いずれも均一溶液)に分離した。そのときの上層Aと下層Aの容積比
は3対1であった。温度を維持したまま、上層Aを採取した。その後採取した上層A液の
温度を45℃まで下げたところ、再度2層(上層Bと下層Bとする。いずれも均一溶液)
に分離した。下層Bを採取し、実施例1と同様の方法で分析したところ、下層Bの主成分
はイソソルビドであり、その含有量は95%以上であった。
(実施例7)
試薬のイソソルビド(東京化成株式会社製 試薬:固体)と4m-THP(炭素数:6
、沸点:105℃)とをモル比2:1の比で密閉容器に挿入し、撹拌しながら75℃に温
めてエマルジョン液(均一溶液ではない)とした。温度を維持したまま静置したところ、
2層(上層Aと下層Aとする。いずれも均一溶液)に分離した。そのときの上層Aと下層
Aの容積比は1対2であった。温度を維持したまま、上層Aを採取した。その後採取した
上層A液の温度を45℃まで下げたところ、再度2層(上層Bと下層Bとする。いずれも
均一溶液)に分離した。下層Bの一部を温度を維持したままま採取し、実施例1と同様の
方法で分析したところ、下層Bの主成分はイソソルビドであり、その含有量は95%以上
であった。
(実施例8)
試薬のイソソルビド(東京化成株式会社製 試薬:固体)とソルビトール(キシダ化学
株式会社製 試薬:固体)、4m-THP(炭素数:6、沸点:105℃)とをモル比4
0:0.6 :60の比で密閉容器に挿入し、撹拌しながら95℃に温めて全体が均一な透
明溶液とした。温度を75℃まで下げて静置したところ、2層(上層Aと下層Aとする。
いずれも均一溶液)に分離した。そのときの上層Aと下層Aの容積比は7対3であった。
温度を維持したまま上層A(均一溶液)を採取した。その後採取した上層A液の温度を4
5℃まで下げたところ、再度2層(上層Bと下層Bとする。いずれも均一溶液)に分離し
た。下層Bの一部を温度を維持したままま採取し、実施例1と同様の方法で分析したとこ
ろ、下層Bの主成分はイソソルビドであり、イソソルビドとソルビトールとのモル比は3
0対0.03であり、仕込みの比率よりもイソソルビド濃度が向上していた。
(実施例9)
試薬のイソソルビド(東京化成株式会社製 試薬:固体)とソルビトール(キシダ化学
株式会社製 :固体)、4m-THP(炭素数:6、沸点:105℃)とをモル比40:
2.4 :60の比で密閉容器に挿入し、撹拌しながら95℃に温めてエマルジョン液(均
一溶液ではない)とした。温度を維持したまま静置したところ、2層(上層Aと下層Aと
する。いずれも均一溶液)に分離した。そのときの上層Aと下層Aの容積比は7対3であ
った。温度を維持したまま上層A(均一溶液)を採取した。その後採取した上層A液の温
度を75℃まで下げたところ、再度2層(上層Bと下層Bとする。いずれも均一溶液)に
分離した。下層Bの一部を温度を維持したままま採取し、実施例1と同様の方法で分析し
たところ、下層Bの主成分はイソソルビドであり、イソソルビドとソルビトールとのモル
比は20対0.08であり、仕込みの比率よりもイソソルビド濃度が向上していた。
実施例6、7、8及び9から、相分離工程の前に抽出工程を設けるとともに、それらの
工程に相分離工程とで用いるのと同じ有機溶媒を使用可能であることがわかる。また、抽
出工程に続く相分離工程において、炭素数が5以上のエーテルを有機溶媒として用いてア
ンヒドロ糖アルコールの均一溶液から相分離状態へ移行させることによって、アンヒドロ
糖アルコールの濃縮や分離、精製が容易となり、効率よくアンヒドロ糖アルコールを製造
できることがわかる。
また、実施例6、7、8及び9から、糖アルコールの脱水反応後の糖アルコールとアン
ヒドロ糖アルコールの混合物等から、炭素数が5以上のエーテルを有機溶媒として用いて
アンヒドロ糖アルコールを抽出して得た均一溶液を冷却することによって、濃縮分離され
たアンヒドロ糖アルコールが得られることがわかる。
(実施例10)
試薬のイソソルビド(東京化成株式会社製 試薬:固体)、水、4m-THP(炭素数
:6、沸点:105℃)をモル比50:12:37の比で密閉容器に挿入し、撹拌しなが
ら99℃に温めて全体が均一な透明溶液とした。温度を90℃まで下げて静置したところ
、2層(上層Aと下層Aとする。それぞれが均一溶液)に分離した。そのときの上層Aと
下層Aの容積比は25対40であった。温度を維持したまま上層A(均一溶液)を採取し
た。その後採取した上層A液の温度を45℃まで下げたところ、再度2層(上層Bと下層
Bとする。いずれも均一溶液)に分離した。下層Bの一部を温度を維持したままま採取し
、実施例1と同様の方法で分析したところ、下層Bの主成分はイソソルビドであり、カー
ルフィッシャー法で測定したイソソルビドと水とのモル比は50対4であり、仕込みの比
率よりも水分濃度が低下していた。
(実施例11)
試薬のイソソルビド(東京化成株式会社製 試薬:固体)、水、4m-THP(炭素数
:6、沸点:105℃)をモル比35:14:51の比で密閉容器に挿入し、撹拌しなが
ら102℃に温めてエマルジョン液(均一溶液ではない)のまま沸騰させ、実施例1と同
様のディーンスターク型水分定量受器を用いて水分を除去しながら有機溶媒を還流させた
。15分還流させた後、温度を92℃まで下げて静置したところ、2層(上層Aと下層A
とする。いずれも均一溶液)に分離した。そのときの上層Aと下層Aの容積比は2対1で
あった。まず、温度を維持したまま下層Aの一部を採取し、実施例1と同様の方法で分析
したところ、下層Aの主成分はイソソルビドであった。イソソルビドと水とのモル比は5
対1であり、仕込みの比率よりも水分濃度が低下していた。
次に温度を維持しながら上層A(均一溶液)を採取した。その後採取した上層A液の温
度を45℃まで下げたところ、再度2層(上層Bと下層Bとする、いずれも均一溶液)に
分離した。下層Bの一部を温度を維持したままま採取し、実施例1と同様の方法で分析し
たところ、下層Bの主成分はイソソルビドであった。イソソルビドと水とのモル比は20
対1であり、仕込みの比率よりも水分濃度が低下していた。
実施例10及び11から、相分離工程の前に抽出工程を設けるとともに、それらの工程
に相分離工程とで用いるのと同じ有機溶媒を使用可能であることがわかる。また、抽出工
程に続く相分離工程において、炭素数が5以上のエーテルを有機溶媒として用いてアンヒ
ドロ糖アルコールの均一溶液から相分離状態へ移行させることによって、アンヒドロ糖ア
ルコールの濃縮や分離、精製が容易となり、効率よくアンヒドロ糖アルコールを製造でき
ることがわかる。
また、実施例11から、糖アルコールの脱水反応後のアンヒドロ糖アルコールと水との
混合物等から、炭素数が5以上のエーテルを有機溶媒として用いて相分離工程の前に共沸
脱水を行うことによって、その後の相分離工程においてアンヒドロ糖アルコールを抽出し
て得た均一溶液を冷却すると、水分含有量が小さいアンヒドロ糖アルコールが得られるこ
とがわかる。
(実施例12)
試薬のエリスリタン(1,4-アンヒドロエリスリトール、東京化成株式会社製 試薬
:液体)と4m-THP(炭素数:6、沸点:105℃)とをモル比5:5の比で密閉容
器に挿入し、50℃に温めて均一溶液とした。その後室温で静置した後、さらに-5℃の
冷凍庫内で冷却したところ、0℃付近の温度になったとき容器の下部に相分離した液が生
成することを確認した。実施例1と同様の方法で分析したところ、下層液の主成分はエリ
スリタンであり、その含有量は95%以上であった。
(比較例3)
試薬のエリスリタン(東京化成工業株式会社製 試薬:液体)とTHF(炭素数:4、
和光純薬株式会社 試薬、安定剤無し)をモル比5:5の比で密閉容器に挿入し、50℃
に温めて、均一溶液とした。その後室温で静置した後、さらに-5℃の冷凍庫内で冷却し
たところ、温度が-5℃になっても均一溶液のままであった。
実施例12と比較例3の比較から、本発明の方法により、炭素数が5以上のエーテルを
有機溶媒として用いてアンヒドロ糖アルコールの均一溶液から相分離状態へ移行させるこ
とによって、アンヒドロ糖アルコールの濃縮や分離、精製が容易となり、効率よくアンヒ
ドロ糖アルコールを製造できることがわかる。また、実施例10から、糖アルコールの脱
水反応後の糖アルコールとアンヒドロ糖アルコールの混合物等から、炭素数が5以上のエ
ーテルを有機溶媒として用いてアンヒドロ糖アルコールを抽出して得た均一溶液を冷却す
ることによって、濃縮分離されたアンヒドロ糖アルコールが得られることがわかる。

Claims (8)

  1. モノアンヒドロ糖アルコール及び/又はジアンヒドロ糖アルコール(以下、これらを「アンヒドロ糖アルコール」という。)の製造方法であって、
    アンヒドロ糖アルコールを均一に溶解した有機溶媒からアンヒドロ糖アルコールを固体として析出する、又は、アンヒドロ糖アルコールを均一に溶解した有機溶媒をアンヒドロ糖アルコール液体相と有機溶媒相との2相に分離することにより、該有機溶媒と該アンヒドロ糖アルコールとを分離して該アンヒドロ糖アルコールを得る工程(以下、「相分離工程」という)を有し、
    該有機溶媒として、炭素数が5以上8以下のエーテルを用い、
    前記アンヒドロ糖アルコールは、ヘキシトール、ペンチトール若しくはテトリトールから選択される糖アルコールから1分子若しくは2分子の水を脱水した化合物、又は、糖を脱水して得られるレボグルコサンであり、
    前記炭素数が5以上8以下のエーテルは、不飽和結合を有さない環状エーテルであることを特徴とする、アンヒドロ糖アルコールの製造方法。
  2. 前記相分離工程が、温度差を利用するものである、請求項1に記載のアンヒドロ糖アルコールの製造方法。
  3. 前記相分離工程の前工程として、
    脱水反応により糖アルコールからアンヒドロ糖アルコールを得る工程(以下、「脱水反応工程」という)、及び/又は、該脱水反応で用いる触媒、及び/又は、糖アルコールを含む混合物からアンヒドロ糖アルコールを抽出する工程(以下、「抽出工程」という)をさらに有する、請求項1又は2に記載のアンヒドロ糖アルコールの製造方法。
  4. 前記相分離工程において分離した有機溶媒を、前記脱水反応工程における反応溶媒、又は、前記抽出工程における抽出溶媒として利用する工程を含む、
    請求項1又は2に記載のアンヒドロ糖アルコールの製造方法。
  5. 前記脱水反応工程、及び/又は、前記抽出工程において、前記相分離工程と同一の有機溶媒を用いる、請求項4に記載のアンヒドロ糖アルコールの製造方法。
  6. 前記相分離工程において分離したアンヒドロ糖アルコールの固体、及び/又は、アンヒドロ糖アルコール液体相を精製する工程(以下、「精製工程」という)をさらに有する、
    請求項1又は2に記載のアンヒドロ糖アルコールの製造方法。
  7. 前記炭素数が5以上8以下のエーテルが、5員環、6員環、又は7員環の環状エーテルである、請求項1又は2に記載のアンヒドロ糖アルコールの製造方法。
  8. 前記環状エーテルが、テトラヒドロピラン、又は、メチルテトラヒドロピランである、請求項1又は2に記載のアンヒドロ糖アルコールの製造方法。
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